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近年の量子技術の発展により、数十から数百量子ビットを備えた量子デバイスが登場しており、誤り検出・誤り訂正の実験的実証がますます進んでいる。本集中ゼミでは、誤り耐性量子アルゴリズムの中で突出して重要度の高い、量子信号処理アルゴリズムについて概観し、その応用について議論する。はじめに量子信号処理アルゴリズムの基礎的事項として、信号処理・ブロック埋め込みについて 説明する。その後、両者の概念を統合する形で、量子信号処理アルゴリズムを理解できることを示す。最後に、応用例として量子多体問題における時間発展(ハミルトニアンダイナミクス)をはじめとした、物性物理へ量子信号処理・量子特異値変換を応用した際の実装コストの推定などを議論する。誤り耐性量子計算アルゴリズムの研究は、これまでクエリや時空間計算量に関する議論が主流であったが、今後は実際に応用することを念頭においた研究が必要になると考えられ、未開拓領
敗戦直後の地域や職場では多くの演劇サークルが結成され、労働者が演劇を創り、上演する演劇運動が活発だっ演劇運動は演劇研究や戦後文化運動研究にまたがる対象であるが、これらの研究は観客の評価を十分に扱っていない点で課題が残されていた。本稿では観客の評価の分析軸として、労働者の「生活」描いた戯曲や「生活」にもとづく演技を重視する立場と、社会問題を描いた戯曲が創られ、演技力を向上させた「文化」へと労働者の演劇が進化することを重視する二つの立場を設定した。その上で演劇運動を通じた戯曲のテーマの変化や演技力の向上、それに伴う観客(労働者や専門家)の評価の変化を検討した。一連の分析を通じて先行研究の課題にこたえるとともに、演劇運動が直面した独自の課題を明らかにした。 本稿の知見は以下の通りである。演劇運動における「生活」と「文化」という二つの異なる要素は運動の発展段階に応じて異なる一致点やズレを労働者の間
本研究は、人文系の学会誌(日本語教育学、日本語学、日本文学)に掲載された論文60本を対象に、係助詞の「は」の直後に読点を打つ要因を明らかにし、日本語教育、特にアカデミックライティングにおいて、「は」直後の読点の打ち方をどのように指導すればいいかを考察することを目的とするものである。分析では、一文中の読点数、一文の長さ(文字数)、「は」直後の文字種、「は」の段落内の位置、論文の書き手の5つの要因をそれぞれ組み合わせた一般化線形モデルを作成、モデル評価を行い、読点を打つ要因を検討した。その結果、「は」直後に読点を打つ確率は4割弱であり、基本的には「は」直後の読点は打たなくてもいいことを明らかにした。そして、一文中の読点数が2個程度の場合、一文が70字程度の長さがある場合、形式段落の冒頭(一文目)で「は」が使用されている場合という3つの条件が揃うさいには読点が打たれやすいということを示した。本研
本稿の目的は,戦後日本の新聞に関して,地方紙の社説の独自性や,各紙の左右イデオロギー的な論調の推移を明らかにし,その背景要因を検討することである。具体的には,1970年~ 2019年の50年間において,全国紙と地方紙(計50紙)の憲法記念日前後の社説(計2211本)を網羅的に収集・データ化し,計量テキスト分析を行った。分析内容は下記の2つに大別される。①地方紙が社説で共同通信の資料版論説をどの程度利用してきたのかを,機械的な手法によって分析した。まず,共同通信の資料に依拠した社説は多数派とは言えないことを確認した上で,社説執筆リソースなどの背景要因について検討を行った。②各紙の左右イデオロギー的論調をコーディングによって数値化し,日本の新聞論調の推移の全体像を可視化した。その上で,地方紙のリベラル傾向の論調の多様性と,新聞が論調を保守化させる要因について考察を行った。
本研究では,小学4年生から中学3年生までの発達性読み書き障害児24名と典型発達児24名を対象に,ユニバーサルデザインデジタル教科書体(以下,UD書体)が音読や読解に与える影響を検討した.刺激は,音読課題(仮名非語,文章およびアルファベット)と文章読解課題で,書体はUD書体と教科書体の2種類を使用した.対象児に,2種類の書体で作成された音読課題と読解課題を実施した後,文字の読みやすさについて内観を聴取した.その結果,両群ともに音読課題における所要時間,誤読数,自己修正数と,読解課題の正答数に2書体間で有意差は認められなかった.主観的に,両群とも文字の可読性と読みの正確性についてUD書体を有意に選好したが,読みの流暢性についてUD書体は有意に選好されなかった.本研究の結果から,客観的評価と主観的評価は異なり,UD書体による正確性,流暢性および読解力に関する「読みやすさ」の指標は見出せなかった.
In his 1854 work On the Musically Beautiful (Vom Musikalisch-Schönen), Eduard Hanslick aimed to establish a theory that focuses on musical beauty and relies exclusively on music itself. But what did “music itself ” mean for Hanslick? To develop this theory, he had to grapple with the challenge of defining the purely musical meaning and content of musical art from which nonmusical elements are remo
本稿では,宇宙エレベーターの建設費を10年で回収できると仮定し,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの破断を考慮して,10年後の宇宙エレベーターの残存率を評価した結果を示す.その結果,宇宙エレベーターがその建設費を回収できるまで残存するためには,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの損傷を最小化するような冗長系だけでなく,現在の衝突フラックスと比してほぼ0%にまで宇宙デブリ環境を改善しなければ実現不可能であることが分かった.
Online ISSN : 2185-8314 Print ISSN : 1340-7619 ISSN-L : 1340-7619
Online ISSN : 2424-1601 Print ISSN : 1342-4726 ISSN-L : 1342-4726
本稿ではエドワード・サイードの言う対位法的な読解により、北海道文学史を再考する。具体的な作品としては向井豊昭「御料牧場」(一九六五)を中心に扱い、向井山雄や矢沢信明ら作中にて実名で登場する人物との関わりも論じるが、その前段階として北海道文学の嚆矢とされる国木田独歩「空知川の岸辺」ほか戦前の諸作、北海道文学の研究史、さらには「北海道一〇〇年」に象徴される「開拓」イデオロギーを、セトラーコロニアリズム批判の視点から検証していく。そうすることで、「自然との共生」という常套句のもとに不可視化されてきた、アイヌの強制移住に代表される和人の歴史的加害の位置を探り、今なお続く差別と暴力に向き合うための視座を可視化させる。
デジタルアーカイブに搭載された資料画像から、テキストデータや図版といった情報を自動抽出し、利用者に提供することは、AI技術(機械学習技術)の高度化に伴って、全文検索対応やアクセシビリティ改善の観点で近年注目を集めているアプローチである。国立国会図書館はNDLラボという実証実験の場を有している。これまで機械学習技術を応用した情報抽出手法の実験的な機能の実装と公開を行い、開発の過程で得られた知見や利用者の反応を国立国会図書館デジタルコレクション等の要件検討に反映してきた。本稿では情報抽出技術の解説にくわえ、NDLラボで実際に各技術を組み込んだ実験サービス等を運用して得られた知見を紹介する。
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Online ISSN : 1884-6580 Print ISSN : 0037-3826 ISSN-L : 0037-3826
Online ISSN : 1884-2380 Print ISSN : 0387-3358 ISSN-L : 0387-3358
東北大学では研究成果のオープンアクセスの推進のため,2022年に国内初の転換契約をWiley社と締結し,その後,2024年までに三大学術ジャーナル出版社全てと転換契約を行った。また若手研究者支援を目的に転換契約以外のOAについて本学独自のAPC支援事業を実施し,これらの事業の広報や情報の集約を行うことでOA推進に関する周知とその効果の分析を進めている。
生存時間解析・信頼性解析は,患者の生存時間や機器の故障時間など,ある個体に対して特定の事象が生起するまでの時間に関するデータを扱う,統計学の一分野である.本稿は,生存時間解析・信頼性解析に用いられる統計モデルの歴史的背景や統計的性質について,初学者向けに書かれた総説である.生存時間や生存関数,ハザード関数などの基本的な生存時間解析の道具や概念を定義し,それらの統計的性質・解釈を解説する.また,指数分布・ワイブル分布・対数正規分布などの,一般的なパラメトリックモデルや,Cox比例ハザードモデル・加速故障時間モデルなどの回帰モデルについて解説する.競合リスクモデルについても簡単に触れる.本稿で使用したデータ,式の導出,解析に使用したRコードを付録に与える.
量子力学では,時間発展の途中で物理量を問うことが困難である.ハーディー(L.Hardy)のパラドックスはこれを顕著に示した例だが,パラドックスに陥るのは,実際に測定できないものを議論しているからだと考えられてきた.測定自身によって時間発展が乱される為,そもそも検証ができないのだ.ところが,近年アハラノフたちによって弱い量子測定が提唱されて以来,時間発展を乱さずに測定はできないという反論が必ずしも正しくはなくなった.我々は弱い量子測定を用いて実際にハーディーのパラドックスを観測した結果,測定器がパラドックスを反映した値を示すのを確認した.この解説では,弱い量子測定と我々の実験結果について説明する.
本稿の目的は、女性の性的自立の可能性について探究を行うことにある。そのために、通常は女性の性的自立と対立するものとされるマゾヒズムを取り上げ、女性のマゾヒズムが性的自立に導きうる可能性を検討する。女性の積極的なマゾヒズムの実践が現状の権力構造を脱構築する可能性を検討し、あわせて、マゾヒズムのより深い理解へ至るよう努める。ジェンダーの文化的偏向によって、男性のそれとは異なり、女性のマゾヒズムは自然本性的なものとされてきた。自然に依拠したこの種の議論は、当然のことながら再吟味されねばならない。しかしまたこのことは、必ずしも女性の性的なマゾヒズムが日常の権力関係を単純に反映していることを意味しない。サドマゾヒズムが権力関係を利用するというように考えると、パット・カリフィアのように、サドマゾヒズムは「権力関係のパロディ」と定義することもできよう。そこで本稿では、パット・カリフィアのこの考え方を、女
Online ISSN : 2423-8872 Print ISSN : 0029-0181 ISSN-L : 0029-0181
Online ISSN : 2187-1590 Print ISSN : 2186-4942 ISSN-L : 2187-1590
東京学芸大学附属図書館では,学部新入生対象の授業「入門セミナー」の1コマにおいて,附属図書館職員が講師となり,図書館の利用方法や文献検索などを説明する情報リテラシー教育を行ってきた。その内容について,2023年度に「大学の学びのサイクルを意識した情報リテラシー教育」をテーマとして改訂を行った。改訂の経緯とその内容について報告するとともに,当館での実践を通して得られた知見を踏まえて,大学図書館における情報リテラシー教育の今後のあり方について考察する。
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