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全国各地で流行しているインフルエンザ。 愛知県では、お盆明けから増加傾向となり、第36週(9月4日から10日まで)でインフルエンザの流行入りが確認されました。 新型コロナとの同時感染で重症化率が上がるという報告もあり、今後注意が必要です。 過去10年間で最も早い流行入り、その原因は。 厚生労働省では、「定点医療機関からの一週間の総報告数÷定点医療機関数」を「定点医療機関当たりの報告数」として、この数値が「1」を上回ると、「インフルエンザの流行入り」の目安としています。 愛知県によると、過去10年間の記録で最も早く流行入りしたのが、2019年度の11月11日。 それよりも2ヶ月以上早い流行入りとなりました。 その原因として以下の3つが推測されます。 暑い夏とエアコンの影響 今年の夏は非常に暑く、多くの人々がエアコンで暑さ対策をしていました。一方で、十分な換気がされずにウイルスの拡散が助長され
新型コロナウイルスの変異株「EG.5」(通称「エリス」)の感染者数が拡大し、 8月末の1週間で全国の新型コロナの感染者数が10万人を超えました。 エリスとはどんな変異株なのでしょうか。 主流株になりつつも重症化は少ない。 エリスはギリシャ神話の女神に由来。オミクロン株から派生し、2023年2月に発見されました。 その後、アメリカを中心に中国、韓国、日本、カナダ、オーストラリア、シンガポール、イギリス、フランス、ポルトガル、スペインなど51カ国で感染が報告されています。 東京都によると7月最終週の時点でエリスが主流株になっており、その割合は感染者の28%となっています。 ただし、世界保健機関(WHO)はエリスを「注目すべき変異株(VOI)」に指定したものの、他の変異株と比べて重症化する証拠はないと公式に発表しています。 高齢者が感染しやすい。 昭和大学病院の相良博典院長によると、エリスの感染
健康寿命は、介護などに頼らず心身ともに自立して生活できる期間。 2019年の厚生労働省のデータによると、日本の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳ですが、健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳で、男性で約8.73年、女性で約12.07年、健康寿命が平均寿命よりも短くなっています。 健康寿命が短くなると、長生きしていても自立して生活ができず介護などが必要な期間が長くなるので、健康寿命を延ばし平均寿命と健康寿命の差を縮めることがポイントです。 では、どうすれば健康寿命を延ばせるのでしょうか。 食生活を整える。 食は健康の基本。バランスの良い食事で、特に筋肉を作るためのタンパク質や骨を強くするカルシウム、ビタミンと食物繊維を多く含む食品を意識的に摂りましょう。 歯の健康も重要。 「8020(ハチマルニイマル)運動」は、80歳で20本以上自分の歯があるという目標です。 噛む力
28度を目安に冷房の適切な利用を。 室内外の温度差が激しいと夏バテが起きやすくなります。 冷房は28度を目安に、外気温との差が極端に大きくならないように調整し、上着をはおったり冷房の向きを調整して体を冷やしすぎない工夫をしましょう。 湯船でのリラックス効果で睡眠の質向上へ。 シャワーだけでなく、眠る1時間ほど前に湯船に浸かると、睡眠の質をぐっと高められます。 40度くらいのお湯で10分浸かると深部体温がスムーズに下がるのでおすすめです。 快適な眠りのために眠りやすい環境を。 規則正しい睡眠は自律神経を整え、疲労を溜めないために重要です。 夏用の寝具や扇風機で空気の流れを作るなど、眠りやすい環境作りを心がけ、疲労回復のためにも15分程度の昼寝を効果的に活用しましょう。 適度な運動で体力向上と自律神経のバランスを。 体力向上、自律神経のバランス調整、睡眠質の向上のために運動が有効です。 熱中症
夏の暑さは、私たちの身体にとってかなりの負担となることが多いものです。その一つが夏バテ。 特にお盆を過ぎた頃から夏バテがピークになり、特有の症状が現れる人々が増えます。 体のだるさから立ちくらみまで。 夏バテの主な症状は、体のだるさ、食欲不振、頭痛、めまい、立ちくらみなど多岐にわたります。 注意したいのが、頭痛や吐き気による食欲不振など熱中症に似た症状を感じるとき。 夏バテとは異なり、熱中症の症状は急に現れてしかも症状が重い場合が多いからです。 長時間暑い場所で活動する場合には、水分をこまめに補給し、体を冷やすようにしましょう。 主な原因はミネラル・水分不足、食欲低下、自律神経の乱れ 1つ目は、夏の暑さによるミネラル・水分の不足。 暑い季節には発汗が増え、水分やナトリウムなどのミネラルが失われるため、意識的に補給する必要があります。 特にナトリウムなどのミネラルは、体内で作り出すことができ
50代以上の男性では5人に1人、女性は3人に1人が骨折をしているといわれていますが、 高齢者が骨折しやすい四大骨折といわれるものがあります。 実は高齢者にとって骨折は命に関わる可能性もあり注意が必要です。 肩、手首、足のつけ根、背中の骨折に要注意。 肩(上腕骨近位端骨折) 左右のどちらかに肩から転倒したり、手をついたりしたときに起こりやすい骨折です。 手首(橈骨遠位端骨折) 肘から手首にかけてある骨が、手をついた衝撃で骨折にいたります。 足のつけ根(大腿骨) 外側と内側の2種類あり、尻もちをついたり、体をねじって倒れたときに骨折が起こります。 背中・腰(脊椎圧迫骨折) 尻もちをつくなど、上下方向からの力が加わったときに生じる骨折です。背中の骨折では、骨粗しょう症によりいつの間にか背骨が骨折してしまう場合もあります。 詳しくはこちら→【病気のおはなし】高齢者に多い骨折について このように、重
今年の夏は、前回までにお伝えしたヘルパンギーナや熱中症に加え、 様々な制限が撤廃された新型コロナウイルスの脅威も続いています。 多くの学校で夏休みが始まった今、もう一度新型コロナウイルスの感染対策を考えてみませんか。 毎年夏に感染拡大が 「第7波」となった昨年の夏は、7月上旬から急速に全国で感染が拡大し、一日の全国の感染者数が過去最多の26万人余りに達した日もありました。 現在の感染状況をみてみると、7月10日から16日までの1週間で1医療機関あたりの平均患者数は43の都道府県で前の週より増加し、全国平均は11.04人となりました。 しかし、愛知県は14.73人、岐阜県は13.87人、三重県は15.53人と全国平均を上回り、引き続き注意が必要です。 マスクの着用や適切な換気など、基本的な対策を 新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーでもある東邦大学の舘田一博教授は、夏休みとお
前回は夏風邪の特徴や症状を解説しました。今回は夏風邪の予防法と免疫力アップについてお伝えします。 特に免疫力が低下している時に夏風邪をひいてしまうと長引く可能性が高くなります。 手洗いとうがいの徹底 飛沫感染が多い冬の風邪と異なり、夏風邪は経口感染が多いため、手洗いとうがいが重要です。 手洗いは、流水で手を濡らした後、石鹸をつけて手のひらから始め、手の甲、指先・爪の間、そして指の間を丁寧に洗います。 親指も忘れずに洗い、手首まで洗うことが大切です。 洗い残しが多い部位を意識して洗うことと、手を清潔なタオルでしっかり拭くことも忘れずに行いましょう。 家族が夏風邪になってしまった場合は、トイレや洗面所のタオルの使いまわしを避けましょう。 免疫力アップのための食事と生活 ①ショウガやニンニク、乳製品をとりいれる バランスのとれた食事を心がけるとともに、発汗を促し免疫力を高めるショウガやニンニクを
本格的な夏を迎える中、熱中症とともに、夏風邪にも注意が必要です。 先日、夏風邪の一つである「ヘルパンギーナ」についてご紹介しましたが、もう一度夏風邪についてチェックしてみましょう。 高温多湿を好む夏風邪のウイルス 風邪のウイルスは冬の低温で乾燥した空気を好みますが、多くの夏風邪のウイルスは高温・多湿の環境を好み、湿度が50%を超えると活発化しはじめます。 代表的なウイルスは、「アデノウイルス(プール熱)」「エンテロウイルス(手足口病)」「コクサッキーウイルス(ヘルパンギーナ)」などがあります。子どもがかかりやすい病気ですが、大人がかかると重症化する場合があるので注意が必要です。 長引く咳、のどやお腹の痛みが特徴 夏風邪のウイルスはのどや腸で増えるものが多く、のどの痛みや長引く咳、腹痛、下痢などが特徴です。 発熱すると37.5度くらいの微熱が続く場合が多いです。 一方、冬風邪は、高い熱と鼻水
前回はどんな人が熱中症になりやすいのかについて解説しましたが、その中でも特に多いのが高齢者の熱中症です。 過去数年間、熱中症による死亡者が増え続け、その80%以上は65歳以上の高齢者です。 加齢とともに「暑さ」を感じにくくなる 高齢者が熱中症にかかりやすいのは、年齢と共に「暑さ」を感じにくくなり、体温調節や水分補給に遅れがでるからです。 高齢者の住まいは、冷房の使用時間が短く設定温度が高いため、一般的に2度高く、湿度も5%ほど高いと言われています。 また、皮膚の温度感知能力の低下により、暑さを自覚しにくく、結果的に熱中症のリスクが高まります。 東京都の令和3年の調査によれば、屋内で熱中症で亡くなった高齢者の約90%が、エアコンを持ちながらも使用していなかったという結果が明らかになりました。 水分補給と部屋の温度管理を 夏の暑さ対策には、こまめな水分補給が不可欠です。 のどが渇いていなくても
乳幼児 体温調節が十分にできないため、大人以上に注意が必要です。 特に夏の炎天下、地面からの照り返しなどが強い場所では、子どもの顔が赤く、大量に汗をかいていないか注意してみるようにしましょう。 高齢者 成人の体の中の水分量は60%ですが、高齢者は50%と低くなっています。 さらに、暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなり、体に熱がたまりやすくなるため、室内でも熱中症になりやすいです。 夏の屋外作業者 通気性の悪い衣服や保護具の使用、高温多湿や直射日光、体が暑さに慣れていない初夏の初めや梅雨明け後の急な暑さなどが熱中症の発生要因となります。 キッチンで火を使う人 キッチンで火を使って調理するなど室内でも高温多湿の環境では、熱中症にかかりやすくなります。 スポーツ選手や観客 湿度が高く風の弱い蒸し暑い日には熱中症のリスクが高まります。体調が良くない時に無理をすることは禁物です。 屋外だけでなく屋
新型コロナウイルスが5類になった一方で、その他の感染症が少しずつ増えているようです。 その一つが子どもに多いウイルス感染症のヘルパンギーナ。 しかし、ここ数年で大人でもヘルパンギーナの報告が増えています。 その背後には主に2つの理由があります。 大人の免疫力不足 ヘルパンギーナの症状は、高熱や口の中に水疱ができ喉が痛むのが特徴です。 主な原因はコクサッキーウイルスですが、大人はこのウイルスへの免疫が十分そなわっていません。 子どもは学校や保育園などで感染することが多い一方、大人はこのような環境にさらされる機会が少ないため、感染経験が少なく免疫が形成されにくいようです。 家庭内での感染 二つ目の理由は家庭内感染。 ウイルスは「飛沫感染」や「接触感染」で広がりますが、子どもがヘルパンギーナに感染すると、子どもを看病している中でウイルスが家庭内に広がり、大人が感染する可能性があります。 免疫力が
夏血栓の原因は何? 夏の血栓症の主な原因は、「脱水」といわれています。 大量に汗をかく夏は、水分不足から脱水症を起こしやすくなります。 すると、血液がどろどろになって血栓(血の塊)ができやすい状態に。 血栓が脳や心臓、肺に飛んで血管を詰まらせると、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症になってしまいます。 夏血栓の予防方法は? 夏血栓を防ぐには、何よりも水分補給が大切です。 1日に体から排出される水分は、尿や汗、便などを合わせて約2.5リットル。 それを補給するには、代謝水(摂取した食べ物が体内で分解されるときに発生する水のこと)の0.3リットルのほか、飲料水で約1.2リットル、食事で1リットルの水分をとることが必要。 1日8回に分けて、1回150〜200ミリリットルの水分を摂取するようにするといいでしょう。 脱水のサインを見逃さないこと。 脱水のサインは手に表れやすいといいます。 脱水状態になると、
梅雨前線が北上し、各地で梅雨入りが発表されていますね。 この時期になると、体のあちこちが痛み出す、という方はいませんか。 それはもしかして「天気痛」かもしれません。 天気痛ってどんな症状? 天気痛は、天気の影響を受けて生じる慢性の痛みの症状です。 原因の一つは、気圧の変動。気圧の変化を感じる内耳(耳の一番奥にある、聴覚と身体の平衡覚に関わる器官)が急激な気圧の低下または上昇を感じると、交感神経(体を緊張させる神経)と副交感神経(体をリラックスさせる神経)からなる自律神経のバランスが乱れてしまいます。 交感神経が活発になりすぎると、頭痛や慢性の腰痛などが痛くなり、副交感神経が活発になりすぎると、倦怠感や気分の落ち込みが生まれます。 天気痛の予防方法は?「天気痛予報」のチェックもおすすめ。 天気痛を予防するには、規則正しい生活をして、自律神経を整えることが大切です。 質の高い睡眠とバランスのと
前回につづいて、睡眠について考えてみましょう。 睡眠の質に大きく関わるのが「いびき」です。 あなたは、自分自身や家族のいびきに悩まされていませんか。 いびきはどうして起こるの? いびきは、舌の根元や喉の奥の部分が落ち込み、気道が狭くなることで起きます。 狭くなった気道を空気が通る際に周囲の粘膜が振動して「ガーガー、ゴーゴー」という音が出るのです。 いびきの原因にはいくつかありますが、主なものを紹介します。 ●口呼吸 寝ているときに口呼吸すると、舌の根元が落ちやすくなります。とくに花粉症やアレルギー性鼻炎があると、口呼吸しやすくなります。 ●飲酒や疲労 アルコールを飲んだり、疲れていると、舌や喉の筋肉が緩み、いびきをかきやすくなります。 ●閉塞性睡眠時無呼吸症 舌の根元や喉の奥の部分が落ち込み、気道を塞ぎ、呼吸が一時的に止まる病気です。呼吸を再開するときにいびきが起きます。 いびきはどうすれ
気温差の激しい季節の変わり目に起きやすい「寒暖差アレルギー」。 鼻水やくしゃみが止まらなくて、つらいと感じることはありませんか。 寒暖差アレルギーは有効な対策を講じることで、症状を緩和したり、予防することができます。 予防法①服装を工夫して気温差を小さくする。 寒暖差アレルギーは激しい気温差が原因になるため、服装の工夫が有効です。 ショール、スカーフ、手袋、靴下などで、首周り・手首・足首などを冷やさないようにしましょう。 気温の高い日でも、薄手のカーディガンを一枚、持ち歩くといいでしょう。 予防法②睡眠をしっかりとり生活リズムを整える。 寒暖差アレルギーを防ぐには、自律神経の乱れを整えることが基本です。 そのためには、就寝、起床時間をできるだけ同じにして、睡眠を中心とした生活リズムを整えることが効果的です。 予防法③適度な運動で筋肉を動かし血流をよくする。 血流の改善も、寒暖差アレルギー予
「マスクを外したいけど、花粉症だから外せない」。そんな声をよく耳にします。 年々有病率が増える花粉症は、今や日本の国民病。 基本的な対策について知っておきましょう。 花粉症はどんな病気? 花粉症は、花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応です。 体の免疫反応が花粉に過剰に反応し、花粉を外に出すために、「くしゃみ」で吹き飛ばしたり、「鼻水」「涙」で花粉を洗い流そうとしているのです。 花粉症の専門医があげる、花粉症対策の3つのポイントを紹介します。 花粉症対策(1) 花粉症を理解し、花粉を避けること 花粉症は花粉に対するアレルギー反応なので、花粉をできる限り体内に入れない工夫が必要です。 飛散シーズンはなるべく外出を避け、外出時はマスク・メガネなどの防御をしましょう。 また、帰宅後も、花粉を部屋へ入れないことが大切です。 花粉症対策(2) 重症になる前に、薬を飲むこと 花粉症は症状がひどくな
3月13日から、新型コロナウイルス感染対策とのマスク着用が個人の判断に委ねられることになりました。 とはいえ、マスク着用についてどう考えるべきか、何らかの指針がほしいですね。 厚生労働省の考え方を見てみましょう。 マスクの着用が推奨される場面は? 高齢者など重症化リスクの高い人への感染を防ぐため、下記のシーンではマスクの着用が推奨されています。 ●医療機関を受診するとき ●医療機関や高齢者施設などを訪問するとき ●通勤ラッシュ時など、混雑した電車やバス(※)に乗車するとき(当面の取扱) ※概ね全員の着席が可能な新幹線、通勤ライナー、高速バス、貸切バスなどを除く。 ●感染拡大時、重症化リスクの高い人が混雑した場所にいくとき (感染から自身を守るための対策として、マスクの着用が効果的です) 大切なのは、個人の判断を尊重すること。 上記に、マスクの着用が推奨される場面をあげましたが、マスクの着用
生活習慣病について学ぶシリーズ、9回目は「動脈硬化の早期発見」についてです。 症状のないまま進行する動脈硬化を見つけるには、検査で血管の状態を把握することが大切です。 血圧脈波検査で自分の血管年齢を知ろう。 動脈硬化の有無を調べる検査には、血管の形を見る超音波検査などと、血管の機能を見る血圧脈波検査があります。 ここでは、身近にできて、自分の「推定血管年齢」を算出できる血圧脈波検査を紹介します。 <血圧脈波検査で調べること> ■手と足の血圧の比較(ABI) 上腕と足首の血圧を測定し、その比率から動脈の狭窄の有無を調べます。動脈硬化があると、足首血圧が上腕の血圧より低くなります。 ■脈波の伝わり方(PWV) 心臓から拍出された血液により生じた拍動(脈波)が手足に伝わる速さを測定し、動脈硬化の程度を調べます。 動脈硬化の発症リスクを予測してみよう。 検査を受ける前に、動脈硬化の発症リスクを知り
生活習慣病について学ぶシリーズ、8回目は「動脈硬化の基礎知識」についてです。 健康は血管から始まる、ともいわれます。自分の血管についてちょっと考えてみませんか。 動脈硬化はどんな病気? 動脈は、心臓から送り出した血液を体のすみずみへと運ぶ血管です。 健康な動脈には十分な太さやしなやかさがありますが、血管に脂状の蓄積物(プラーク)がたまると、血管が狭くなったり、硬く変化していきます。 これが動脈硬化の状態です。 動脈硬化が進行すると、命に関わる病気に。 動脈硬化が進行すると、体のすみずみに血液が届かなくなります。 さらに、血管のプラークが破裂して血栓ができると、命に関わるさまざまな病気を引き起こします。 日本人のおよそ5人に1人は、動脈硬化による心臓や脳の病気で亡くなる(※)といわれており、十分な注意が必要です。 ※平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況(厚生労働省)より <動脈
生活習慣病について学ぶシリーズ、7回目は「慢性腎臓病の原因と予防」についてです。 気づかないうちに悪化する慢性腎臓病。 生活習慣病をもつ人は、早いうちから予防を心がけることが大切です。 慢性腎臓病を引き起こす、主な生活習慣病。 慢性腎臓病になりやすいのは、慢性腎炎など腎臓病の病気を持っている人や、高齢者。 そのほか、以下のような生活習慣病から慢性腎臓病につながることもわかっています。 ■高血圧 高血圧が続くと、腎臓の血管で動脈硬化が起こり、血液の通り道が狭くなります。 すると、血液の量が減り、腎臓の働きが悪くなっていきます。この状態を「腎硬化症」と呼びます。 ■糖尿病 糖尿病になると血液中に糖分の高い状態が続くため、血管が硬くなります。 腎臓の血管も硬くなり、血液のろ過がうまくできなくなっていきます。 この状態を「糖尿病性腎臓病」と呼びます。 なお、透析療法を開始する原因の第一位は糖尿病で
WEBセミナーを同時開催中 医療スタッフによる市民公開WEBセミナーをご視聴いただけます。 2023年3月下旬にオンラインLIVE配信予定です。 セミナー動画視聴申し込み受付中です。 ※各記事の最下部にWEBセミナー申込ページへのリンクボタンを設置していますので、詳細はそちらをクリックしてください。
WEBセミナーを同時開催中 看護職や医療スタッフによる市民公開WEBセミナーをご視聴いただけます。 2023年3月下旬にオンラインLIVE配信予定です。 セミナー動画視聴申し込み受付中です。 ※各記事の最下部にWEBセミナー申込ページへのリンクボタンを設置していますので、詳細はそちらをクリックしてください。
WEBセミナーを同時開催中 専門医や医療スタッフによる市民公開WEBセミナーをご視聴いただけます。 2023年3月下旬にオンラインLIVE配信予定です。 セミナー動画視聴申し込み受付中です。 ※各記事の最下部にWEBセミナー申込ページへのリンクボタンを設置していますので、詳細はそちらをクリックしてください。
生活習慣病について学ぶシリーズ、3回目は「糖尿病」です。 生活習慣が乱れていたり、検診で「血糖値が高め」といわれたら、糖尿病予備軍かもしれません。 糖尿病ってどんな病気? 糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。 最初は症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患のリスクが高まります。 また合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる怖い病気でもあります。 なお、糖尿病には1型と2型があり、生活習慣が大きく影響する2型が全体の約90%を占めています。 増えつづける糖尿病。その原因は・・・? 糖尿病になる人は増えつづけ、糖尿病の人は全国に約1000万人、その手前の「糖尿病予備軍」の人も約1000万人いるといわれます。 2型糖尿病の主な原因は「遺伝」と「生活習慣」です。 とくに、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足などの生活
脂質異常症とは? 脂質異常症とは、血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質が、多い状態のことをいいます。 血液中に余分な脂質が多くなると、動脈硬化を起こしやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなります。 脂質異常症の3つのタイプ。 以前は、脂質異常症の指標は総コレステロール値でしたが、現在は診断基準が変わり、3つのタイプに分類されています。 (1)悪玉コレステロールが多すぎるタイプ 悪玉とされるLDLコレステロールが多すぎるのは「高LDLコレステロール血症」といいます。 健康診断結果で、LDLコレステロール値が高いかどうかしっかり確認しましょう。 (2)善玉コレステロールが少なすぎるタイプ 善玉といわれるHDLコレステロールが少なすぎるのは「低HDLコレステロール血症」といいます。 血液中から余分なコレステロールがうまく回収されないため、コレステロール
生活習慣病について学ぶシリーズ、1回目は国民病とも言われる「高血圧」です。 日本の高血圧患者は推計、約4,300万人。 これは、日本人のおよそ3人に1人にあたります。 そもそも高血圧とは? 血圧は、心臓から送り出された血流が血管の内壁を押す力(圧力)のこと。 「高血圧」は安静にしていても血圧の高い状態です。 高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。 日本高血圧学会の指標では、最大血圧が140mmHg以上、または最小血圧が90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。 高血圧の原因は主に3種類。 日本人の高血圧の原因は、大きく分けて3種類あります。 (1)塩分の摂りすぎ もっとも多く見られる原因は、塩分の摂りすぎです。 食塩を多く摂ると、血液中の塩分濃度が高くなり、濃度を調整するために、体内の水分が
東洋医学では、「冷え」は万病の元。 冷え性は私たちにはなじみ深い病気ですが、西洋医学ではそういう病名はなく、あまり認識されていません。 東洋医学では冷えによる肩こりや腰痛、便秘や肌あれ、抵抗力の低下などといった症状が多く指摘され、「冷えは万病の元」といわれています。 どうして「冷え」になるの? 冷え性を招く原因はいろいろありますが、体温を調節する自律神経がうまく機能しないことや、熱を作る筋肉量が低下することなどがあげられます。 また、現代は「冷やす社会」であり、夏場のクーラー、冷たい食品などにより、気づかないうちに、冷えやすい生活を送っていることも原因と考えられます。 「冷え」は、なぜ女性に多いの? 女性は男性と比べて熱を生産する筋肉量が少ないことがあげられます。 また、月経で貧血になりやすかったり、更年期はホルモンバランスが変化しやすく、自律神経に影響を与えます。 さらに、女性は皮下脂肪
「浴室内熱中症」とは? 長湯や高温での入浴により体が必要以上にあたたまると、熱中症になります。 一般に、体温が40度を超えると熱中症の症状が出始めて意識障害を起こし、最悪の場合、浴槽で溺れてしまう場合もあります。 また、浴室内は気密性が高く、高温多湿になりやすいため、熱中症のリスクが高くなると考えられています。 熱中症による入浴事故が8割以上。 2019年、千葉科学大学の黒木尚長教授が行った入浴事故の調査によると、ヒートショックよりも「浴室内熱中症」の方が多く発生していることがわかりました。 入浴中に体調を崩した人のうち、熱中症および熱中症の疑いがある方が84.2%、ヒートショックが7.1%、その他・不明が8.7%でした。 「浴室内熱中症」の予防方法は? ある研究報告によると、体温37度の人が全身浴をした場合、湯温が41度では33分、42度だと26分で体温が40度に達するそうです。 体温が
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