とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫) 作者: 犬村小六,森沢晴行出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/02/20メディア: 文庫購入: 59人 クリック: 1,482回この商品を含むブログ (441件) を見る これはひとりの飛空士と未来の皇妃が、社会制度という名の巨大な敵に破れ続ける物語である。 次期皇妃を偵察機に乗せ、敵機の舞う空を単機で飛行、味方領まで送り届ける。困難ではあるが決して不可能ではない道行きは、しかし、皇子の愚行によって絶望的な旅へと変わる。命の危機にさらされながらも、飛空士は見事に任務を成し遂げ、しばし心を通わせた未来の皇妃に別れを告げる。そうして彼は戦場に戻り、彼女は皇都へと向かう。彼女たちの飛行を恐怖のそれへと変えた男の下に嫁ぐために。 得をしたのは誰だ。死んでも一向に痛痒を感じない下層階級の傭兵を使い、まんまと名声を得た貴族たちだろう。己の行動で未来の妻を