今年末で指揮活動からの引退を表明しているオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の桂冠(けいかん)指揮者・井上道義さん(77)が9日、金沢市の県立音楽堂での定期公演に出演。生涯をかけて取り組んだショスタコービッチの交響曲第14番などで渾身(こんしん)の指揮を披露し、11年間にわたりOEK音楽監督を務めた金沢での演奏を締めくくった。 交響曲第14番は、井上さんが招いたロシア出身のバス歌手のアレクセイ・ティホミーロフさん、ソプラノのナデージダ・パバロバさんが、世界的な詩人ロルカ、アポリネール、リルケらの詩を歌い上げた。2007年に井上さんが日ロのオーケストラと試みた交響曲全曲演奏シリーズで、OEKと共演を望みながら実現しなかった曲だ。