日本の国内総生産(GDP)は世界第何位かと問われれば、世界第3位とすぐに答えられる人が多いと思います。GDPは一定期間に国内で生み出された付加価値(中間投入物を除いた生産額)の合計であり、生み出された付加価値は分配されて所得になるので、国の経済規模や国の豊かさを表す指標といえます。実際、国際通貨基金(IMF)のデータベース(※1)によれば、為替レート(米ドル)で換算した日本の名目GDPの規模は、2010年に中国に追い抜かれて以降、米国、中国に次ぐ第3位です。 国ごとの物価の差を調整すると ところで、上述のGDPは為替レート(米ドル)で換算されたものですが、国際比較のためには、国ごとの物価の違いを考慮した方が望ましいかもしれません。GDPが同じでも、物価の高い国より物価の低い国のほうが、実質的な生産額や所得額は大きいといえるからです。国ごとの物価の違いが為替レートには反映されていないかもしれ