小池氏の再選が確実となり、テレビ中継を見て笑顔を見せる石丸伸二氏=東京都新宿区で2024年7月7日午後8時、猪飼健史撮影 <do-ki> 今や国家目標と化している出生率向上、その対策として、一夫多妻制導入や遺伝子操作を提案する自称「政治家」を初めて見た。東京都知事選で約165万票を獲得した石丸伸二氏である。 今すぐにではなく、100年先をめざし社会を変えると言い訳したが、どんな思考と理念の持ち主かは、これで十分。皮肉なのは、その正体が選挙後、あれだけ敵視したテレビのバラエティー番組で明らかになった点である。 「石丸現象」は、候補者と有権者がメディアを介さず、ネット交流サービス(SNS)で直接つながる新しさがはやされた。石丸氏は自分が何をするかはほぼ語らず、「変えるのはあなたです」と一人一人にささやきかけ、投票した人のたぶん100万人超は、その言葉に夢を見た。