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大そうじへの備え
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レッドブル首脳陣がこの結論に至った経緯はある程度説明できる。チーム代表のクリスチャン・ホーナーと、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコがこの1年半、チームのドライバーラインアップに関して必ずしも正しい決断を下してきたとは言えないかもしれないが、少なくともセルジオ・ペレスに代わってローソンを起用せざる得なくなった経緯にはある程度の論理性を見出すことができる。 ローソンをリザーブドライバーとしてベンチに置いたまま、ダニエル・リカルドを呼び戻し、姉妹チームであるRBで再昇格を見越したオーディションを受けさせたのは間違いだった。そう言うのは、今となっては簡単なことだ。 しかし全てが思惑通りに進んでいたら、どんな物語になっていただろうか。ホーナー代表がリカルドのファンであることは周知の事実であり、少々情に流されたのかもしれない。 ただ、あり得たかもしれないこの物語を愛さない人はいないだろ
本当にセルジオ・ペレスがレッドブルを追い出されたら、あるいはペレス自ら身を引くことを決断すれば(後者になる可能性は低いと思われるが)、F1アブダビGP決勝翌日の月曜日にチーム代表のクリスチャン・ホーナー、モータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士、そして同チームの株主の間で行われる会議で後任として指名されるのは、現RBのリアム・ローソンである可能性が高いと思われる。 確かにローソンは堅実なドライバーである。パドックでは、レッドブルの幹部たちは、ローソンがプレッシャーがかかった時に力を発揮する能力を高く評価しているという噂が流れている。実際、昨年も今年も、ローソンはシーズン途中からのF1参戦だったが、しっかりとパフォーマンスを発揮してみせた。ローソンはどんな状況に置かれても、考えすぎたり無理をしたりはしない人物だという印象であり、マックス・フェルスタッペンのチームメイトを選ぶ
Bernie Ecclestone’s Collection of Historic Grand Prix and Formula 1 Cars 写真:: Andrew Ferraro / Motorsport Images 2017年はじめにF1のCEOを退いたエクレストンは、今や94歳。その人生で、数々の歴史的なF1マシンを、個人的なコレクションとして集めてきた。しかし最近になって、そのマシンの売却を進めていることが分かった。 この作業には、イギリスを拠点とする高性能車の販売専門業者であるトム・ハートリー・ジュニアが関わっており、販売される車両の数は69台にも及ぶという。なお取引はオークション形式ではないため、取引価格は公表されない見通しだ。 かつてオートバイの中古車販売業を生業としていたエクレストンはそこで財を蓄積し、自身もドライバーとしてレースに参戦。F1にも挑んだが、決勝には出走
日本のモータースポーツ界のアイコンが、またひとり第一線から退くことになった。日本における外国人ドライバーの常識を覆すほどの活躍を見せたイタリア生まれのロニー・クインタレッリは、12月に開催されるスーパーGT鈴鹿戦で同カテゴリーでのラストレースを迎える。 クインタレッリは約20年に渡って日本の最高峰カテゴリーで戦ってきたが、特に日産と長く関係を築き、歴代の名ドライバーのひとりに数えられるまでになった。コース上で見せる速さはもちろんのこと、ファンや日産首脳陣からも愛される存在であり、彼自身が自分のことを日本人と勘違いしてもおかしくないほどだ。これはひとりのベテランが単に引退を発表したということにとどまらず、ひとつの時代の終わりを意味する。 クインタレッリが初めて日本を訪れたのは、鈴鹿でのカートレースにスポット参戦した1996年。この時はまさか日本が将来の住処になるとは思いもしなかっただろうが、
当初F1への参入を目指していたのはアンドレッティ・グローバルであり、そのパートナーとしてGM/キャデラックが加わった形だった。FIAはアンドレッティのF1参入を認めたものの、F1の商業権を司るFOM(フォーミュラワン・マネジメント)がこれを拒否。それが今年の1月のことだった。 当時、主に2025年のエントリーについて言及したプレスリリースで、FOMは次のように述べていた。 「我々の評価プロセスでは、11番目のチームの存在はそれ自体ではチャンピオンシップに価値をもたらさないことが確認された」 「新規参入がF1に価値をもたらす最も重要な方法は、競争力を持つことだ。我々は、申請者が競争力のある参加者になるとは考えていない」 この判断は物議を醸した。北米の名門チームであるアンドレッティはFOM側に再考を迫るためにアメリカ議会や司法省を巻き込み、2026年の参入に向けて諦めずにシルバーストンのファク
愛知県・岐阜県を舞台に開催されている世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパン。競技3日目、11月23日(土)のSS12では競技区間に一般車が侵入したことでステージがキャンセルされたが、ラリージャパン2024実行委員会はプレスリリースを発表してこの事案の詳細を明らかにした。 リリースによると、事案が発生したのは23日の午前10時34分頃。岐阜県恵那市山岡町田沢付近で、一般車がスタッフの制止を振り切って検問を突破。競技コース内へ入っていったのだという。声明に記されている概要は以下の通りだ。 1. 明智方面から一般車両1台が検問にて一時停止 2. 制服警備員を含む現場スタッフ5名が検問所において通行証を確認 3. 通行証が無いため、既にラリー競技を開始し交通規制を実施している旨を運転手に伝える 4. しかし、運転手が車を急発進させ検問所を突破し、そのまま競技コース内へ進入 5. 競技スター
F1界の自転車好きと言えば、バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)が有名だ。パートナーは自転車競技の選手であり、自身も自転車レースを立ち上げたり、日本GPの決勝日には午前中に鈴鹿近辺を走り回る姿が目撃されるなど、F1と自転車のどちらが本業なのか、わからなくなりそうだ。 ただボッタス以外のドライバーも、多くが自転車を楽しんでいる。趣味としてもそうだが、トレーニングとしても非常に有効だと言われていて、F1ドライバーのみならず、日本のレース界でも自転車に乗るドライバーは多い。 フェラーリのカルロス・サインツJr.もそんなひとり。しかも彼は今年、とんでもない人と一緒にサイクリングをしたようだ。 その”とんでもない人”とは、タデイ・ポガチャルである。ツール・ド・フランスではこれまで総合優勝3回。今年はそのツール・ド・フランスと、ジロ・デ・イタリアという世界三大ツールのうちのふたつを制覇し、さらにはU
F1参戦に必要なスーパーライセンスは近年ポイント制が採用されており、世界各国のレースシリーズにおいて、その結果に応じて付与される“FIAスーパーライセンスポイント”を3年間で40ポイント獲得するなど、諸条件を満たすことで発給されることとなっている。 日本最高峰のフォーミュラカテゴリーであるスーパーフォーミュラに関してはこれまで、チャンピオンのドライバーに25点が与えられ、ランキング2位から順に20-15-10-7-5-3-2-1とポイントが与えられていた。ただこれはランキング上位3人に40点が付与されるFIA F2などと比べるとかなり少なく、F3とF4の中間に位置されるフォーミュラ・リージョナルの欧州選手権と同等のポイント配分。スーパーフォーミュラへの配点は不当に低いのではないかという声もあった。 しかしながら、FIA国際競技規約の最新版によると、スーパーフォーミュラの配点は2025年から
モビリティリゾートもてぎで開催されたMotoGP第16戦日本GPで勝利したMoto2のマヌエル・ゴンザレス。しかし彼の所属するグレシーニは現在、スポンサーからゴンザレスの即時解雇を求められてしまっている。 レース開始時に雨が降ってきたことで、ライダーのタイヤ選択が割れた日本GPのMoto2クラス。ゴンザレスは数少ないスリックタイヤを選んだひとりであり、母国戦の小椋藍を追い抜いてキャリア初優勝を果たした。 しかしその興奮冷めやらぬうちに、ゴンザレスは危機的状況に追い込まれてしまった。スポンサーのQjMotorが、ゴンザレスのとった行動を理由に即時解雇を求めているためだ。 QJMotorが問題視しているのは、レース前に他のライダーも行なっていたように日の丸のハチマキを巻いて、その写真をSNSへ投稿したことだ。 QJMotorは中国企業であり、日中戦争の経緯から日本国旗に対しては複雑かつ敏感な立
エイドリアン・ニューウェイが、来季からアストンマーティンF1に加入することが発表された。ニューウェイはレーシングカーデザイナーとして複数のチームで後に名車と呼ばれるマシンを手がけ、ドライバーズタイトル、コンストラクターズタイトルをそれぞれ10回以上獲得しているという、まさに“優勝請負人”。その影響力は未だに大きく、新天地での手腕にも大いに注目が集まる。 ニューウェイがキャリア初期に手掛けたマーチ881は、チャンピオンはおろか優勝も記録しておらず、自身がデザインした錚々たる名車のラインアップからすれば、実績面で見劣りする。しかしこのマシンは空力面のトレンドを先取りした意欲作であり、彼にとっても思い出深い一台。彼は2010年、motorsport.comの姉妹誌である『Autosport』のインタビューの中でその製作秘話を語っていた。 1987年の夏、ニューウェイはF1復帰を果たしたマーチのテ
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“ヒゲの殿下”の愛称で親しまれた三笠宮家・寬仁親王の次女である瑶子女王。自動車、モータースポーツにはかねてよりご関心があり、スーパーフォーミュラのプロモーターである日本レースプロモーション(JRP)とプライベートでコミュニケーションを取る機会があったことから、今回の瑶子女王杯開催に繋がった。 瑶子女王は、レースウィークの金曜日からサーキットを訪れて参戦ドライバー全員との顔合わせをされると、土曜日には記者会見に出席。その中では、サーキット周辺の環境整備や、スーパーフォーミュラのテレビ放送の実現、また海外のドライバーに出たいと言ってもらえるレースづくりなど、シリーズや業界を盛り上げるための具体的な提言をされた。 決勝日にも、ピットを歩いてチームを訪問されたり、仕事体験の子供たちと交流されたりと、精力的にご公務に取り組まれていた瑶子女王。また、ドライバー等関係者とも非常にフランクかつカジュアルな
先月、興味深いニュースが飛び込んできた。モータースポーツに関わる多くの企業が加盟する特定非営利(NPO)法人の日本自動車レース工業会(JMIA)が、「『TOP FORMULA』に位置づけられる『NEXT-FORMULA』に挑戦するため、そのコンセプトカーの開発に着手する」と発表したのだ。 「技術とレース産業を育成することにより日本の自動車レースの発展振興を図る」ことを目的として2008年に発足したJMIAは、加盟企業の手によってこれまでに多くの国産レーシングカーを生み出してきた。スーパーGTのGT300クラスで採用されるマザーシャシーやFIA F4の第1世代車両などもそれにあたる。また今季から採用されたFIA F4第2世代車両『MCS 4-24』も、シャシーは東レ・カーボンマジック製となっているが、実状としては同社を主体にしつつ様々なJMIA加盟企業が供給するパーツによって構成されている。
FIAのF1テクニカル・ワーキング・グループとの協議のもと、F1、10チーム、OEM、パワーユニット・メーカーが協力して策定された新レギュレーションは、今後6月28日に開催される世界モータースポーツ評議会で批准されることになっている。 新しいレギュレーションは、パワーユニット(PU)やシャシーだけでなく、空力や安全性、持続可能性などの点でF1を未来へ導く革新的なものとなっている。 ≫≫【写真】2026年規則のF1マシンを様々な角度からチェック!≪≪ F1のステファノ・ドメニカリCEOは、新レギュレーション発表にあたり、次のように語った。 「このレギュレーションは、このスポーツの将来にとって重要な意味を持つものであり、より身近でエキサイティングなレースをファンに提供することを目的とした新世代のマシンとPUに期待するものだ」 「持続可能な燃料を使用する新しいハイブリッドPUは、世界の自動車産業
2024年のペレスは、最初の4レースで3回2位に入るなど、好調な走りを見せた。しかし最近では低迷しており、ドライバー契約の延長について不安視する見方が強かった。しかしレッドブルは、チーム内の安定性を重視し、ペレスとの契約を延長。マックス・フェルスタッペンも2028年までの契約を結んでいるため、現在のドライバーラインアップが少なくとも2年間継続されることになった。 「今は2025年のラインアップを確定させる重要な時期であり、チェコ(ペレスの愛称)との協力関係を継続できることを、非常に嬉しく思う」 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナー代表はそう語った。 「継続性と安定性は、チームにとって重要だ。チェコとマックスと共に成功し、強固なパートナーシップを築いている。昨年のチャンピオンシップでは、チームとしては初めてドライバーズランキングで1-2フィニッシュを果たしたんだ」 「チェコは2
2024年のF1モナコGPは、まさに頭を使う頭脳戦の様相を呈していた。各車とも、全力で走るのではなく、徹底的にタイヤをマネジメントし、タイヤを最後までもたせようとした。そしてそれだけではなく、敵に塩を贈らないように、徹底的にペースをコントロールし、後方との差を築きすぎないようにする……実に色々なことを考えながらのレースだった。 その一例を、8位に入った角田裕毅(RB)のレースペースを見て振り返ってみよう。 今回のモナコGPは、1周目に大クラッシュが起きたことでいきなり赤旗中断。ここで各車はタイヤを交換し、レース中に2種類のタイヤを使わなければいけないという義務を消化した。つまり、レース再開から残りの77周を、1セットのタイヤで走りきらねばならなかったのだ。そのため各車は徹底的にペースを落とし、タイヤを痛めないことに終始した。おかげでレースペースは、昨年よりも1周あたり4〜5秒も遅く、それは
オープニングラップに発生した多重クラッシュにより赤旗中にタイヤ交換義務を消化することができたため、特に上位陣はハードタイヤ1セットで77周を走り切る戦いとなった今回のレース。ルクレールは2位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)からのプレッシャーに耐え、最後は逆に7秒のギャップを築いてトップチェッカーを受けた。 ルクレールは『Sky Sports』のインタビューに応え、最後の”2周か3周”に自分自身を奮い立たせ、マシンをフィニッシュへと導いたと説明した。 「素晴らしい気分だよ。これまでも、(モナコでの勝利は)他とは同じような1勝になるとは思っていなかったし、感情的にはこみ上げてくるものがあるだろうと言ってきた。でもこれほどとは思っていなかったよ」 「フィニッシュまで2、3周のところでトンネルから出た時、目に涙が溜まっていて前が見づらくなっていることに気づいたんだ。『シャルル、今そんなことを
事故の原因については今も様々な意見が存在するが、その中のひとつに、セーフティカーがあまりにも遅すぎたため、その間にF1マシンのタイヤの内圧が下がり、それがセナの事故に繋がったという論調もあった。 この時セーフティカードライバーを務めていたマックス・アンジェレリは当時のことを振り返り、パフォーマンスが著しく劣るセーフティカーから100%のパフォーマンスを引き出したと自信を持っているものの、事故が起きたことについては、長きにわたって自責の念に捉われ続けたという。 セーフティカーがF1に正式に採用されたのは、1993年のことだった。今でもF1ドライバーたちは、「セーフティカーが遅すぎる」と苦言を呈することが多いが、当時のセーフティカーは今以上にF1マシンとのパフォーマンス差が大きく、セーフティカードライバーのアンジェレリにとっては、まさに悪夢のような状況だったようだ。 このアンジェレリの助手席に
アブダビ自律走行レーシングリーグ(A2RL)は、長い開発期間を経て、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで初のレースを4月27日に開催する。 A2RLは全く新しいタイプのモータースポーツを誕生させるだけでなく、自律走行技術の開発に新しい波を起こすことを期待している。 A2RLは、エンジニア、科学者、そして元F1ドライバーのダニール・クビアトからなるチームを結集し、最先端のレーシングカーを自らの意思を持つマシンに変えようとしている。 ベースとなるマシンは、日本のスーパーフォーミュラで使われているSF23だ。ダラーラ製のシャシーに、最高出力550PSの2.0リッター直4ターボエンジンを搭載し、6速ギヤボックスが組み合わされる。 現在はEVA24と呼ばれているマシンのコックピットに、人間のドライバーは座らない。代わりにGPSやカメラ、センサー、コンピュータなど膨大な数のテクノロジーが、マシンの心
ただ今回のレースは、角田にとっても、チームにとっても、簡単なレースではなかった。しかし角田はしっかりとペースをコントロール。一方もチームは適切なタイミングでピットに呼び戻し、無難なタイヤ交換作業を行なった。それにより幸運も味方につけつつ、好結果を手にすることができたレースだった。 角田は1回目のスタートでミディアムタイヤを選択したが、これは大失敗。10番グリッドからのスタートだったが蹴り出しが悪く、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)に先行され、12番手にポジションを落とした。 中でもヒュルケンベルグ擁するハースは、今回のレースでも最高速が伸びており、前に出してしまうと厄介な相手だった。決勝では全4箇所の速度計測地点のうち3箇所でヒュルケンベルグが最速……これは予選でも同様であり、この時点では角田にとって厳しいレースになったと思われた。 しかしスタート直
初めての春開催となった2024年の日本GP。桜が咲く季節の下、ファンはこれまでとは違った鈴鹿F1の景色を楽しんでいる。 グランプリ期間中には、金曜日に5万人、土曜日に7万7000人が来場。そして日曜日の来場者数が決勝レース直前に発表され、10万2000人であるとアナウンスされた。 これで3日間合計の来場者数は、22万9000人ということになる。昨年は、2009年に鈴鹿でのF1日本GP開催が復活して以来最多となる22万2000人の来場者数を集めたが、今年はそれをも上回るファンが詰めかけた。鈴鹿サーキットを運営するホンダモビリティランドの担当者によると、今年から西エリアに設けられた『West Fan Zone』が非常に盛り上がっており、それもこの来場者数に貢献したようだ。
ホンダが開発しているeVTOL。いわゆる”空飛ぶクルマ”である。このeVTOLのパワーユニット開発を主導しているのは、かつてホンダのF1用PU開発にも携わった津吉智明LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー、開発責任者)である。 その津吉LPL曰く、このeVTOLの開発には、技術者という面だけでなく、実際の技術の面でもF1と強い繋がりがあるという。 世界中で多くのeVTOLが開発されているが、そのほとんどが搭載したバッテリーの電力でモーターを回す方式である。しかしホンダのeVTOLは、搭載されたガスタービンエンジンで発電した電力とバッテリーに蓄電された電力でモーターを回す方式、つまりハイブリッド・パワーユニットを採用しているのだ。こうすることで、モーターに電力を長く供給することができ、航続距離が伸びる。 このPUの随所に、F1の技術が活きているという。 F1由来の技術が入ったモーター 「発電
今季からスーパーフォーミュラへの参戦を開始した岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は、このプロジェクトと並行して、イギリス・ミルトンキーンズにあるレッドブルのファクトリーで、F1のシミュレータドライバーを務めている。 岩佐はこのシミュレータでレッドブルとRBのマシンの両方を試したと言い、それぞれ明確な違いがあると明かした。 昨年シーズン終了直後に、アブダビで行なわれたルーキードライバーテストで、初めてF1マシンをドライブすることになった岩佐。曰く、そのマシンには大いに感銘を受けたと、改めて語った。 「去年アブダビで初めてF1マシンに乗りました。その時はめちゃくちゃ良いクルマじゃんと思ったんです」 この時岩佐が走らせたのは、アルファタウリ(現RB)のAT04。角田裕毅とダニエル・リカルドがドライブしたマシンで、チームはコンストラクターズランキングは8位だった。シーズン終盤にはアップデートが大成功
2021年にサウジアラビアGPがF1のカレンダーに加わって以来、コーニッシュ海岸にある高速のジェッダ市街地サーキットが使用されてきた。 しかし、サウジ・ビジョン2030の構想の下、キディヤに建設された新サーキットに開催地を移す計画が以前から立てられていた。 サウジアラビアは今回、元F1ドライバーのアレックス・ブルツとサーキットデザイナーとして知られるヘルマン・ティルケが設計した反時計回りの新サーキットのデジタル画像を公開した。 F1開催に必要なFIAグレード1のサーキットは、その高低差が最大の特徴で、108メートルもの高低差がある。その中心となるのが、”ブレイド”と呼ばれるLED照明で照らされたターン1だ。 キディヤ・スピードパーク・トラックは、常設サーキットとストリート会場の長所を組み合わせることを意図しているため、複数のレイアウトがあり、高速セクションと低速セクションの両方が含まれる。
バーレーンGPで角田は、レース序盤は10番手を走っていたものの、ピットストップの度にポジションを落としてしまう格好となり、13番手に後退。最終盤にはチームメイトのダニエル・リカルドを先行させよというチームから指示に従い、14位でのフィニッシュとなった。 リカルドを先行させるようにというチームオーダーに、角田は不満を露わにしたが、バイエルCEOはこれについて理解できると語った。 「ユウキが不満を言うのは普通のことだ。我々が彼が感情豊かなドライバーであり、速いドライバーであることを知っている。それ(チームオーダー)を受け入れるのは、簡単なことではなかったはずだ」 チームオーダーが発令されたことについて、バイエルCEOはそう語った。 「彼らはおそらくゾーンに入っていた。そして、自分には前を行くマシン(ハースのケビン・マグヌッセン)を抜けると感じていたはずだからだ。しかし、データを見ればそうはなら
今シーズン、TGM Grand Prixからスーパーフォーミュラに参戦するJuju(野田樹潤)。18歳になったばかりの女性ドライバーが日本人女性としては初めて国内トップフォーミュラに挑戦するということで、大きな注目を集めている。2月15日の日本大学での記者会見も、多くの報道陣が集まり華々しく行なわれた。 その会見の中でJujuが、司会者から「スーパーフォーミュラのレギュレーションは女性には不利と聞いている」と水を向けられる一幕があった。それに対してJujuは確かにそう感じる部分があるとしつつ、「その環境の中で私ができることは、ベストを尽くして最大限のパフォーマンスを発揮し、『女性はモータースポーツで通用できない』というステレオタイプを払拭すること」だと語った。 そのレギュレーションについて追って詳しく補足したのが、Jujuの実父でありNODA RACINGの監督、TGM Grand Pri
F1を誘致することを正式に発表した大阪観光局の溝畑宏理事長に話を訊いた。彼らは、これまで長く日本でF1を開催してきた鈴鹿市と鈴鹿サーキットをリスペクトしつつ、日本での新しいF1の姿を描こうとしている。そして鈴鹿から開催権を奪い取るつもりは一切ないとも語った。 大阪でのF1誘致計画があるのが明らかになったのは、1月15日のことだった。この計画の存在が明らかになると、「鈴鹿でのF1開催が奪われてしまうのではないか」といった不安の声が、多くのF1ファンから上がった。 しかし大阪がどんなものを目指し、どんな計画が進んでいるのか、その真意がなかなか伝えられていないのも事実である。 そこでmotorsport.comは、大阪観光局の溝畑宏理事長に単独インタビューを実施。計画の詳細を尋ねた。 他のグランプリに負けないモノができる可能性 「実は観光庁の長官をやっている時から、F1に関心を持っていたんです」
このニュースは日本のF1ファンのみならず、F1がクラシックなサーキットから遠ざかっていることを懸念していたドライバーやファンにとっても歓迎すべきものだろう。 日本GPは、各レースが契約延長を発表してきた中でも、まだ来季以降の開催が保証されていない数少ないレースのひとつだった。 日本GPの契約延長により、今季限りで契約が切れるレースはシルバーストンでのイギリスGPのみとなったが、その契約延長も近いと見られている。 2035年までの契約を結んだオーストラリアGPや、2036年までの開催が発表されたバーレーンGPほど契約期間が長いわけではないが、期間が3シーズンだった以前の契約よりも長い5年の契約が結ばれたことは、イベントの安定性において大きな意味を持つだろう。 特に、2026年以降ホンダがアストンマーティンのパワーユニット・パートナーとしてワークス参戦する予定であることを考えればなおさらだ。
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