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ノーベル賞
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こんばんは。夜のそらです。この記事は「資本主義とトランス/アイデンティティ」という記事の3本目です。本当は(1)と(2)で終わるはずだったのですが、続きを書かないといけないと思ったので、書きます。 ちなみに(1)と(2)はこちらに置いておきます。お時間のある方は(1)からお読みください。 この記事ではエイブリズムと「パッシング」について、最終的には考えたいと思います。エイブリズム=Ablism=能力主義=健常者主義=障害者差別について。パッシング=特定の(望む)性別で通用すること≒埋没 について。ただ、いつにもましてメンタルが重たいなか書いているので、読むのが苦しくなったときは読むのをやめてください。わたしも、本当はこれについて考えるのをやめたいです。でも、やめられないから、書きます。 世界で一番尖ったペンでこの文章を書いて、書き終わったらそのまま自分の胸にそのペンを突き刺して死にたい。
こんばんは。夜のそらです。この記事は、わたしがラディカルフェミニズム運動について調べたことをまとめているシリーズの一部です。 この記事をTERF(トランスジェンダーを差別・排斥するフェミニスト自認者)やアンチフェミ男性が読むことを禁止します。記事のリンクを共有することも禁止します。今すぐ立ち去りなさい。恥を知れ。 今回の記事では、コート(Anne Koedt)が1970年に書いた「膣オーガズム神話」(The Myth of the Vaginal Orgasm)という論考の紹介をしたいと思います。この論考を紹介する理由は、これが大きな影響をラディカルフェミニズム運動でもっただけでなく、わたしがラディカルフェミニズム運動に興味を持ったきっかけである Asexual Manifesto (Aセクシュアル・マニフェスト)にも関係していると思われるからです。Aセクシュアル・マニフェストは、ラディカ
こんばんは。夜のそらです。夏前から最悪だった持病の調子が上向きになり、それに休職の延長もそろそろ限界だったので、11月途中から時短勤務で職場に復帰しました。ただ、会社の配慮によって女性だけの部署に異動させていただいたはいいものの(――トランジションするうえでとてもありがたい配慮でした――)、新しい建物に移ったせいで、わたしがトランスであることを知らない人が周りにすごく増えてしまい、毎日生きた心地がしません。ずっと騙しているみたいで申し訳ないけど、部長にカミングアウトするだけでボロボロ泣いてしまって迷惑をかけたので、どうしたらいいのか分からなくて困っています。別に、黙っていてもいいのかもしれないし、名前を知られたらすぐ分かることなので気にする必要はないのかもしれませんが…。(あと、多目的トイレが建物の2階の奥にしかなく、わざわざ上のフロアから2階に降りてきて通路をつっきるので、どうしても2階
あまりにもあっけなかった。ずっと行くのが嫌で渋っていた外性器の検査の結果が書いてある封筒を開けたクリニックの医師は、「今日もう診断書持って帰りますか?」とわたしに聞いてきた。 診断書?? 診断、終わったんですか?と聞くと、医師は「そうですね。性同一性障害という診断が確定しました」と応えた。まるで、とっくの昔にあなたが自分で知っていたことでしょう、わざわざ言う必要なんてありますか、という感じの口調だった。 1.診断書を拾うこうしてわたしはGIDの診断書を拾った。 わたしは、自分がGIDという病気であることを発見してもらったとは思っていない。まるで身体の中のがん細胞をお医者さんが発見するように、医師がわたしのなかにGIDという病気を見つけたわけではない。わたしは診断の前からずっとある病気を、見つけてもらったわけではない。 わたしは、自分にGIDという宣告がされたとも思っていない。がん細胞のよう
こんばんは。夜のそらです。 今回は、以前ご紹介した「恋愛伴侶規範(amatonormativity)」について、より詳しくご紹介したいと思います。 ちなみにこれが前回の記事です。↓↓ いま読み返してみると、この記事 ↑ は少し欲張りすぎたかもしれません。ブレークさんのブログを参照しながら、『結婚を最小化する』での定義を紹介して、さらに amatonormativity を「性愛規範性」と訳すことがなぜ間違っているか指摘したりなど、中身がてんこ盛りでした。 その反省を生かして、今回はもっとシンプルに「恋愛伴侶規範」の紹介をしたいと思います。そして同時に、なぜそれが有害なのか、またどのように有害なのか、順を追って説明したいと思います。 0.恋愛伴侶規範とはなにか 今回の記事でも、ブレークさんの公式ブログの「Amatonormativity」の項目に基本的に準拠します。そして今回は、論文や著作の
コツ、コツ、コツ。 ハンマーで何かを叩く音がする。 ゴン、ゴン、ゴンッ。鈍い音もする。 そのハンマーを握る手は。 ハンマーの音は、ひとつではない。そこかしこから、音がする。 ハンマーが、共鳴する。 0.響き合うハンマー こんばんは。夜のそらです。今日は、Sara Ahmedさんという方が書いた、トランス排除についてのエッセイ「響き合うハンマー(An Affinity of Hammers)」の紹介をしたいと思います。 Ahmedさんがこのエッセイで書いているのは、トランス排除・トランス差別運動の最先端、UKの状況です。でもわたしはこのエッセイを、日本のことを思い浮かべながら読みました。まさに、いま日本で起きていること。 これから、そうしてエッセイを読みながらわたしが考えたことを書きます。でも、Ahmedさんの意見と違うことを書く可能性もあります。遠いUKからWifiに乗って届いたPDFデー
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こんばんは。夜のそらです。今日は、フェミニズムについて、ではなく、わたしとフェミニズムについて書かせていただこうと思います。(すごく個人的な話です)。一部、暴力の描写があるので、ご注意ください。 1.フェミニズムに出会う わたしが最初にフェミニズムに出会ったのは、大学1年生のときの「ヨーロッパ文化論」(みたいな名前)の授業でした。担当の先生は文学の教授でしたが、そのひとが、フェミニストでした。その大学にはフェミニズムやジェンダー学の授業はなかったので、この先生にあたったのは、本当に幸運でした。 先生がときどき漏らす言葉や、学生の発表へのコメント、そしてフェミニズム的な考えの解説は、わたしにとって、生まれて初めて飲む「きれいな水」でした。 生まれてから、ずっと濁った水を飲まされて、それでもその水を飲むしかなかったわたしに、その先生は「世界にきれいな水がある」ということを教えてくれました。そし
『現代思想』に掲載された千田有紀教授の論文「「女」の境界線を引き直す:「ターフ」をめぐる対立を超えて」を読みました。今から、その論文を読んで考えたことを書きます。ただし、わたしには批判や論駁は書けません。わたしは大学でフェミニズムの教育を受けてはいないし、ゆなさんのように精密で論理的な文章も書けません。ゆなさんは哲学書も読む方ですが、わたしはAセクの人のブログとか、Tumblerの投稿くらいしか読まないし、英語の本も、非アカデミック系の活動家やライターさんの本くらいしか読めません。 海外のAセクコミュニティで知り合った、日本人の文系の研究者の方がいます。その知人に「ターフ論文」を批判してほしいとお願いしましたが、やんわり断られました。学者が雑誌に公表した文章に反論を書くということは、学者には命がけのことで、それはブログやツイッターで「批判」を書くのとは全く違うということでした。わたしは理解
こんばんは。夜のそらです。 今回の記事では、Aロマンティックのコミュニティにとって非常に重要な、「恋愛伴侶規範」という言葉について紹介したいと思います。 1.amatonormativity(アマトノーマティヴィティ) ???? いきなりですが、見慣れない言葉ですよね。この言葉は、北米の哲学者であるエリザベス・ブレークさんが発明した造語です。「amato」というのは、ラテン語で「愛されている人」という意味があるそうです。 この言葉は、ブレークさんが(勝手に)発明した造語なので、英語圏の人にとっても異質な言葉ですし、もちろん日本語の訳語も正確には決まっていません。 そんななか、驚くべきことに(!)最近ブレークさんのMinimizing Marriagre(『結婚を最小化する』)が翻訳されました(※日本語タイトルは『最小の結婚』)。わたしは、とてもわくわくして真っ先にamatonormativ
こんばんは。夜のそらです。 今日は、Aセクシュアルにつきまとう「悪魔の証明」について書きます。 1.悪魔の証明 皆さんは「悪魔の証明」って聞いたことありますか?これは「存在しないことを証明する」ことに付きまとうジレンマを指したものです。 例えば、「ツチノコなんて存在しないよ」という人がいたとします。確かに、これだけ騒いでも見つからないのですし、きっと蛇か何かを見間違えた人がいたのでは??と思いますよね。でも、そこに悪魔が現れます……。 本当に『存在しない』って断言できる??山奥の奥の奥の地中に隠れてるだけかも知れないよ??まだ見つかってないだけで、本当はいるかも知れないじゃない??日本中の山の土をぜんぶひっくり返すまで、ツチノコが『存在しない』かどうかは、分からないはずじゃない?? (by 悪魔) この悪魔のささやき、どう感じるでしょうか?屁理屈だとは分かっていても、ちょっと説得されそうに
こんばんは。夜のそらです。 今回は、昨年(2018)からAセクコミュニティに衝撃をもたらし続けてきた、ある話題について書きたいと思います。ややマニアックなコミュニティの話題になってしまいますが、どうしても日本語で紹介しておきたいので、お時間のある方はお付き合いください。 1.1枚の写真 昨年、ある写真がインターネット上に出回り、Aceコミュニティに衝撃が走りました。一時期、TumblrのAceコミュニティでは、その写真が毎日のように流れてきていました。 これが、その写真です。 二人の女性が写っていますが、後ろの壁の張り紙(?)をご覧ください。 「誰かに決めてもらうのではない、あなたが自分自身でラベルを選ぶチャンスです。」という文字の下に、セクシュアリティが列挙されています。 ストレート(異性愛)、レズビアン(女性同性愛)、バイセクシュアル(両性愛)と並んで、…………Aセクシュアル(asex
こんばんは。夜のそらです。この記事は、「Aセクシュアル・マニフェスト」の全訳を紹介するものです。「Aセクシュアル・マニフェスト」については、以下のnote記事をまずはお読みください。 なお、この「マニフェスト」の翻訳権に問題が発生することも考えましたが、以下の理由から、全訳を公開してもよいと判断しました。 ・コミュニティの歴史にとって極めて重要である。 ・公刊から50年近くが経っている。 ・当初の「マニフェスト」は、収益を上げるために書かれていない。 ・わたし(夜のそら)のブログも、収益を上げるためのものではない。 以下が、「マニフェスト」の全訳です。目次は、もともと「マニフェスト」に入っている見出しに対応しています。「注記」は、1ページ目の下段にありますが、分かりやすくするために冒頭に置きました。ただし、誤訳も多く含まれているかと思いますので、内容については自己責任でお願いします。また、
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