サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
scivis.hateblo.jp
iPhone/Androidや専用端末を使って、サイクリングやランニングの移動経路を記録、可視化するStrava GPS Cycling and Running App。自分や知り合いがどこを走ったかを教えてくれるこのアプリには、世界中にユーザがいる。そこで、Stravaのエンジニアは壮大なチャレンジを考えた。Stravaの世界中のユーザのデータをすべて、一枚の世界地図上に表示しよう、というアイデアだ。 その結果がこのStrava Global Heatmap。ブラウザ上でサイクリング(Bike)とランニング(Run)のどちらか、あるいは両方を選ぶと、総計77,688,848のサイクリングと 19,660,163のランニングから該当するデータを選び、世界地図上にマッピングしてくれる。GPSデータポイント数はなんと2200億点、文字通り「ビッグデータ」だ。可視化手法の詳細は、Stravaの技
私達の太陽系に無数に存在するといわれる小惑星。そんな小惑星の膨大なデータベースが、Asterankだ。 Asterankには60万個を超える小惑星のデータが蓄えられている。それらはNASAなどの既存のデータベースからあつめられただけでなく、科学論文などから質量や軌道を計算したものもある。 しかも、それら小惑星の膨大なデータを美しい3Dビジュアリゼーションとして見ることができる。角度を変えたり、拡大・縮小したり、表の中の小惑星のデータのテキストをクリックすると3D可視化の中の対応する点に視点が移動する、といったインタラクティブな機能も備わっている(これだけのデータを3Dで可視化しているにもかかわらず、操作は軽く、ストレスがない)。 しかも、アステロイドデータベースのユーザーは、小惑星の発見者になれるかもしれない。'Discover'のページに表示される星空の写真を見比べて「動く点」を探すこと
よく理解できないが、感覚に突き刺さってくる。人類が何かを初めて見るとき、そこには驚きを超えた、言葉にはできない感覚があるのだろう。そういう感覚を、この奇妙な「オブジェ」は与えているような気がする。 このオブジェの正体は、100編を超える、X線と水素核磁気スペクトル法の論文を総合して「可視化」されたHIVウィルスだ。2010年のサイエンス誌ベスト・イラストレーション賞を受賞した、現在、もっとも詳細な、HIVの可視化モデルである。 このHIVウィルスモデルは、2010年にNature Medicineの表紙も飾り、同じ情報をもとに、プラスチック版も作られている(下の写真)。 HIVウィルスを360度好きな角度から観ることができるインタラクティブ版もある。 先日、会社で「サイエンスぬいぐるみ」なるものを作ったが、このHIVウィルスのオブジェは作り物であっても、格段に本格的だ。 かわいくも、グロテ
このブログを始めてもう7年目。今まで年間100本は投稿してきたが、実はこの半年はあまり書かなかった。忙しくなったというわけでもないし、書きたくなかったというほど嫌になったのでもない。ただ、書くという行為にむかわせるほどのモチベーションがわかなかった、ということだろう。もともと誰に強制されるわけでもなくやっているブログだから、自分の興味がそこにむかなければ書く理由がない。 けっこう早くから、データの可視化やインフォグラフィクスについてとりあげてきたという自負はある。当初は、この分野は国内にほとんど情報はなかったし、海外の事例を紹介するサイトも少なかった。でも今や、可視化は当たり前、とは言わないまでも多くの人が知るところとなり、データ・サイエンスやデータ・ジャーナリズムも含めて、社会の新たなトレンドになりつつある(と思う)。 僕がデータの可視化に興味をもったその根本には、R.S.ワーマンが約3
クアッドコプターを自在に操って、夜空に絵を描く。そんな技術的にも表現的にも最先端を行くアート・パフォーマンスを展開するクリエーター集団がある。チームの名前、そして彼らがあやつるクアッドコプターは、'Spaxels'と呼ばれている。 Spaxelsはプログラム可能なLEDシステムを搭載したクアッドコプターだ。編隊で飛行し、夜空に立体的な図形を描き出す。この表現を実現できるのは、今のところ、アルス・エレクトロニカのフューチャーラボだけだ。 Spaxelsチームによるパフォーマンスは、2012年から世界各地で行われている。たとえば次のようなものだ。 SHARJAH 2014 / Islamic Capital of Culture Opening European Capital of Culture Opening, 2014 Ars Electronica Opening, 2013 Sta
"Junichi Niino(jniino)"さんの記事、「IT系企業の平均給与を業種別にみてみた 2014年版 ~ ネットベンチャー、ソーシャル、ゲーム編」は、就活の年齢もとっくに終わり、ヘッドハンティングされることもなさそうな僕にとっても、なかなか興味深い。で、これをインタラクティブなグラフにしてみた。 残念ながら、今回可視化したことですごい発見があったわけではないが、次のようなことは言えるのではないだろうか。 全体的な傾向として、従業員数が多いほうが平均給与は高くなる。 ネットベンチャー、モバイル・ゲーム分野は企業規模のばらつきが大きい。つまり大企業から零細企業?までいろいろある。(ネットベンチャーってひとくくりにしていいのか?NTTドコモやKDDIが「モバイル・ゲーム」に分類されるか?などという疑問はさておいて) ソーシャルメディア・アフィリエイトは中規模企業、平均年収も高め SE
MITのシンシア・ブリジール博士らが開発した’Jibo(ジーボ)'は、「世界初の家庭用ロボット」。「身長」約28cm、「体重」約2.7kgのABSプラスチック製のコンパクトな「体」には、コンピュータとWiFi、LCDスクリーン、カメラ、マイクロフォン、スピーカーなどが埋め込まれ、次のような機能を持っている。 見るー2つの高解像度カメラで人の顔を追尾、写真の撮影、ビデオ会話ができる 聞くー全方向性マイクと音声認識で、部屋のどこにいてもJiboと話すことができる 学ぶー人工知能アルゴリズムで、ユーザの好みを学習 助けるーユーザの仕事を予測し、日常のタスクを支援する 話すーハンズフリーのリマインダー機能が、やるべきことを教えてくれる 交わるー社交的・感情的な動作によって、より深いコミュニケーションができる Jiboがどんなものなのかは、次の動画を見るのが早いだろう。「家庭用ソーシャル・ロボット」
先日、このブログに掲載した「女性専用の体内埋め込み型チップ」には、多くのコメントをもらった。その中には「恐ろしい」「やりすぎだ」などという声も少なくなかったが、実は僕も、同じような第一印象をもった。しかし、調べるうちにこの技術は医療に幅広く応用できるものだと感じたし、また、開発の目的もけっして女性や人間を支配するものではなく、むしろ女性の人権を守ることにあるとわかったので、そのことをすこし補足しておきたい。 この埋込み型マイクロチップの核となる技術は1990年代にMITで開発されたものだが、microCHIPSというボストン郊外のスタートアップ企業にライセンスが供与され、製品開発も同社が行っている。先日記事に挿入したマイクロチップの写真は、2012年にmicroCHIPSが、骨粗しょう症用のインプラント型デバイスの計画を発表した時のもので、今回の避妊用ホルモン投与に使う製品そのものではない
女性の体内に埋め込まれ、ホルモンを分泌するマイクロチップを、M.I.T.のファラ教授らのチームが開発した。 20ミリ角・高さ7ミリのチップは、レベノルゲストレルとよばれるホルモンを毎日一定量、16年間にわたって体内に送り込む機能を持つ。このホルモンには女性の妊娠を防ぐ性質がある。つまり、このマイクロチップは新しい避妊用デバイスなのだ。 ホルモンの分泌は、無線コントロールによっていつでも停止・再開できる。この便利さの裏返しとして、第三者によって誤って、あるいは悪意を持って、チップを操作される恐れがある。通信の暗号化などによって、そのような誤用・悪用を防ぐことが実用化への課題だ。 このような埋込み(インプラント)型の医療技術にはリスクもあるが、それ以上に、今までの医療とは異なるメリットをもたらしてくれるだろう。 この新しい避妊具は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援によって開発されたもの。来年、
出典:Most and Least Meaningful Jobs Interactive Chart 給与や仕事に特化した米国の調査会社PayScaleは、22分野の454の職種について、給与と仕事の意義および満足度について調査し、インタラクティブなインフォグラフィクスにまとめた。チャートの横軸は仕事の意義、縦軸は平均(正確には中央値)給与。円の大きさが仕事への満足度を示す。「仕事の意義」は、その仕事が世の中を良くすると考える人の割合で測られている。 PayScale社はこのチャートから次のような「発見」を述べている。 平均給与がもっとも高いのは外科医で、299,600ドル。外科医は仕事の意義も高い(94%)。一方、飲食関係は全体的に給与、仕事の意義が低い。特にファストフードの調理師は給与、仕事の意義ともに最低になっている(それぞれ17,300ドル、17%)。仕事の意義が低いもうひとつの
最近、グーグルのロゴが変わったが、気がついた人はいるだろうか? これが以前のロゴ。 で、こちらが、新しいロゴ。 「ん!?どこが違うの?」と思ったのではないだろうか。僕もまったくわからなかった。 答えは、2つのロゴを重ねてみればわかる。(ネット上で見つけたgifアニメーションを拝借させていただいた!) 答えは、「'g'が右に1ピクセル移動、'l"が右に1ピクセル・下に1ピクセル移動」した。 なんと、微妙な違い!と思うかもしれないが、西洋人にとって、アルファベット文字の配置ー「カーニング」は、かなり重要なことらしい。おかしなカーニングだと「なんか気持ち悪い」のだ。以前のgoogleのロゴの場合、'l'と'e'のベースラインがあっていなかったことに、デザイン・コミュニティからクレームがついていたそうだ。 googleのロゴの「気持ち悪さ」は、日本人である僕には理解できない。でも、たぶんこんなこと
急激に進化する人工知能の中で、おそらく現在もっとも有名で、もっとも優秀な人工知能は、IBMが開発するWatson(ワトソン)だろう。Watsonはクイズ番組「Jeopardy!」に出場し、人間のチャンピオンをおさえて優勝した。その後もWatsonは進化を続けている。Watsonが人間を凌駕するのは、膨大な知識だけではない。Watsonは、今まで人間にしかできないと考えられていた分析や推論といった、より高度な知的作業まで踏み込もうとしている。 Watsonの機能として開発中の'Debater’は、与えられた目的に応じて、さまざまな情報を組み合わせ、必要な情報を抽出したメタ情報を作り出すものだ。これは内容を理解し、意見を作り出す、まさに「推論」と言える。'Debater'がどんなものかは、下のビデオで知ることができる。ビデオの45分25秒あたりから'Debater'のデモがある。「未成年への暴
鶏(にわとり)のための、ヴァーチャル・リアリティ。 「セカンド・ライブストック」は、ヘッドマウントディスプレイとソーシャル・アプリを使って、養鶏場で飼われる鶏たちに、ヴァーチャルな自由世界を与えようと言うものだ。鶏たちに見えるのは、「セカンドライフ」のようなヴァーチャル空間。床は全方向に動くトレッドミルになっていて、鶏は、広々とした野原を好きな方向に動きまわることができる。そして「セカンド・ライブストック」に参加する他の鶏たちと出会い、会話(鶏に言葉があれば、だが)することもできる。 「セカンド・ライブストック」が、どこまで実現されているのかは定かではない。ウェブサイト上で提案されたのは2年前で、その後も研究は進められているようだ。提案者であるデザイナー、オースティン・スチュワートは、プロジェクトの目的をこう語る。 (家畜にとって)何が一番良いのか、人間は何をするべきかという疑問を提示する
このブログの英語名は、"Science Media Geek, Infographics Geek"と言う。別に英語で文章を書いているわけではなく、「にぎやかし」にノリでつけたタイトル名にすぎないが、「…な日々」を直訳せずに、"Geek"と言う言葉を選んだのには訳がある。他では得られない、世間ではまだあまり注目されていないものを自分のこだわりや感性にそって書くブログにしたいと言う思いを「おたく」っぽい雰囲気と重ねて、'Geek"と言う言葉を選んだのだ。 英和辞典で「おたく」を調べると、ギーク(Geek)とナード(Nerd)、フリーク(freak)やナット(nut)…マニア(...mania)などが挙げられているが、特に最近よく見かけるのは、ギークとナードの2つだ。語感的にも、どちらも「おたく」っぽい響きがある。しかし、この2つ、ニュアンスにどんな違いがあるのだろう? ブログ"Slackpr
自分の体を他人の体と入れ替えてみたいーーーーー。それは、誰もが一度は持ったことがある願望ではないだろうか。将来、テクノロジーの発展によって、その願望がかなう日がくるかもしれない。でも、もしその日が待てなくても、「疑似体験」する方法がある。 バルセロナのアーティストグループによるプロジェクト「Machine To Be Another Lab(他人になる機械研究所)」は、体が入れ替わった感覚を体感する実験を行っている。二名がOculus Riftを装着し、それぞれの頭に固定されたビデオカメラの映像を、互いのOculusで見る。しかけはそれだけだ。実験の肝は、お互いがタイミングをあわせて同じ動作をすること。それによって、まるで自分が他人の体を動かしているような感覚、すなわち、自分tともう一人の体が入れ替わったような感覚を得る。これは、「ラバーバンド錯覚」(目の前のゴム製の手を撫でられているうち
ニューヨーク公立図書館(New York Public Library: NYPL)が、所蔵する2万点を越えるの地図の高解像度デジタルデータをオンラインで公開する、と発表した。 地図データはNYPLのDigital Collectionsページで閲覧できる。また、Map Warperのページから無料でダウンロード可能。操作は少しわかりくいが、"View Map"で地図データを開き、上部の'Export'タブをクリックして、ダウンロードしたいファイルフォーマットを選択する、という手順らしい。高解像度データはTIFF形式で配布されているようだ。ダウンロード可能な形式にはKMLファイルもあり、Google Earth上にダウンロードした地図を重ね合わせて表示することもできる。 今回公開される地図データのライセンスは、 "Creative Commons CC0 1.0 Universal Pub
以前このブログで紹介した「東京風速」は、東京都内に吹く風をリアルタイムに可視化するウェブコンテンツ。東京在住のCameron Beccarioによるクールな作品だ。そのCameronが、さらにスケールの大きい最新作を発表した。地球全体の風を可視化する、その名も"Earth Wind Map"だ。 Global Forecast Systemの気象データを使った可視化は3時間ごとに更新され、過去のデータを観ることもできる。マップを回転・ズームイン/アウトすることや、高度の変更、マップの投影方法を選択することも可能だ。スケールが大きくなっただけでなく、操作性も向上している。 今日、神戸は小雨の寒い一日だった。東京では雹(ひょう)も降ったそうだ。Cameronの可視化を観ると、日本の東側には低気圧による強い渦があることがわかる。窓の外に見える天気と、宇宙から見た大局的な風の分布が、ウェブを通じて
Quoraというサイトがある。ユーザが投稿した質問に、他のユーザーが答えるというしくみで、日本で言えば「はてな」や「教えてgoo」に近いものだ。ただ、Quoraの質問や回答は、とてもウィットやユーモアに富んでいて、さすがコミュニケーションを重視する英語圏のサイトだと感じる。 今日、Quoraを覗いたら、ちょっと面白い質問を見つけた。「ユーザ・エクスペリエンス(UX)について、役に立つ名言を教えて下さい」というものだ。 その中から、オモシロイと思ったものをいくつか抜粋し、日本語に訳してみた。 -「UXデザインとは?」系 デザインとは、人類が創るものの基礎となる魂。 製品やサービスと一体化し、それらを取り囲むように自己表現する。(スティーブ・ジョブズ) “Design is the fundamental soul of a human-made creation that ends up e
M.I.T.メディアラボの石井研究室が今週公開した'inFORM'は、上下する900本のプラスチックの棒によって、空間に立体的な形を描く「表示装置」。深度カメラが取得した3次元物体の形状を、リアルタイムに、立体として「再現」する機能を持つ。 この斬新なデバイスがどういうものかは、上の動画を観るのが早いだろう。人の手やプレートなどの形状を読み取り'inFORM'の上に表示するだけでなく、'inFORM'を通じて他の物体とインタラクションすることもできる。つまり、'inFORM'は単なる「ディスプレイ」ではなく、アトムからビットへ、そしてもう一度アトムへと言う経路を経て、現実の世界と関わることができるデバイスなのだ。 'inFORM'開発の背景をビデオはこう説明する。「人類は物理世界を知覚・操作するため、高さに関わる能力を進化させてきました。しかし、現在のピクセル(を使ったグラフィカル・ユーザ
クーリエ・ジャポン2013年11月号の特集、「そして『理系』が世界を支配する。」は、興味深い内容だった。センセーショナルなタイトルはともかく、いくつかの記事には間違いなく将来への示唆やヒントがある。この特集で取材された出来事や発言には、賛成・反対といった意見や、好き・嫌いといった感情を越えた、複雑で深遠な、しかし、これからの社会に必要なエッセンスがちりばめられている。 その中でも、ネイト・シルバーへのインタビュー記事は、特にインスピレーションを与えてくれた。ネイト・シルバーは、2012年の大統領選挙で50州全洲の選挙結果を的中させたことでその名を知られるデータサイエンティスト。「データサイエンス」の先陣を切る彼なら、きっとデータサイエンスの描くバラ色の未来を語っているのだろうと予想しながら読み進めたが、良い意味で期待を裏切られた。 同時に、すっと腑に落ちる内容でもあった。僕自身、データサイ
ある正の整数を素数の積に分解することを「素因数分解」と言う。「昔、数学の授業でやったな」と言う程度の人も多いだろう。素因数分解を知っているとどれくらい役に立つかと聞かれると、良い答えは見つからない。多分、暗号解読には役立つんじゃないかな、くらいの回答しか思いつかない。 しかし、一見役に立たないものほど、美しい。実生活と正反対の立ち位置にあるアートにひかれるように、純粋数学には言葉にはできない魅力がある。数学者になる素質はないが、数学を楽しみたいという気持ちはずっと持ち続けている。 SOSUは、適当に出てくる正の整数がどんどん素因数に分解されていく。素数はグレーの円、非素数はブルーの円で表され、画面内を跳ねまわる。コンテンツの説明は以上で終わり。ただそれだけだ。 いったい、このSOSUは何のために作られたのか、と言う質問はしないように。画面上に現れる素数を眺めていくうちに、いつかあなたの心の
オープン・データの時代へむかって様々なデータが公開され、それらを使ったアプリケーションや可視化コンテンツが現れ始めている。 例えば、この「東京風速(Tokyo Wind Speed)」は、東京都環境局と国土交通省国土政策局が公開しているデータを使って、東京都内に吹く風の、風向と風速を可視化したものだ。 作者のCameron Beccarioさん(@cambecc)は東京都に在住する外国人。アメリカ全土の風を可視化する、'Wind Map'に刺激を受けて、この「東京都風速」を制作したそうだ。彼のTwitterによれば、D3.jsと、SVG、canvg、CANVASを組み合わせて、このコンテンツを作ったとのこと。デザインも可視化の方法も、シンプルでポイントが明確で、わかりやすい。 オープンデータとオープンソース、そしてインターネットによって、今まで目に触れることがなかったさまざまな情報を、この
世界最大の「知の集積」、Wikipedia。人類初とも言えるこの集合知は、世界中の人の絶えまない貢献によって、拡大を続けている。 Stephen LaPorte と Mahmoud Hashemiのプロジェクト'Listen to Wikipedia'は、Wikipediaに加えられた編集を、サウンドとビジュアルでリアルタイムに可視化する作品。Wikipediaの編集状況が概観できるだけでなく、サウンドとビジュアルがシンクロしたミニマルな表現は、「禅(ZEN)」の世界のように美しい。 'Listen to Wikipedia'では、次のようなルールで、Wikipediaの編集作業を可視化する。 ベルの音はWikipediaへの加筆を、弦の音は削除をそれぞれ表す。編集された記事の情報は円とテキスト(記事名)で表示される。 音の高さと(おそらく)円の大きさは、修正の量に関係づけられている。 円
Twitterがサービスを開始したのは2006年7月。それから約7年、世界中の「つぶやき」の蓄積は、人間に関する膨大なデータベースになりつつある。 この度、TwitterのVisual Insightsチームは、2009年以後のジオタグ(緯度・経度情報)付きツイートをプロットした画像を公開した。ジオタグからプロットされたツイートの場所の可視化から、私たちの「生活圏」が浮かび上がってくる。 例えばヨーロッパの可視化について、Twitterのチームは、都市の生活圏だけでなく海上の航路も見えてくることが面白いと述べている。確かに、単純な住居の可視化とは異なる、ツイートならではの生活圏の可視化になっている。ちなみに、主要な海上航路でもツイートの通信ができていることも興味深い。 また、東京、ニューヨークなど各都市のツイートを見ていると、そこでの人間の営みが見えてくる。ツイートが行われた場所は、何らか
オーディオからテレビ、そしてゲームへと製品を展開してきたソニー。かつての「ソニー神話」は多少陰をひそめたとは言え、日本を代表するテクノロジー企業であることは間違いない。ソニーの次のターゲットは何なのだろうか?その候補に「おもちゃ」が浮上している。 ソニーが共同研究パートナーとして選んだのはLEGO社。誰もが知っている、あのブロックを作っている会社だ。意外な組み合わせ…ではないかもしれない。今、ICT企業はこぞってリアルな世界に踏み込もうとしているし(追記:もちろん、Sonyは元来ハードウェアの会社だ!)、LEGOのマインドストームはメカトロニクスの入門キットとして普及している。元々お互いの進出領域は重なりつつあった。 また、LEGOは、ユーザーである子どもたちをテレビゲームに奪われ、SONYは、テレビゲーム市場の頭打ちに苦しんでいる。現状を何とか打破したい。そんな思惑もあったのではないだろ
M.I.T.メディアラボのDhairya DandとRob Hemsleyが開発した"Obake"は、「人にやさしい」ジェスチャー・インターフェースだ。 スクリーンをつまんで引っ張ったり、指で押したり、こすったりすると、スクリーンの変形に追随して投影される映像も変化していく。引っ張りあげながら一部を押す、両手で持ち上げる、2箇所を引っ張ってつなげる、といった複合的な、しかし人にとっては自然な動作で操作することができる。 一見、突拍子もなく見える"Obake"の最大の目的は、特別な操作方法を覚えなくても、私たち人間が自然に行なっている動作(ジェスチャー)で操作が可能なインターフェースを実現することなのだ。 ちなみに"Obake"は、変幻自在に形を変える「お化け」から名付けたという。 今までマウスで行なってきたポインティングやドラッグ・クリック、と言った操作は、タッチセンサーの登場によって、タ
最近、「オープン・サイエンス」と言う言葉を耳にする。一部の科学者・技術者だけのものになってしまった科学技術を、再び市民に開放しようという活動だ。その背後には、インターネットの発展によって市民レベルでの情報共有が容易になったことがある。しかし、「オープン・サイエンス」は、インターネットのようなテクノロジーの力だけで進んでいるのではない。「科学技術の民主化」が、研究者と市民、双方にとってメリットがあると考えられ始めているのだ。 そういう視点で見てみると、私たちの社会から遠いとおもわれる基礎科学の方が、かえって「民主化」が進んでいるかもしれない。一般社会への直接のメリットが見えない基礎研究が研究予算を獲得するためには、国民の理解を得るアウトリーチが不可欠であることを研究者は身にしみて知っているし、その努力を続けてきたためだろう。その代表例が天文学や宇宙科学である。 例えば、世界最高峰の宇宙科学の
昨日、衆議院議員の選挙速報を見ながら上の図を作ってみた。全国の小選挙区当選者を政党別に可視化した図だ。 今回は可視化に頼る必要もなく、日本を代表する保守政党の圧勝だった。予想はされていたとは言え、ここまで圧倒的な議席数を獲得するとは意外である。いわゆる「雪崩現象」は小選挙区制の特性であるし、前回、前々回の選挙も勝利した政党は圧勝している。しかし、今回ほど周囲の人々の言動や自分自身の感覚から来る「民意」と、選挙結果が乖離した選挙は初めてだ。 成熟した2大政党が存在しない日本に、小選挙区制は適切なのだろうか。特定の政党が「安定多数」を取ることが政治の安定ではないと思う。民意の微妙な差が拡大され、選挙の度に雪崩現象的に政権が交代する状況はどう考えても不安定だ。 もうひとつ。各県の小選挙区数を可視化してみた。この図は、各都道府県の国政への影響力を表している。例えば島根や鳥取は2議席しかなく、25議
テクノロジーの進歩と低価格化、オープン・ソースとソーシャル。それらが組み合わさって、今まで不可能だと思っていたことや、思いつくことさえなかったことが、次々と現実のものになっている。Matt Rechardsonが作った”Descriptive Camera”もそのひとつだ。 Descriptive Cameraカメラのシャッターを押しても、画像はいっさい出力されない。シャッターを押して数分間待たされた後(この間は「現像中」のランプが点滅する)、カメラに組み込まれた小型プリンターから出てくるのは、そこに映っているはずの事物を描写した「文章」なのだ。 例えば次のような風景に対して、Desriptive Cameraから出力される文章は、「壊れかけたビルの色あせた写真です。ビルは古く、修理が必要なようです」。 下の被写体にむけたカメラから印刷されるのは、「古くて汚い戸棚のようです。銘板がついてい
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『サイエンスメディアな日々 インフォグラフィクスな日々』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く