全国的に名高い兵庫特産の「明石ダコ」(マダコ)の本格的なシーズンを迎えたが、資源の枯渇が深刻化している。自然環境や人的などさまざまな要因が複雑に絡み合っていると推測される。危機的な状況を打開するため、漁業者以外も巻き込んだ本格的な対策が始まった。「みんなで多幸に!」が合言葉だ。 海峡でもまれ、歯ごたえ 3月末、タコの餌となるスダレ貝など二枚貝の放流に同行した。兵庫県明石市西端・東播磨港から小型船で出発。沖合数キロの播磨灘で、一般の釣り客を相手する遊漁船業者らが次々と海面にまいていった。市内五つの漁協に所属する業者らで構成する市漁業協同組合連合会の遊漁船代表者部会メンバーだ。1カ月前の放流分と合わせて計350キロ、費用は釣り人からも募った。 明石ダコは主に明石市沖で取れるマダコの総称。明石海峡の速い潮流にもまれた足(腕)は太く短く筋肉質なのが特徴で、弾力のある歯ごたえとうまみが魅力だ。全国漁