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アメリカ大統領選
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日本・中国両政府の合意によって設立された「日中歴史共同研究」の第3回会合が1月5~6日に北京で開かれ、今年7月までに東京で開催する最終会合で研究成果をまとめた報告書を作成することが決まったという(毎日新聞 2008/01/06 19:39、時事通信2008/01/06 18:16など)。 この「日中歴史共同研究」は2006年10月の日中首脳会談で立ち上げが決まったものだが、この会談は小泉純一郎元首相の靖国神社参拝強行で冷却化した日中関係打開のために、安倍晋三前首相が就任直後に中国を訪問して実現したもので、その経過からも非常に政治的なプロジェクトである。歴史認識をめぐっては日本対中国という国家間の対立よりも、両国の国内における対立の方が深刻であり、そうした実態を軽視して国家間の外交レベルの問題にすり替えるのはいただけない。しかも、2002年に始まり現在も続く「日韓歴史共同研究委員会」と同様、
「難民世代」が気になるニュースを読み解く。夜明け前こそ闇は濃くなると古の人は言ったが、どんなに暗闇が濃く深くなろうとも決して夜明けが訪れる気配のない今日この頃。 貧困と差別と排除の蔓延はとどまるところを知らず、底なし沼のような世には非命の死者が満ち溢れ、生死をさまようものたちの言葉にならない呻き、あてのない悲鳴、やけっぱちの怒号がこだましている。 右を向いても左を見ても馬鹿ばかり。財政難を呼号しながら金持ち増税を封印する馬鹿。「無駄遣い」と称して安定雇用を減らし続ける馬鹿。「地方分権」やら「脱官僚」やらが「構造改革」の継続でしかないことを理解できない馬鹿。貧困そっちのけでオモチャをねだる子どものように核武装を熱心に説く馬鹿。痛めつけられ弱りきっている人に「自力救済」を強要する馬鹿。自分の「加害」の罪は棚に上げて「世代としての被害者」たる若者に責任を転嫁する馬鹿(私は「眼鏡をかけた精神科
今日の日本テレビ系列のテレビニュースが、メキシコシティ国際空港内で3か月寝泊まりしている日本人男性について報じているのをたまたま観た。ホームレスに対する「まなざし」や貧困者の社会関係について考えさせられたので、紹介したい。 空港で3か月生活する日本人男性、メキシコ – 日テレNEWS24(2008/11/25 15:21)*web魚拓 http://s04.megalodon.jp/2008-1125-2059-19/www.news24.jp/123794.html (前略) 東京都出身のフリーター・野原弘司さん(41)は、観光目的でメキシコを訪れた。最初はホテル暮らしをしていたが、所持金が少なくなってきたため、空港で寝泊まりしているうちに3か月が経過した。 珍しい日本人がいるということで、地元メディアがこぞって取り上げ、記念撮影やサインを求める人がひっきりなしに訪れている。野原さんは「
自民党税制調査会が来年度税制改正での相続税強化を見送る方針を決めたという。 相続税:課税強化見送り 景気悪化に配慮(毎日新聞2008/11/20 02:30)*web魚拓 http://s04.megalodon.jp/2008-1120-2048-47/mainichi.jp/select/seiji/news/20081120k0000m010137000c.html 「しかし、秋以降、景気が一段と悪化。麻生政権が『景気最優先』を掲げていることを踏まえ、自民党税調は『相続税も当面、(税収を上下させない)税制中立でいくしかない』(幹部)との判断を固めた」 貧富の差を本当に縮小するためには、所得の再分配のみならず、資産の再分配が必要なのは言うまでもない。いわゆる「結果の平等」を考慮せず、「機会の平等」を重視する立場であっても(いやむしろそういう立場こそ)、「競争」のスタートラインを等しくす
麻生太郎首相の失態が続いている。「給付金」の迷走、国会答弁等での相次ぐ漢字読み間違い、これまでの政府の医師数抑制政策を無視して医師不足を医師側に転嫁した上に中傷した放言、PTAの親たちを前に当の親を侮蔑した発言、道路特定財源の地方交付税化をめぐる二転三転。元々首相就任前から無責任な「思いつき」と失言・妄言・暴言の類が多いことで知られていたのだから、今さら驚くことではない。すでに就任直後に、集団的自衛権行使を容認する発言をしたり、国会の所信表明演説で「臣」を自称するアナクロニズムを発露していたくらいで、失態が今になって際立つようになったのは、単にこれまで麻生批判を抑えていたマスメディアの「風向き」が変わったからにすぎない。 今週発売の『週刊新潮』『週刊文春』がともに麻生首相を嘲笑する見出しをトップに持ってきたのは象徴的である。保守系週刊誌でさえ麻生氏を見限ったということである。やはり右傾色の
読売新聞電子版の「ジョブサーチ」に、奇しくも同じ日付で雇用保険に関するニュースが並んでいた。ある意味、日本の社会保障崩壊の実情を戯画化しているようである。 失業給付国庫負担ゼロに(読売新聞2008/11/14)*web魚拓 http://s04.megalodon.jp/2008-1115-2051-18/job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_08111401.cfm 「2009年度予算案で、雇用保険の失業給付金に対する国庫負担を初めてゼロとする方向」 雇用保険漏れ1006万人の恐れ(読売新聞2008/11/14)*web魚拓 http://s02.megalodon.jp/2008-1115-2050-26/job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_08111402.cfm 「雇用保険の適用対象者にもかかわらず、申請していない恐れのある労働者が最大10
「世間」一般のイメージとして「官」=非効率、「民」=効率というイメージが流布し、行政の「無駄遣い」削減には民営化や民間資本の活用が必要であるという言説が後を絶たないが、そうした一般的なイメージの再考を迫るニュースを東京新聞が報じている。 東京新聞:民活病院 青息 コスト減のはずが・・・赤字(2008/11/12朝刊)*web魚拓 http://s03.megalodon.jp/2008-1112-1017-44/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008111202000079.html 民間資本を活用して公共施設を建設、運営する「PFI方式」を導入した公共病院が、経営難や赤字に陥っている。(中略) 医療センターは、黒字だった旧市民病院を移転新築する形で、大手ゼネコン・大林組が全額出資するSPCが建設し、2006年10月にオープンした。3
今日の参議院外交防衛委員会で、前航空幕僚長の田母神俊雄氏に対する参考人質疑が行われた。テレビ中継がなかったため、国会のインターネット中継にアクセスが殺到し視聴しにくい状況になったほど、人々の関心は高かったようである。「懸賞論文」問題の表面化以来、事実上田母神氏の作文を擁護する報道を繰り返してきた産経新聞が早速速記録を出しているが、同社の電子版はページ分割が多くて読みにくいうえ、いつ消えるともしれないので、同内容が転載された別サイトをリンクする。 15年戦争資料@wiki - 産経【田母神氏招致・詳報】(1)(2) http://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1578.html 15年戦争資料@wiki - 産経【田母神氏招致・詳報】(3)(4) http://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1583.html
東京学芸大学教授の山田昌弘氏が「格差社会」の現状について語っているインタヴューが出ていた。「氷河期世代」の非正規労働者、いわゆる「年長フリーター」が抱える社会的孤立の現況とその打開の方向性について述べているのだが、その中で気になる指摘があった。 格差問題の第一人者が憂う“格差の拡大”「下流から一歩進んで下層へ!」|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン http://diamond.jp/series/dw_special/10035/ (前略) ――非正規雇用を正規雇用に変えようという企業も登場し、国には日雇い労働などを法律で規制しようという動きがある。 非正規雇用を正規雇用に変えたり、法律で日雇い労働を規制しても根本的な問題は解決しない。 突き詰めれば、「単純労働を誰が担うのか」ということになるからだ。「仲間もなく単純労働を延々とこなす」という仕事が日本社会からなく
アメリカの金融危機により新自由主義は失墜したと言われるが、一方で新自由主義の最も重要なファクターである「小さな政府」に対する信仰は依然として強力である。大型不況の足音が確実に大きくなり、実際中小企業の倒産や労働者の解雇が増えているように、弱いところからダメージがじわじわと広がる中で、むしろ「大きな政府」を復権させて「富の再分配」を強化することが必要なのに、相変わらず「無駄遣い」の一点張りで歳出削減策ばかりが持て囃される。それでいて増税と言えば再分配効果の無い消費税ばかり。もういい加減うんざりさせられる。 今日もあるエコノミストのブログの主張にいたく怒りを覚えた。 植草一秀の『知られざる真実』:フジテレビ「サキヨミ」の偏向報道 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-1336.html (前略) 民主党は、「天下り」機関に年間12
貧困の現状と今後の反貧困運動の方向性について、野宿者支援で知られる生田武志氏のインタビュー記事が出ていた。貧困の解消を目指すにあたっては「ジェンダー問題を中心にした『家族問題』に踏み込まないといけない」という内容である。 人民新聞 [反貧困] これからの反貧困運動を提言 http://www.jimmin.com/doc/1007.htm 私自身もそうだが、現在貧困に直面している人々が語る最もポピュラーなストーリーは、「新卒→終身雇用ルート」から外されたせいで貧困を余儀なくされている、その原因は企業や行政が正規雇用を非正規雇用に置き換えたからだというものである。もちろんそれは事実なのだが、問題なのはそもそも「新卒→終身雇用ルート」なるものが普遍的であったのはあくまで男性だけで、女性の場合は「終身雇用」時代でも大半がそのルートから排除されていたという点である。 生田氏は女性の貧困の根源を「男
沖縄戦「集団自決」訴訟の控訴審が大江健三郎氏・岩波書店側の勝訴に終わって安堵していたところに、とんでもないニュースが目に入ってびっくり仰天した。航空自衛隊の制服組トップである航空幕僚長の田母神俊雄氏が、懸賞論文で「侵略、植民地支配を正当化する歴史認識を示し、憲法にも異を唱えるような」主張を行い、しかもその論文が「最優秀賞」を受賞したという(共同通信2008/10/31 19:48)。 問題の懸賞は「アパグループ」の第1回「真の近現代史観」懸賞論文で、確かに最優秀賞受賞者に田母神氏の名があり、「日本は侵略国家であったのか」と題する論文がPDFファイルで出ていた。 アパグループ 第一回「真の近現代史観」懸賞論文募集 http://www.apa.co.jp/book_report/index.html 主催者がアパで、審査委員長が渡部昇一氏という時点で、この懸賞のねらいは明白だが、実際のところ
○ 総額2兆円の定額給付 貧乏人に必要なのは何よりも現金なので、減税よりは給付の方がましだが、一回限りでは「景気対策」としては無意味。富裕層にとってははした金で、これでカネが回るわけではない。中間層は貯蓄に回して金融資本を援助するだけ。貧困層にとっては借金の返済の足しには少なすぎ。カネをばらまいた所で解散・総選挙という魂胆も見え透いている。 ○ 雇用保険料の引き下げ 前々から「骨太の方針」で予告されている雇用保険の国庫負担廃止の露払い。今回は「埋蔵金」で引き下げ分を穴埋めするとしても、その後は失業保険給付が削減されるのは必定。必要なのは保険料引き下げではなく、国庫負担の増額なのに。これから失業者がますます増えるのは確実な情勢だが、またひとつセーフティネットが滅ぶようです。 ○ 非正規労働者を正規化する企業への奨励金 そんなはした金で正規雇用のイスを増やす企業なんてあるのか? こうしている間
ずいぶん前から「政治改革」議論となると「官僚支配」の打破ということが叫ばれ、現在の「政権交代」論でも官僚の政策決定過程からの排除や民間人の登用を求めるオピニオンは多い。「世間」における公務員バッシングと併せて、あたかも官僚制さえ潰せば全てうまくいくというわけだが、果たして本当にそうなのか? この「官僚バッシング」について、法政大学教授の杉田敦氏が今月の『世界』で次のように指摘していた。私には至極納得できる内容だ。 いまおっしゃったこととも関係してくるのですが、日本では従来は官僚が政策立案の中心になって、よくも悪くも官僚がやってきた。これに対して、とくにいわゆる90年代からの政治改革等の議論では、官僚支配から政治家中心へということが叫ばれ、選挙制度改革とか、内閣機能の強化が行われ、政治家、なかでも総理大臣に権力を集中させることは正しくて、官僚と言う、選挙で選ばれたわけではない人たちに政策機能
橋下徹という人は次から次へとエキセントリックな行動を繰り返しては衆目を集め、そのたびに自らを「世間の敵」や「空気の読めないやつ」と戦う「フツー目線」の代弁者を気取って人気を獲得しているのだが、またしても彼にとって格好の舞台があったようである。以下、読売新聞(2008/10/27 00:33)より。 大阪府の橋下徹知事と府教育委員らが教育行政について一般参加者と意見を交わす「大阪の教育を考える府民討論会」が26日、堺市の府立大学で開かれた。 訪れた教職員の一部から再三ヤジを飛ばされて興奮した知事が「こういう教員が現場で暴れている」「(日教組批判などで国土交通相を辞任した)中山成彬前大臣の発言はまさに正しい。これが教育現場の本質」と述べる一幕があった。 また、子どもの指導方法についても言及した知事は、「ちょっとしかって、頭をゴッツンしようものなら、やれ体罰と叫んでくる。これでは先生は教育が出来
サブプライム問題に端を発した金融危機により、世界的に新自由主義の凋落が決定的になっているが、問題は世界恐慌以来とも言われる大型不況のために、結局はまたしても貧困層ほどダメージを受けそうなことで、それを最小限に抑えるためには早急な富の再分配と社会保障の再構築が必要である。 貧困を解決するために、以前から私は福祉国家路線への転換を求めてきたが、新自由主義が終焉を迎えつつある以上、今後の焦点は福祉国家の「あり方」と「道筋」をめぐる問題に移らねばなるまい。その場合、忘れてはならないのは、過去の欧州の福祉国家路線がなぜ破綻し市場原理主義に敗れたのかという点で、福祉国家そのものに内在する構造的弱点を克服しない限り、ポスト新自由主義時代に福祉国家を蘇らせることは難しく、同じ失敗を繰り返すことになりかねない。 福祉国家の構造的弱点と破綻の経過については、西川潤氏の次の指摘が非常にわかりやすい。 (前略)
現天皇の「即位の礼」から20年目にあたる2009年11月12日を臨時の祝日とする法案が準備されているという。今月16日に設立された超党派の「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」が議員立法を目指しており、すでに自民党は22日に内閣部会が法案を了承、民主党や公明党も近く党内手続きを済ませるという(時事通信・内外教育研究会2008/10/22 10:24など)。議連には共産党と社民党を除く全会派が参加しており、早期成立は確実だろう。 1970年代以降、これまで天皇在位の節目ごとに政府は天皇の在位記念行事を行ってきた。1976年の昭和天皇在位50年、1986年の同60年、1999年の現天皇在位10年のいずれも記念式典が開催されている。同時に財界人を中心とする民間の「奉祝委員会」が祝賀行事を行うのも慣例化しており、特に1999年の時は芸能人を招聘した皇居前広場での式典が話題になったのを記憶している
大阪府知事の橋下徹氏が陸上自衛隊の記念行事の祝辞で、「人の悪口ばっかり言ってるような朝日新聞のような大人が増えると日本はダメになります」と述べたことが物議を醸している。光市母子殺害事件被告弁護団に対する懲戒扇動訴訟の一審判決にあたり、朝日新聞2008年10月3日付社説が橋下氏を批判したことへの「反論」だという。 問題の社説は「弁護士は被告の利益や権利を守るのが仕事である。弁護団の方針が世間の常識にそぐわず、気に入らないからといって、懲戒請求をしようとあおるのは、弁護士のやることではない」「判決を真剣に受け止めるならば、控訴をしないだけでなく、弁護士の資格を返上してはどうか。謝罪が形ばかりのものとみられれば、知事としての資質にも疑問が投げかけられるだろう」という最近の朝日にしては珍しく真っ当な論説で、橋下氏の弁護士としての資質に疑義を呈した判決内容から敷衍すれば至極当然の批判である。これに対
東京都の石原慎太郎知事が3日の記者会見で、大阪の個室ビデオ放火事件に関連して、「ネットカフェ難民」や山谷の簡易宿泊所に言及したトンデモ発言が波紋を広げている。 問題の石原発言は次のようなものだ(毎日新聞2008/10/07朝刊、太字強調は引用者による、以下同じ)。 「山谷のドヤに行ってご覧なさいよ。200円、300円で泊まれる宿はいっぱいあるんだよ。そこに行かずにだな、何だか知らんけれでもファッションみたいな形でね、1500円っていうお金を払ってね、そこへ泊まって『おれは大変だ、大変だ』って言うのはね」 要するに、ネットカフェや個室ビデオなどに寝泊まりしているのは好きでやっていることで、本当に生活困難ならば「200円、300円」の簡易宿泊を利用しているはずだ、と言っているのである。これに対し、6日付で「自立生活サポートセンターもやい」が石原氏に公開質問状を送付した。 石原都知事に公開質問状
数日前の弊ブログで非正規公務員の「ワーキングプア」化~貧困対策としての正規公務員増員政策の必要性というエントリを挙げて、行政の人件費削減により臨時採用などの非正規公務員が増加している現状を批判し、正規公務員を増やせと主張したが、これに対し「はてなブックマーク」で、やはり以前弊ブログの清掃職員が年収1100万円で悪いか!でも取り上げた、奈良市の清掃職員の「高給」問題を前提に「これって、年収300万円で3人正規採用すればいいよなぁ?ブサヨは公務員の高給を擁護しているが、そのせいではじき出される人間はどうでもいいんだよなぁ?」という誹謗コメントがついていた。 雇用待遇差別問題で非正規雇用を正規雇用に引き上げよと唱えると、必ず正規雇用の方の待遇を引き下げよとか、正規雇用の解雇を自由化しないと非正規雇用は正規雇用にはなれないといった批判が起きるが、これもそれらと同じ「引き下げ」論法である。全民間労働
橋下徹氏が光市母子殺害事件の被告弁護団に対する懲戒請求を扇動した問題で、同弁護団所属の弁護士らが橋下氏に損害賠償を請求していた訴訟の判決が広島地裁で下った。これまでの公判の経過から原告の勝利は間違いないと確信していたが、予想通り橋下氏の扇動と多数の懲戒請求の因果関係を認め、橋下氏に賠償命令を下す原告勝訴の判決だった。 判決骨子は次の通り(毎日新聞2008/10/02 10:21)。 ◆名誉棄損にあたるか 懲戒請求を呼びかける発言は、原告の弁護士としての客観的評価を低下させる。 ◆懲戒制度の趣旨 弁護士は少数派の基本的人権を保護すべき使命も有する。多数から批判されたことをもって、懲戒されることがあってはならない。 ◆発言と損害の因果関係 発言と懲戒請求の因果関係は明らか。 ◆損害の有無と程度 懲戒請求で原告は相応の事務負担を必要とし、精神的被害を被った。いずれも弁護士として相応の知識・経験を
弊ブログでは再三再四にわたり、「官の無駄遣い」というプロパガンダが行政機構の民営化・市場化を促進させ、結果として公的な社会維持機能を弱め、「貧困と格差」の拡大に加担していることを厳しく批判してきた。残念ながら肝心の左翼系の人々ですら「小さな政府」信仰が強く、私のような主張はほとんど軽視されているが、改めて行政のコストカットが何をもたらしたかを明示するニュースがある。 共同通信(2008/09/29 21:00)より。 自治労が29日発表した地方自治体職員の勤務実態調査で、臨時雇いや非常勤などの非正規職員が全体の27・8%を占めることが分かった。非正規職員の少なくとも67%は「年収200万円以下の官製ワーキングプア(働く貧困層)に該当する」とみられる。 (中略) 調査は、全自治体に6月1日現在の非正規職員数や待遇などについて質問。全体の53・1%に当たる23都府県と963市区町村から回答を得
就任以来、無知と思い込みによる恥知らずな暴言を繰り返していた中山成彬国土交通大臣が辞任するようだ。第一報が産経新聞とフジテレビというのが「いかにも」で、要するに中山氏と産経系メディアとの日常からの親交(癒着?)を如実に示していると言えよう。こんな輩を任命した麻生首相の責任は極めて重大である。 この問題については、発言内容が虚偽のオンパレードであること、いかに彼の「本音」とはいえ、新内閣発足直後にわざわざ挑発的言辞を弄する政治センスの欠如に、あきれてものも言えなかった。詳細な分析はできれば後日改めて行いたいが、当面指摘しておきたいのは、彼が最後まで撤回しなかった日教組への中傷は、そのまま文教族の有力議員で元文部科学大臣である中山氏に跳ね返ってくる、ということである。 中山氏は「学力の低下」の原因を何の根拠もなく日教組に転嫁しているが、実際には「学力の低下」が言われるようになったきっかけは、1
この国のマジョリティーは、公務員の「厚遇」にはほんのわずかなものでも目くじらを立て、民間の劣悪な労働条件を「官」にも押し付けようとする。本来は公務員を叩くのではなく、「自分らも公務員並みにしろ」と「引き上げ」を要求すべきところを、とかく自己の「引き上げ」よりも他者の「引き下げ」を求めたがる。「他者の不幸」にしか「救済」を見出せないのが現在の日本社会の特徴だが、どうせなら少しは「官」の不公平だけでなく、「民」の不公平にも目を向けるべきではないか。 トヨタ自動車が今日株主総会を開き、役員報酬を決定したという。以下、東京新聞2008/06/24夕刊より(太字強調は引用者による。漢数字をアラビア数字に転換した)。 トヨタ自動車は24日午前、愛知県豊田市の本社で株主総会を開き、2008年3月期の取締役29人と監査役7人に対する役員報酬や賞与などの総額を、前期比約17%増の39億2000万円とすること
奈良市環境清美部の清掃職員の最高年収が1100万円に上っていたことを、今日のJ-CASTがやり玉に挙げている。 J-CASTニュース:清掃職員が年収1100万円の「高給」 「給与体系に問題あり」と奈良市見直しへ http://www.j-cast.com/2008/09/19027292.html 「この清掃職員の年収の内訳は、500万円の給料に加え、残業手当が234万円、特殊勤務手当て68万円、賞与223万円、通勤手当などもろもろの諸手当となっている」「この職員は工場勤務をしており、夜勤勤務や祝祭日でも出勤していた。給与体系という意味では、年功序列の加算体系に加え、管理職ではないため、時間外勤務手当て、365日祝祭日も働いていたものだから割り増しになった」 ・・・ということが事実ならば、問題は「年収が高すぎる」ことではなく、「労働時間が異常に長い」ことにある。この報道はそもそもの問題の立
労働者派遣法の改正作業を巡って、弊ブログでは以前から、「日雇派遣」では規制強化を行う一方で、直接雇用申込義務の廃止や派遣期間の規制緩和などを盛り込む「抱き合わせ」の「改正」を警戒するべきであると指摘してきたが、今月12日の労働政策審議会(労政審)労働力需給部会に厚生労働省が提示した報告書案は、まさに恐れていた通り規制強化と規制緩和の「抱き合わせ」の内容であった。 報告書案は厚労省のホームページに昨日アップされていたが、読んでびっくり。先日の一般向けの報道では「日雇派遣」許容業種が18に限定されたことばかりが強調されていたが、実際にはそれすらも完全に骨抜きが可能な内容であり、さらにどさくさに紛れてとんでもない規制緩和策が盛り込まれているのである。 労働力需給制度部会 報告(案)*PDF http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/dl/s0912-3a.pdf
厚生労働省が小売業や飲食業などのチェーン店における「管理監督者」の基準を各地の労働局に通達した。いわゆる「名ばかり管理職」問題への対応だという。以下、東京新聞(2008/09/09夕刊)より。 (前略) 厚労省によると、「職務内容、責任と権限」「勤務態様」「賃金等の待遇」の三点について、管理監督者であることを否定する重要な基準と補強的な基準を整理した。 重要基準として(1)アルバイトなどの採用に責任と権限がない(2)部下の人事考課に実質的に関与しない(3)遅刻、早退を理由に減給されるなど不利益な扱いを受ける(4)時給換算でバイトなどの賃金に満たない-などを列挙。 補強的基準として(1)労働時間の裁量がほとんどない(2)役職手当などの優遇措置が不十分-などを挙げた。該当すると「名ばかり管理職」と判断される可能性が高まる。(後略) 管理職の実態がないにもかかわらず労基法上の「管理監督者」として
これは毎日新聞のスクープと言っていいだろう。札幌市に生活保護を申請したホームレスに対し、市職員が申請を認めなかった上、北海道外の派遣会社を紹介し、ホームレスが派遣先では極めて劣悪な条件で搾取されていたことが明らかになった。 毎日新聞(2008/09/01 02:30)より(太字強調は引用者による、以下同じ)。 札幌市内の一部の生活保護担当職員が、無届けの職業紹介を禁じた職業安定法に違反して、生活保護を希望するホームレスに人材派遣業者での就労をあっせんしていたことが分かった。紹介を受け派遣契約を結んだところ、劣悪条件の勤務を強いられてトラブルになったケースもあり、07年初めごろまでにはあっせんをやめたとされる。市は事実を認め「現在は指導を徹底し再発防止に努めている」と説明している。 支援団体「北海道の労働と福祉を考える会」などによると、生活保護申請の相談をするため06年ごろに北区や中央区役所
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