運転開始から来年で40年となる関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、稼働中)について、原子力規制委員会は29日、60年までの運転延長を認めた。原発の運転期間を「原則40年、最長60年」とした現行制度下での延長認可は7、8基目。制度創設当時の民主党政権は60年を「例外」と説明したが、これまでに延長申請した全4原発で認め、完全に「骨抜き」となった。(荒井六貴) 原発の運転期間 東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえ、2012年に原子炉等規制法を改正して原則40年と定め、1回に限り最長20年間延長できるとした。当時、野党だった自民党も賛成した。岸田文雄首相は22年8月、運転期間の見直しを指示。23年5月に改正電気事業法が成立し、60年超の運転ができるようになった。原子力規制委員会の新規制基準への適合性審査などで停止した期間分を追加できる。 高浜3、4号機は2015年4月に福井地裁、16年3月