はじめにお断りしておくと、本稿は論点をいくつか挙げることによって、賢い人が何か教えてくれるのではないかという期待に基づくものであり、この文章を読んだ行動によるいかなる行為に対しても責任を負いません。また、私見であって筆者の属する組織の見解とは無関係です。 さて、新星・藤井聡太四段の登場によって、将棋界が盛り上がっています。 人が集まってくれば、それだけトラブルも起こりやすくなるというものです。 先日、藤井四段も登場した朝日杯に関連して、以下のようなTwがありました。 @syougito 朝日新聞将棋取材班です。朝日杯の棋譜中継は権利の侵害に当たります。即時、中止してください。 — 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) 2017年6月17日 1.著作権をめぐって 棋譜の権利、とりわけ著作権、については、これまでも様々な場面で議論が提起されてきました*1。 棋譜を著作権の観点から論