ラ・モンテ・ヤングやエリアーヌ・ラディーグ(Éliane Radigue)、そしてヨシ・ワダなどの作品をその古典とし、瞑想や宗教的世界観との結びつきなどいわゆるニューエイジと重なる要素を持ちながらも、形式的にハードコアであるが故に常にエクスペリメンタル・ミュージックの一つの極と認識されてきたドローン・ミュージック。 しかし90年代の音響派世代による新たな文脈の付与と発展形の模索、そして12kなどが牽引したゼロ年代後半のいわゆるアンビエント・ドローンの隆盛を経て以降、それはアンビエントと接地する領域として、抹香臭を取り除いた穏やかな音楽としても認知を広げ、2010年代のニューエイジ・リヴァイヴァルによってアンビエントの射程が汎ジャンル的なものとなった現代においても、(汎ジャンル的な波及とはまた異なるかたちで)様々な進化を遂げている。 近年にあってその最も際立った動向といえるのがオルガン・ドロ