神山清子(こうやま・きよこ/本名は金場清子)は、昭和11年(1936年)8月2日に長崎県佐世保市で、金場繁の長女として生まれた。「神山」というのは夫の姓で、旧姓は金場である。 父・金場繁は香川県の出身で、炭鉱で働いていた。父・金場繁は情に厚い人だったが、酒と博打が好きで、神山清子と母・金場トミは借金のカタに取られて、店に売り飛ばされそうになったこともあった。 母親の金場トミは、良家のお嬢様で、何もせず、家事や家計は神山清子がやっていた。 さて、この頃は日韓併合中で、日本の炭鉱で大勢の朝鮮人が働いており、「金場」という名字が朝鮮人の名乗る名前に似ていたせいか、神山清子は学校で「朝鮮人」と言われて虐められていた。 あるとき、厳しい労働に耐えられなくなった朝鮮人たちが炭鉱を脱走した。 そのとき、父親は朝鮮人の脱走を手助けしたため、父親は警察に追われ、一家を連れて炭鉱町を逃げ出した。 その後、神山