サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
scivis.hateblo.jp
世の中、メジャーリーグのに関する情報を目にすることも多いですが、これだけ詳細でセンスのよいデータベース・アプリはないでしょう。 Pennantは、1951年から2010年までのメジャーリーグの試合を可視化するコンテンツ。 Pennantのサイトによると、Pannantは、チーム選択、シーズン選択、ゲーム選択、ゲーム閲覧の4つのメイン画面と、各々に3つのサブ画面があり、多面的にデータを閲覧・把握・比較することができるようです。 膨大なデータ、多面的なデータ解析もさることながら、iPadでのインターフェースのセンスのよさも光っています。Pennantのサイトにあるデモムービーをご覧あれ。 チーム選択画面の、各チームのアイコン(バナー?)の動きもいいし、シーズン選択画面の色合いもきれい。ゲーム閲覧画面のデザインは斬新で、グラフや数字の上をなぞってデータを選択するインターフェースも面白いです。 i
さて、上の写真に写っているのはいったい何だと思いますか? 昔の鉄砲?世界初のマシンガン?… たしかにそんな風にしか見えないのですが、実はこれは1882年に作られた、世界発の「連射カメラ」です。発明したのは、フランスの生理学者エティエンヌ=ジュール・マレー。血液の循環などを研究していたマレーは、研究機器を自分自身で作ってしまう発明家でもありました。やがてマレーの興味は昆虫や動物の「動き」に移り、その研究のために発明したのが、クロノグラフと呼ばれる連続写真撮影機です。 写真はクロノグラフ・ガン=写真銃と呼ばれ、1秒間に12枚の撮影ができたそうです。すべて同じ印画紙に撮影されるので、下の写真のような連続した動きを見ることができます。 今見ても、大変美しい映像ですね。 マレーはその後、秒間60コマを撮影できる映画カメラの原型も開発し、エジソンの世界初の映写機=キネトスコープや、リュミエール兄弟のシ
可視化ツールには様々なものがあるが、数が多すぎて、どれをつかえばいいのか迷ってしまう。結局は知っているものを(多少無理して)使うことになる。本当はもっと便利で、もっと適したツールがあるんじゃないかな、と思いながら。 そんな状況を変えてくれそうなのが、可視化ツールのまとめサイト、dataviz.toolsだ。"Analysis", "Color"など、カテゴリーごとに有用なサイトがリストアップされている。 しかも、dataviz.toolsのリストは「成長」していくようだ。ユーザーが、"Suggest a Tool"から、おすすめの可視化ツールを推薦することで、実際に可視化に携わっている人々の間で情報を共有できるしくみがいい。 可視化ツールを可視化したサイト、dataviz.toolsを、ブックマークしておこう。
かなり古い記事だが、2011年のThe Economistに、「"Corrosive corruption - A correlation between corruption and development"(腐敗による没落〜腐敗と発展の相関関係)」という記事がある。世界各国の政治的腐敗の程度と、国民の生活の質との関係を調査したものだ。 その結果は、上手の通り。横軸に腐敗認識指数(CPI)、縦軸に人間開発指数(HDI)を取ってまとめられている。 横軸のCPIは、その国・地域の公的機関の腐敗がどれだけ認識されているかを示す指数、つまり、公的機関の「クリーン度」を表す指数で、数値が大きいほど腐敗が少ないことを示す。 一方、縦軸のHDIは、国連による健康、財産、教育の充実度を測る指数。大きいほど国民の生活の質が高いと言える。 このグラフから、CPIが低い国はHDIのバラ付きが大きいものの、CP
2011年度から続いてきた、科学技術振興機構(JST)のサイエンス・ニュースが、昨年度で終了となった。サイエンス・ニュースは科学技術振興機構(JST)が企画・運営する、ネット配信の科学ニュースで、科学技術の最先端の動向や、科学技術と社会の関わりにある話題を、5分間の動画として配信しているもの。 サイエンスニュース|サイエンス チャンネル 制作会社としてプロジェクトの最初から関わらせてもらい、公正な企画入札なので(!)毎回受注できたわけではないのだが、数えてみると、今まで70本以上のサイエンス・ニュースを制作してきた。 制作したニュースを今あらためて見ると、「こんな取材をすればよかった」とか「こんな表現にすればよかった」とか「もっとわかりやすくできたのに」とか、未熟・稚拙な部分ばかり気になってしまう。一方で、5分間という制約条件の下で、科学技術と社会の交差点にあるトピックスを、ある程度先取り
Flowing Dataに、"Best Data Visualization Projects of 2016"という記事が出ている。年末らしく、今年の「ベスト可視化サイト」をピックアップしたものだ。 flowingdata.com 取り上げられたプロジェクトは、幅広い分野や対象、手法に渡っている。いわゆる「データ可視化」の手法は定着してきた。時代は「どう可視化するか」から「何を可視化するか」に移っていると感じられる。 その観点から面白いと思ったのは、ハーバード大学による、巨大なプレートの上でのバクテリアの「成長」を可視化したプロジェクト。何世代にもわたって拡大していくバクテリアのコロニーを、タイムラプスで撮影したものだ。バクテリアの広がりは一様ではなく、ある系列は途絶え、ある系列は子孫を増やしながら広がっていく。その結果、巨視的な「樹形図」が描かれていく。 可視化としては、オーソドックス
月並みな言葉だが、地球はなんて美しいのだろう。この映像を眺めていると、この星に生まれた偶然に、感謝したくなる。 "The Glittering Blue"と名付けられた実験サイトは、気象衛星ひまわり8号が撮影された、2015年8月のある一日の地球の画像を12秒に圧縮したものだ。ひまわり8号は、東経140.7度の赤道上空にある静止衛星だ。 おそらく、地球全体をひとつの画面で見ることができる人は少ないだろう。それほど大きな画像(映像)だ。ブラウザの縦・横、それぞれのスクロールで(あるいは、縮小表示で)様々な場所を眺めてみると、まず、雲の繊細でダイナミックな動きに目を奪われる。 中央付近にある台風は周りの雲を巻き込みながら、ゆっくり西へと進んでいく。日本海の北側にある雲は、南西から北東へむかって長く連なっている。偏西風で流されているのだろう。南極からは、渦をまいた雲が、オーストラリア大陸にむかっ
先日、They Might be Giantsの"Meet the Elements"と言うミュージック・ビデオを紹介しましたが、もっと老舗があるのですね。Tom Lehrer氏の"The Elements Song(元素の歌)"です。 こちらはピアノ弾き語りのコミカルな曲です。元素の名前をひたすら歌い続けるだけなのですが、これだけ並べるとすばらしい芸になるのですね。 Tom Lehrer氏は音楽家であり、数学者でもある、多彩な人です。ハーバード大を卒業し、MITでも教えた立派な数学者であると同時に、1950年代、60年代に音楽作品を多数発表し人気を博したそうです。 "The Element Song"には、多くの人が映像をつけてYouTubeにアップしています。比較してみるのも面白いです。 僕のベスト3は、これと、これと、これかな…。
大げさな表現はないのに、何度も見たくなる映像というのがある。アップルのTV広告、'Misunderstood'もそのひとつになりそうだ。 ホリデーシーズン。久しぶりに実家に集うハリス家の人々。その中にひとりの少年がいる。多感な時期の少年らしく、少し斜に構えて、家族の輪を一歩外から眺めている。その手にiPhone5sを持ちながら。 夜、リビングルームに集う家族たち。少年はおもむろに自分が撮った映像を、Apple TVを通してテレビに流しはじめる。そこには、温かい家族の情景がとらえられていた。 少年の優しい眼差しに気づいたハリス家の人々。その絆はさらに深まっていく…。 アップルのホリデーシーズン向けの広告は、商品や言葉を全面に出さない。映し出さされる情景を見ているうちに、いつのまにかハリス家の一員になったかのように、心が温まっていくのを感じる。登場する家族や少年が愛おしくなる。 「ああ、こんな
iPhone/Androidや専用端末を使って、サイクリングやランニングの移動経路を記録、可視化するStrava GPS Cycling and Running App。自分や知り合いがどこを走ったかを教えてくれるこのアプリには、世界中にユーザがいる。そこで、Stravaのエンジニアは壮大なチャレンジを考えた。Stravaの世界中のユーザのデータをすべて、一枚の世界地図上に表示しよう、というアイデアだ。 その結果がこのStrava Global Heatmap。ブラウザ上でサイクリング(Bike)とランニング(Run)のどちらか、あるいは両方を選ぶと、総計77,688,848のサイクリングと 19,660,163のランニングから該当するデータを選び、世界地図上にマッピングしてくれる。GPSデータポイント数はなんと2200億点、文字通り「ビッグデータ」だ。可視化手法の詳細は、Stravaの技
AR(Augmented Reality 拡張現実)やMR(Mixed Reality 複合現実)の技術が急速に進み、世の中には新しいUI(ユーザー・インタフェース)、UX(ユーザー・エクスペリエンス)が数多く提案されている。様々な考え方がある中で共通するのは、人間がコンピュータに…
よく◯◯は体にいい、とか、☓☓を食べると癌になる、といった「研究成果」が発表されて一般メディアでも話題になる。でも、中にはお互いに矛盾するものもある。とにかく健康に関する「知見」や情報はあふれていて、消化しきれない感じがする。 冒頭の図は、各食品の癌リスクについて調べたさまざまな論文の結論をプロットしたものだ(*)。この図では、癌の誘引となるものが右側、癌を抑制するものが左側にプロットされている。 ワイン、トマト、紅茶、ミルク、コーヒー…など、さまざまな食品がプロットされているが、一目見て明らかなように、その評価はかなりばらついている。たとえば最近、健康によいと言われることが多いワインも、癌の原因となるという論文もある。一方、健康については旗色の悪いバターにも、癌を抑制する効果があるとする研究結果もある。僕はコーヒーをよく飲むので、「コーヒーは健康に良い」という記事をみつけるとつい喜んでし
とんでもない質問に、科学と数学(と漫画と体力?)を駆使して、超まじめに回答する本、'What If'。その著者で、ギークたちの圧倒的な支持を得る漫画家(であり、元研究者)が、ランドール・マンローだ。彼のTEDトークには、'What If'の雰囲気がそのまま漂っている。 トークでは次の2つの質問と、彼の回答が紹介される。 ピッチャーが、光速の90%で投げたボールを打ち返したらどうなる? すべてのデータをパンチカードに記録したら、グーグルの倉庫はどれくらいの大きさになる? どちらの質問もぶっ飛んでるが、回答はさらにぶっ飛んでる。よくいえば「現代版フェルミ推定」、サブカル風に言えば「米国版『柳田理科雄』」だろうか。(注:フェルミ推定も柳田理科雄も知らなくても、たぶん問題ありません。知っている時点ですでにギークの仲間なので、こんなたとえも不要でしょうから(笑)) 最初は「ばかげた質問に何をまじめに
データに基づく分析は、一見、客観的で公平に思えるが、そこから導かれる結論は、時に人を誤った方向に導く。データは正しく、分析者に悪意や偏見はなく、分析に間違いがないにもかかわらず、得られた結果を見た人が誤った評価や判断をしてしまう、ということがあるのだ。 その具体的な事例を、先日も紹介した「直感を裏切る数学」からとりあげてみる。 表1は、フロリダ州でおきた殺人事件についての死刑判決と死刑判決以外の判決、それぞれの数を、被告人の人種 ーーーーーコーカソイド(いわゆる「白人」)とアフリカ系----- 別にまとめたものだ。これを見ると、コーカソイドが被告人の場合は死刑判決が11.0%であるのに対して、アフリカ系の場合は7.9%、すなわち、アフリカ系が被告人の場合の方が死刑割合が低い。この分析結果から、フロリダ州では(少なくとも死刑判決において)アフリカ系への人種差別はなく、むしろ優遇されているので
私達の太陽系に無数に存在するといわれる小惑星。そんな小惑星の膨大なデータベースが、Asterankだ。 Asterankには60万個を超える小惑星のデータが蓄えられている。それらはNASAなどの既存のデータベースからあつめられただけでなく、科学論文などから質量や軌道を計算したものもある。 しかも、それら小惑星の膨大なデータを美しい3Dビジュアリゼーションとして見ることができる。角度を変えたり、拡大・縮小したり、表の中の小惑星のデータのテキストをクリックすると3D可視化の中の対応する点に視点が移動する、といったインタラクティブな機能も備わっている(これだけのデータを3Dで可視化しているにもかかわらず、操作は軽く、ストレスがない)。 しかも、アステロイドデータベースのユーザーは、小惑星の発見者になれるかもしれない。'Discover'のページに表示される星空の写真を見比べて「動く点」を探すこと
たとえば、ある国の政府がこんな分析結果を公表したとする。 > 年収1000万円以上、年収500万円〜1000万円未満、年収500万円以下、どの階層でも平均所得が上がっている この分析は正しいと仮定して、これだけでこの国全体の平均所得は上がっている、と結論づけていいのだろうか? 部分の平均がすべて上がっているのだから、それを合わせた全体の平均も当然上がっているはず。そんなの当たり前だ、と直感的には思う。実は、これは神永正博著「直感を裏切る数学」で紹介されている事例。ほんのタイトルから察せられる通り、各層の平均値は上がっていても全体の平均値は下がっていることがありうる、というものだ。本の中にある具体的な例で説明する。 今、国民を、年収500万円を境にして「高所得者」と「低所得者」を分けるとする。そして国民は4人からなり、「高所得者」には年間所得1400万円と600万円の二人が、「低所得者」には
よく理解できないが、感覚に突き刺さってくる。人類が何かを初めて見るとき、そこには驚きを超えた、言葉にはできない感覚があるのだろう。そういう感覚を、この奇妙な「オブジェ」は与えているような気がする。 このオブジェの正体は、100編を超える、X線と水素核磁気スペクトル法の論文を総合して「可視化」されたHIVウィルスだ。2010年のサイエンス誌ベスト・イラストレーション賞を受賞した、現在、もっとも詳細な、HIVの可視化モデルである。 このHIVウィルスモデルは、2010年にNature Medicineの表紙も飾り、同じ情報をもとに、プラスチック版も作られている(下の写真)。 HIVウィルスを360度好きな角度から観ることができるインタラクティブ版もある。 先日、会社で「サイエンスぬいぐるみ」なるものを作ったが、このHIVウィルスのオブジェは作り物であっても、格段に本格的だ。 かわいくも、グロテ
FlowingDataで見つけたこのインフォグラフィクスは、機械系エンジニアなら絶対気に入るはずです。カクテルの作り方が、設計図面上に表現されているのですから! 記号や注釈の言葉遣いなどが「図面」っぽくて大変素敵です。ただ、この図面を見ながら作ったカクテルは調合はパーフェクトでも、今ひとつムードがないかも。 かくいう僕も、もちろん元機械系エンジニアです。
WIRED日本語版 Vol.14で、「NASA、Googleが注目する「D-Wave」は、本当に量子コンピューターなのか? 」の翻訳を担当した。 今までいろいろと話題になってきた’D-Wave’だが、その詳細はよくわかっていない(伝わっていない)と思う。実際のところ、'D-Wave'がホンモノの量子コンピュータなのかどうかは、まだよくわからない。従来のコンピュータ(「古典機械」)とは異なるメカニズムが働いていることはほぼ間違いなさそうだが、そのメカニズムを「量子計算」と呼んで良いのかどうかは、専門家でさえまだ判断が分かれている。その事実をわかりやすく伝える、良い記事だと思う。 少なくともわかっていることは、’D-Wave’は最適化計算に特化した特殊な機械である、ということだ。「量子アニーリング」と呼ばれる比較的実現しやすい技術を導入した代わりに、汎用性は犠牲になった。D-Waveは、量子ビ
今年、スペースシャトルが引退した。物心ついた頃から米国の有人宇宙活動をあこがれの眼で見てきた僕にとって、ひとつの時代の終わりを感じる、感慨深い出来事だ。世界の科学技術の「アイコン」のひとつであった米国の有人宇宙開発が、途切れてしまうなんて...。 MITのインフォグラフィクス"Space Launches"は、7000回を超える人類のロケット打ち上げの全貌を可視化したものだ。1950年代から始まったソ連(ロシア)と米国の宇宙開発競争。この2国の打ち上げ回数は突出しているが、特にソ連/ロシアは軍事目的を中心に、米国の2倍の打ち上げを行ってきたことがわかる。70年代から90年代前半まではロシアが圧倒的な打ち上げ回数を誇っている。普段軍事関係はニュースにならないこともあり、こんなに差があるとは思わなかった。 我が日本を見ると、両国に大差をつけられれているとは言え、世界第三位。ヨーロッパで宇宙開発
可視化を行うとき、まず考えるのは、どんなデータを使うか、そのデータをどう整理して、どんなデザインで表現するか、と言うことだろう。しかし、もうひとつ、普段忘れがちな、より根本的な視点がある。どんなメディア(媒体)を使うか、と言う視点だ。 可視化に使うメディアと言うと、デザイナーが普通に思いつくのは、 印刷物(ポスターやフライヤー、書籍) 映像(アニメーション、CG) インタラクティブコンテンツ(ウェブ、ビジュアル・プログラミング) くらいだと思う。 実は可視化はもっと幅広いメディアを利用することができる、とVisualizing.orgのデザイナー、Moritz Stefaner氏は言う。 Stefaner氏がVisualizing Marathon 2012のQ&Aで紹介しているのは、オブジェ(造花の種類と大きさ)、自然(山の稜線)、Tシャツ、地図とピン、アート作品、料理など。 ありとあら
瞬く間に普及したLED照明。小さく、軽く、効率のよい照明は、街や職場、家、電子機器などさまざまな場所で使われている。(LEDの「無機的な色」が気に入らない、という人もいるだろうが、他のメリットを考えてそこは大目に見ることにしよう。)しかし人類の欲望はとどまることをしらないようだ。現在のLEDよりも、もっと薄くて軽い照明があれば、もっと世の中が良くなるのに!そう思ってしまうのだ。 でもそんな無理な注文をかなえてくれそうな照明が登場した。Rohinniが開発したLightpaperは、その名の通り「光る紙」。薄く、フレキシブルなシートの全面が発光する、夢のような照明デバイスだ。 What if light was printable... Introducing LightPaper ... 薄膜LEDといえば、以前は有機ELが有望だった。しかし有機ELは製造コスト(歩留まり)や寿命といった問
このブログを始めてもう7年目。今まで年間100本は投稿してきたが、実はこの半年はあまり書かなかった。忙しくなったというわけでもないし、書きたくなかったというほど嫌になったのでもない。ただ、書くという行為にむかわせるほどのモチベーションがわかなかった、ということだろう。もともと誰に強制されるわけでもなくやっているブログだから、自分の興味がそこにむかなければ書く理由がない。 けっこう早くから、データの可視化やインフォグラフィクスについてとりあげてきたという自負はある。当初は、この分野は国内にほとんど情報はなかったし、海外の事例を紹介するサイトも少なかった。でも今や、可視化は当たり前、とは言わないまでも多くの人が知るところとなり、データ・サイエンスやデータ・ジャーナリズムも含めて、社会の新たなトレンドになりつつある(と思う)。 僕がデータの可視化に興味をもったその根本には、R.S.ワーマンが約3
javascriptによる可視化フレームワーク"d3.js"をつかって、衆院選挙結果を可視化してみた。 ベースにしたレイアウトは2年前の衆院選で作成したもの。この時はExcelで作った静止画だったが、今回はd3.jsの機能をつかってインタラクティブ性を加えた。選挙年(前回2012年と今回2014年)と、選挙結果/選挙区割を選択でき、都道府県名の表示・非表示も指定できる。 また、政党名のスケールにマウスオーバーすると、各政党の取得議席分布と小選挙区・比例区それぞれの総数を表示する。 可視化にHTML/CSS+javascriptを使うメリットは、なんといっても幅広いリーチだ。ウェブブラウザさえ使えれば、PCでもモバイル機器でも基本的に同じように表示できる。将来ブラウザやHTML・CSSがアップデートされても、最新の環境で表示できる。 幅広い人々に届ける可視化コンテンツのメイン・ツールとして、
Googleの元CEO、エリック・シュミットによる、"How Google Works (グーグルの働き方)"は、すべての「新しいことをやろうとしている人」に、示唆と勇気を与えてくれる素晴らしい指針だと思う。内容はもちろん、絵本のようなデザインもすばらしい。これもまた、「スマートクリエイティブ」をひきつけるカルチャーなんだろう。 少しでも多くの人に知ってほしいと思ったので、不遜ながら、エリック・シュミットがSlideShareに公開しているプレゼン資料を日本語に訳してみた。(でも、「シェア」を尊重するグーグルのカルチャーなので、許してくれると思う。良いアイデアは自ら拡がる力を持っているのだ!) なお、ニュアンスが伝わっていないところや、意味を正しくつかんでいないところもあるかもしれない。そういう箇所を見つけたら、コメントを「シェア」してくれるとうれしい。 そして、もっと深く理解したい人は、
クアッドコプターを自在に操って、夜空に絵を描く。そんな技術的にも表現的にも最先端を行くアート・パフォーマンスを展開するクリエーター集団がある。チームの名前、そして彼らがあやつるクアッドコプターは、'Spaxels'と呼ばれている。 Spaxelsはプログラム可能なLEDシステムを搭載したクアッドコプターだ。編隊で飛行し、夜空に立体的な図形を描き出す。この表現を実現できるのは、今のところ、アルス・エレクトロニカのフューチャーラボだけだ。 Spaxelsチームによるパフォーマンスは、2012年から世界各地で行われている。たとえば次のようなものだ。 SHARJAH 2014 / Islamic Capital of Culture Opening European Capital of Culture Opening, 2014 Ars Electronica Opening, 2013 Sta
イラストレーター、ジェニー・スパークスの地図は「100%手書き」。何十年も前なら「普通」の手法だったかもしれないが、コンピュータ・グラフィクスが「普通」となった現代では、かなり斬新に思える。 ジェニーの制作手法のユニークさは「手書き」だけではない。ビルの形状やテキスト情報は、彼女が実際に街を歩き、自分の目で見、肌で感じ、時に地元の人に「何が重要だと思うか」を尋ねながら、自分自身で情報を集めたものだ。マスコミやインターネットにたよらないその手法は、ジェニーの手書き地図の背後に、人間の営みの深さ、尊さを与えているように思える。 これまでジェニーが描いた地図は、ロンドン、サンフランシスコ、ベルリン、ニューヨークの4種類。すべて、 オンラインショップで購入することができる。
Googleの新しいデバイス、Glassの発表はテレビニュースでもとりあげられ、近未来のコンピュータ・インターフェースへの期待をかき立てた。ユーザーが見ている風景に、情報が絵や文字として重ね合わされる。Glassが提供する世界は、リアルとバーチャルの境界がどんどん薄れていく世界だ。まるで、映画「マトリックス」のように...。 イスラエルの芸術大学、ベザリアル芸術アカデミー(Bezaleal academy of arts)の学生、Eran May-razとDaniel Lazoが作った映画、"SIGHT"は、そんな近未来の日常をシニカルに描く秀作だ。 この映画で描かれる情報デバイスは、コンタクトレンズのサイズにまで小型化している。主人公は、この小さな情報機器で、スカイダイビングを体験し、料理のレシピを教えてもらい、デート中のアドバイスまでもらう。ユーザーの見る風景には、リアルとバーチャルの
英国BBCの記事、'Tomorrow's cities - future of shopping(明日の都市ー未来のショッピング)'は、近未来のショッピングの姿を可視化したもの。そこに描かれた数々のシーンは、けっして空想や願望ではなく、現在開発中のテクノロジーをもとにした、現実的な「未来予想図」だ。 生体認証による支払い フランスのスーパーマーケットAuchanとDIYショップ Leroy Merlinは、指紋認証による支払いを実験的に行なっている。顧客は指紋データを格納したNFC通信機能付きカード を持ち、照合を行って不正を防止する。 バーチャル・ストア 実際の商品を置くスペースがなくても、大型のタッチスクリーンさえあれば、膨大な商品を陳列することが可能になる。 Tescoは韓国の地下鉄構内に、リアルな陳列棚を模擬した日用品のバーチャルショップを開設した。通勤途中の顧客は、モバイルフォン
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『サイエンスメディアな日々 インフォグラフィクスな日々』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く