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書評家・三宅香帆さんの連載「母と娘の物語」。第1章では萩尾望都の諸作品に焦点を当てます。『イグアナの娘』を象徴として「母と娘」の関係を描いてきた彼女が「母の呪い」をどのように捉えていたのか分析します。 「母と娘の物語」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 「遅いインターネット」はPLANETS CLUBの皆様のご支援によって、閲覧数を一切気にせず、いま本当に必要なこと、面白いと思えることを記事にすることができています。PLANETS CLUBでは、宇野常寛が直接指導する「宇野ゼミ」、月イチ開催の読書会など、たくさんの学びの場を用意しています。記事を読んでおもしろいと思ったらぜひ入会してみてください。(詳細はこちらのバナーをクリック↓) 1.解けない「イグアナ」の呪い ひとりの少女の話をしよう。 それまでどんなフィクションにおいても彼女が存在する
「好きを仕事に」。こんな言葉を見かけることも、だいぶ増えましたよね。YouTubeやSNSなど、「好きなこと」を発信し、お金に変えていくためのプラットフォームもたくさんあります。 しかし、本当に「仕事に」するだけが正解なのでしょうか? あえて仕事にせず、「趣味」として真剣に取り組む道だってあるはずです。休息や気晴らしではなく、自分のやりたいことを実現するために行われる趣味である「シリアスレジャー」について、余暇研究と学習科学の学際的な立場から趣味を研究している杉山昂平さんに寄稿してもらいました。趣味としてやっていく選択肢の意味から、楽しみ方の学習や学習環境デザインの必要性まで、シリアスレジャーの現在地と可能性に迫ります。 私は余暇研究と学習科学の学際的な立場から趣味を研究している。余暇研究と学習科学、どちらの分野も読者の方にはあまり馴染みがないかもしれない。まして両者を越境して「趣味」を研
「マインドフルネス」という言葉は、もっぱら個人の能力開発を目的としたビジネスパーソンのために使われることが一般的です。しかしマインドフルネスの元となった仏教は、本来「個人」のエゴや執着を捨て去ることに重きを置いた思想でした。こうした昨今のマインドフルネス・ブームの背景と仏教思想とのすれ違い、そして今後向かうべき「わたしたちのマインドフルネス」の可能性について、現代仏教僧の松本紹圭さんに寄稿していただきました。 結論を先に言う。資本主義もマインドフルネスも、これまで共に「わたし」に閉じてしまっていたものが、相互にはたらき合いながら、両者は今、「わたしたち」の地平へと開けつつあるのではないか。それが私の見立てだ。 マインドフルネスとはなんだったか マインドフルネスの由来を尋ねれば、仏教の禅でいうところの身心脱落、つまり、自らを縛る自我(「わたし」)から解放された無我の体得に辿りつく。パーリ語の
言葉ではうまく伝えられないことが、イラストにするとあっさり納得できる──。こうした文字言語とイラスト表現との認知の違いはどうして生まれるのでしょうか。話し言葉を視覚言語としての「グラフィックレコード」に「翻訳」する視覚言語研究者・デザインリサーチャーの清水淳子さんに、文字言語の外側の情報認知について論じていただきました。 会議の中で声をグラフィックで描くと何が起きる? 話し合いは「声」のやりとりで進んでいく。誰かが声を出せば、そこにいる全員に同じ声が届く。だが、同じ声を聞いていても、全員が同じ内容を思い浮かべているとは限らない。話し合いの参加者が思い描く内容は、少しずつズレが生じていくものだ。ズレが生じること自体は人間なら当然で悪いことではない。むしろ、話し合いの場というのは、そのズレを再認識したり、調整したり、あるいは新しい視点として取り入れる重要な機会なのだ。しかし、一度大きくズレが生
富永京子|社会運動において遅いインターネットは可能か :「速すぎる」ハッシュタグ・アクティヴィズムを弛めるオンライン・プラットフォーム SNSの普及に伴って、「声を上げる」という行為がより一層広がっていった2010年代。オンラインと組み合わさったかたちでの「社会運動」は、いかにして世界を変えてきたのでしょうか? SNS活用を前提とした2010年代の社会運動の成果と課題について、社会運動研究者の富永京子さんが総括します。最新の社会運動研究の成果にも目配せしながら、ソーシャルメディア型社会運動の困難を乗り越える、「手間」と「面倒くささ」ありきのプラットフォーム型活動の可能性に迫る試論を寄せてもらいました。 社会運動における「出来事」と「日常」 ここ数年で定着した社会運動と言えば、日本と海外とを問わずやはり「ハッシュタグ・アクティヴィズム」に代表されるようなインターネット、とりわけSNS上の活動
人と組織の創造性を高める方法論を研究する安斎勇樹さんが、情報の海に溺れないための航海術を説く論考シリーズの実践編。ドラッカーの影響を受けた20世紀型の「選択と集中」方式の限界を指摘し、21世紀に最適な「分散と修繕」戦略を提唱した理論編に引き続き、今回は具体的な方法論が展開されていきます。良い問いを立てていくための2つの技術と、情報の分散投資の効果を高める技術の4つのポイントから明かされます。 良い問いを立てる技術(1):関心のマトリクスから探索する 「問い」を立てるための技法は、現代において最も重要な能力の一つと言えるだろう。良い「問い」を持つことは、日々の探究の質だけでなく、社会課題の解決や、イノベーションの成否に関わるからだ。私はこれまで、10年以上にわたって人と集団の創造性を覚醒させる「問い」の技法の研究を続け、その成果を『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(※1)『リ
日々数え切れないほど更新されていくSNSやウェブメディアの発信に、何度人生を繰り返しても追いきれないほど積み重なっていく本や映像作品などの新旧の知的生産の数々。まるで荒波の立つ海のような現代の情報環境に溺れず、呑まれず、自分自身にとって必要な「問い」にたどり着くための“航海術”とは? MIMIGURI代表取締役Co-CEO/東京大学大学院情報学環特任助教で、人と組織の創造性を高める方法論を研究している安斎勇樹さんが、ピーター・ドラッカー以来の20世紀的な「選択と集中」方式のマネジメント論の限界と、21世紀に最適な「分散と修繕」戦略のかたちを考えます。 混迷する情報社会に求められる、新たな羅針盤 VUCAの時代。人生100年時代。終身雇用の終焉。一寸先の潮目が読めない時代において、私たちは長い航海にどのように備えればよいのか。いま、新たな羅針盤が求められている。 とりわけ「情報」との付き合い
6年前に出版した東京オリンピックの「対案」を無料公開します──『PLANETS vol.9 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』特別公開(期間限定) 6年前に僕たちは「オルナタティブ・オリンピック・プロジェクト」と題した一冊の本を出版しました。 僕(宇野)個人は誘致の段階から、この東京オリンピックには反対の立場を取っていました。(一応断っておきますが、僕個人はこうしている今も中止または延期が望ましいと考えています。) しかし、ただ反対を唱えるのではなく「仮に自分たちならこんなオリンピックにしたい」という夢の企画書を作り上げることで、建設的な批判を加えたいと考え、仲間を集めてこの本をつくりました。アスリート、アーティスト、建築家、社会学者、etc……当時の僕たちのすべての力を注ぎ込んでつくられた「もう一つの東京オリンピック」、それがこの「オルナタティブ・オリンピック・プロジェクト」で
「中東で一番有名な日本人」である鷹鳥屋さんが等身大の中東の姿を描き出す本連載。第2回のテーマは日本人にはあまり馴染みのない、湾岸アラブ諸国の民族衣装です。個人でのアラブの民族衣装の保有数は日本一、現地でも日本国内でも民族衣装を着こなしている鷹鳥屋さんが、各国の衣装の違いや着用法について徹底的に解説します。 「中東で一番有名な日本人」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 服装による湾岸アラブの見分け方 最近の湾岸アラブの間では、外交状況の変化により、各国の国民性の違いが強調されるようになってきました。その時代の中で湾岸アラブの装いの差異に対して見極めていくことは、これからの中東諸国と付き合っていく、商売をしていく上で理解しておいて良いポイントであると思います。 中東ではイメージとして女性の衣装について制約が多いという印象があると思います。近年のニ
リサーチャー・白土晴一さんによる新連載「東京そぞろ歩き」。初回は南千住から町屋まで、隅田川周辺のまちを語り/歩きます。 観光地とはほど遠い街並みにも、江戸時代からつづく災害の痕跡や河川流通を利用した再開発、高度経済成長期の名残など、多彩な表情が隠れています。 20年以上続けてきた「そぞろ歩き」の習慣で磨かれた眼で、リバーサイドの景観のおもしろさを読み解きます。 「東京そぞろ歩き」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 「そぞろ歩き」のすすめ 特に理由もなく歩き回ることを「そぞろ歩き」という。 漢字だと「漫ろ歩き」。「漫ろ」は「これといった理由もない」というユルい意味もあり、そこにスピード感がない「歩き」が加わると、まったく効率性というものが感じられなくなる。実に精神に負担がかからなそうな言葉である。 実際に言葉だけじゃなく適当に一人で歩き回って、
フォン・ノイマン、ゲーデル、それにタルスキ。20世紀科学革命の牽引役となり、現代のコンピューターサイエンスの礎を築いた彼らの知の背景には、中欧オーストリアで育まれた科学と哲学の伝統がありました。分析哲学研究者・小山虎さんが、新大陸アメリカで開花した情報技術の知られざる出自を探ります。 ついに書籍化が決定した連載「知られざるコンピューターの思想史」より、連載時から大幅に加筆修正を加えた序章を全文無料公開します。 フォン・ノイマンやゲーデル、タルスキら現代のコンピューターサイエンスの礎を築いた偉人たちの「知られざる」系譜を追う本書。 序章では、ノイマン・ゲーデル・タルスキ3人が集ったとある学術会議から、コンピューターと思想史の重なりを明らかにします。
混迷をきわめた米国大統領選は、いま民主主義社会が直面している「分断」の深刻さを、世界中の人々に改めて印象づける出来事になりました。危機感をおぼえる良識的な人々は、この状況を乗り越えていくための「連帯」を呼びかけますが、その問題設定そのものに、かえって問題の根が潜んではいないか。イェール大学助教授で経済学者の成田悠輔さんが、むしろ分断を徹底化する「出島社会」を提案します。 社会の分断をしっかりと推し進めていこう。そういう話をしたい。奇をてらった逆張りではない。素朴な肌感にしたがった素直な結論だ。数千年前に語られていたような。 「民は一つで、みな同じ言葉である。彼らはすでにこの事をしはじめた。彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。 さあ、われわれは下って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう。 こうして主が彼らをそこから全地のおもてに散らされたので、
映画『AKIRA』の劇伴音楽で世界に衝撃を与えた芸能山城組を率いる音楽家として、あるいは情報環境学、感性科学、生命科学などの分野を越えて活躍する科学者として、国内外のメディア表現に大きな影響を与え、第23回文化庁メディア芸術祭で功労賞を受賞した山城祥二(本名:大橋力)さん。その多岐にわたる活動の全体像が、メディアで語られる機会はほとんどありませんでした。東京五輪の「中止」などまさかの「予言成就」が話題を呼んだ「AKIRAイヤー」の終わりに、山城さんと芸能山城組の足跡の意義について、じっくりと伺いました。 合唱団から生まれ、合唱団の枠組を超えていった「芸能山城組」 ──まずは改めまして、2020年3月に発表された第23回文化庁メディア芸術祭での功労賞受賞、おめでとうございます。同賞の顕彰対象である2019年は、奇しくも山城さんと芸能山城組が劇伴を担当された大友克洋監督の映画『AKIRA』の劇
現代社会の新たなインフラとして急速な普及をみせる人工知能(AI)。しかし現在のAI技術のあり方は、私たちが直感的にイメージする「人工知能」とは大きく隔たり、そして将来の不安を呼び起こしています。このギャップはどこから来て、どうすれば埋めていけるのか。新著『人工知能が「生命」になるとき』を上梓した三宅陽一郎さんが、ゲームAI開発の立場から、その難問に挑みます。 「人工知能」のイメージをめぐる違和感 皆さんが「人工知能」という言葉を聞くときに、あるいはその説明を受けるときに、何か胸の中で違和感を抱いたことはないでしょうか? 特に2010年代前半から現在にかけては、ディープラーニング(深層学習)技術のブレイクや「IBM Watson」などを通じて、たくさんの実用的なAIの可能性が切り拓かれてきました。けれども、多くの人にとっては「何だか思っていた人工知能と違う」「自分の直感に反する」「大筋はわか
インターネットや人工知能など、現代社会の根幹を担っている情報テクノロジー。その基盤となるコンピューター・サイエンスは、なぜ20世紀のアメリカで花開き、世界を一変させるに至ったのでしょうか。 分析哲学研究者の小山虎さんが、さらにその背後にある中欧での科学と哲学の結びつきを辿りながら、これまであまり知られていなかった思想史的なドラマをひもときます。物語はまず、1946年9月に撮影された一枚の写真から、はじまります。 「知られざるコンピューターの思想史」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 小山 虎(こやま・とら) 山口大学時間学研究所講師. 大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。 専門は分析哲学、形而上学、応用哲学、ロボット哲学。論文に“Against Lewisian Modal Realism from a Metaont
特別企画「オルタナティブ・オリンピック/パラリンピック・プロジェクト再考」、3日目の更新は、猪子寿之さん率いるチームラボに依頼した、大規模イベントとしてのオリンピックの演出案です。 本提案を2015年に『PLANETS vol.9』で世に問うてからの5年間、東京オリンピックの関係者たちから、半世紀前に輝いていた「失われた未来」へのノスタルジー以上の期待は、ほんとうに何も出てきませんでした。多くの人々にとって、それは白々しい他人事でしかなく、前向きな議論が一切盛り上がらないうちに「2020年の祭典」そのものが幻となってしまったことは、ご承知のとおりです。 ただ、将来を担う世代に本気でワクワクできる体験を送り届けるためには、どんな祭典であるべきだったのか。この記事で猪子さんみずからがプレゼンしてくれているように、どうせ来てしまうオリンピックを、世界に驚かせる本当に“ハンパない”イベントにするた
「戦後最大の思想家」と呼ばれながらも、今日においてはほとんど読み返されることのない吉本隆明──。しかし、その仕事は今日の情報社会でこそ参照されるべきである。 日本思想史が専門の先崎彰容さんと宇野常寛が、吉本隆明の再読を通して現代の個人と資本主義の問題、国家と民主主義の問題、そして土地と身体の問題まで話しました。 『共同幻想論』の可能性の中心 宇野 2020年7月、先崎さんがNHKの「100分de名著」で吉本隆明の『共同幻想論』(1968年)を解説されていたわけですが、ちょうど僕もその数ヶ月前に刊行された『遅いインターネット』でも吉本を取り上げていたので、とても勉強になりました。先崎さんは番組の中で、今日の情報社会における個のあり方と、当時の吉本隆明の問題意識にリンクするものを感じて、その観点から吉本隆明の再読を試みたと述べられていましたが、その視点は僕の『遅いインターネット』での試みと、と
高田馬場にあるとんかつの名店「とん太」。僕(宇野)は、この店のとんかつがどこよりも一番おいしいと思っています。今回はそんな僕が愛してやまないこの店のご主人に、話を聞きに行きました。およそ40年間営まれてきた店のこと、ふわふわのとんかつの秘密から、ご主人のこれまでの人生のこと……。長年カウンター越しで聞けなかった色々な話を、向かい合って思う存分聞いてきました。 「会いたい人に会いに行く」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 「手仕事ならいいかな」大学卒業後、とんかつ屋の道へ 宇野 これは僕がずっと前から、一度ちゃんと話してみたかった人に話しにいく連載なんです。なので今日は僕が大ファンで、もう10年くらいよく食べにきている「とん太」のご主人のお話をぜひ伺いたいと思ってやって来ました。 高橋 よろしくお願いします。 ▲「とん太」のご主人、高橋有三さん
僕(宇野)がただ、会いたい人に会いに行く連載をはじめました。最初に会いに行ったのは、エール株式会社取締役の篠田真貴子さん。篠田さんに、40代の攻略法を聞くつもりだったのだけど、話は意外な方向に…… 「会いたい人に会いに行く」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 異なる論理構造の世界を言葉で結ぶことで見えてきたもの 宇野 この連載は、僕が前から一度じっくりお話を伺ってみたい人のところに出かけていく、という、すごく身勝手なコンセプトではじめてしまったんですが……改めて引き受けていただいてありがとうございます。 篠田 なんと(笑)。こちらこそ、ありがとうございます。宇野さんが書かれたものやインタビューは、シンプルなテーマを「そこまで持っていく?」というくらい、濃密に掘り下げられていて、なんか頭いい人だなあ、すごいなあ、というイメージでいました。 宇野
コンビニに入っても、店員と会話せずにセルフレジを使用し、宅急便は宅配ボックス、置き配で受け取り、可能な限り人との接触を避けられるように行動する。今までは無機質に思えていた生活が、新型コロナウイルスの感染拡大により、「当たり前」の生活に変わってきていませんか? 今回は、インタラクションデザイン研究者の渡邊恵太さんが、一見消極的で冷たく思える、人と接触・対面せずにサービスを利用する仕組みがもたらした、快適でよりリッチな体験の可能性を考察します。 「消極性デザインが社会を変える。まずは、あなたの生活を変える」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 今回の担当は明治大学の渡邊恵太です。 新型コロナウィルスの影響で対面や集合にリスクがある状況になってしまいました。あらゆるイベントや活動が休止状態になり、リモートワークやWeb技術を利用しての仕事やイベント開
菅政権の発足で、総理交代という久々の一大イベントに見舞われている霞が関。そんな中で、かつて「最大最強のシンクタンク」であったはずの日本の官僚機構が構造的に「情弱」化し、深刻な危機に陥りつつあると、現役官僚の橘宏樹さんは憂慮します。官僚が本来のパフォーマンスを発揮するためには何が必要か、「中の人」ならではのリアリティから検証します。 「GQ──Government Curation」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 橘宏樹と申します。国家公務員をしております。この「Government Curation(略してGQ)」は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。本稿に懸ける僕の志についてはこちらで述べさせていただきました。 さて
安宅和人さんが率いるプロジェクト「風の谷」は、テクノロジーを用いて都市のオルタナティブを追求していく試みです。この連載では、そんなプロジェクトに関わるメンバーの横顔を紹介していきます。今回は特別編として、一般社団法人 森と未来代表理事の小野なぎささんに、都会にほど近い森を案内してもらいながら、森歩きの豊かさについて考えました。
さまざまな分野の知恵とテクノロジーを組み合わせて、人間が自然と共に生きるあたらしいかたちを模索するプロジェクト「風の谷を創る」。この連載ではこのプロジェクトに関わる多彩なメンバーたちの横顔を紹介していきます。今回インタビューしたのは、スマイルファクトリー校長の白井智子さん。さまざまなかたちで学校に行けない子供への支援活動に関わられてきた白井さんに、「風の谷」で実現したい、新しい教育のあり方についてお伺いしました。 本記事をはじめ、「遅いインターネット」では「風の谷を創る」というプロジェクトを継続的に追いかけています。 オーストラリアでの原体験 ──智子さんは、「風の谷を創る」の教育チャンクで今までの都市型の教育とは異なる教育をゼロからつくるという、ちょっとびっくりするくらいの難題に挑戦されているのですが、今日はそんな智子さんの背景からいろいろ伺っていきたいと思っています。 白井 よろしくお
「消極的なひと」がストレスなく暮らせる社会をデザインとテクノロジーで実現するために活動するチーム「消極性研究会」。今回は情報科学者の栗原一貴さんが、自身による大学でのオンライン講義の実践から、やりにくさの原因と、オンラインでのコミュニケーションを促進する方法を考えます。 突然変わった新しい生活様式に馴染みつつも、やりにくさを感じているみなさん、そのもどかしさはテクノロジーの力で解決できるかもしれません。 「消極性デザインが社会を変える。まずは、あなたの生活を変える」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 はじめに 新型コロナウイルスの感染拡大により外出自粛、リモートワーク、オンライン講義など、少し前までは想像もできなかった生活様式が始まりました。 「とりあえず会おうぜ! 語ろうぜ! 呑もうぜ!」というような陽気なマインドの人には、さぞや辛い時代に
この連載をもとにした本が発売になりました! 連載では扱わなかった模型作りやゲーム、読書などのエピソードをたくさん詰め込んでいます(当社比2倍以上!)。 中高生はもちろん、「ひとり」で「あそぶ」のが苦手になった大人たちも手にとってみてください。 『ひとりあそびの教科書 (14歳の世渡り術)』 たくさん「ひとりあそび」の方法を知ってから大人になる人こそが、世界を面白くできる――他人の見方や他人からの評価などを気にせず、純粋に、自分が触れたものに喜びを感じる方法を学ぶ。 他の人の反応なんか気にならないくらい、「あそび」に夢中になっていい。 ランニング、虫採り、旅、コレクション、模型、ゲーム、映画…… 「みんな」ですることじゃ「ない」楽しいことが、この世界にはたくさんある。 そのことを覚えよう。 Amazon さて、これからこの本はひたすら僕がこれまで実践してきた「ひとりあそび」の方法を教えていく
今月から、僕がいま中高生向けに書いている本の、書きかけの文章をこのウェブマガジンに連載していきます。タイトルは『ひとりあそびの教科書』です。 みんなでワイワイ騒ぐのではなくて、孤独に世界と向き合うからこそ見えてくるものが、味わえる楽しさがある。この本は、僕が子供のころから続けてきた「あそび」を紹介することで、それらを伝えられたらと思っています。 「ひとりあそびの教科書」のこれまでの連載記事は、こちらにまとまっています。よかったら、読んでみてください。 この連載をもとにした本が発売になりました! 連載では扱わなかった模型作りやゲーム、読書などのエピソードをたくさん詰め込んでいます(当社比2倍以上!)。 中高生はもちろん、「ひとり」で「あそぶ」のが苦手になった大人たちも手にとってみてください。 『ひとりあそびの教科書 (14歳の世渡り術)』 たくさん「ひとりあそび」の方法を知ってから大人になる
都市集中型社会へのオルタナティブを作るプロジェクト「風の谷を創る」。この連載では、プロジェクトに関わる多彩なメンバーの横顔をご紹介していきます。 今回は、このプロジェクトを立ち上げたリーダーの安宅和人さんに改めて登場いただきます。科学者として、ビジネスマンとして「ニューロサイエンスとマーケティングのあいだ」で考え、実践してきた安宅さんがなぜ「風の谷」にたどり着いたのか。その原点から伺いました。 本記事をはじめ、「遅いインターネット」では「風の谷を創る」というプロジェクトを継続的に追いかけています。 ニューロサイエンスとマーケティングのあいだで ──安宅さんはいま国内のビジネスマンのあいだではデータ×AI社会の啓蒙者として広く知られていると思うのですが、もともとはニューロサイエンスの研究者だったわけですよね? 安宅 そうですね。もう少しちゃんとお話したほうが良さそうです。子供の頃から科学者に
医療政策とデータサイエンスの連携から「市場外」の社会課題を考える ──これまで「遅いインターネット」ではこのコロナ禍に対して、パンデミックそのものよりもこの問題によって顕在化した都市やライフスタイルの問題について考えてきました。 この数ヶ月、世界の主要都市が次々と封鎖され、グローバルなメガシティ化の影で見過ごされてきた問題が明らかになりました。それは同時に、人々が当たり前だと思っていた働き方や住まい方を、足元から見つめ直す機会でもあったと思います。これから先の「都市」は、どんなふうに変わっていくべきなのか。ちょっと大きな問いですが、建築家の門脇さん、ライゾマの齋藤さんと一緒に、考え始めていくことにしました。 茂木健一郎さんと、久々にじっくり話しました。(そんなつもりはなかったけど)結果的にコロナ禍の時代とシンクロしてしまった『遅いインターネット』の脳科学的な掘り下げを出発点に、身体と情報の
コロナ禍によって在宅ワークが広がった結果、「家」を中心としたローカルなライフスタイルのあり方が、いま改めて問い直されています。東京の高円寺にある銭湯・小杉湯が今年3月に新たにオープンした「小杉湯となり」は、「銭湯」という場を活かして、あたらしい「くらし」の模索を始めています。プロジェクトを率いる平松佑介さん、建築家の加藤優一さんに、そのねらいと課題を伺いました。 「街で暮らす」というライフスタイルをつくる ──平松さんは、東京・高円寺で80年以上の歴史をもつ銭湯「小杉湯」を三代目として受け継ぎながら、そのセミパブリックスペースとしての性格を現代的に再定義して、これまで様々な活動をされてきています。アーティストや企業とのコラボなど、従来の銭湯のイメージを打ち破る意欲的な取り組みについては、いろいろメディア取材も受けられていると思いますが、昨年には都市型コミュニティの再設計という観点から、PL
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