「世界を信じるためのメソッド ぼくらの時代のメディア・リテラシー」(森達也 理論社)読了。中高校生向けの叢書「よりみちパン!セ」の一冊です。今、日本を「美しい国」ではなく「真っ当な国」にするために必要なのは、小泉元軍曹・安倍伍長流の構造改革でも米軍の配下としてとして自衛隊が世界中で暴れまわることでもなく、わたしたちがまともな判断力・批判力・思考力をもつことだと思います。そして魯迅が「子どもたちを救え」と書いたように、次世代の若者たちにそうした力を身につけてもらうこと。偏差値の高い大学に合格するための学力なんてどうでもいいと思います。そうした判断力・批判力・思考力を若者が身につける一助になろうという意気を感じるのが、この素晴らしいシリーズです。以前に紹介した「日本という国」(小熊英二)もこのシリーズの一冊だといえば、その質の高さがわかってもらえるでしょうか。 著者の森達也氏はオウム真理教を描