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神奈川県・相模原市の魅力に気づいてもらうきっかけをつくり出した「アイドルマスター ミリオンライブ!」とのコラボレーション。キャンペーンを通してどのような変化が生まれたのだろうか。 これまで2回にわたり相模原市と「アイドルマスター ミリオンライブ!」とのコラボキャンペーンについて紹介してきました。今回は連載の締めくくりとして、参加者や参加施設等を対象に実施したウェブアンケート*を振り返りながら、キャンペーンを通じて得た学びや展望についてお伝えします。 *令和5年3月30日付の相模原市発表資料「参加者へのウェブアンケート結果(回答数:700件、回答期間:令和5年3月13~20日)」及び「参加施設等へのウェブアンケート結果 (コラボカード配布施設:3施設、コラボコースター配布店:11店)」参照 市への新たなイメージ醸成 アンケートの結果から、参加者の76%が本市シティプロモーションのメインターゲ
若い世代を中心に人気の「アイドルマスター ミリオンライブ!」とのコラボレーションを展開するなど、新たなイメージ醸成に挑む神奈川県・相模原市。そうした発信の背景にあるものとは。 相模原市は、平成18年から19年にかけて隣接する旧津久井郡4町を編入合併し、平成22年には政令指定都市に移行しました。人口は神奈川県内で横浜市、川崎市に次いで3番目に多く、山や川・湖など自然が豊か。都市と自然が共存するまちとして発展してきました。 ブランディング本格化 一方で、新しい市としての一体感の創出や市に対する愛着心の醸成、低い認知度などの課題もあり、合併以降、シビックプライドの醸成とシティプロモーションの推進に取り組んできました。令和3年には「相模原市みんなのシビックプライド条例」を制定し、令和5年には「相模原市みんなのシビックプライド向上計画」を策定。市の広報紙やホームページだけでなく、幅広い世代が情報源と
「量子ウォーク」研究の世界的第一人者として知られ、この春から横浜国立大学名誉教授となった今野紀雄氏。「数学の魅力を広めたい」という強い思いから無意識に実践していたという同氏の“セルフマーケティング”とはどのようなものなのか、話を聞いた。 今野紀雄(こんの・のりお)さん 東京大学理学部数学科卒業、東京工業大学大学院理工学研究科博士課程単位取得後退学。博士(理学)。2005年より横浜国立大学大学院工学研究院教授。現在は同大学名誉教授、立命館大学客員教授。研究テーマは、量子ウォーク、無限粒子系、複雑ネットワーク。2018年日本数学会解析学賞受賞。著書に『量子ウォーク』(森北出版)、『無限粒子系の科学』(講談社)、『量子ウォークからゼータ対応へ』(日本評論社)、『図解雑学 確率モデル』(ナツメ社)、『マンガでわかる統計入門』(SBクリエイティブ)など多数。 既存のテーマの組み合わせが新たな研究領域
キャリアアップナビでは、マーケティングやクリエイティブ職のキャリアアップについて、毎月テーマをピックアップして解説します。今回は、カシオ計算機で執行役員 デジタル統轄部長を務める石附洋徳さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに⋯」とならないための、転職情報をお届けします! Q.マーケティングとの出会いを教えてください。 実は子どものころから化学が好きで、大学院では金属メッキの研究をしていました。ただ、研究を仕事にするのはちょっと違って。もっと世の中とのつながりを感じられる仕事がしたいと思っていたんです。 そんなあるとき、マーケティングという職種を知りました。製品やサービスを通じて世の中に新しい提案をし、生活者の価値観や行動を変える仕事だと教えてもらいました。何かを深く洞察し、仮説と戦略を導き出し、手段を考え
「志摩スペイン村」では、2月11日より期間限定でVTuberの周央サンゴさんとのコラボ企画を開催。多くの人が訪れ、SNSなどでも話題となった。今回の企画に至るまでの経緯や、志摩スペイン村と周央さんの間に築かれている関係について、広報担当の松川優希氏に話を聞いた。 はじまりは雑談配信 好きな気持ちが生んだタイアップ 伊勢志摩にある複合リゾート「志摩スペイン村」では、2月11日~4月2日、ANYCOLORが運営するバーチャルライバーグループ「にじさんじ」に所属するVTuber、周央サンゴさんとのコラボイベントを開催している。 期間中には周央さんの等身大パネルがパーク内の各所に配置されるほか、オリジナル記念スタンプを集めながら周央さんが配信で紹介したスポットなどを巡る「スタンプラリー」、以前から上映しているアニメーションムービーに周央さんの副音声が加わった「周央サンゴと見る 空とぶドンキホーテ」
常識と考えられていることについて、実はそうではないと提言していく本連載。今回のテーマは「買わない理由」だ。「買わない理由」を知ることで売上が上げられるのか。どのように考えればいいのか、筆者が解説する。 常識1 買わない理由を理解する ▷そもそも買わない理由なんて、そんなにない ▷買わない理由を解消しても買うわけではない ▷そんなことより、買う理由を提供しよう はじめまして。ホジョセンの高橋です。市場や消費者のメカニズムを理解することに特化したBtoCマーケティング支援業を営んでおりまして、ちょっとひねくれたモノの見方が得意です。このたび「その常識を疑おう」というテーマをいただきました。当たり前に受け入れられている常識を、一歩下がって疑うことで本質を炙り出せるような記事を書ければと思います。 第1回目は、「買わない理由」に関する常識です。売上を改善するために、自ブランドやサービスの「買わない
企業PRのアドバイザーを多く担当していて、もっともよく聞かれる質問。それが「どうやったらテレビで取り上げてもらえますか?」というものだ。ここでは、商品PRに限らず、コーポレートPRでも欠かせないメディア露出、なかでもテレビディレクターに「これは取材したいな」と思わせるための企画書について考えたい。 テレビが「取り上げにくい」ネタとは テレビが取り上げるネタは、番組やコーナーごとに、いくつもある。一概に「このネタなら必ず取り上げられる」とは言えない。しかし「取り上げにくい」というネタはある。テレビの場合、はっきりしていて分かりやすい。簡単に言うと「視聴率をとらなそうなもの」だ。具体的には「社会性(ストーリー性)がない」「画にならない」「旬でない」。裏を返せば「社会性(ストーリー性)」「映像映え」「旬な話題」があるなら、最低限のハードルは突破する。 ところが、これだけを満たせば十分かというとそ
2006年の設立以降、常に人とテクノロジーの関係を探求してきたライゾマティクス。メンバーにアーティストやプログラマー、研究者らを含み、アイデアからハード/ソフト開発、オペレーションに至るまで一貫して取り組む集団であり、カッティングエッジな表現作品や研究で知られる。斬新なインパクトを持つその時間/空間的表現は、「メディアアート」の枠を超えて幅広い領域に及び、大きな社会的影響力を持つ。 設立15周年を迎える今年、美術館における初の大規模個展が開催される。これまで展開してきた領域横断的なクリエイションを展望するとともに、「現在」とシンクロする新作プロジェクトの展示など、新しい人間性(ヒューマニティ)の可能性と未知の視覚ビジョンを追求するライゾマティクスの魅力を伝える構成となっている。 また、コミュニケーションのあり方について新しい可能性が問われるポスト・コロナの渦中において、多くのプロジェクトや
かつて同じ部署で、一緒に仕事をしていた佐々木宏さんと岡康道さん。今回、佐々木さんがシンガタを卒業したのを機に岡さんと、これまでと、これからの広告について、話をしていただきました。 シンガタを卒業し、「連」をスタート 佐々木:17年間続けたシンガタを店仕舞いして、この5月から新しく「連」という"文化系運動体"を1人で始めました。オフィスは南青山のままで、ちょこっとNASAっぽく?改装。きっかけはいろいろありますが、リオオリンピック閉会式の「安倍マリオ」に携わったこと。広告とは少し勝手の違う仕事でしたが、椎名林檎さんはじめ、すごい才能とたくさん出会って忘れていた何かを思い出した。 今日は電通時代から長年一緒に広告をやってきて、シンガタ設立のきっかけもつくってもらった岡に「これからも頑張るからお前も」と伝えたいと思ってね。岡は小石川高校の2年後輩だし。卒業式に呼びだした感じかな(笑)。電通時代を
焼肉のたれなどを製造・販売するエバラ食品は2020年2月、「黄金の味」シリーズから32年ぶりの新テイスト「さわやか檸檬」を発売。店頭での試食販売ができない中、遠隔接客システムを利用した推奨販売を行った。 新型コロナウイルスの影響で「内食」の需要が高まっている。エバラ食品工業(横浜市)は、業務用事業が大きな影響を受けたものの、3月ごろからは家庭内での消費が伸び始めた。“おうち焼肉”の増加で主力商品である「黄金の味」シリーズの需要が高まったほか、2019年2月にリニューアルした「プチッとうどん」シリーズも、外出自粛や在宅勤務の増加に伴う“自宅ランチ需要”が追い風となりヒット中だ。 前年同週比は209%を達成 コミュニケーション部の田中敬二氏によると、同社の商品はテレビCMなどマス広告で認知拡大し、店頭での試食販売を通じて消費者においしさや便利さを実感してもらうことで、購入に結び付けてきた。ただ
上が2011年頃のセブンプレミアム商品。下が2015年のもの。自社PBらしさの維持と、各商品の魅力訴求を両立させたパッケージデザインとなっている。 2011年に、セブンプレミアムのパッケージデザインを紹介した。佐藤可士和さんデザインの新パッケージは登場感、話題性が高く、売上向上に大きく貢献したのではないだろうか。さて、今年、2011年と同じアイテムを買ってきて、パッケージデザインを比較してみた。かなり大きく変わっているのがわかる。 デザイントレンドの変化が極端に早いためパッケージデザインには常に進化が必要である。特にPBの場合は、プロセスが大切になる。PBデザインの難しさは、1つのデザインテイストで数百点の商品に展開しなければならないことにある。味噌汁とトイレットペーパーを同じトーン&マナーでデザインしなければならないことを想像するとわかりやすい。 味噌汁は味噌汁のおいしさ、トイレットペー
新型コロナウイルスの感染拡大の影響下、仕事においても生活においても非対面でのコミュニケーションが急激に浸透しています。テクノロジーの活用で「リアル」を超えるコミュニケーションは、今後さらなる進化があるのでしょうか。VRやARを専門とするプロジェクト「hakuhodo-VRAR」を牽引する須田和博氏が解説します。 当たり前は突然、変わる コロナでXRが必須の時代に 私は、緊急事態宣言が出される少し前からテレワークになり、オンラインミーティングばかりやっています。リアルで会社に出勤しなくても十分に仕事ができるとも言えるし、リアルで動かないことにだいぶ飽きてきたとも言えます。この経験を経て、はっきりと気づいたことは、今まで「東京にいないと自分がやっているような仕事はできない」と思いこんでいましたが、そんなことは全然ないというシンプルな事実でした。 2018年、XR系の事業を起案した際、社内から「
左から、浜辺明弘さん、太田恵美さん、 児玉裕一さん、安江沙希子さん、佐々木宏さん、菅野薫さん、MIKIKOさん、藍耕平さん、真鍋大度さん。 Photo : parade inc./amanagroup for BRAIN 未知のメンバーで挑んだ未知のプロジェクト リオ五輪の閉会式で行われた、次回大会開催都市への五輪旗の「引き継ぎ式」。シンガタのクリエイティブディレクター 佐々木宏さんに最初に声がかかったのは2015年秋のことだった。「五輪のセレモニーで広告の人間に声がかかるという話は聞いたことがない。だから最初は驚きました。でも、組織委員会から『このセレモニーは2020年の東京大会の予告編なんです』と言われて。予告編=広告ということでお声掛けいただいたのだと理解できました。予告編なら、普段はCMをつくっている自分にも何かできるかもしれないと」。 その後、東京五輪に合わせて「東京万博」の開催
社内の管轄部署、チーム編成などを検討する際の参考に。その際、社内とチームそれぞれで期待される役割や目的も明確にしたい。 Q.「オウンドメディア」を活用した戦略に注力していますか?
テレビ東京を代表する『WBS』『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』。この経済報道3番組は、それぞれ取材対象がまったく違う。広報担当者は、その特徴を知ったうえで広報戦略を練る必要がある。 「『WBS』『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』、どれでもいいのでとにかく取り上げてもらいたい」。筆者は、広報担当者からこのような質問を受けることがよくある。 その気持ちは分かるのだが、「どの番組でも出られればいい」というスタンスだと、テレビ向けのアプローチはなかなかうまくいかない。同じテレビ東京の経済報道番組でも、取材対象に求める要素はかなり異なるからだ。 「彼を知り己を知れば百戦殆あやうからず」。中国の兵法家・孫子のこの言葉のように、広報担当者としては「彼」を十分知ったうえで、戦略を練る必要がある。 『WBS』のニュースは約3分 まずはテレビ東京の経済報道の基幹ともいえる『WBS』(月~金曜午後11時~
「AIDMA」、「AISAS」など、消費者の態度変容モデルは複数存在する。さらに、SNSの浸透など情報環境が変わったことで、新たなモデルが提唱され始めている。そのひとつが「ULSSAS(ウルサス)」だ。発案者のひとりであるホットリンクCMOの飯髙悠太氏にそのポイントを聞いた。 一方的な発信ではなく大切なのはn対nの発想 スマートフォン、SNSの普及によって、私たちを取り巻く情報環境は大きく変化した。一人ひとりが情報の発信者となり、それにより社会に流通する情報量は爆発的に増加している。 情報が溢れる中では、"誰が"言っている情報であるかが、情報発信における重要なファクターになっていると、ホットリンクの飯髙悠太氏は話す。企業が発するメッセージは消費者に届きにくい時代でも、友人や家族、憧れの有名人など、信頼している人を介した情報は届くのだ。そこで口コミなどを含めた、ユーザーがつくりだすコンテンツ
マスメディアを使った一方通行のコミュニケーションしかできなかった時代から変わり、1対1、双方向のコミュニケーションも実現しうるSNSが登場した今、お客さまと向き合う企業の姿勢にも変化が求められている。従来のマーケティングの領域を超越したエステーのコミュニケーションから、企業とお客さまのこれからの関係性を探るヒントを考える。 (写真右から)エステー 執行役 エグゼクティブ・クリエイティブディレクター 鹿毛康司氏、コーポレートコミュニケーション部門 宣伝部 Adクリエイター 井出瑞樹氏。 対話するためにTwitterを開始 広告的活用には違和感 2割の優良顧客が売上の8割を支えている…。人口縮小が叫ばれる国内市場において、2:8のパレートの法則に改めて関心が集まっている。あわせて既存顧客に軸足を置く、ファンベースドマーケティングに注目をする企業も多い。エステーでもTwitterなどのSNS、あ
5月、グーグルは商品の検索画面から直接商品を購入できるようにGoogle Shoppingを刷新した。これは、わざわざ気になった商品を検索せずとも、写真をクリックするだけで商品を購入できるピンタレストやインスタグラムの広告に対抗する狙い。このように写真をクリックするだけで商品購入ができる仕組みを「ショッパブル(購入できる)広告」と呼ぶ。 SNS上で同広告の成功を見た米国の4大ネットワーク局のひとつNBCは、10月下旬に「今年5月からβ版のテストを重ねていた『ショッパブルテレビ広告』を秋から本格始動する」と発表し、話題となっている。 番組コンテンツにマッチした広告でわずか数分で1000万円超の売上を獲得 NBCが半年前から試験的に導入しているショッパブルテレビ広告は、番組の途中に、画面下にQRコード付きの広告が現れ、それをスマートフォンでスキャンすると商品を購入できるサイトに飛べる仕組み。シ
流通革命の起きた1960年代以降、特に平成期は、商品の買い方やモノとの付き合い方が大きく変わった30年間でした。消費者、来店客にとっての「実店舗の価値」も移り変わっています。店舗の存在を考え直すことが、これからの発展には不可欠です。 いかに来店機会をつくるか。そしてそのチャンスを逸しないような体制を整えるか。消費者向けコミュニケーションと来店前後のケアを連動させ、再来店や話題づくりにつなげるスシローの戦略を紹介する。 ことし5月に実施した、JR山手線での車体ラッピング広告と、ホームドアへの広告掲出。環状線を回転寿司のレーンに見立てた企画で、車体には皿に乗った寿司の、ホームドアには座席の写真を貼り出した。 頭の中のサイコロの面にスシローの居場所をつくる スシローグローバルホールディングスの売上高は1748億円。全国531店舗を運営し、1年間ののべ来店客は約1億5000万人に上る。既存店売上高
mixiやFacebook、Instagramなど、この15年で様々なSNSが誕生した。中でも、幅広い年齢層で継続的に利用されているTwitterは企業のコミュニケーションの形をも変化させている。 現代社会では、SNSが企業のコミュニケーション活動において欠かせない位置を占めている。その一方で生活者(ユーザー)とフラットにつながりあえるその環境を、企業がどのように活かしていくのかについては、様々な試みと知見が発信されている。 本稿では、前半ではSNSの来歴を振り返る視座に立ったうえでのTwitterの特性を読み解き、後半では事例の分析を中心に、今後そのコミュニケーションの形がどう変わっていくのかを考察していく。 つぶやきよりも「さえずる」場 ここ15年あまりで社会のあり様を大きく変えたSNS。mixi、Facebook、Twitter、Instagram、LINE、Snapchat、Tik
近年、国内においてもマーケティング部門の新設や、専門人材育成に動き始める企業が増えている。しかし米国では、従来のマーケティングでは捉えきれない新たな概念が生まれているという。高広伯彦氏が考える「マーケティングの未来」とは? 米国企業で始まったマーケティング部署の解体 「マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナーそして社会全体に対して価値のある提供物を、生み出し、伝え、届け、そして交換をするための活動であり、制度でありプロセスである。」これは、全米マーケティング協会によって2013年にまとめられた、現在におけるもっとも公式な「マーケティングの定義」である。おそらくマーケティング業界の関係者は、この定義を"再定義"しようとするだろう。 しかしながら、そもそもマーケティングというものが"消える"運命にあると想像することができるとしたら、それを"再定義"することはできず、マーケティングその
「戦略PR」の提唱から約10年。未来のマーケティングPRはどこへ向かうのか。「ブームをつくる」「時代に名前をつける」というPRの役割の変化について、最前線を見てきた嶋浩一郎氏、新世代を牽引する三浦崇宏氏が語り尽くす。 Yahoo! の配信媒体見直しが転機 ──昨今のマーケティングPRの潮流についてどう見ていますか。 嶋:海外の広告賞で、PRの分野でも社会課題を解決する仕事が大きく評価されるようになってきたと感じます。2019年のカンヌライオンズPR部門グランプリ「THE TAMPON BOOK」(ドイツ)は19%の消費税が課される生理用品を消費税7%の本の付録として添付し、「生理用品が高額で困っている」という女性たちの悩みを解決した点が評価されました。 三浦:ここ数年で「戦略PR」を拡大解釈したような、安っぽい「バズる」PRは完全に死にましたよね。それはPRにとって、とても良いことだったと
Z世代と呼ばれる1990年代半ばから2000年代ごろに生まれた世代は、世界的に見て、上の世代よりも社会意識が高いと言われている。日本での実態はどうなのか、また消費にはどのような影響があるのか、電通若者研究部に所属する小島 雄一郎氏に話を聞いた。 若者の社会意識と消費は別問題に考える 日本の若者の社会意識は高いとは言えません。背景には、諸外国に比べ日本ではそもそも若者の人口比率が低いことが挙げられます。「どうせ社会に声をあげても、人数の少ない若者の意見は通らないだろう」と半ば諦めてしまっている面があるのは低い投票率を見ても明らかでしょう。 日本人自体の社会意識は東日本大震災をきっかけに高まったと言われていますが、内閣府の世論調査によると現在は横ばいか、やや減少傾向にあるのが現実です。 図表1 社会現象が変えられるかという調査結果 日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査。
テレビ東京の『WBS』や『ガイアの夜明け』のディレクターとして500社以上のベンチャー企業を取材してきた下矢一良氏が、メディアを通じて企業の魅力を広く伝えるための、ストーリーのつくり方を明かす。 「上場したら、取材がいくつも押し寄せると言いますよね」。上場を間近に控えた経営者からよく聞く言葉だ。冷や水を浴びせることになるのだが、「上場」というだけでマスコミ、特にテレビの取材が押し寄せるということはない。記者や報道番組のディレクターが取材先の企業を選ぶときに、「上場しそうかどうか」ということをまったく気にしていないからだ。 私はかつてテレビ東京経済部で、ITや電機業界担当のキャップを務めていた。ITは新規上場が特に多い分野だが、「上場しそう」という理由だけで放送したことは一度もない。起業家がSNSなどで盛り上がる「5億円の資金調達に成功した」という類の話も同様だ。記者やディレクターの取材先選
今月のテーマ:実践「コンテンツマーケティング」 広告が生活者に届きにくい時代。生活者に関心を持ってもらう、あるいは自分ごと化してもらためには工夫が欠かせません。そのひとつとして有効なのが、生活者が興味関心のある切り口で、かつ価値を伴った形で企業が情報発信する手法、「コンテンツマーケティング」。グローバルでの潮流も踏まえながら、オウンドメディア/外部メディアを活用したコンテンツマーケティング実践のポイントを、プロフェッショナルが解説します。 DNVBに学ぶコンテンツ活用のポイント ブランドの提供する体験価値への共感が行動喚起、顧客を巻き込んだブランド共創に繋がる。 まずペイドメディアで集めたユーザーから共感を得て、より多くのユーザーに広がる情報拡散の連鎖を狙う。 ネイティブ広告は、ユーザーの意思で辿り着くコンテンツ。だからこそ、自分ゴト化、次のアクションへと結びつく。 欧米で躍進するDNVB
何か機能を足すことが良しとされてきた中、現在、機能を絞ったシンプルと呼ばれる商品が売れている潮流がある。引き算が価値を生み出すようになっている背景について、『引き算する勇気:会社を強くする逆転発想』の著者である岩崎邦彦氏が解説する。 シンプルは、パワフルを生み出す 「良い商品がいろいろあるのに、成果が出ない」「多くの機能がついているのに、売れない」。経営の現場で、このような言葉を聞くことが多くあります。実は逆で、「いろいろあるから」「機能が多いから」売れないのかもしれません。 突然ですが、「日の丸」を頭に思い浮かべてみましょう。赤の面積は、全体の何%だと思いますか?全国1000人の消費者に聞いたところ、もっとも多くの人があげた数字は30%です。40%と答えた人も2割弱、50%と答えた人も1割いました(岩崎、2015)。 実際は、赤の面積はわずか18.8%。なんと全体の9割近くの人が、実際よ
KPI設定や導入コストなど、オウンドメディア開設時の判断材料に。PVやUUなど数字面の指標をどのように取り入れていくかもポイントになる。 Q.オウンドメディアに対する評価項目(KPI)は?(複数回答可)
NTTコミュニケーションズシャイニングアークスは、ことし4月に練習場を千葉県新浦安の「アークス浦安パーク」へ移転した。7月にはチームの親会社であるNTTコミュニケーションズと浦安市が相互連携・支援協力における協定を結び、地域とのかかわりを強化している。 ビクトリーとバリュー チームが目指すふたつの「V」 ジャパンラグビートップリーグ(トップリーグ)は、社会人ラグビーの全国リーグ。国内で行われる15人制ラグビーの最高峰に位置づけられるリーグだ。参加する16チームは、すべて企業を母体としている。プロ契約を結ぶ選手もいるが、社員として、社業と並行して活動している選手もおり、その意味では完全なプロリーグではない。 「シャイニングアークス」がトップリーグ昇格を果たしたのは2009年のこと。同チームは、1976年に発足した当時のNTT東京支社ラグビー部をルーツに持つ。NTTの民営化など、いくどかの組織
2月14日フロリダ州の高校で17人が殺害された銃乱射事件以来、アメリカではさまざまな議論が沸き起こっている。その中でも「Toxic Masculinity(毒々しい男らしさ)」は数十年前から指摘されている問題であり、銃乱射事件が起こるたびに再燃する事態となっている。 「男の子は泣くな」、「男らしくなれ」 その教育は正しいのか? Toxic Masculinityは日本では耳慣れない言葉だが、心理学やジェンダー学などで使われる概念である。一般的に男性は小さいときから親や周囲に「泣くな」「男らしく」と言われ「男は強く、タフであれ」と教えられる。その考え方が根底にあるため、たとえば運動よりも勉強が好きな小学生男子は「女々しい、弱々しい」といじめられ、ハリウッド映画ではマッチョな男優が銃を持って悪を蹴散らし、美人や欲しいものを手に入れる。 従って昔ながらの概念「男らしさ」は、大げさに言えば「男は多
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