原作の理解度にも疑問符 不健全な現場で「覚悟」すべきは誰なのか 「万引き家族」(2018)の数々の受賞は話題になったものの、主演の安藤サクラさんが明かしたベッドシーンの撮影経緯は物議を醸した。当初は「事後」という体裁で写さないと言われていたのに、現場に入るとベッドシーンを撮ると言われて戸惑ったという。共演者の樹木希林さんはその場面が伸びやかで良かったと褒めていたし、絡みの有無だけで評価が変わるわけではないが、安藤さんの発言を聞いた後で見るとちょっと居心地が悪い気がしたものだ。 インティマシー・コーディネーターの意義や重要性が語られ始めたのはここ数年のことで、「疎ましい職種」「性技お目付け役」とさげすむ発言をした有名監督もいる。ベッドシーンで尻込みする女優に対して「覚悟が足りない」と非難するのもよくあることだった。「先生の白い嘘」を指しているか定かでないが、三木監督は2020年に「はぁ、主演