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marriagetheorem.hatenablog.com
1998年の東大入試後期日程の数学で出題された問題(問3の小問(2))がとんでもない難度だと某所で話題になっていたので、ちょっと眺めてみました。 件の問題に関するまとめサイト: http://2r.ldblog.jp/archives/2927641.html 問題はこちら(河合塾のサイト): 1枚目: http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/98/problem/t2/math/8.gif 2枚目: http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/98/problem/t2/math/9.gif 3枚目: http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/98/problem/t2/math/10.gif で、某氏に名指しでこの問題を解くように言われた
美しい数式 - 元RX-7乗りの適当な日々で紹介されていた「美しい数式」に関する動画について。 特に↓のは、もう神様のいたずらとしか思えない。美しい。 1/9801 = 0.00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 美しい数式 - 元RX-7
サッカー日本代表、CSKAモスクワ所属の本田圭佑選手(23)に対し、社団法人日本数学会より特別賞が授与されることが17日、本誌の取材により明らかとなった。授賞理由は「従来は中途半端という印象の強かった三角形という図形に好意的な印象を与え、一般の方々が幾何学図形を目にする機会を大幅に増やしたことにより、社会への数学の普及に貢献した」。 本田選手に対して、以前から主にインターネット上の掲示板などで「本田△」(「ほんださんかっけー」=「本田さん格好良い」の意)という賞賛の表現が用いられていたが、最近は日本代表や所属クラブでの同選手の目覚しい活躍を受け、同様の表現の使用例が増加。さらに日本時間の同日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、CSKAモスクワ対セビージャ戦で同選手が同大会決勝トーナメント日本人選手初となる得点(決勝点)を挙げ、日本人選手初のベスト8進出を果たしたこ
某所で要望があったので説明を書いてみます。 以下、ホールケーキは完全な円形と仮定します。(実際のホールケーキは恐らく多少歪んだ円形でしょうが、どのみち目分量での作業ですので多少の歪みは気にしないことにします。) 1.ホールケーキの中心(点Oとします)から外周へ向けて切り込みを入れます(先っぽの点を点Aとします)。 2.その切り込みを、点Aと反対側まで延ばしたつもりになって(実際には切り込みは入れない)、その先っぽの点を意識します(点Bとします)。 3.中心(点O)と今意識した点(点B)の中点を意識します(点Cとします)。 4.点Cから、線分OBと垂直に直線を延ばしたつもりになって、その先っぽの点を意識します(点Dとします)。 *ここが多分一番難しいと思いますが、その場合は線分OBと自分の身体を平行にしてケーキに向き合い、点Cの真正面に立ち、点Cを見つめてから視線をまっすぐ手前に降ろしていき
あ・・・ありのまま(中略)「『ワールド・フィギュアスケート40』を探しに本屋へ行ったと思ったら気が付いたらこんなものを買っていた」な・・・何を言っているのかわか(後略) フェルマーの最終定理 作者: 中村亨,三嶋くるみ出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/12/12メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 304回この商品を含むブログ (13件) を見るというわけで、折角買って読んだので簡単な感想など。 注意事項 本書には14歳少女の「せくしーぽーず」の絵が含まれていますので、そういうのに厳しい国へ本書を持っていく際は充分に注意して下さい。 あと、集合論関係者諸氏におかれましては、本書69ページとその周辺における「ゲーデルの不完全性定理」の扱いに激怒されませんようお願いします。 前置き id:MarriageTheoremは基本的にツッコミ体質なので「気になるところ」の
その筋の方は既にご存知かもしれませんが、現在公募中の科研費のうち「新学術領域研究(研究課題提案型)」と「若手研究(S)」の2種目について、概算要求の見直しに伴い平成22年度分の新規募集の停止が発表されました。(文科省のサイトの当該記事) で、ちょうど前者の種目に応募しようとしていた私は見事に割を食ったわけですが。 何というか、学問というのは皆が同じようなことを同じような方法で研究していたのでは独創的な成果は大して見込めないわけで、研究テーマや研究手法の多様性が非常に重要なんですよ。科研費が募集対象(金額の多寡、年齢、個人研究/チーム研究の別など)の異なる多くの種目に分かれている点は、このような研究の多様性を育む上で非常に良く作用していたと思っています。 経済状況の厳しいこのご時世、科研費全体の予算を削るなとまでは言わないにしても、なぜ「種目を減らす」という暴挙に及んだのか、驚きと失望を禁じ
この定理が美しい 作者: 数学書房編集部出版社/メーカー: 数学書房発売日: 2009/06メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 83回この商品を含むブログ (4件) を見る帯の言葉は「数学者の眼に映る数学の美しさとは」。若手から名誉教授まで総勢20人の数学者が、数学のみならず物理学や情報科学も含めた幅広い分野における「自分にとっての美しい定理」について語った本です。 私、id:MarriageTheoremも僭越ながら拙文を寄せさせていただきました。これが私にとって数学者として初の一般書籍向け執筆活動ですので、今のところ「id:MarriageTheoremの文章が読めるのは『この定理が美しい』だけ!」です。 出版社のサイトでも紹介されていますが、各項のタイトルは以下の通りです。 はじめてのwell-definedness 運命のつながり 有限体上の楕円曲線の有理点 対称性の美 色
先日書いた記事(車椅子少女の中学進学の話 - Marriage Theorem 新居)のコメント欄でid:arakik10さんからご紹介頂いた記事を読みました。 車いす少女の中学入学を拒否した事件についてメモ - 情報の海の漂流者 車いすの少女の中学入学を拒否した事件についてメモ2 - 情報の海の漂流者 色々と勉強になる記事でした。準備期間や予算規模に関する記述もさることながら、一番はっとさせられたのは以下の部分。 現時点で受け入れ態勢が整ってないならば、入学拒否は仕方が無い。 少女の下半身不随のレベルによってはトイレの世話までしなければいけない可能性があるが、クラスメイトの善意にそこまで頼っていいものは疑問が残る。 火事や地震でも起きたら大変危険でもある。 車いす少女の中学入学を拒否した事件についてメモ - 情報の海の漂流者 災害時の対応については私も気にしていましたが、トイレに関しては
大氷山の一角 - 泣きやむまで 泣くといいという記事を読んで。 車いす少女の中学入学を拒否…奈良・下市町、財政難理由に http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090404-00000525-yom-soci 奈良県下市町の町立小学校を今春卒業した、下半身不随で車いす生活を送る少女(12)が、入学を望んだ町立中学校の設備が不十分として、同町教委から入学を拒否され、養護学校への入学を勧められていたことがわかった。 両親が4日、記者会見し、「小学校の友達と一緒に入学させてやりたい。普通学級の方が子供のリハビリにもいい」と訴えた。 地方公務員の父親(51)や町によると、少女は出生時の脳性まひで下半身や右腕などが不自由。自分で車いすを使って少しなら移動できるが、通っていた同町立阿知賀小では介助員2人が付き添い、特別担任の元で学校生活を送った。 中学入学手続きの前に、
博士号取得者のみを大学教員とする方針についての見方 - 発声練習という記事を読んで。 NBOnline:縮みゆく大学経営 人事ではもっと深刻なことが発生している。 法人化した時点では、特任教授というポストを設けて、民間の方々に門戸を開いて大学で教育や研究をしていただけるようにした。この効果は大きく、民間企業で活躍された方々が若い学生たちを教えることのメリットは計り知れない。私の周りには、そんな特任の先生方がたくさんいらして、学生だけでなく私たち教員の成長の糧にもなってきたと言ってもいい。 それなのに「特任の教員も博士の学位を持っていること」「週2日以上大学に出勤すること」などといった運用ルールを定める動きが進みつつある。大学で教育活動に携わってほしい民間で活躍された方は、多忙を極めてきた方だから、博士号を持っていないケースがほとんどだ。大学のためには週1日しか割けない方も多い。大学に必要な
大学院での教育を日本語で行うか英語で行うか、という話。 http://www.mumumu.org/~viking/blog-wp/?p=2609 大学院での教育を英語で行うということ - 発声練習 上の記事を読むと、どうも「原則として日本語」か「原則として英語」の二択みたいな話の展開になっているように思えてしまうのですが、別にどちらか一方に限る必要はなくて、講義を行う先生ごとに日本語で講義するか英語で講義するか自由に選べるようにしたらいいんじゃないでしょうか。 僕個人の考えを言えば、「別に日本でも高等教育は英語で行えばいいじゃないか」というところかと。理由は簡単で、 そもそも大半の基礎科学研究は国際レベルで展開されているものだから、基礎的な知識は英語を介して身につけた方が後になって日本語&英語の対訳を覚えるよりも効率的 既に日本ではアカデミアが飽和に達していて研究者の海外逃亡が見込まれる
「計算機科学系なら卒論は3月中にまとめなおして国際会議に投稿しよう - 発声練習」と、そこで知った記事「卒論を書き上げた後、研究者を志す学生が初めにすべきこと」について。 分野によっては非現実的かもしれませんが、研究者を志す学部4年生には卒論を改善したものを一度投稿してみることをお勧めします。 無料で自分の研究について検討して貰えて、場合によっては大学院における研究方針まで示唆して貰える訳ですから、チャレンジするべきだと思いませんか? (中略) さぁ、明確になった課題を一つ一つこなしていき、すべてクリアしたならば思い切って論文投稿に挑戦しましょう! 研究に学年は関係ありません。 必要以上に学術雑誌を神聖化せず、ガンガン論文を書いていきましょう! 卒論を書き上げた後、研究者を志す学生が初めにすべきこと 私の属している研究室では、修士進学者であるならば、ほぼ強制的に卒論をまとめなおし査読つき国
どんな素数でも一瞬で素因数分解する方法 - 西尾泰和のはてなダイアリーという記事で知ったネタなのですが、冒頭の「素数」という文字がごちゃごちゃして読みにくいからと読み飛ばした上で「『素因数分解』と書いてあるからきっと整数の話なんだろうな」と脳内補完してしまうと見事にだまされる羽目になります*1。私も25秒ぐらいだまされたまま過ごしてしまいました。 しかしながら冷静に反省してみると、素因数分解の定義からして0は素因数分解できないので、「一瞬で素因数分解する方法」の入力範囲が整数(の全体)であるはずがなく、従って「素数」という文字をちゃんと読まなかったとしても文字数が2文字である時点で怪しいと看破出来なくてはならなかったのです。うむ、私もまだまだ功夫が足りていませんな。 元記事に 「分解」という言葉の定義は書かれていませんが「正の整数aは素数の積に分解することができる」ということは、素数であっ
Winny研究者がなぜウィルスによる情報漏洩の責任を問われうるか - ものがたりより。 刑法の世界だと、死にそうな奴を発見したところで、助けなくても、犯罪にはならないが、いったん助けて、それからやっぱり無理だと言って放置したら、遺棄罪や遺棄致死罪になる。これはいったん手を出したことで作為義務が生じるから。(下手に助けなければ他の人が助けてくれたかもしれないわけだから、手を出したことでかえって状況が悪化している。) それと同じように、Winnyをリバースエンジニアリングして、プロトコルやネットワークを研究して、それに対するセキュリティ対策ソフトや何らかの成果を公開しているセキュリティ研究者に対しては、もはやWinny作者と同様の作為義務があって(これを不思議に思うことがないよう、わざわざ上の例を示していることに思い至るべし)、ごく簡単にセキュリティ対策を講じることができるのに、それをせずに、
もう3年ほど前になります。 当時、博士論文を書き上げ指導教員の先生からもまずまずの評価を得て、博士課程修了見込みとなった私は次年度からの身の振り方について真剣に悩んでおりました。 選択肢は以下の二つ。 研究員(詳しい方向けに書きますと、COE研究員)として当時在籍していた大学で引き続き数学の研究をする 某研究所(現在の勤務先)で、ポスドクとして情報セキュリティの研究をする 前者の魅力は、それまで同様に純粋数学の研究を慣れ親しんだ環境で続けられるということでしたが、当時既に結婚していた妻と私二人分の生活を賄うには大学側から提示された給与が充分でなく(というか私一人分でもきつかった)、その道を選ぶには非常勤講師などでかなりの量のアルバイトを掛け持ちする必要がありました。 一方、後者は研究室の某先輩から勧誘を受けていた話で、先輩の話しぶりからそれなりの報酬をもらえるような雰囲気を感じていました(
元ネタはむしろこれから起こるのはネイティブイングリッシュの破壊であるとか - かたつむりは電子図書館の夢をみるか。元記事の内容自体には全面的に同意というか、むしろ「我が意を得たり」と清々しい読後感を得たわけですが。 で。 元記事で、学術誌への英語論文投稿の際に行われるネイティブチェックが話題に挙げられていたのですが、 あれって、ネイティブチェックというよりアメリカンチェックですよね。 私、今までにそこそこの数の英語論文を投稿してきましたが、"generalization"(アメリカ英語)を"generalisation"(イギリス英語)に直されたことなんて一度もありませんし。 (念のため、"generalization"(一般化)は数学においては超頻出単語であり、私の殆どの論文に登場していると思います。) というわけで、イギリス人にとっては「ネイティブイングリッシュの破壊」はこれから起こる
正確には、主に件の分析に関するこちらの記事を読んで、ですけれども。いや、一応原文の調査資料も眺めてはみたのですが、ちょっと付表含めて240ページ強、4.5MB以上の文章にきちんと目を通すのはしんどかったので。 「ポストドクター」の定義 まず気になったのが、原文から引用されていた以下の部分。 本調査におけるポストドクターとは以下の条件をすべて満たす方です。 博士号取得者、または、博士課程満期退学者 大学等の研究機関において、任期つきで研究業務に従事しているもの(謝金による支払いを受けているもの、人材遣会社から派遣されているもの、給与などの支給を受けずに研究活動を続けるものも含みます) 教授・准教授・講師・助教などのポストについていないもの 研究グループのリーダー・主任研究員などのポストについていないもの 自分は博士号持ちで某研究機関に勤める任期付き常勤(平)研究員なので条件1と2と4には当て
卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごう - 発声練習で、大学(院)の卒業研究/修士論文研究の最中に学生(院生)が心を病んでしまう一つのプロセスが紹介されているのですが、その中に気になる箇所がありました。 8. 学生は、質問したらこれまでの自分の努力が無駄になるような気がして(あるいは負けたような気がして)質問できない 卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごう - 発声練習 これ、確かに実際少なくなさそうな事例だと思いますが、もしこういう理由で先生や先輩に質問できずに苦しんでいる学生さんがいたら、なんて勿体無いことだろう、と思ってしまいます。 質問してもこれまでの自分の努力は無駄になんかならない。もしくは時間は逆走しない あなたがそれを解こうと努力してきたけれども解けなかった問題について先生や先輩に質問した結果答えが得られたとしたら、問題の答えを得るためにそれまでの自分の努力は何も役立たなかったよ
http://d.hatena.ne.jp/pollyanna/20081006/p1で以下の記事が紹介されてました。 http://www.asahi.com/national/update/1004/TKY200810040148.html 大学などの研究機関が女性研究者の採用を増やせば、その分の人件費を補助します――。主要国で最低の女性研究者の割合をなんとか増やそうと、文部科学省は来年度からこんな優遇策を始める方針を決めた。研究の多様性を高める狙いもあるという。 (中略) 計画では、女性の割合が特に低い理・工・農学系を対象に、人件費の一部と初期の研究費として、女性研究者の新規採用1人あたり年600万円を3年間補助する。 で、元記事ではこの案に対する疑問が述べられているのですが、それらについて少々。以下、断りの無い限り引用は元記事から。 「1・「研究の多様性を高める」って何?」について
「技芸」に関してとんでもない誤解をされている… - くるるの数学ノートを読んで。私も件の記事のどこをどう読んだらヒエラルキー云々という話になるのか皆目見当つきませんがそれはさておき。 技芸の話 全体的に元記事に同意ですが、特に 数学自体は論理的であっても、それを解明し理解するほうの人間は論理的でない部分も多々ある 「技芸」に関してとんでもない誤解をされている… - くるるの数学ノート という部分は極めて的を射た言葉だと思います。 この場合の「論理的でない」というのは、ちゃんとしていないという否定的な意味合いではなく、論理を超越した何らかの能力を持っているというような肯定的な意味合いです。自分は院生時代に、ある(師匠の専門とは別の)テーマでこういうことを調べたい、といった希望を師匠に述べたところ、直ちに「それはあまり上手くいきそうにないから、熱心にやらない方がいいんじゃないか」(←意訳)とい
2008-07-25 - tama * fuwari : NEWS Watchingのブックマークコメント経由で知った以下の文章は、面白いのでぜひ一読されるとよいと思います。 ♀は数学が苦手か? - 地下生活者の手遊び ♀は数学が苦手か?・補足 - 地下生活者の手遊び 数学者というのは、数学において、純然たる能力差別主義者なんだと考えますにゃ。数学者にとって、性別も人種も思想も関係にゃーんだよ。ただ研究者の能力というか、研究の結果だけが問題になるのですにゃ。 ♀は数学が苦手か? - 地下生活者の手遊び これには強く同意。いや、現在全ての数学者が性別や人種や思想による差別を数学に持ち込んでいない、とまでは流石に言い切れませんが、それでも上の文章が限りなく真実に近くあってほしいし、今後もあり続けてほしい、そう願います。 で、にもかかわらずなぜ日本で女性数学者があまり多くない*1か、という話です
それは極めて単純明快、数学の理論に果ては無くとも、数学をやる人間の側には寿命が存在するということです。 いや、寿命などという数十年単位のものを持ち出すまでも無く、現在の教育システムを考えれば、一般教養レベルの数学を学び終えた学部3年終了時辺り*1に自分の専門にしたい分野の習得を開始してから、ささやかながらもオリジナルの研究結果を修士論文にまとめるまで約3年*2の間に、学生は曲がりなりにもその分野の先頭集団の知識に追いつかなければならないわけです。勿論、追いついただけでは不充分で、追いついた上で新たなアイデアが求められるわけですが、追いつくことが必要条件ではあるわけです。 で、自分が学生の頃に、数論やら代数幾何やらを専攻している友人、その友人は私から見ると信じ難いほど幅広い分野に(勿論専門である数論や代数幾何自体にも)精通している超人なのですが、その友人がそれでも不足とばかりに本や論文を読み
前置き 下記のつぶやきで紹介されていた問題に関するお話。 (埋め込み画像が表示されないっぽいので、問題設定については後述。)元々の問題設定では宝石の数は100個だったのだが、 という意見を目にしたので、色々と考えてみた。 問題設定 問題設定は以下の通り(説明の都合上、内容を保ったまま表現や表記を変えた部分があるので注意)。 全部でN人の人たちが、C個の宝石の分配方法を相談する。 N番の人、N-1番の人、…、1番の人、の順に、その時点で生存している各人に宝石を何個渡すかを提案して、多数決で賛否を問う。 多数決で過半数の賛成が得られれば提案通りに宝石を分配し終了、そうでなければ提案者は死亡して次の番の人の提案に移る(賛成と反対が同数のときは死亡することに注意)。 各人は、できるだけ多くの宝石の獲得を目指す。ただし、 自分が死亡するよりは、宝石が貰えない(0個獲得)としても生存することを望む。
2008-05-10という記事で紹介されている(というかネタにされている)のを見たのですが、「偽善9条教を数学的に論破する!」なんて文章があったんですね。 実際は、「数学的に」と言いつつ数学じゃなくて論理学しか使っていないうえに、しかも間違っている(命題の対偶の取り方が間違っている)という二重に困った文章だったわけですが。 ・・・数学を生業にする者として、こんな風に数学の間違った使い方が広まるのは忍びないので、自分も「数学的な九条論破」ってものをやってみることにしました! 初等整数論の一つの結果に、「正の整数nが二つ以下の平方数*1の和として表わされるための必要充分条件は、nを素数の積に分解したときに、4で割って3余るような素数がそれぞれ偶数個(0個も可)しか出てこないこと」という定理があります。(参考:二個の平方数の和 - Wikipedia、Square Number -- from
「図書館の本を自分で戻してはダメ? - The best is yet to be.」を読んで。 閲覧し終えた本をブックトラックに置かずに直接書棚に戻してしまう利用者が多いというのは、「自分で読んだ本を戻すだけなのに、わざわざ司書さんの手を煩わすなんて気が引ける」という「親切心」や Do it yourself の精神も大きな原因の一つだと思うんですよね。それはそれで尊い精神ですから、それらを一律に「マナー違反」と切って捨ててしまうのはあまりに紋切り型で心無い対応にも思えてきます。 何とか上手い落としどころがあるといいのですが。そもそも元記事でも指摘されているように、完全に司書さんが本を戻す形式にするには人手が圧倒的に足りないわけですし。 一つの折衷案として考えたのは、利用者に対して 背表紙のタグから本の正しい置き場所を知る方法 正しい置き場所に自信がなかったり、面倒な場合にはブックトラッ
元ネタはこちらの記事にある、「論説 数学のすすめ 科学と技術の基盤守ろう」という上毛新聞の2008年3月30日付の論説の紹介。日本における数学研究の「危機的な状況」についての現状と、主に産業界との連携という観点からの改善策についての提言、といった内容なのですが、その論説の結びが以下。 和算は、刺激となり活用の場ともなる自然科学が日本になかったため、十分に発達しなかった。数学研究が同じ道をたどらないよう、しっかり支えたい。 「しっかり支えたい」。なんとも目頭が熱くなる言葉じゃないですか。 数学者の一人として、この論説の筆者ならびに掲載紙である上毛新聞の方々にお礼申し上げます。 元ネタの紹介記事には、こんなことも書かれてありました。 その点からすると、どうしても数学科の人間は「純粋数学の方が高尚だ」と感じてしまいがちだが、その考え自体を改めていくべきなのだと思う。 自分も以前は多少そういうこと
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