10日午後、東京都千代田区富士見のKADOKAWA本社のビル。出入り口に張り紙などは見当たらず、警備員がいるだけ。人の出入りがあり、特段変わった様子はない。ただ、内実はそうでもないようだ。 関連ビルから出てきた書店員の女性は「受付の案内でも電子機器が使えないようだった。見た目は皆さん普通にされているが、何でもネットで管理する時代。大変なんだろうと思った」と漏らした。さらに、働いている書店での影響も口にする。「注文サイトが使えず、KADOKAWA関連の本が入ってこない。店としては売れ筋の本はすぐに入れたいだろうが、どうしようもない」 KADOKAWAが受けたサイバー攻撃には、身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウエア」が使われた。コンピューターに保存されているデータを暗号化して使えなくしたり、盗み出したりして、金銭を要求する。今回は「ブラックスーツ」を名乗るロシア系ハッカー集団が犯