7日、トランプ次期米大統領が購入意欲を示すデンマーク領グリーンランドを訪問した長男のジュニア氏(右)=ロイター 【ロンドン=黒瀬悦成】トランプ次期米大統領がデンマーク領グリーンランドの買収に向けて軍事力の行使も排除しないと発言したことに対し、欧州諸国から反発の声が相次いだ。発言の背景には、気候変動を受けた北極海地域の戦略的価値の高まりがある。一方でカナダ合併やパナマ運河返還と併せ、領土拡張の意思を強める覇権主義的なトランプ氏の態度は、ロシアのウクライナ侵略や中国による台湾の一方的統一を正当化する口実にも利用されかねない。 デンマークのフレデリクセン首相は7日、「グリーンランドは売り物ではなく、将来に売りに出されることもない。デンマーク国民もこの立場を支持している」と述べ、トランプ氏の発言を一蹴した。 フランスのバロ外相も8日の公共ラジオの番組で、グリーンランドは欧州連合(EU)に加盟するデ