パリ五輪馬術の総合馬術団体で29日、日本が銅メダルを獲得した。馬術競技における日本勢の五輪メダルは、1932(昭和7)年ロサンゼルス大会以来2個目。92年前に金メダルに輝いた西竹一(たけいち)は「バロン(男爵)西」の愛称で知られ、先の大戦末期の昭和20年に激戦地の硫黄島で散った伝説の金メダリストだった。 西は、外相を務めた父を幼少時に亡くし、男爵の爵位と遺産を継いだ。陸軍士官学校を卒業、チャプリンらハリウッドの著名人とも交友を持ち、社交界ではバロンニシとして知られた。 1932年8月のロサンゼルス五輪。当時の馬術は、大会最終日にメインスタジアムで行われる注目競技だった。約10万人の観衆が見つめる中、陸軍騎兵中尉だった西は、障害物を跳び越える技術と速さを競う「障害飛越」の個人種目で優勝した。 「We won(われわれは、勝てり)」 メダル獲得後、愛馬との絆を「われわれ」と表現した西は、スタン