まず、かましのフェイクが必要だ。 「オレは、サッカーにはもう興味がないんだ。 サッカーは金に汚いから辟易している。 もうサッカーなんてどうでもいいよ」 というのが今イタリアの流行である。 スポーツと言えばサッカーしかないようなこの国の男子が クチを揃えてこのセリフを吐く。 しかし今日、完全にこれがフェイクだったと思い知った。 今日は「オレはバレリア」の家で サッカーを観る約束をしていたので、開始前に家に到着。 さっそく様子がおかしい。 いつもは家の主である「オレはバレリア」のお父さんが いの一番に出迎えてくれ、そしてこの主が、妻の台所仕事を いつも甲斐甲斐しく手伝っているのだが、今日は全くその様子が無い。 リビングのソファーにドカッと腰を掛け 爆音でテレビを付け、試合待機している。 しかももうすでに出来上がっている・・・ 何本飲んだんだ、この人?という面持ち。 普段は言葉数が少なく、たまに