アンビエントが一種のブームというべき状況に至ったこの10年ほどで、エレクトロニック・ミュージックやポスト・クラシカル等のフィールドに限らず、アンビエント的なサウンド・フォルム/様式がポップ・ミュージック全般に広く浸透してきたことを、《TURN》読者の皆さんであればよくご存知だろう。 そうした各種のサウンドは、例えばアンビエントR&Bだったり、アンビエント・ジャズ、アンビエント・フォーク、アンビエント・ポップだったりと、多種多様に呼称されているわけだが、そのように「アンビエント」という語がひとつの形容詞として汎用性を高めていくに伴って、過去に存在したさまざまな音楽が、同様の視点から再受容される例が増えてきている。アンビエントと他ジャンルの境界線上に位置するような作品が、そのようなプロセスを経ることによって、新たな視点から「再発見」されつつあるのだ。 《4AD》レーベルの代表的アーティストであ