サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
kmhr.hatenablog.com
5/27(木)の夜、若手のみなさんが集まる読書会のメンバーを母体にしたオンラインイベントを企画しました。情報デザインの第一人者の須永剛司先生(元東京芸大教授)とオブジェクト指向UIデザインを理論化し、常に一貫した鋭い言説で知られるデザインコンサルタント上野学さん(ソシオメディア)が語り合う、という歴史的な対談です。 須永剛司先生の「デザインの知恵」、上野学さんの「Modeless&Modal」もみんなで読んでいたので下準備はバッチリ!・・・のはずが、お二人のリクエストで何か中心となるお題があったほうが話しやすい、とのことで僕がチョイスしたのが「現象学とデザイン」。難解そうなテーマながら、二人は我々にもわかるような易しい言葉で丁寧に話してくださり、交わされるやりとりに参加者一同心から酔いしれ、目からポロポロと鱗を落とした夜でした。あまりに深夜に興奮しすぎたせいで、みんなよく入眠できなかったよ
最近、デザインと人類学の両側から構成されているような「デザイン人類学」の議論が海外の研究界隈で活発に起こっている。近年起こった人類学の存在論的転回の潮流の影響だと僕は解釈しているが、なかでも重要なポイントとなるのが、この「存在論」という言葉だ。ごく簡単に言えば、具体的な「モノのあり方」や「実行のされかた」それ自体を通して考えていこうとするものである。 そしてこの観点を取り入れることによって、我々がよく知っているデザインもまた再定義されようとしている。それが非常にエキサイティングなのだが、つかめるようでなんだかつかみきれず、捉えることがなかなか難しいので、僕自身、人に説明しながら勉強中である。研究室の学生たちを交えながら、ファッション(昨年度)や、メイク(本年度)というテーマを存在論的な観点から解釈してみたりしている。 僕も勉強中のテーマながら、いつのまにか人前で話す機会をもらうようになって
先日、興味深いまとめ記事をみた。 グループで討論して付箋をペタペタ貼っていくようなワークは、現在広く行われているが、「はたしてあれは効果があるのか、最後に完成したものは写真映えはするが、終わったあとに何も得るものは無いし、 残るのは、みんなで何かすごいものを作り上げた、という達成感だけ」とある人が疑問を呈し、それに対するやりとりが行われている。 togetter.com 川喜田二郎が編み出したオリジナルな「KJ法」では、断片から意味を抽象化して発想(アブダクション)を導く手段として小さな紙片、今でいう付箋(ポストイット)がよく使われる。そして、この人が多くの人に盛大に突っ込まれているように、図解化をおこなった次に叙述化のフェーズがあることはよく見落とされることである。 しかし、参考写真にかかれている「見出し(表札)」をみると、そもそもこれはワークの大事なポイントを外しているように思われる。
5/11から大学のオンライン授業が始まった。ここまでいろんな実験や準備を重ねてきたので、「とうとうこの日が」となんだか感慨深い。全国の大学がオンライン授業実施に突入しており、それぞれでできることが模索されているのだけど、組織ごとにいろんな問題を乗り越えていかなければならない。どの大学も関係者は死ぬほど頑張っているが、それでも容赦無くトラブルは起こる。 www3.nhk.or.jp 幸いながら僕の勤務先は情報学部ということもあり、教室だけに依存しない学習環境には積極的に取り組んできた。これは同僚が優秀な方々なのも大きい。例えば松永学部長は自ら全学18000人が同時に使うシステム運用の陣頭指揮に当たっているし、教育工学が専門の望月先生は、3月末にはいちはやくオンライン授業の知見をまとめたガイドを公開し、全国の大学でひろく参照された。 www.nikkei.com 加えて、うちの場合はデジタルカ
リフレクションのはしご 「省察する(リフレクション)」とは、簡単に言えば自分の行った行為を「ふりかえって」「見直す」ことです。哲学者のドナルド・ショーンは、省察を二つに分けています[5]。「行為の中の省察(reflection in action)」と「行為にもとづく省察(reflection on action)」です。 まず、「行為の中の省察(reflection in action)」は、何かをする中でふと頭に浮かんだことや、感じ取ったことを自分の中で「吟味」のまな板の上に乗せること、とされます[6]。実践の現場の中では、常にマニュアル通りにはいかないような予想外の出来事や矛盾する出来事に出会います。その葛藤の中でまずやってみて「感じ」をたしかめたり、どうもぴったりこないなどの感覚を元にその原因を探りながら、その場をとっさの判断で切り抜けていくような、そんな実践の知のことです。 デザ
Tea doll. Fairbanks, Alaska,USA 2009 _______ これは2010年の夏、私がアラスカのフェアバンクスに一ヶ月ほど研究で滞在した時、現地の人形コレクターの女性の家で見せてもらった人形です。一見して年季が入った手作りのもので、21世紀の今の私たちの目から見ると、お世辞にもかわいいものとは言えません。しかし説明を聞いてみると、この古ぼけた人形が一変して見えてくるのです。 まず彼女に、「持ってごらん」と言われ、私は両手で人形を受け取りました。ずっしりと重みが伝わってきます。どうやら通常の人形のように中に綿が詰まっているわけでは無さそうです。うろたえていると、「嗅いでごらん」と言われ、私は鼻を近づけてみました。なんだか葉っぱのような、爽やかな匂いがします。この人形の中には綿ではなく、なんと〈お茶の葉〉が詰まっているのでした。 それはなぜでしょうか?彼女の説明
10/20(土)の午後、神奈川県の情報の先生達にデザインの研修を担当する機会をいただいた。題目は「始まる『情報デザイン』の視点」。共通教科「情報」の学習指導要領の大幅改訂に際して、後手に回っている印象のある情報デザインの学習分野だが、神奈川県の情報部会では率先して学ぶ機会を作られている。この日も熱心な先生方がたくさん集まってくださった。 そして研修に先だって事前アンケートを行ったところ、先生方は単なる方法論やスキルではなくて、概念的な理解、学びをどう評価するか、デザイン的な態度、教員はどう学ぶか、などのもっと本質的なところを理解する機会を求めていることが見えてきた。なるほど、自主的にこういう場に来られる先生方は流石に研究熱心だ。お仕事を請負いながらも、こういう機会を活かしてちゃっかり自分の科研のリサーチも進めるのである。何事も一石二鳥。 そして少ない持ち時間で検討した結果、 1)講演「情報
ちょっと前の話になるが、9/10にXデザイン学校公開講座で講演してきた。Xデザイン学校では他の講師陣が豪華なこともあり、僕は変わった問いを投げかける変化球投手の役割だと理解している。昨年度は「デザインすることはGiveすること」で、今年の題目は「デザイン・ウィズ・ノンヒューマン」。ほとんどの人が「ん?」と戸惑うような切り口である。しばらく時間経ってふり返ってみると、色々と言い足りてないことにも気付くもので、今回のスライドは非公開としておきたい。(連絡頂ければお見せします) 大まかな講演概要は以下の通り。 人類学はデザインリサーチの方法にも大きな影響を与え、人間とは何かを探求する学問として、デザインとは相互関係にある。その人類学は、21世紀に入って大きく変化していることはあまり知られていない。実在している「何か」を、特定の人々がどう認識しているかを調査・記述するという古典的なスタイルを経て、
日本デザイン学会の機関誌であるデザイン学研究の「当事者デザイン」特集号に寄稿しました。発行されるのは当分先だし、アカデミアの人以外には届かないコンテンツなので、ここで初稿を公開しておきたいと思います。ウェブで読みやすいように一部の体裁は変更しました。文字数制限のため、あちこち説明が足りてないところは目をつぶっていただければと思います。 _________________ 「当事者」をとらえるパースペクティブ: 3つのデザインアプローチの比較考察を通して A Perspective to Capture the Concept of Tojisha Through Comparing Three Types of Design Approaches 上平 崇仁 KAMIHIRA Takahito 1. はじめに デザインに関わる人々が、どのような人間観を持つかは重要な問題である。人間観はどの
科研費のプロジェクトで、情報デザインの教育者に向けた小冊子「すべての人がデザインを学ぶ時代に向けて」を制作した。A4変形の全88Pで、講演録と教材5点を濃縮して収録している。日本語タイトル、そして英タイトルの「Toward an Age When All People Do Design」や裏面コピーの「Design by Ourselves」には、最近の僕の活動を反映してみた。 この冊子は、8/9,10に秋田公立美術大学にて開催される第11回全国高等学校情報教育研究会(高校情報科の先生たちの全国大会)に合わせて作ったもので、高校でのデザイン教育を検討するための、いわば「たたき台」である。この会場で全国の先導的な先生達に頒布する予定。内容はかなり充実していると自負しているが、時間が足りずに昨年と今年開催した高校生向けのデザインワークショップの事例を入れられなかったのは、ちょっとだけ心残りだ
デザイン態度のリサーチを初めてから、過去の偉大なデザイナー達の発言が目に留まるようになった。時折ハッとさせられる真摯な言葉ばかりなので、メモとしてまとめていきたいと思う。そんなわけでDesign Attitudeのタグを作ってみた。いまのところ記事2つ。 Helmut Schmid(1942-2018) 伝説的タイポグラファー、ヘルムート・シュミット。未だに古びないポカリスエットのロゴを作った人と言えば、一般の人にも伝わるだろうか。彼はつい2週間前にこの世を去った。彼の作品集は、Helmut Schmid: Gestaltung ist Haltung / Design Is Attitudeと題されている。 it is not coincidence that makes a designer but his continuity. and continuity means workin
慶応SFCの加藤文俊先生から新著「ワークショップをとらえなおす」をご恵投いただいた。ありがとうございます。隙間時間を利用して読んでみたところ、表題の通りのワークショップのあり方を問いなおすクリティカルな議論が展開されていて、思わず仕事を放り投げて読み続けてしまった。 21世紀に入ってワークショップはずいぶん普及した。が、この手法の体系化・形式化が進むにつれてなんだか失われつつあるものがあるのではないか、というもやもやは多くの人が感じていることだろう。 本書はそのもやもやをクリアに言い当てている。実践と理論を両輪で回して、絶えず試行錯誤を続けられている加藤先生だからこそ書ける省察的な視点で、思わずうなった。問いかけていることはきわめて鋭く、そして同時に言葉づかいはやさしく、ふむふむと読み進めながらもワークショップをやったことがある身にはグサグサとささる。 「あたりまえ」を疑い、「まなびほぐし
今度の東京オリンピックでボランティアを募集しているという話が、悪い意味で話題になっている。 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 大会ボランティア募集要項PDF そんな専門性の高い仕事を無償でやらせるのか、という非現実的な計画に多くの人があきれ、ポジティブに捉える人は見たことがない。そしてあまりの人の集まらなさに「学徒動員」がかかるのではないかとも噂されている。僕もそんな風に思っていたところ、先日、うちの研究室の学生が興味深いことを呟いていた。 別にオリンピックボランティアって日本が始めたわけじゃなくてロンドンオリンピックでそれがすごく成功して良い例だったから真似しようとしたって昨日習った。 — モカダミアナッツ (@KamyuMM) June 14, 2018 なるほど、不勉強で知らなかったが、そんな経緯で取り入れようという話になったのか。(一般教養の「オリンピックとスポーツ
6/2(土)の午後,東京都の情報の先生達によって組織されている東京都高等学校情報教育研究会(都高情研)の研究協議会にお招き頂いて,「いま,情報デザインを学ぶこと / 教えることの意味」という題目で講演をしてきた. 昨年度のAdobe MAX教育セッションで話したことに追加して,今年から科研で取り組む内容を併せてみた.スライドを公開しておきますので御関心のある方はご覧ください. いま、情報デザインを学ぶ / 教えることの意味 from Takahito Kamihira この日のスライドから2枚ほど抜粋して掲載. 東京都は情報教育に関しては全国でもっとも進んでいるようで,本日参加してくださったのはその中でもエース級の先生方らしい.そんな場でタイミング良く自説を話す機会を頂けたのはありがたい.僕としてもとりあえず先生方に向けて喋りたいことは言えたし,研究の宣伝もできたので,先生方に感謝. 終わ
5月6日にYahoo! JAPANにて開催された第4回 Xデザインフォーラムにおいて、午前の部でショート・ワークショップを実施してきた。 約100名の参加者に7名のファシリテータという大規模なもので、なかなかヒヤヒヤだったが無事に終えることが出来た。参加者のみなさま、ありがとうございました。 今回の内容は、「問うこと」を問うのがテーマで、こういったメタ的な知識はこれからますます重要になってくると思うので、スライドを公開しておきたい。お手すきの時にでもご覧下さい。 ワークショップ「問いの技法」/第4回 Xデザインフォーラム from Takahito Kamihira ベースにしたのは、古くからd.schoolでデザイン思考のメソッドとして知られているHow Might We Question。 英語版PDF 日本語訳PDF(βver:上平訳) それに1)今進めている「シン・デザインの教科書
Rolf Faste(1943-2003), Stanford University professor 自分が影響受けたことの系譜を記述する、という超個人的なシリーズを思いついたので、時間みつけて書いてみたいと思う。 初回はロルフ・ファステ教授。日本ではほとんど知られていないけれども、デザイン教育者として歴史に残る重要な人物である。ファステは、スタンフォード大工学部のプロダクトデザインプログラムのディレクターを長年務め(1984-2003)、在任中にがんで急逝した。ちなみにファステの前任はロバート・マッキム(ビジュアルシンキングの創始者)で、後任がデビッド・ケリー(IDEO Founder)である。 彼が中心となり、工学部の学生達の創造性を高めるために開発しつづけた教育は、単なるデザイナーの職能育成を飛び越えて、異なる領域と領域をつなぐ共通言語となり、非専門家のためのデザイン教育として体
2/17(土)に、昨年度に引き続き、「デザイン態度論」(産業技術大学院大学履修証明プログラム人間中心デザイン:発展的知識編)を担当してきた。10:40〜18:00の4コマ連続という長丁場である。 最近少しづつ関心を持つ人が増えているような気もする、この「デザイン態度論」。日本で講義が行われているのは(今のところ)この産技大だけという状況なので、けっこう希少価値のある内容かとおもう。というわけで2限分のスライドをフルバージョンで公開してみる。「デザイン態度」とはいったい何のことか、おおまかに見えてくる・・・かもしれない。 デザイン態度論2018 from Takahito Kamihira 内容もまだまだβ版ながら、いつもは口頭で説明していることも今回はスライドで要点はわかるように書くことを増やしてみた。写真の版権は許諾取ってないものも多いため、1ヶ月ぐらいで消す予定。公開に踏み切っているの
大学に入っている学食の運営会社が急遽倒産したそうで、野次馬根性丸出しで見に行ってみた。パートさんたちの怒号が飛びかい現場は混乱していた・・・ということもなく、春期休業中なので閑散としている。(ちょうど契約を終えたところだったそう。事業を続けられないのは事前に分かっていたのかも) 学食が経営厳しいというのは端から見ていてもよくわかる話だ。我々としても他人事ではない。食材も人件費も高騰しているのに学生相手に値上げするのも難しく、構造的に利益を上げにくいのは仕方ないところ。でももっと深刻に感じるのは、多くの学生にとっては「学食でも高い」んだそうで、それで昼食はどうしているかというとコンビニのでかいカップラーメン一つをスープまで平らげて済ませているのが大量にいるのである。健康に悪そうなことは言うまでもなく、あれをコンビニで定価で買うのは割高だろうに・・・。(外食費が高いデンマークの学生達はもっと工
10月13日に函館で開催された,2017年度日本デザイン学会秋季大会 企画テーマ討論会「共創・当事者デザイン」で指定討論者として参加してきました.上平のスライドと配付資料を公開しておきます. 共創はいつ,どこで起こる? from Takahito Kamihira 配付資料A4両面一枚(上のスライド4ページ目)はこちらからダウンロードできます. −−−−−−−− 個別の持ち時間は10分間,「事例ベースで」というオーガナイザーの依頼だったので,ふたつの事例(マウンテンバイクの草創期,阿久根市のイワシビル)について,あまり触れられない視点(When, Where)から解説してみました. 当初話題にするつもりだった「当事者デザイン」の枠組みに関しては配付資料としてまとめてあります.以前作った表を整理してちょっとバージョンアップしました.当時者デザインは自分含めてまだみんなよくわかってない言葉です
2年前にロンドンでRCAの修了展を見に行った時、国境を越えた学生チームでデザインにとりくむことの難しさを知った。プロのように経験値でカバーできない学生の場合は、同じインターナショナルなチームだとしても、みんながアウェーの状態でやるか、どこかにホームを決めて行うかでは、だいぶ条件が違ってくる。 みんながアウェーの中で、文化的な背景や価値観が異なるチームメンバー(例えばほとんどが外国から来た留学生)が協働でデザインする場合、問題対象にただちに入り込めるわけでもなく、それぞれの先入観を早い段階で壊すのは極めてむずかしい。そして解決案もメンバーの価値観の最大公約数的なところに落としてしまいがちである。やっている当人達にとっては母国語や文化差を越えて議論し創造することに多くの学びがあることは否定しないが、残念ながらアウトプットはそうなってしまう例をたびたび見る。 一方で、同じ時期に見たデンマークの学
7月16日(日)、横浜市栄区の市民団体である「さかえdeつながるアート」のお招きで講演してきた。これは横浜市の地域文化サポート事業のヨコハマアートサイト(というものがあるそうです、横浜市羨ましい)の支援を受けた市民向け活動の一環で、昨年度に引き続き大人世代が学ぶ場としての「おとなのキャリア教育講座Part2」という位置づけである。 たいへん暑い日、しかも3連休のど真ん中にわざわざ来て下さったオーディエンスは栄区の一般の保護者の方々・・・かと思っていたら、地元PTAの役員や地域コミュニティで重要な役割を担っている方々、専門職の方々が中心で、みなさんとても熱心に聞いてくださって感謝。 内容は大きく3つ。 1)デンマーク社会の事例をもとに、自分たちの社会を構成している"ものさし"(価値基準)を再考してみる。 2)AIの発展予測にともなう社会の変化と必要な力の変化を知り、自動化されにくい(人間の強
6/13(火)のこと,若手お笑い芸人のモクレンのお二人をお招きして,1年生250人に対しての講演と,その後に学生と教員有志に対しての即興コメディのワークショップを実施した.モクレンのお二人とは先日グラグリッド社で行われたフォーラムシアターでの実験で知り合い,ちゃっかり大学へもお願いしてお越し頂いた次第である.彼らは単なるお笑い芸人ではなく,教育のバックグラウンドを持っており,そしてインプロと笑いを融合させた新ジャンル,「即興コメディ」を標榜し,日本即興コメディ協会という組織を立ち上げるという活動も行っている. ワークショップも進行やワークの展開がすべて即興で成されていくのが大変に素晴らしかったのだが,その前の講演がとてもよくて,僕の心に残ったのでメモを残しておきたい. 題目は「笑いを教えるということ」というもので,おまかせで依頼したので僕もどんな内容になるのか知らず(おい),笑いの原理や方
先日聞いて衝撃を受けた話. 2020年に改訂される予定の次期学習指導要領では,小学生からプログラミング的思考の学習が始まるということは割と知られているが.高校生への「情報」科目も大幅刷新される見通しだそう.2016年末に中央教育審議会が提出した「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」によると, 新しい情報科目は,情報Ⅰ(仮称)と情報Ⅱ(仮称)の二つになると記されている. ・共通必履修科目として「情報Ⅰ」(おそらく1年生配当) ・選択科目として「情報Ⅱ」(おそらく2年生配当) とのことで,項目の構成案に,なんと「(2)コミュニケーションと情報デザイン」が4つの柱の一つとして明記されている. 2単位ということで50分授業を35回×2の70回.単純計算して17回程度はこの項目に割り当てられるということになる.詳細には, 情報デザイ
5月9日, クリスチャン・ベーソン(デンマークデザインセンターCEO)がコペンハーゲンビジネススクールに博士論文を提出して博士号を授与されたとのこと, Ready to go! pic.twitter.com/3OrB7OmSiO — Christian Bason (@christianbason) 2017年5月9日 クリスチャン・ベーソンといえばデンマーク政府のイノベーション機関であるMIND LABのヘッドからデンマークデザインセンターのヘッドに移籍すると,ただちにそれまでの家具や照明などのインテリアといったモノ中心の"デンマークデザイン"の看板から,サービスを中心にしたコトのデザインへと方向性を大胆に切り替え,それを主導してきた重要人物.公共政策へのデザイン導入の取り組みはデンマークは世界的にも進んでいるけれども,それはベーソンのリーダーシップによるものも大きいと言える.(余談だ
先日のこと,カードソーティングゲームを元にUIをつくる演習の回で,「模写」を取り入れてみた.経緯として,昨年度の同じ課題の際に,ペーパープロトのスケッチを描くあたりで手が止まってしまう学生が多くて,毎日いろんなアプリを使っているのにUIは本当に見えないものなのだなぁ,という気付きがあった.でも,考えてみればUIはよく出来ていればいるほど,透明化して意識から消えてしまうものだ.デザインする以前にそもそも意識化する必要があるんじゃないか・・・と思って試しにやってみた次第である.軽くググってみたけど,UIの模写を教育の場で取り入れている例はほとんど無いようだ. ここで模写するアプリとして,料理レシピサービスのクックバッドを選択した.理由として,まず,学生達でも一度は使ったことがあるサービスであること(クックパッドはなんと月間6000万以上のユーザ数らしい.凄い数字だ).そして今回のカードソーティ
2013年に研究室でカードソーティングゲームをつくりました.以前のブログがマルウェアに感染して閉鎖したのでしばらく公開も止めていたのですが,再びここで公開しておきます. このキットは、犬カフェのサービスを企画するという題材の中で,素材として50枚の犬カードをつかってカードソートしながら情報設計について学んでいくというものです。同じカードでも,どのような意味を与えるかによってまったく違うまとまりに変化していくところがポイントです. ここ4年ほど継続して2年生向けのデザインの導入教材として使ってみた結果、親しみやすい題材で学生達にもなかなか好評です.またいくつかの会社さんや大学さんでも使っていただいています. マニュアルや解説も作れればいいのですが,内容の精査が必要なこともあり,なかなかつくる時間がとれず今に至っています.ですが,我々が演習で使っているスライドをパッケージの中に入れておきました
ちょっと気になる記事を読んだので,本人に読んでもらうために書いてみます. 東工大エンジニアリングデザインプロジェクトを指導されている方による,ブレストや親和図法(KJ法A型)ではいいアイデアが思い付かない,という記事. 私はいずれに対しても(めちゃくちゃ)懐疑的です。使っていないわけではないのですが、使ってもいまいち感が残るというか、まるでうまくできる感じがしないのです。こんなのでいいアイデアなんか思いつくはずがない。 いいアイデアなんか思いつくはずがない – 東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト – Medium ブレストのような発散技法も,親和図法のような収束技法も,表面的に見えていること(例えばポストイットやその上の文字)は一部分に過ぎません.解決策として書かれていることは対処としてはアリだと思いますが,その前に,背後にある活動の原理をどのように捉えるかによって,「基本」
2月24日(金)、東京ミッドタウン・インターナショナルリエゾンセンターにて「デザイン思考"以後"とクリエイティビティの行方」を開催した。プレミアムフライデー初日ながら、勉強熱心な方々約60名に集まって頂いて大変熱気のあるイベントとなった。 そもそもの発端は、3ヶ月前に遡る。11月下旬に書いた「デザイン思考の今後」という記事が多くの人にシェアされて(トータルで10,000viewは行ったと思う)、意外にみんなこの話題に関心があるんだなあ、と気付かされたことと、この記事にGKの柴田さんが手短なコメントを下さったことである。 ここからいろんな人に構想を話しているうちに、いつの間にか第一線の話題提供者および気鋭のヴィジュアルファシリテータの内諾を頂き、会場は日本デザイン振興会から東京ミッドタウン中にある品位ある場まで提供して頂く、という多くの方々の援助を得て、あれよあれよと運良くも実現に向かって進
2/18(土)、社会人向けデザインスクール、Xデザイン学校 @Yahoo!本社において、本年度担当しているパートのレクチャーをしてきた。山崎先生、浅野先生からのオーダーは、なんと「おまかせ」(!)。それを知った時の僕の気分はたとえて言うなら、ベテランの鮨名人二人が、カウンターで「ふっふっふ」と笑みを浮かべながら待っているのを前にした、場末の職人のそれである。しかしながら、鮨というサービスは、職人の一方的なもてなしではなく客との相互構成的なものだ。山内先生に倣うなら「闘争」だ。せっかく二人が聞いてくださる、しかも最前列で。という機会なのでXデザイン学校の今後の指針にちょっとでも参考になるような話が出来ればな、と思いながら準備してみた。題目は「CoDesignApproachの今日的意味、およびXデザイン学校との関係」。 章立ては、 1:CoDesignの概念を整理する 2:成り立つ条件と環境
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Kamihira_log at 10636』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く