今国会の重要法案の一つである国家公務員法と検察庁法の改正案が、衆議院で大詰めの審議を迎えている。一般の検察官の定年延長は、国家公務員の定年延長と同じで、何ら問題はない。検察官も国家公務員と同様、健康寿命の伸長に伴い長く勤めていただくことは、国家にとって大変有用なことである。 しかし検察官の役職定年の延長特例については、そこに法務大臣や内閣の判断が関わるのであれば、内閣にとって都合の良い役職検察官の定年延長は認め、それ以外は認めないという現象が生じる可能性が排除できない。 現に法案提出前の1月に、政府は黒川・東京高検検事長の定年を約半年延長する閣議決定をした。稲田・現検事総長の退任後に黒川氏を就任させる布石ではないかと騒がれた。30数年前の国会答弁で「国家公務員幹部の延長規定を検察官には適用しない」としていたことを覆した決定だが、「解釈を変更した」という説明に留まる。この度の法改正によって黒