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ABC予想という数学の問題を知っていますか? 現代数学最大の難問とも呼ばれていた数学の難題です。 そのABC予想を京都大学の望月教授が、IUT理論という新しい数学を使って証明したことが濃厚になってきました。 実は、望月教授がABC予想を証明したと発表したのは2012年のこと。 それが今(2020年)になって正しそうだと認められるようになったのは何故でしょう。 そして、ABC予想、IUT理論とは、一体どんなものなのでしょうか。 ABC予想とは何か? ABC予想は、 “ジョゼフ・オステルレ” と “デイヴィッド・マッサー” が1985年に提起した数学の予想です。 数論の根底にかかわるような予想で、これが正しければ沢山の未解決問題が解決できるとされています。 数学での予想とは何か 最初にABC予想の「予想」とはどんなものか説明してみます。 数学の世界では「正しそうだけど証明できていない問題」を「
ジェネリック医薬品の普及が急速に広まっています。 ジェネリックといえば安い薬というイメージがあり、品質が劣るのではないかと思っている人も多いのではないでしょうか? そこで、ジェネリック医薬品とはどういったもので、どんなメリットやデメリットがあるのか考えてみましょう。 ジェネリック医薬品とは何か? 薬品会社が新しい医薬品を開発すれば、当然特許を取得します。 新薬はこれまでになかった新しい物質であることが多いので、その物質自体が特許の対象になります。 ですから特許の有効期間内は、他の会社がその医薬品を製造販売することはできません。 しかし特許を出願してから20年すれば有効期限が過ぎて、他のメーカーもその医薬品を製造販売できるようになります。 こうして、特許の有効期限が切れた後に他メーカーから出された医薬品がジェネリック医薬品です。 ジェネリック医薬品はなぜ安いのか 新しい医薬品を開発するのは大
2019年のノーベル化学賞は、旭化成名誉フェローの吉野彰さんたち3人に対して贈られました。 受賞対象は「リチウムイオン電池の開発」 個人的に、めちゃくちゃ感慨深いことで、受賞を知ってすぐに「記事にしよう」と思いました。 でも、想いが強すぎて、上手く記事にすることができないでいます。 「まとまらなくてもいい」 そう開き直って想いをそのまま文章にしてみました。 リチウムイオン電池の開発の概要 今回のノーベル化学賞受賞者は、スタンリー・ウッティンガム氏、ジョン・グッドナイフ氏、そして吉野彰氏の3人です。 リチウムイオン電池に限らず電池には、正極と負極があります。 それを踏まえて、今回の受賞対象の研究の歴史を簡単に書いてみました。 1970年代にウッティンガム氏が金属リチウムを正極に使ったリチウム電池を開発 1980年代初頭にグッドナイフ氏がコバルト酸リチウムを正極にすることで安全性を高める 19
「低気圧が近づくと雨が降る」 それはわかっていても、低気圧とはどんなもので、なぜ雨が降りやすいのか、どんな種類があるのか、そこまでは知らない人も多いと思いのではないでしょうか? そこで、その低気圧について、わかりやすく説明してみましょう。 低気圧とは? 低気圧というのは、周囲より気圧が低い部分を差します。 気圧というのは、大気の圧力で「ヘクトパスカル」で表されるものです。 ≫≫ヘクトパスカルとは? 気圧の単位を簡単に説明 あくまでも周囲より気圧が低ければ低気圧なので、周囲の気圧が高いところでは1気圧(1013ヘクトパスカル)よりも気圧が高い低気圧もあり得るのです。 低気圧で雨が降る理由 低気圧で雨が降る理由は『台風の目とは? 中心だけ晴れる仕組みを説明してみた』という記事でも説明しましたが、もう一度簡単におさらいしておきます。 低気圧は周囲より気圧が低くなっています。 空気は気圧が高いとこ
カルノーサイクルを知っていますか? 知っていても、あまりいい印象を持っていないのではない人が多いのではないでしょうか? 「カルノーサイクルはわかったけど、だから何?」 といった感じで、なんのために習うのか、どういう意義があるのか、わかりにくくてピンと来ないような気がします。 そこで、カルノーサイクルの何が大事で、どんな意味合いを持っているのかに重点を置いて説明します。 これから熱力学を勉強する人、文系の人にとってもわかりやすく解説したいと思います。 カルノーサイクルとはどんなものか? カルノーサイクルは、フランス人技術者 ”ニコラ・レオナール・サディ・カルノー” が、1824年に発表した論文で考察した熱機関です。 当時、蒸気機関の発明による産業革命の真っただ中でした。 蒸気機関は、石炭を燃やした熱から動力を得るものです。 蒸気機関のような熱から動力を得る熱機関の理論効率を考察するために、カ
ガリレオ・ガリレイは、自然科学の父とも呼ばれる偉大な科学者です。 ガリレオが「実験」という手法を持ち込んだことによって、現代的な意味での「自然科学」が始まったと言ってもいいでしょう。 その実験の生みの親ガリレオが、実験データを捏造していたという疑惑があるのです。 実際のところ、どうなのでしょう。 ガリレオの実験 捏造したかどうかを確認する前に、ガリレオが行った主な実験を挙げておきましょう。 ピサの斜塔の落下実験 ガリレオの実験で一番有名なのは、ピサの斜塔で行ったとされる落下実験でしょう。 重いものと軽いものが同時に落ちることを示して、思いものほど速く落ちるというアリストテレスの間違いを指摘しました。 ≫≫ガリレオの落下実験 重いものも軽いものも同時に落下するのはなぜ? ただ、この実験は本当に行われたのか定かではありません。 振り子の同時性の発見 ピサ大聖堂で揺れるシャンデリアを見て「振り子
ずっと欲しいと思っていた「スターリングエンジン キット」を購入しました! 知育玩具や科学玩具に分類されていますが、その不思議な動作とオブジェのようなデザインは大人でもはまります。 もちろん、子供の想像力をかき立てる知育玩具、科学玩具としてもおすすめです。 今回は、このスターチングエンジンキットについての話です。 スターリングエンジンというのは、一種のエンジンの総称ですが、ここでは、小型、低温で家庭で楽しめるスターリングエンジンキットを紹介します。 買ったのはこれ! 金属光沢満載で、ちょっと恰好いいと思いませんか? スターリングエンジンはどう動くの? このスターリングエンジンの動き、どんなものか動画を見て頂くのが一番速いでしょう。 下の動画は、お湯を入れたマグカップの上にスターリングエンジンを置いたものです。 最初に軽く手で回すと、どんどんスピードを上げて回転していきます。 これが、スターリ
空気中と水中、光の速度はどちらが速いでしょうか? などといいながらいきなり答えを書きます。空気中です。 現在では、光は電磁波でその速度は物質の誘電率、透磁率によって決まることがわかっています。 光の屈折も速度の違いから説明されます。 過去には、どちらの方が速いのか論争があり、それを確かめる実験も行われました。 その経緯と、実験者についての話をしたいと思います。 光は波か粒子か? かつて、光が波なのかそれとも粒子なのかという論争が長く続きました。 光を波だとしたのは ”クリスティアーン・ホイヘンス” 、粒子だとしたのが ”アイザック・ニュートン” で、1600年代末から論争が開始されました。 水中と空気中での光の速度 水中と空気中での光の速度は、波動説では空気中の方が速く、粒子説では水中の方が速いとされていました。 光が空気から水に差し込むときの「屈折」を説明するためには、そうでないと合わな
「触媒」 化学を習うと必ず出てくる重要なものです。 工業的な化学合成では触媒を使わない方が珍しいので、身のまわりの化学製品があるのは「触媒のおかげ」と言ってもいいくらいです。 ただ、触媒とはどんなものなのか、わかったようでよくわからないという人も多いのではないでしょうか? そこで、今回は「触媒」が化学反応に及ぼす効果について説明したいと思います。 触媒の働きとは? まずは、Wikipediaの「触媒」の項を見てみましょう。 触媒(しょくばい)とは、一般に、特定の化学反応の反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいう。 Wikipedia 触媒とは、 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない という特徴を持ったものです。 「変化しないのに反応に影響する?」 何かピンとこないかもしれません。 化学反応の速度とは? 以前に『化学反応の進む方向と速度 反
二酸化炭素(CO2)は温室効果ガスと呼ばれ、地球温暖化の原因だと言われています。 この「温室効果ガス」とは一体どのようなもので、どんな種類があるのでしょうか? 温室効果の仕組みと温室効果ガスの種類について、簡単に見ていきましょう。 温室効果ガスとは? 温室効果ガスというのは、「温室効果」を示す気体のことで、地球の温暖化を進めるとされているガスの総称です。 まずは「温室効果」について説明してみましょう。 温室効果とは? 地表には、太陽の光が降り注いでいます。 『放射冷却とは何か? よく晴れた日の早朝に冷え込むわけ』という記事でも説明しましたが、太陽から「放射」という形で熱を取り入れていることになります。 同様に、地表も「放射」をしていて、主に赤外線の形で宇宙空間に熱を放出しています。 もし大気中に赤外線を吸収してしまう物質があると、地表からの放射を邪魔して宇宙空間に熱を放出することを妨げてし
「コリオリの力」台風が反時計回りに渦を巻く理由として有名な力です。 しかし、コリオリの力はかなりわかりにくい概念なので、ピンとこない人も多いはず。物理学的に正確に示そうとすると難しいのですが、イメージとして理解するだけならそれほど難しくありません。 そこでコリオリの力と台風の渦の発生について簡単に、できるだけわかりやすく説明してみます。 コリオリの力の発見と難しさ コリオリの力が導かれたのは1835年で、フランスの科学者 ”ガスパール=ギュスターヴ・コリオリ” によるものです。 コリオリは、仕事や運動エネルギーの概念を提唱したことでも知られる有名な科学者です。 1800年代といえば、ニュートン力学(古典力学)は応用も含めて完成し、理解も進んでいた時代です。その頃に初めて知られるというのは、直感的にわかりにくいものだという証明にもなるでしょう。 コリオリの力が発見された16年後に、フーコーの
フーコーの振り子の実験を知っていますか? 振り子を使って地球が自転していることを証明した有名な実験です。 この実験を行ったフーコーは、科学に関しては素人として扱われていましたが、それまで誰も思いつかなかった着想で地球の自転をはっきりと示したのです。 当時の背景などを踏まえて、なぜフーコーが大偉業を達成できたのか見ていきたいと思います。 フーコーの振り子の実験の概要 まずは、フーコーの振り子の実験とはどういうものか簡単に説明しておきましょう。 天井からワイヤーで真鍮の錘を垂らして振り子を作ります。 このときワイヤーは、自由に回転できるように天井につないでおきます。 そして、振り子を揺らします。 すると振り子が揺れる角度がゆっくりと変化していく、これがフーコーの振り子の実験です。 上の図は振り子を上からみたものですが、最初は実線の方向に揺れていた振り子が少しずつ向きを変えていく、これがフーコー
サッカーボール型の炭素 ”フラーレン” 発見者が1996年にノーベル化学賞を受賞したことでも知られる物質です。 凄い可能性を秘めた物質ですから、これまでにもフラーレンを話題にした記事に何度か挑戦していました。 でも、なかなか言葉にできずにいました。 「言葉にできないものはできなくていい」 半分、開き直ってフラーレンの記事を書いてみました。 フラーレンは、炭素原子だけでできたサッカーボール型の分子です。 サッカーボールそのものの形をしたフラーレン60、ラグビーボールのように楕円体になっているフラーレン70などが知られています。 ここで、60とか70という数字は炭素原子の数で、フラーレン60は炭素原子60個で構成されているということを表しています。 サッカーボールの頂点に炭素をひとつずつ置いていくと60個になるのです。 フラーレンの発見 フラーレンの発見は偶然でした。 実は、研究が開始された当
ビリヤードの玉は象牙で作られていました。 その代替としてセルロイドが使われたのです。 同様に、象牙が使われていた万年筆の筒や眼鏡のフレームにも利用されていきます。 当時、乱獲によって激減していた象を守ったのがセルロイドだと言ってもいいかもしれません。 セルロイドの作り方 セルロイドの主原料は「セルロース」です。 セルロースは、植物の細胞壁や植物繊維を形作っているもので、木綿はセルロースの糸ですし、紙の原料のパルプもセルロースです。 ≫≫セルロースとは? 植物が生んだ万能材料 最近では、セルロースの一種「セルロースナノファイバー」という材料が注目されています。 ≫≫セルロースナノファイバー その特徴と製造法と広がる用途 このセルロースを化学処理(ニトロ化という手法)してできた「ニトロセルロース」と「樟脳」を反応させるとセルロイドになります。 セルロースも樟脳も植物由来の成分なので、バイオプラ
人物を特定する生体認証。 指紋認証やiPhoneに搭載されている顔認証など、利用者の生体情報を使って認証するシステムが広く利用されるようになっています。 この生体認証、間違って他人を同一人物と判定される可能性はどのくらいあるのでしょうか? また、どんな特徴があるもので、利用の限界はないのか、ケースを変えて考えてみます。 他人需要率と本人拒否率 他人なのに、間違って同一人物と判定される確率を「他人需要率」、本人なのに間違って他人と判定されてアクセスを拒否される確率を「本人拒否率」と呼びます。 当然ですが、他人需要率も本人拒否率も低ければ低いほど良いシステムだと言えます。 しかし、他人需要率を下げるために僅かな違いで他人と判定するようにすれば、本人拒否率が上がってしまいます。 本人なのにアクセスできないことが多いと使い勝手が悪く利用者は増えません。 そのため、ある程度の幅を持たせて判定すること
「学問分野で一番簡単なのは物理だ」という説があります。 物理嫌いの人だけでなく、物理を専門にしている人からも反論が来そうな気がしますが、ちゃんと説得力のある説です。 なぜ物理が一番簡単な学問だと言われることがあるのか、簡単に説明してみましょう。 なぜ物理は難しいのか? 物理は、数学で表されます。 ニュートンは、自分の理論を展開するために、微分、積分という新しい数学を作る必要がありました。 アインシュタインは一般相対性理論を作るときに非ユークリッド幾何学という数学を使いました。 このように物理は最先端の数学を利用するだけでなく、物理理論から新しい数学が現れることもよくある、数学とは切っては切れない分野です。 ですから、物理を理解するためには数学が必須なのです。 高校で物理の授業がありますが、実は物理の初歩の部分だけしか習いません。 高校で習う範囲の数学で扱える部分しか教えることができないから
光行差(こうこうさ)という現象を知っていますか? 1728年に、イギリスの天文学者ジェームズ・ブラッドリーが発見した現象で、季節によって星の位置がずれて見えるというものです。 この原理自体は難しくないのですが、そこから導かれる結果が納得しずらいもので、天文学者を悩ませたという過去があります。 その光行差の説明と何が不思議だったのか、簡単に説明してみようと思います。 光行差の発見は偶然から イギリスの天文学者 ”ジェームズ・ブラッドリー” は、地動説の証拠となる「年周視差」を観測するために、精密な天体観測をしていました。 年周視差というのは、地球が太陽の周りを回っているのなら、季節によって星の位置がずれて見えるはずだというものです。 ≫≫コペルニクスの地動説はコペルニクス的転回だったのか? 季節によって星の位置がずれることを発見 そして、ブラドリーは季節によって星の位置が僅かにずれることを見
*この記事は2019年7月2日に投稿した記事の再掲載です。 ブログを始めたばかりで、SEO(検索エンジン最適化)と言われても何をすればいいのかわからないという人は多いのではないでしょうか? 検索エンジン? クエリ? 検索意図? アルゴリズム? 被リンク? 情報を探しても、難しいことばかり。 ピンとこないのは当たり前です。 野球に例えると、ボールを打ったことがない初心者が、バッティング理論の本を読んでいるようなものです。 かといって、SEOを無視して記事を書き続けていては検索流入は増えません。 そこで、初心者向けに「まずはここから始めては?」という第一歩を説明してみたいと思います。 検索流入を逃した失敗談 最初に自分自身の失敗談から書いてみます。 このブログに一番最初に投稿した記事です。 その記事のタイトルは 「うるう秒って何? 次回はいつ? 時間にまつわる不思議な話……」 となっています。
周期運動を続けるために一定のタイミングで力を与えないといけませんが、一定間隔で押すことができるのなら、そもそも周期運動を使う必要はありません。 タイミングが僅かにずれても、周期運動がそれを打ち消してくれることで精度が向上するのです。 信号取り出し部 周期運動をしている部分の振動数を時間として取り出して表示する必要があります。 振動部にできるだけ影響を与えないように、針を動かすなどの工夫が必要となります。 バネを使った時計 周期運動は振り子に限ったものではありません。 例えば、バネを伸ばして手を離すと、縮んだり伸びたりという振動をします。 これを使って時計を作ると、重力などの影響を受けにくくなります。 バネといっても、普通のバネでは扱いにくいので、左右に振動する「ねじりバネ」が時計に応用されました。 その後、細いゼンマイを使って、ねじりバネより安定して左右に振動するヒゲゼンマイを使うことで更
家電の中でも、電子レンジは仕組みがわかりにくいものの代表ではないでしょうか? 生活になくてはならないものですが、その仕組みを理解している人は少ないようです。 そこで、電子レンジの仕組みをわかりやすく解説してみたいと思います。 知っておくと、電子レンジでの調理の失敗が少なくなるかもしれません。 電子レンジの心臓部は電波を発生する装置 電子レンジの心臓部は、マグネトロンという電波を発生させる装置です。 そして、マグネトロンで発生した電波が壁で反射されるように庫内を金属で覆い、加熱ムラがないように工夫する(ターンテーブルなど)と電子レンジの出来上がりです。 そう電子レンジは、電波によって加熱する装置なのです。 電子レンジというより電波レンジと呼んだ方が良いかもしれませんね。 電子レンジのマグネトロンは、電波の中でも「マイクロ波」と呼ばれるものを発生するように作られています。 電子レンジで使うマイ
カーボンナノチューブという物質を知っていますか? 炭素でできた目に見えないほど小さなチューブ状の物質で、私たちの生活を一変させるほどの可能性を秘めた材料です。 大量生産もされていて、少しずつ用途が広がり始めています。 究極素材とも言われるカーボンナノチューブの世界をのぞいてみましょう。 カーボンナノチューブとはどんなものか? カーボンナノチューブは炭素だけで構成されたチューブ状の物質です。 炭素が六角形でつながった網を切って、くるっと丸めて筒にした構造をしています。 丸める方向によって、3種類のカーボンナノチューブができます。 構造を見てわかるように、分子レベル、ナノサイズのチューブです。 また、系が太いチューブの中に系が細いチューブが入った入れ子のようなカーボンナノチューブも作られています。 ※実際には入れ子構造の多層カーボンナノチューブの方が先に発見されています。 カーボンナノチューブ
私たちが「時間」という言葉を使うとき、2種類の意味を使い分けています。 「8時15分」というように「時刻」を表す場合と、「通勤時間が2時間」というように「時間間隔」を表す場合の2種類です。 つい混同しがちですが、「時刻」と「時間間隔」は全く別のものです。 「時刻」と「時間間隔」の違いについての理解を深めるために、少し歴史を振り返ってみましょう。 時刻とは何だろう 私たちが「時間」という言葉を使うとき、「時刻」と「時間間隔」の2通りの意味で使っています。 「時刻」とは、8時15分というように「いつ」を表すものです。 まずは、この時刻の歴史をさかのぼってみましょう。 時刻の始まり 大昔の人たちは、時刻をどのように表現していたのでしょう。 時刻という概念はなかったかもしれませんが、朝・昼・晩といった区別は当然していました。 太陽の位置で、一日のうちのどのタイミングなのか大まかに分割したものです。
原子力発電でも使われている核分裂反応。 核分裂によって、莫大なエネルギーを生み出すことができますが、そのエネルギーは一体どこからくるのでしょうか? 核分裂反応エネルギーの正体を簡単に説明してみます。 核分裂反応 まず核分裂反応を簡単に説明します。 原子核にエネルギーが与えられると、原子核が変形して、変形が大きくなると2つ(またはそれ以上)の原子核に分裂することがあります。 これを核分裂反応と呼びます。 原子核の構成 原子核は、陽子と中性子からできています。 陽子はプラスの電荷を持っているので、陽子同士は反発します。 原子核の大きさはとんでもなく小さくて、原子の大きさの1万分の1しかありません。 反発力は距離が近いほど大きくなるので、これだけ近くに陽子を集めると反発力も膨大なものになります。 核力 反発し合うものを閉じ込めるためには、反発をとどめるよう引き合う力が必要です。 これを核力と呼び
以前の記事で、人間には説明深度の錯覚という、知っているつもりになってしまう習性があることを説明しました。 ≫≫説明深度の錯覚とは? 知ってるつもりになる理由 では、なぜ人間はそんな習性を持っているのでしょうか? その原因について考えてみたいと思います。 人間の進化と思考の関係 人間は、頭脳を発達させるという進化をしてきました。 進化では、形態や機能だけが変わってもそれだけでは意味がなく、習性も同時に身につかないといけません。 大きくて鋭い爪を持つように進化しでも、その爪を使って獲物を捕らえたり身を守ったりするという習性がなければ、生存に有利に働きません。 使わないのなら、鋭く大きな爪はかえって邪魔になるだけです。 人間が頭脳を発達せさたのなら、その頭脳を使って考えるという習性も同時に持っているはずです。 考えることは人間の習性 人には考えるという習性がDNAに刻み込まれています。 子供を見
「みちびき」は、宇宙開発戦略推進事務局が打ち上げた日本のGPS衛星とも呼ばれている人工衛星です。 しかし、アメリカのGPSやロシアのGLONASSが、「全球測位衛星システム(GNSS)」と呼ばれるのに対し、みちびきは「準天頂衛星システム」と呼ばれていて、両者には大きな違いがあります。 そこで、みちびきの特徴や利点をGPSと比較しながら説明してみます。 また、みちびきを使って精度を上げるシステムに対応している製品(スマホ、カーナビなど)についても説明します。 通常のGPS(GNSS)衛星について GPSもみちびきも、衛星から信号を発信して、それを受信して位置を割りだすという仕組みは同じです。 しかし衛星の軌道に大きな違いがあります。 まずは、普通のGPS衛星から説明してみましょう。 通常のGPS衛星は「全球測位衛星システム(GNSS)」と呼ばれています。 GPSという名前は、アメリカが運用し
説明深度の実験例 本中で例として挙げられている実験例を紹介しますので、自分が質問を受けたつもりで読んでみて下さい。 被験者に、下のような質問をします。 1.あなたはファスナーの仕組みをどれだけ理解しているか、七段階評価で答えて下さい。 2.ファスナーはどういう仕組みで動くのか、できるだけ詳細に説明して下さい。 その後に最後の質問をします。 3.もう一度、あなたはファスナーの仕組みをどれだけ理解しているか、七段階評価で答えて下さい。 どうでしたか? ほとんどの人は、最初の評価よりも最終的な評価点を下げるのです。 これが「説明深度の錯覚」です。 なぜ評価が下がるのか ファスナーは「左右が互い違いに組み合う」という仕組みだということは何となくわかります。 でもそれを詳細に説明しようとすると、「どんなしくみで組み合うのか」「組み合った後どうして離れないのか」「外すときはなぜ外れるのか」など、詳細ま
フリーラジカルという言葉を聞いたことがありますか。 活性酸素と同じ意味で使われることが多いのですが、本来フリーラジカルと活性酸素は全く別のものです。 フリーラジカルであって活性酸素でもある、そういう物質が生体内で大きな影響をおよぼしているので、似たような意味で使われているに過ぎません。 活性酸素については別記事で説明したので、今回はフリーラジカルとは一体どんなものなのか、簡単に解説してみます。 またフリーラジカル関連する酸素の不思議な性質、一重項酸素、三重項酸素についてもわかりやすく説明してみます。 ≫≫活性酸素とは? 知っておきたい原理原則をわかりやすく説明してみる フリーラジカルとは何か フリーラジカルとはどんなものなのか、Wikipediaの ”ラジカル” の項目を見てみます(化学では、フリーラジカルは単にラジカルと呼ぶことが多いので)。 ラジカル (radical) は、不対電子を
新しいエネルギー源として期待されているメタンハイドレート。 そのメタンハイドレートが地球温暖化に大きく関係していることを知っていますか? 過去に地球を襲った気候の大変動はメタンハイドレートが原因かもしれないとさえ言われているのです。 メタンハイドレートと温室効果 メタンハイドレートは、水でできた籠の中にメタンガスが閉じ込められたものでした。 ≫≫メタンハイドレートとは 日本を資源大国に導く?不思議な物質 低温、高圧の条件以外では、籠が壊れてメタンガスが発生します。 メタンガスは温室効果ガス このメタンガスは、温室効果を示します。 これがメタンハイドレートと地球温暖化が関係する要因です。 それも、メタンガスの温室効果は、二酸化炭素の25倍という強いものです。 ≫≫温室効果ガスとは? 二酸化炭素以外にも地球温暖化の原因になる気体が メタンハイドレートの量 メタンハイドレートの存在量について、前
電池の分野で、一番ホットな話題と言えば「全固体電池」でしょう。 全固体電池は、次世代電池の高性能電池として期待されていますが、少し前まで実用化は2030年以降と言われていました。 しかし、各メーカーのしのぎを削る競争で開発が一気に進み、実用化が目前に迫ってきました。 全固体電池とはどんなもので、なぜこれほど注目されているのでしょう。 今回は、全固体電池の謎に迫ってみたいと思います。 全固体電池とは何か? 全固体電池というのは、言葉通り「全て固体でできている電池」のことです。 多くの電池では、電極材料(活物質)は固体ですが、その間に電解液と呼ばれる液体があります。 この電解液を固体にしたものが全固体電池です。 電解液の役割 電解液は、正極と負極の間で、電荷を持ったイオンを移動させる役割を持っています。 それを固体にするためには、イオンが移動する固体が必要です。 これを固体電解質と呼びます。
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