どんな家庭の子供でも格差なく、無料で好きなだけ本が読めるワンダーランド。それが図書館だ。しかし昨年発表された東京大とベネッセの調査結果によると、小学1年~高校3年の49%が平日の読書時間が0分という少なさ。半面、読書時間の長い児童・生徒ほど自分の能力に対する評価が高い傾向も示された。ゲームや動画視聴では得られにくい、健全な自己肯定感を育む読書。そして、小中学生を対象とした図書館向け書籍には〝自分では買いづらい本〟を届ける役割もある。 ヤングケアラーへ「自分を一番大切に」東京・下町の東京さくらトラム(都電荒川線)荒川二丁目停留場前。5階建て「ゆいの森あらかわ」は60万冊規模の蔵書、年間約68万人が来館する荒川区立中央図書館だ。カフェや屋上テラスもある心地良い広々空間。日曜に訪れると各所に配置された約900席が老若男女で埋まっていた。「世代を問わず多くの人のサードプレイス(第3の居場所)になっ