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高額接待で批判を浴びた総務官僚が、よりによって所管先のテレビ局に天下りとは──。 菅政権の時、内閣広報官を務めていた山田真貴子氏が、フジ・メディア・ホールディングスの取締役に就任することが分かった。5月15日に内示があり、5月17日の取締役会の決議後、6月26日の株主総会で承認される予定だ。フジテレビジョンの取締役も兼務する。 山田真貴子氏は、いわくつきの元高級官僚だ。総務審議官時代、菅前首相の長男が勤めていた放送事業会社「東北新社」から、一晩7万4203円もの高額接待を受けていたことが発覚して、批判を浴び、内閣広報官を辞任している。 山田氏は早大卒、1984年に旧郵政省(現総務省)に入省している。菅前首相の覚えがめでたく、2013年、第2次安倍内閣で女性初の首相秘書官に抜擢され、菅政権が誕生すると、内閣の顔である内閣広報官に取り立てられている。私大卒、女性、しかも総務省の本流である旧自治
巨人の坂本勇人内野手(35)に脱税疑惑が持ち上がっている。税務調査で年間2000万円、直近5年間で総額1億円もの過大経費計上が確認されたという。「夜のクラブ活動」をめぐり、当局と見解の相違があるようだ。 その勢いで「政治とカネ」にもメスを入れてもらいたいもの。自民党の麻生太郎副総裁(83)の飲食費は決して引けを取らない。コロナ禍の2022年は1900万円超。非課税の政治資金をいいことにやりたい放題だ。 発売中の「週刊新潮」によると、東京・渋谷税務署が区内在住のスポーツ選手の重点調査を打ち出し、坂本に申告漏れの疑いが浮上。確定申告で銀座や六本木の高級クラブなど、年間2000万円の飲食費を必要経費として確定申告で計上していたという。坂本の推定年俸は日本人選手最高の6億円。なんともケチくさい話だ。坂本側は「これまで飲食費は認められてきた」などと主張し、当局と協議を続けているという。 翻って麻生氏
ミゾは埋まらなかった。岸田首相が14日昼、官邸で公明党の山口代表とランチ会談。今国会中の政治資金規正法の改正に向けた話し合いは平行線をたどった。山口代表は会談後、従来と変わらず、野党との協議も重視する考えを強調した。 与党合意など些末なこととはいえ、公明がソッポを向く気持ちは分かる。この期に及んでも、自民は政策活動費(政活費)の使途公開に慎重で「裏金化」をやめるつもりなどサラサラないのだ。 「公明党にはいわゆる政活費に該当する支出はありません。あえて『廃止』を訴えなかったのは、自民党との合意に向けた配慮です。改正案の大枠では議員による使途公開で合意したものの、使途の公開範囲で折り合わず、具体策は依然として不透明。泥舟に乗せられるのはごめんです」(公明党関係者) 自民党幹部に渡る政活費は、領収書不要で使途報告の義務がないブラックボックス。事実上の裏金だ。大半は選挙に浪費しているのが定説で、例
「ニトリはあちこちのモールで見かけますが、家具はマレーシアの住宅のスペックに合わない。ドンキも常に客で賑わっているとは言えない状況です。ドトールも頑張っているようですが、地元の人がおいしいと思うコーヒーの味は違います」──。12年近くクアラルンプールに住む日本人Aさんは「調査をすればわかるはずなのに。日本企業はマレーシア市場を甘く見ているのでは?」と不満げだ。 三井不動産の「ららぽーと」も地元市民に背を向けられている。 一年の中で最も消費が活発になるシーズンといわれる断食明けのハリラヤ。筆者はハリラヤ目前の3月の土日に「三井ショッピングパーク・ららぽーとブキビンタン・シティーセンター」を訪れた。来店客は少なく、テナントも歯抜け状態だった。 フードコートは実に27店中11店舗が営業していない。食べることに目がないマレーシア人。ショッピングモールのフードコートは集客の心臓部に匹敵するが、「らら
《「元総理大臣」というだけで、有権者から選ばれた国会議員を呼び出し、「辞めろ」と迫る異常》《「自民党」という組織はまるで「マフィア」のようだ》――。 SNS上でも驚きの声が尽きない。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、最大派閥だった安倍派(清和政策研究会)でキックバックを始めたとされる頃に同派会長を務めていた森喜朗元首相(86)に対してだ。 衝撃の声が上がるきっかけとなったのは、同派座長だった塩谷立・元総務会長(74=自民離党)が13日のBS日テレに出演した際、森氏から裏金事件の責任を取り、議員辞職を含めて対応するよう迫られていたことを告白したからだ。 塩谷氏によると、辞職を迫られたのは1月下旬に森氏を訪ねた時だったといい、「聞き置いて、そのまま自分の中でしまっていた」と説明していた。とはいえ、ヤクザ組織ではあるまいし、すでに政界を引退している「一般人」から「現職の国会議員」が
「子や孫のための政治をやってほしいという高齢者も多い」――。大阪府の吉村知事が13日の会見で、次期衆院選の公約に「0歳児への選挙権付与」を盛り込む考えを示した。若い世代を中心とする政治への転換を訴え、「子や孫のための政治」と発言したのだが、そう思うなら、ガス爆発の現場に子どもを招待するのはいかがなものか。 府は万博に府内の小中高校と特別支援学校の児童・生徒約85万人を無料招待する事業を計画中。夏休み前のピーク期間に1日あたり約1万4000人の児童・生徒の来場を見込む。今月末までを期限に学校側へ意向調査を行い、「遠足への参加希望や希望日、交通手段などの聞き取りを進めている」(府教育庁教育総務企画課)という。 見学ルートや避難計画などの詳細は検討中だが、すでにツッコミどころは満載だ。万博遠足について、共産党の府カジノ・万博PT責任者を務める辰巳孝太郎元参院議員は自身のXで〈パビリオンは選べない
厚顔無恥とはこのことだ。自民党の裏金事件に端を発した政治資金規正法改正をめぐり、当事者からトンデモ発言が飛び出した。政治改革をテーマに与野党の実務者が顔をそろえた12日のNHK「日曜討論」で、抜け穴だらけの与党案に批判が集中。すると、自民の鈴木馨祐衆院議員(党政治刷新本部座長)が「自民党の力を削ぎたいという政局的な話がゴッチャになっている」と言い出したからア然だ。陰謀論者なのか。 ◇ ◇ ◇ 与党が取り急ぎまとめた改正案はザルだ。 自民の二階元幹事長が5年間で50億円も受け取っていた政策活動費の使途公開義務化▽政治資金パーティー券購入者の公開基準額引き下げ▽国会議員関係団体に比べて緩い「その他の政治団体」の公開ルール強化──が3本柱。政治資金収支報告書の提出にあたり、議員による「確認書」交付を義務付け、不記載などで会計責任者が処罰された場合は政治家にも刑罰を科すという。自民は「いわゆる
エジプトの名門「カイロ大学」を卒業したのは本当なのか──。元側近の告発によって、東京都の小池百合子知事の学歴詐称疑惑が再燃している。知事は相変わらず「カイロ大が卒業を認めている」の一点張りだが、認定は妥当なのか。1990年代にカイロ大に通い、独自調査で大学の体質を知り尽くしているのがこの人。改めて小池の学歴詐称疑惑について語ってもらった。 ◇ ◇ ◇ ──小池知事の学歴詐称を告発した「女帝」出版直後の2020年6月、知事の卒業を証明するカイロ大声明が駐日エジプト大使館のSNSに投稿された。小池知事が再選した都知事選の告示直前でした。声明には報道への警告まで記されていましたが元側近の小島敏郎弁護士(都民ファーストの会元事務総長)は声明の文言案を小池知事と側近らが相談して決めていたと暴露。どう見ていますか? 民主主義の根幹である選挙に外国勢力が介入したという点は以前と変わりませんが、そこに
私も取材した衆院東京15区補選は演説妨害騒動が起こり、カオスそのものだったが、今回は地方都市でひっそり行われた市長選に触れたい。 愛知県南部、人口7万人ほどの碧南市で先月、市長選が実施された。この地方都市が一部で注目を浴び始めたのは2022年夏。市庁舎をバックに禰宜田政…
大型連休終盤の5月5日(日)に放映されたNHKスペシャル『山口一郎“うつ”と生きる~サカナクション 復活への日々~』が大きな反響を呼んでいる(NHKオンデマンドで視聴可)。サカナクションはこの国を代表するロックバンドのひとつだ。そのフロントマンがうつとともに生き、もがきながらも歌い続ける姿に密着した映像には、強烈なインパクトがあった。 山口さんがうつ病と診断されたのは2022年6月。主たる原因ははっきりしている。20年からのパンデミックだ。当時の官邸によってエンタメは「不要不急」とされ、音楽業界でも仕事を失う者が続出した。山口さんは仲間を救うための基金の設立に関わるなど精力的な活動を展開したが、パンデミックがやっと勢いを弱めたころ、その心身は極度に疲弊していた。それはこの稀代のアーティストの心が〈音楽のかたち〉をしていることの何よりの証でもあるのだが。 番組ではサカナクションのメンバーやス
裏金事件でボロボロの岸田政権から、新たなトンデモ大臣が飛び出した。 水俣病患者・被害者の団体が今月1日に伊藤信太郎環境相と懇談した際、環境省職員が被害者側の発言中にマイクの音をオフにした問題。伊藤大臣は8日午後、熊本県水俣市に出向き、被害者側に直接謝罪した。これに先立ち、都内で報道陣の取材に応じた伊藤大臣は「水俣病は環境省が生まれた原点……。いかに大切に思っているかを(被害者に)伝えたい」と涙ながらに語っていた。 しかし、泣いて謝って済む問題ではない。1日の懇談では、水俣病患者連合の松崎重光副会長が、水俣病に認定されないまま昨年亡くなった妻について「痛いよ痛いよと言いながら死んでいきました」と窮状を訴えたところで、強制的にマイクが切られた。 発言時間が1団体3分に制限されていたことが原因だが、不誠実な対応に被害者側から「聞いてやれーな、大臣」といった声が上がり、会は紛糾。終了間際に「マイク
《「選挙に強い安倍自民」の最大の理由がコレだったのか》《派閥議員らにとって、安倍さんはカネを配る「花咲か爺」のような存在だったんだな》――。SNS上では揶揄する声が目立つ。 「中国新聞デジタル」が9日、故・安倍晋三元首相が2013年7月の参院選で、東日本の選挙区で争う同党公認候補に現金100万円を渡していた疑いがあると報じたためだ。記事によると、匿名を条件に中国新聞の取材に答えた人物は、参院選の応援演説に入った安倍氏と個室で面会した際、A4判の茶封筒を渡され、その中に白い封筒に入った現金100万円が入っていたという。 公訴時効が成立しているとはいえ、政治資金収支報告書への記載がなければ政治資金規正法違反(不記載)などに当たる可能性が高い。中国新聞は2019年の参院選広島選挙区を巡る公職選挙法違反(買収)事件でも、河井克行元法相(61)=実刑確定=が、当時の安倍首相から現金2800万円を渡さ
「6月解散」に固執する岸田首相には朗報か。JNN(TBS系列)が4~5日に実施した世論調査の結果、岸田内閣の支持率は29.8%と前回調査から7ポイント上昇。支持率の回復は実に7カ月ぶりだ。調査直前に出発し、フランス、ブラジル、パラグアイを外遊した3泊6日の「地球の裏側弾丸ツアー」…
検察はわざとこのタイミングを狙ったのだろうか──。自民党派閥の裏金事件をめぐり、2日に一斉に報じられた萩生田光一前政調会長と世耕弘成前参院幹事長(離党)の不起訴処分のことだ。 萩生田氏は2018年からの5年間で2728万円、世耕氏は同期間に1542万円を安倍派からキックバック(還流)されていたのに政治資金収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反容疑で刑事告発されていた。結局、東京地検特捜部は2日、2人とも「嫌疑不十分」で不起訴としたのだ。 ゴールデンウイーク中で報道機関は取材が手薄。不起訴の事実が短く報じられただけだったが、この処分にネットは大炎上した。2日夜から3日にかけて、「萩生田光一」や「東京地検特捜部」がX(旧ツイッター)のトレンド入り。〈巨悪を見て見ぬふりする東京地検特捜部を誰か取り締まって〉〈与党の脱税は許されるというとんでもない国家〉など検察批判の嵐となった。 ■
昨年発足した市民グループ「テレビ輝け!市民ネットワーク」がテレビ朝日ホールディングスに株主提案を行い、話題を集めている。権力による報道介入を防ぐため、定款変更を求めるというもの。過去10年間に圧力を受けたり、放送番組審議会が機能不全に陥っている場合などには、独立した第三者委員会を設立して調査・公表する▽番組審議会委員らの任期に上限を設ける▽共同代表を務める元文科次官の前川喜平氏を社外取締役に就ける──とする議案を出した。なぜ今、こうした手法で問題提起をしたのか。勝算はあるのか。前川氏と共に共同代表を担う法政大前総長に聞いた。 ◇ ◇ ◇ ──在京キー局を抱える持ち株会社は5社あります。どうしてテレ朝なのですか。 テレビ朝日の報道姿勢は、ある時を境に大きく変わってしまった。政権に対する忖度が露骨になった。そうした認識を私たちが共有しているからです。 ──「ある時」というのは? 「報道ステ
自民党の杉田水脈議員が教育勅語を巡ってまた炎上である。いわく杉田氏が出席した集会で「全員で教育勅語を唱和。背筋が伸びる思いがしました」とのこと。杉田氏が昨年から特にこの手の言動をXに投稿している背景には、日本保守党の増勢により自身の影響力が低下してきていることの焦りがある。次の…
あの甘みと酸味の絶妙なバランスが、しばらく味わえなくなるかもしれない。 大手企業でオレンジジュースの販売休止が相次いでいる。雪印メグミルクは「Dole オレンジ 100%」の1000ミリリットルと450ミリリットルの販売を昨年4月から休止している。森永乳業は4月25日、「サンキスト100%オレンジ」を原料がなくなり次第、販売休止にすると発表した。 背景には世界的なオレンジ果汁不足と価格の高騰がある。日本は、オレンジ果汁の大半を輸入品に依存しているが、主要輸入国であるブラジルが天候不良に見舞われ、オレンジの生産が激減しているのだ。需給が逼迫し価格が高騰しているところに円安も追い打ちをかけ、安定的に原料を確保することが困難になった。 メーカー各社は、どこもオレンジ不足に頭を抱えている。 本紙の取材に対し、森永乳業は「原料の生産地については非公表ですが、ブラジルといった生産国の天候不順でオレンジ
野党第1党の立憲民主党が全勝した週末の衆院3補選で自民党の尻に火が付き、岸田首相の退陣カウントダウンが始まった。下馬評通りだが、予想外の退潮を印象付けたのが学歴詐称問題が再燃中の東京都の小池知事だ。東京15区に擁立し、全力支援した作家の乙武洋匡氏が大惨敗。集票力の低下はゴマカしようがなく、国政復帰どころか、知事3選も危うくなってきた。 2人続けて逮捕者を出した自民が不戦敗した東京15区には、9人が立候補。立憲が公認した前江東区議の酒井菜摘氏が大混戦を制して初当選した。知名度を誇る乙武氏は「裏金問題に非常に強く憤りを感じている」と正論をブッて自民の推薦を蹴っ飛ばした末、次点にも絡めずに5位。小池知事と関係良好な公明党が終盤に腰を上げたものの、トップからダブルスコア以上も離され、箸にも棒にもかからなかった。 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。 「乙武氏は無所属で立候補し、小池氏が特別顧
歴史的な円安・物価高に苦しむ庶民を尻目に、税金で海外出張とはいいご身分である。ゴールデンウイーク(GW)期間中の閣僚の外遊ラッシュが今年も繰り返される。岸田首相は5月1日から6日までの日程で、フランス、パラグアイ、ブラジルを訪問する。 岸田首相は南米訪問に先立ち、フランスのパリに本部がある経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会で2日に基調演説を行い、マクロン大統領と会談する予定。日本の首相としては約10年ぶりとなる南米への個別訪問でも首脳会談を予定しており、新興・途上国「グローバルサウス」との関係強化を狙うという。 GW期間中に日本を離れるのは、岸田首相を含め大臣20人中14人。すでに外遊へと旅立った副大臣・政務官をあわせると、計31人が37カ国を訪問予定だ(別表)。雁首そろえて何しに行くのか。 OECD閣僚理事会やG7会合への出席など、目的がハッキリした外遊もある一方、「政府要人との会
「おい!ひろゆき ほんとうに おかしくなってないか? 大丈夫か?」 こう心配するのは「大王製紙」の元会長で実業家・井川意高氏(59)だ。かつて"論破王"と呼ばれた"ひろゆき"こと西村博之氏(47)は"バトル相手"から心配されるほどの自爆をした。 コトの発端は、ひろゆきが26日に出演した「Abema Prime」での発言。そこで「環境は影響する? 犯罪するorしない人の差は」というトークテーマで、"若者が犯罪に手を染める背景"について「刑務所入ってる人は中卒・高卒が多くて大卒ほぼいないですよね?」と私見を述べた。犯罪者は学歴が低い、そしてシングルの家庭が多いと思うという趣旨の主張だ。 これに対し、井川氏が27日にXで、「オレ 東大出たけど 刑務所入ったぞ」とポストした。井川氏は東大法学部卒だが、子会社7社から約55億3000万円を無担保で借り入れ損害を与えたとして、会社法の特別背任罪で4年の
その女(ひと)は屋形船のへさきに座り、夜の大川の流れをじっと見ていた。 彼女は、私が主催した納涼懇親会に知人に連れられてやってきた。だが、酔客たちのバカ騒ぎの輪の中には入らず、口数も少なかった。 「竹村健一の世相講談」のアシスタントキャスターをしていた頃ではなかったか。触れなば落ちんという風情だった。 彼女がその後、国会議員から都知事になり、“女帝”と呼ばれるようになるとは想像もできなかった。 小池百合子都知事(71)の学歴詐称疑惑が再び問題になっている。発端は文藝春秋5月号に掲載された元側近、小島敏郎の告発手記だった。 2020年の都知事選前に、ノンフィクション作家の石井妙子が上梓した「女帝 小池百合子」(文藝春秋)の中で、小池のかつてのカイロ時代の同居人女性が、小池のカイロ大学卒業は作り話だと告発したことがあった。
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も発行。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中
どうやら岸田自民党の「全敗」は確定的のようだ。28日投開票の衆院3補欠選挙。東京15区と長崎3区は既に不戦敗が決まっているが、唯一、公認候補を擁立した島根1区についても、自民党本部が水面下で「白旗」を揚げているという。 島根1区は、自民新人の元財務官僚、錦織功政候補(55)と立憲民主党の前職、亀井亜紀子候補(58)の与野党一騎打ち。メディアの情勢調査では、「立憲やや優位」(朝日)、「立民優勢」(読売)などと報じられている。 しかし自民党は、岸田首相が21日のラストサンデーに島根入りしただけでなく、石破茂元幹事長や小泉進次郎元環境相ら人気の高い議員を投入し、巻き返しに必死。小渕優子選対委員長もほぼ島根に張り付き、企業や業界団体を回って、組織固めに精を出している。もともと強固な保守地盤の金城湯池だけに、裏金事件で大逆風の中でも「なんとか最後は、という淡い期待もあった」(自民ベテラン議員)という
過去に類を見ない異常な選挙戦だ。9候補が乱立し、カオスな展開になっている衆院東京15区補欠選挙(28日投開票)。候補を擁立した「つばさの党」陣営が他陣営の街頭演説に“凸撃”し、大音量で演説をぶつ行為が「選挙妨害」と批判を招いている。特に標的になっているのが、小池都知事が支援する作家・乙武洋匡陣営だ。度重なる妨害を受け、逆に妙な存在感を示しつつある。 ◇ ◇ ◇ 選挙妨害と受け止められかねない行為に出たのは、つばさの党だけじゃない。政治団体「日本保守党」新人の飯山陽陣営が24日朝、JR亀戸駅前であった乙武陣営の演説会に“乱入”。乙武陣営関係者が応援演説していた場所に選挙カーを横付けした飯山陣営は、大音量で「飯山陽」を連呼し続けたのだ。 乙武陣営で「都民ファーストの会」所属の内山真吾都議はX(旧ツイッター)で《先に我々が駅頭で演説をしていると、(飯山陣営が)前に立って挨拶を始め、選挙カーを
それでもまだ、熱烈に支持するのか──。 与野党一騎打ちの衆院島根1区補欠選挙(28日投開票)は、細田博之前衆院議長の死去によるもの。1996年の小選挙区制導入以降、昨年11月に鬼籍に入るまで30年近く議席を守り続けた。中選挙区時代までさかのぼれば、父・吉蔵元運輸相が初当選した1960年以来、実に60年以上も「細田」の名前を支持し続けた全国きっての保守王国である。 日刊ゲンダイは22日、県庁所在地・松江の中心地から車で1時間ほど離れた県北の農村地域に向かった。50世帯ほどの小さな集落で、自民党候補の錦織功政氏が演説するというのだ。 集落は昼過ぎでも人通りはまばらで、静まり返っていた。予定の10分前、本当に来るのかと不安に思っていると、降って湧いたように25人ほどの住民がぞろぞろと集まり出した。子供の姿も数人見えるが、ほとんど高齢者だ。 ■「自民党でなければ島根は崩壊する」 ジャージー姿の70
本人も「こんなはずじゃなかった」と大慌てになっているのではないか。9年ぶりの「国賓待遇」で米国を訪問した岸田首相のことだ。 日米首脳会談や日米比首脳会談などのスケジュールを次々とこなし、米議会演説や晩餐会ではジョークを交えた英語スピーチで周囲から拍手を浴びた。持ち上げら…
「教え子にあたる中学生は狙わなかった」 中学校のエロ元校長には、本人なりの「倫理観」があったのか。 駅の構内や電車内で女子生徒らのスカート内を盗撮したとして、神奈川県相模原市教育委員会は市立中学元校長の小泉勇教諭(61)を18日付で懲戒免職処分とした。 先月27日正午ごろ、小泉教諭はJR横浜線淵野辺駅で録画装置本体を左足首に装着し、小型カメラを靴ひも部分に取り付けた。電車に乗り込み、10代とみられる女子生徒2人のパンティーを盗撮。2人を追って町田駅で下車した。徒歩で小田急線町田駅に向かい、再び電車に乗車し、盗撮を続けたというから、かなり執拗だ。 教諭は女子生徒2人のスカートの下に左足を差し入れ、盗撮画像を自身のスマホに飛ばし、画面をチラチラ見ながら確認していた。 そばにいた乗客が教諭の行動を不審に思い、「盗撮してるんじゃないですか」と声をかけ、次の新百合ケ丘駅で電車から降ろし、駅員室に連れ
おおむね5年に1度行われる厚労省の「年金財政検証」。2019年の検証では約30年後の標準的ケースの給付水準が2割減ると公表されているが、今回は国民年金の保険料納付期間を5年延長する案(65歳まで)が検討される。契約時と支払い時の約束事が違う。民間保険会社なら訴えられるレベルだ。 ◇ ◇ ◇ 国民年金の納付期間延長の狙いは「給付額を増やす」ためと説明されている。 現在の保険料は月1万6980円。5年分の負担額は101万8800円となる。これに対し満額の受給額は月約6万8000円。納付期間が40年から45年に1.125倍に増えるのなら、受給額もその倍率の月7万6500円(8500円増)にならなければおかしい。国民年金は、自営業者や20歳以上の学生のほか、会社を定年退職した人も加入する可能性があるので他人事ではない。 「国民年金の保険料1万6980円は定額負担ですので、厚生年金の最低負担額8
「保守王国」の島根県でも、自民党の信頼が大きくグラついている。 与野党一騎打ちの構図となった衆院補欠選挙(28日投開票)の島根1区。自民党が擁するのは新人の元財務官僚・錦織功政候補だ。ラストサンデーの21日には岸田首相が応援に駆けつけたが、県民の反応はイマイチ。郊外のショッピングセンターで行われた演説では、岸田首相の登場に拍手こそ起こるものの、歓声はまばらだった。 地元の政界関係者はこう話す。 「昨年は長年議席を守ってきた細田博之前衆院議長が亡くなり、『参院のドン』といわれた青木幹雄元官房長官も亡くなった。青木さんの息子の一彦参院議員はパッとしない。大物がいなくなった上に、今回の裏金事件。県内の自民党のブランド力は大きく低下している」 元財務官僚という錦織の経歴も足を引っ張っている。 「島根県は中小企業が多く、インボイス制度に苦しめられている人が多い。岸田総理と手を組んでインボイスを導入し
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