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transinclusivefeminism.wordpress.com
目次 訳者解説 1.はじめに:過激化につながりかねない誤報の拡散 2.発端となったWi Spaでのトラブル(2021年6月24日) 3.抗議活動の計画が進められる(6月27日~30日) 4.誤報の被害を受けたトランスジェンダーの女性(7月1日~) 5.抗議活動当日の様子はどのように伝えられたか(7月3日~) 6.おわりに:誤報に立ち向かうために 訳注 訳者解説 2021年6月末、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス市の韓国式スパ(温浴施設)「Wi Spa」でのトラブルが発端となって、英語圏のソーシャル・メディア上では、トランスジェンダーの女性をターゲットにした誤報(misinformation。間違いが意図的に作られたものである場合は、特に「ニセ情報 disinformation」と呼ばれる)が急速に広まりました。この誤報は、7月3日にWi Spa周辺での抗議活動の引き金となり、現在はこ
スーザン・ストライカー「「トランスジェンダー」の旅路」(山田秀頌訳、『ジェンダー研究』23号、2020年) スーザン・ストライカーは、アリゾナ大学ジェンダー/ウィメンズ・スタディーズ学部教授。英語圏トランスジェンダー・スタディーズの第一人者であり、歴史家。著書に、Transgender History: The Roots of Today’s Revolution (Seal Press, 2017)。共編著に、The Transgender Studies Reader 1 (Routledge, 2006), The Transgender Studies Reader 2 (Routledge, 2013)。2011年から2016年まで、アリゾナ大学Institute for LGBT Studies代表。 この論文は、2019年12月にお茶の水女子大学で行われたシンポジウム「トラ
Pearce, Ruth, Sonja Erikainen, and Ben Vincent. 2020.“TERF Wars: An Introduction.” The Sociological Review 68, no. 4 (July 2020): 677–98. https://doi.org/10.1177/0038026120934713. ルース・ピアースはリーズ大学社会学・社会政策学部の客員教授。著書に Understanding Trans Health (Polity Press, 2018), 共編著に The Emergence of Trans (Routledge, 2020)。ブログアドレスは https://ruthpearce.net/。 ソニア・エリケイネンはエジンバラ大学のCentre for Biomedicine, Self, and Soci
【翻訳】「トランス女性は女性じゃない」論の間違いをすっぱぬく ― ジュリア・セラーノ(翻訳: イチカワユウ、協力: 佐藤まな) 「トランス女性は女性じゃない」論の間違いをすっぱぬく 最近、ニューヨーク・タイムズから、トランスフェミニストとしての仕事や書物についてインタビューを受けた。インタビュー前の会話で、インタビュアーが今年前半のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(Chimamanda Ngozi Adichie)の「トランス女性は女性ではない」というコメントについて質問しようとしているのがわかった。そこで、インタビューの準備のために、私は自分の著書『Whipping Girl: A Transsexual Woman on Sexism and the Scapegoating of Femininity』のなかからこのような主張への反論をすべてリストアップした。インタビューの間、これ
Levin, Sam, Mona Chalabi, and Sabrina Siddiqui, “Why we take issue with the Guardian’s stance on trans rights in the UK“, (The Guardian, posted Nov.2, 2018) サム・レヴィンはロサンゼルスを拠点に活動するガーディアンUSの特派員。モナ・チャラビはガーディアンUSのデータ編集者。サブリナ・シディクイはワシントンDCに拠点を置くガーディアンUSの政治記者。この記事は、ガーディアンUK本社チームがガーディアン社として執筆したトランス差別的な社説に対する、ガーディアンUSの記者による反論です。このため、社全体の意見ではなく、あくまでも個人署名記事という位置づけになっています。また記事中では、ガーディアンUKとガーディアンUSのトランスライツをめぐ
Emi Koyama, “‘Cis’ is real—even if it is carelessly articulated“, (eminism.org, posted Sep.9, 2013) エミ・コヤマは、フェミニズム、トランス、クィア、人種、DSD、障害など様々な領域を横断する著述家・アクティヴィスト。著作に、“The Transfeminist Manifesto”(2003), “Whose Feminism Is It Anyway?”(2006)。 「トランスでない人」を意味する「シス」という用語は、反トランスのフェミニストからの非難の的になっています。そうしたフェミニストたちは、「シス女性」のような表現はミソジニーであると断じ、「女性とは端的に女性である」と主張します。 もちろん、「女性とは女性である」から「トランス女性は女性ではない」という彼女たちの主張は、差別的な
2019年1月12日初出(https://frroots.hatenablog.com/entry/2019/01/12/100233) はじめに この長い記事の目的は、現在ツイッター上で生じているトランスフォビアの問題について、若干の問題の整理を試みることで、トランスフォビックな語りの停止に多少なりとも貢献を試みることです。 ここで「問題の整理」ということで私が意味しているのは、「トランスフォビックな語り方」がどのような思考から出てきているのか考え、またその思考を反省することは、フェミニズムの関心とも重なるとこがあるはずだという見方を呈示することです。 この記事には二つの内容があります。 ひとつはタリア・メイ・ベッチャーによる「トランス初級講座」という論文の紹介です。この論文の最後の「ジェンダー分離」という節は、ちょうどトイレの話から始まっていたので、資料としての意味もこめて雑な訳も載せ
Where We Are Right Now :多義的に進化するフェミニズムの現在地 — 清水晶子 (Harper’s Bazaar 2017年6月号掲載) (ツイッター上でのトランス女性排除に関連して、「他のいかなる運動とも連帯しない、女体持ちのためだけのフェミニズムが欲しい(大意)」的なツイートまで出回るようになってきているので、まさにハーパーズ・バザーの編集の方が二年前につけてくださったタイトル通り、現在のフェミニズムってこういうところに来ていたはず、ということを確認し、再掲します) フェミニズムが戻ってきた。欧米でそう言われるようになって数年が経つ。ビヨンセやエマ・ワトソンといったセレブリティがフェミニストを名乗り、ポップなエンパワメント系からガチなアクティヴィズム系までフェミニズムサイトが続々と誕生し、今やフェミニズムはちょっとしたブームだ。 でも、そもそもフェミニズムって何だっ
ネット公開にいたった理由 (2019年1月19日に堀あきこさんのnoteで「共に在るためのフェミニズム」本文を公開する際に記した文章) 以下の文章(「共に在るためのフェミニズム−−クィアとのつながりに目を向けて」)は、『福音と世界』(新教出版社)1月号の特集「生きるためのフェミニズム」に寄せたものです。まだ発行されてひと月ほどしか経っていませんが、編集部の許可を得ることができましたので、インターネット上で公開させていただきます。 『福音と世界』の編集者から原稿執筆を依頼されたのは、2018年7月上旬です。フェミニズムとクィアがまったく異なる別個の運動・思想・理論ではなく、切り離し難く結びついている点に焦点をあててほしいというオーダーでした。 ちょうど同じ頃、お茶の水女子大学がトランスジェンダーの学生の受け入れを決定します。すでにこの頃からツイッターでは、トランス女性が他の女性と同じ更衣室や
2019年1月15日初出(https://wezz-y.com/archives/62688) ※記事中で言及されているWANアーカイブは2020年9月4日に閉鎖の要求をしています。経緯については以下の文書をご覧下さい。 https://drive.google.com/file/d/156rabsZ0NAAlF-Q_vwpwzGgehC7ks5uz/view いまツイッターで起こっていること 先日、ネットに投稿された「ツイッターのせいで高校からの友達が死んだ」という記事をご存知でしょうか。投稿者の友人であるトランス女性(生まれた時に割り当てられた性別は男性であったが、性別違和を感じ、女性として生きる人)が、2018年7月2日に発表されたお茶の水女子大学のトランス女性の入学受け入れをきっかけに、悪意あるツイートを向けられるようになり、その結果、自死されてしまったという内容です。 記事は匿名
Julia Serano, “Putting the “Transgender Activists Versus Feminists” Debate to Rest“, (medium, posted Oct.17, 2018) ジュリア・セラーノは、トランスアクティヴィスト、トランスフェミニストの著述家、音楽家。2007年のWhipping Girl: A Transsexual Woman on Sexism and the Scapegoating of Femininityは、トランスフェミニズムの主要文献として名高い。 トランス排除をめぐる争いは、しばしば、「トランス陣営とフェミニストの衝突」「トランスの権利と女性の権利の衝突」のように語られます。この記事で、セラーノは、そうした「衝突」は実際には存在しないこと指摘するとともに、「衝突」が存在するかのように見せかけて利益を得ている
Sara Ahmed, “You are oppressing us!”, (feministkilljoys, posted Feb.15, 2015) サラ・アーメッドはフェミニズム理論、クィア理論、人種理論などを専門とする現在イギリス在住の研究者/ライター。ロンドン大学ゴールドスミス校のフェミニスト研究センターの教授を務めていたが、学内でのハラスメント対応に抗議して2016年に辞任。著書に、The Promise of Happiness(2010), Living a Feminist Life(2017)など。 「あなた達が私たちを抑圧しているのだ!」は、2015年にガーディアン紙に掲載された公開書簡「我々は個人が検閲され沈黙させられるのを許すわけにはいかない」への批判としてアーメッドのブログに掲載されたエントリです。 この公開書簡は、次のように主張します。「〈トランス嫌悪的〉〈
Vic Valentine, “Self-declaration would bring Britain into line with international best practice”, (Economist, posted Jul.3, 2018) 日本語圏のツイッター上でも欧米の反トランス言説がさまざまに輸入されていますが、そのひとつにいわゆる「セルフID」への反対論があります。「セルフID」とは「セルフ・アイデンティフィケーション」のことで、法的な性別の変更を自己宣告によっておこなうことができる仕組みを指す言葉として使われるものです。「セルフID」反対論は、自己宣告によって法的性別の変更を認めることは自己宣告によって好きな性別スペース(トイレや更衣室等)を利用することを可能にするものであり、非トランスの女性たちを性犯罪の脅威に晒すというものだという主張です。 こうした議論は2
Sophie Lewis, “How British Feminism Became Anti-Trans“, (The New York Times, Feb 7, 2019) ソフィー・ルイスは、イギリスのフェミニズム理論家・地理学者。著書に、Full Surrogacy Now: Feminism Against Family (Verso, 2019)など。 「英国フェミニズムはいかにして反トランスになったのか」は2019年2月7日にニューヨーク・タイムズに掲載されたエッセイで、イギリスで台頭するトランス排除的なフェミニストの動きと背景を紹介しています。 この記事の中でルイスは、アメリカ合衆国(以下、US)と英国(以下、UK)とでは、トランスライツに積極的に反対している勢力に違いがあると指摘します。現在、USにおいて目に見える形で反対しているのは主に宗教右派です。これに対し、UKで
「女性専用スペースからトランス女性を排除しなければならない」という主張に、フェミニストやトランスはどう抵抗してきたか — 山田秀頌 2019年2月16日Wezzyにて初出 (https://wezz-y.com/archives/63653) 昨年の2018年7月、お茶の水女子大学がトランスジェンダー女性の入学受け入れを発表したとき、ただちにツイッターで、トランスフォビックな仕方で懸念や怒りを表明するフェミニストがあらわれた。私はそのようなツイートを見て、非常に暗い気持ちになった。 第一には、むき出しのトランスフォビアの言葉そのものが原因だ。だが、とりわけ私が暗い気持ちになったのは、次のようなことを考えたからだ――ついに、この手の言説が日本にもこの強度であらわれた、これからこの種のトランスフォビアと、正面切ってたたかわなければならなくなるのだろうか、と(※1)。 (※1 あくまでも私にはそ
ネット公開「誰をいかなる理由で排除しようとしているのか? ――SNSにおけるトランス女性差別現象から」 ― 堀あきこ ※記事中で言及されているWANアーカイブは2020年9月4日に閉鎖の要求をしました。経緯については以下の文書をご覧下さい。 https://drive.google.com/file/d/156rabsZ0NAAlF-Q_vwpwzGgehC7ks5uz/view — — — この記事は『福音と世界』2019年6月号に書いたものです。日本のインターネットにおけるトランス女性への排除言説をまとめ、差別を考え、差別に抗うために書きました。 私は、こうした記事執筆やハッシュタグキャンペーン、反トランスフォビア声明の発表(2,715人が賛同署名)を、ジェンダー/セクシュアリティ研究者たちと一緒にカウンターアクションとして行ってきました。 しかし、これらのアクションを受け、日本におけ
2018年のお茶の水女子大学によるトランス女性受け入れ声明をきっかけに劇的に高まった日本のトランス排除を考えるためのリンク・リソース集です。本サイト内に掲載があるものには★印をつけ、サイト内へのリンクを貼っています。 目次 女子大・お茶の水女子大学女性専用スペース「女」をめぐる政治フェミニズムを問うトランスフォビアの力学トランスという経験連帯の政治声明・アクション出版物 女子大・お茶の水女子大学 wezzy編集部(2018)「お茶大「性自認が女性のトランスジェンダー入学可」で明らかになった社会のトランスフォビア」Wezzy(7月5日)、https://wezz-y.com/archives/56285wezzy編集部(2018)「お茶大が記者会見 「性自認が女性の学生を受け入れるのは当然のこと」」Wezzy(7月10日)、https://wezz-y.com/archives/56419錦
リンク集(英語圏) 英語圏を中心としたトランス排除に関する分析記事やリソースへのリンク集 リンク集(日本) 当事者や活動家/研究者らによる日本のトランス排除に関する記事へのリンク集
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