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衆院選
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現代美術の展示が放火テロ予告で脅かされ、観客とスタッフの命が危険に晒されて中止を余儀なくされた。並行して主催者側には業務妨害と脅しを意図した匿名電話やメールが殺到し、電話応対した若い女性スタッフの名前・住所や顔写真までネット上で侮蔑の意図も露わに「晒され」た。ネットを利用した匿名の、悪質な言論テロの結果である。 客観的にいえば、現在開催中の「あいちトリエンナーレ」(10月14日まで、名古屋市、豊田市ほか)で起きたことの事実関係は、このようになる。付け加えるなら、名古屋市長つまり政治家が、その展示を非難攻撃する扇動的な言動を公然と繰り返す中で起きたことだ。 現にたとえばトリエンナーレの招聘アーティストが連名で発表した声明は、事件をこのように要約しているし、海外で報じられる際の概要も同様になるだろう。しかし客観的に見ればこうも危機的な事態に対する日本社会の反応は、マスメディアも政治も、SNSな
最初に「徴用工問題への報復」と言い始めたのは日本側だ。確かに、政府官邸や所轄の経産省が正式にそう明言したことはないが、高純度フッ化水素酸など三品目の韓国への事実上の禁輸制裁については、7月1日に正式に発表される一週間ほど前から、政府自民党内で検討が進んでいることがSNS上などで「韓国に報復」として噂が広まっていた。出どころは自民党右派系の議員で、自民党ネット・サポーターズ・クラブ(J-NSC)辺りでは、すでに「日韓断交の第一歩!」と大変な喜びようだった。 それに安倍晋三首相自身が、参院選公示前日(7月3日)の日本記者クラブでの党首討論会で、この件でについて「国と国との約束を守らない」と、慰安婦問題や徴用工問題で繰り返して来た定型句で言及している。 世耕経産大臣もツイッターで理由のひとつとして、徴用工問題を実例として「信頼関係」がなくなったことを挙げていた。 7月1日に公式に発表され、4日に
とにかく「先が読めない」、大河ドラマで異例の展開 今年の大河ドラマの主人公が井伊直虎と発表された時、ほとんどの人はまったくなじみがない名前に驚いたろう。この井伊家の伝承を知っていれば、今度は「しかしどうやってドラマにするの?」と首を傾げたに違いない。昨年大ヒットとなった『真田丸』の後継のこのドラマ、残すところもあと数回だが、視聴率的には奮わないものの、見ている人の間では相当に評判がいいようだ。 見始めたらおもしろい大きな理由は、「先が読めない」ことだ。たとえば『真田丸』なら最初は信濃の国衆としての真田家なら知らないことがほとんどだが、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の時代で話がすぐに大河ドラマの定番というか、基本誰でも知っている「天下統一」に話が移ってしまうと、分かり易い一方で先が読め過ぎるというか、分かりきった展開の再確認に終始するのに、しかもナレーションでも台詞でも、妙に説明過多だった。
あっぱれ、さすがとしか言いようがない。改憲の可能性が高まった参院選の直後に生前退位の意向をNHKと共同通信にリーク、注目が否応なく高まるタイミングで天皇が直接国民に語りかけるビデオとして公表された「お気持ち表明」では、計算された通りの圧倒的な国民注視のなか、単に生前退位に関する思いに留まらない、今天皇が抱えている危機感と、そこに対する強い意志が表明された。 「象徴天皇」が8回も繰り返された。 戦後の日本国憲法の第一条で、天皇は「国民統合の象徴」と定められているが、その憲法が変えられようと言う動きが現実化しつつある状況の中、こと天皇の地位については大日本帝国憲法の「神聖にして冒すべからず」に戻せとまでは言わないにせよ、戦前の「元首」の地位に戻そうとする動きは右派を中心に根強い。自民党が出している憲法草案でも「元首」となっている。 一方でいわゆる護憲の側では、この第一条に関してはほとんど言及さ
惑星アルカナルは地球より800年ほど進化の遅れた惑星である。地球人は自分達のルネサンス初期によく似たその街並に興味を持ち、二十人ほどの学者を派遣して調査観察をして来た。だがこの星では、ルネサンスの兆しはいっこうに見えない。むしろ政治と宗教の権力者たちはそれぞれに民衆を扇動し武装集団を組織して抗争にあけくれ、大学は閉鎖され知識人たちはリンチされ殺されて行く。絞首刑にされて城壁の側に吊るされた知識人たちの死体に、奴隷が頭から肥溜めの糞尿をかけていく。 旧ソ連の夢と崩壊、理想と矛盾を見続けた鬼才 話は1999年に遡る。そのさらに十数年前に、アンドレイ・タルコフスキーがソ連映画の最高傑作と呼んだ『我が友、イワン・ラプシン』を発表したアレクセイ・ゲルマンが、ソ連崩壊後初の作品となる『フルスタリョフ、車を!』を持って来日していた。ソ連崩壊から10年近く、彼は沈黙していたのではなかった。スターリンの死の
フランソワ・オランド大統領は上下両院合同部会で「La France est en guerre フランスは戦争状態にある」と宣言した。それもパリの共和国議事堂ではなくヴェルサイユ宮殿の議事堂、1789年の大革命のきっかけのひとつであった三部会の、歴史的な場所で、である。 だがわざわざフランス共和国にとって歴史的な場所を選んでのこの戦争宣言には、見当違いでちぐはぐな印象が否めない。戦争ならフランスの方が、数ヶ月前には始めていたではないか? 今年1月の風刺週刊紙シャルリーエブド襲撃事件への対応として、シリアの空爆にフランスは参加しているが、同事件はイエメンを拠点とするアラビア半島のアルカイーダが犯行声明を出し、実行犯はフランス国籍を持ちフランスで生まれ育ったアラブ系移民二世三世の若者たちで、シリアやイラクの一部を実行支配するイスラム国との直接関係はなんら認められない。 アラビア半島のアルカイー
衆院の特別委員会の最終日ですら、政府が答弁に詰まり審議が中断する局面が繰り返された。「論点は出尽くした」というが、仮にそうだとしてもその論点へのまともな答弁がない、議論し尽くしたわけではまったくないのに採決とは、呆れるほどの乱暴な強行だとしか言いようがない。 参院に送られた法案の審議は、野党側の反発で硬直したまま開始の目処も立っていないが、この機会に主要な問題点をいくつか整理しておこう。 集団的自衛権の行使は違憲であり、疑問の余地はない いかに官房長官が「合憲という憲法学者も“いっぱい”いる」と言い、実際に3,4人はそういう“著名”な学者が名乗り出て、安倍首相らも合憲だと言い張っていようが、集団的自衛権の行使が違憲であることは確実に断言できる。理由は簡単だ。「合憲」と言っている側が誰一人として、憲法九条第一項に書かれた厳格な制約について(「国権の発動」としての戦争・武力行使は放棄)、同じ憲
日本政府がUNESCOに申請し、めでたくICOMOSの推薦も受けた、幕末・明治の日本の産業革命遺構の世界文化遺産への登録が、肝心のUNESCOの理事会21カ国から必要な2/3の賛成票を集められそうにない状況になっている。申請された23施設のうち7つで朝鮮人や中国人の強制労働があったことを理由に反対を表明した韓国政府の主張は、日本国内では「韓国の反日宣伝が」という受け取り方になるのだろうが、議長国のドイツなどヨーロッパを中心の国々が理解を示し、賛成を保留しているのだ。ICOMOSの推薦が実質上の世界遺産認定になり、UNESCOではたいがい全会一致で決議するのが通例なだけに、2/3の票を集められないのは異例の事態だと言えよう。 「韓国の反日ロビー活動」に外務省や所轄の文部科学省、文化庁は神経を尖らせ、安倍官邸の内部では韓国へのいっそうの憎悪、敵意すら醸成されているのだろう。世界遺産への推薦決定
安倍晋三首相は、不思議な運にだけは妙に恵まれた総理大臣である。今年の一月の中東歴訪では自らの不用意な演説の結果、イスラム国に拘束されていた邦人が突然日本政府相手の脅迫の人質として使われてしまった。元からなにも考えていなかったし中近東情勢について驚くほど無知だっただけに、安倍内閣は無策でなにも出来ないまま、政府と日本のメディアがイスラム国にさんざん弄ばれた挙げ句、2人の邦人の殺害がネットで公開された。内閣総辞職ものの事態に陥ったはずが、逆にそれまで明らかに冷却化していた日米関係が「テロとの戦争」での「テロ被害国の日本への連帯」ということで好転に向かって来ている。 とはいうものの、安倍とその周囲が国内で盛んに喧伝したがっている歴史修正主義的な主張が東アジアの安定を揺るがせ、オバマ政権とアメリカのメディアの不信を買っている事態は、一向に変わっていない。そこで安倍が今年の戦後70年の機会に、50周
今年のアジア・アフリカ会議は60周年であっただけでなく、開催国のインドネシアにとっては、ついに誕生した本格的な民主政権のジョコ・ウィドド大統領がホストとなった点でも意義深いものだった。だが日本のメディアの関心は、首脳たちの記念撮影でそのジョコヴィの左右を固めた習近平中国主席と安倍晋三日本首相にしか向いていない。それにしても安倍晋三首相自身が、ジョコ大統領にも他の首脳達にも目もくれず、ひたすら習近平の握手を求めようと懸命に待ち構えている映像がNHKのニュースで流れたのには、「ああ、なんてこった」と呆れてしまった。 この会議では日本政府の関心が日中首脳会談にしか向いていないのだから、メディアがそうなるのも仕方がないのだろう(こうした外遊では外務省と官邸の差配で報道内容がだいたい決まるものだし)。しかも安倍氏がわざわざこの会議の参加直前に、戦後70年記念談話について「村山談話、小泉談話を引き継ぐ
ヨルダンが日本に巻き込まれる展開になったイスラム国人質事件は、巻き込んだ側の日本がイスラム国の巧妙な心理戦で完全に蚊帳の外に置かれたまま後藤健二氏が殺害されるに至ったが、今度はヨルダンのアブドラ国王が訪米中(日本の圧力とはいえ、「テロリストとの取引」に応じかけたのを気にしたのだろうか?)に、昨年12月24日以来イスラム国の捕虜となっていたヨルダン空軍のカサースベ中尉が、アメリカの言いなりで同じアラブ人のムスリムを空爆した(つまり焼き殺した)罰を受け、自らも焼き殺された、という筋立てのビデオが公開されるに至った。 後藤氏殺害映像の後は、今度はイスラム国は中尉が米軍の空襲で殺されたと発表するのでは、と言うのが僕の予想だったのが、さすがに想定外の結末は、はるかに凄惨だった。しかもこのビデオは、どうも予め入念に準備されていたらしいことが、その凝った演出を見ても明らかで、およそヨルダンとイスラム国の
遺作となった『一、一(邦題「ヤンヤン 夏の思い出」)』が既に15年前、還暦目前の早すぎる死から8年になろうとしている今なお、生前には必ずしも正当な評価を受けて来たとは言い難い映画作家エドワード・ヤン、中国名・楊徳昌は決して「過去」の存在ではなく、台湾映画、ないしアジア映画というのでなく世界の現代映画における、もっとも重要な映画作家であり続けている。1986年の傑作『恐怖分子』は、30年近く経った今なお現代映画の最先端であるどころか、製作以来ずっと現代の世界、それも「アジア」でも「中国人」でもなく人類にとっての現代という時代をこそ、見せ続けて来ている。 現代社会のもっとも危険な凶器とは、電話である もちろん舞台となる台北は映画の製作年代である独裁が終った直後と今とでは、劇的な変貌を遂げたはずだし、ファッションなども大きく変わったはずが、この映画で時代を感じさせるものがあるとしたら、電話がけた
イスラム国による日本人人質事件は、湯川遥菜氏の遺体写真に続いて後藤健二氏の殺害も一方的な動画公開で通知されるという結末に、日本のメディアでは「国際社会」からの怒りと悲しみのコメントが相次いだかのような報道を続けている。 だが冷静に見れば、まず人が死んだ以上はお悔やみをいうのは万国共通の礼儀だし、こと首脳がそうしたコメントを出したアメリカ、イギリスはいずれも対イスラム国の「有志連合」の主導国であり、フランスはシャルリ・エブド襲撃事件を機にこれまで距離を置いて来たそのイスラム国攻撃に参加しようとしている国、つまり元からイスラム国の敵国だ。ここぞとばかりに「敵国」を口を極めて非難するのは、イスラム国が「悪魔の同盟」と彼らを非難したのと同じレベルの話でしかない。 キャメロン英首相の「evil」というコメントに至っては、敵を悪魔視するファナティシズムに於いてもまさに「同じこと」、イスラム国と「どっち
イスラム国に拘束された日本人2名の人命こそ最優先だと安倍晋三首相が言うのなら、しかし「テロは許せない」から「身代金は払えない」のであれば、出来ることはある。日本政府はイスラム国側が提示した72時間という期限を本日午後2時50分と見ているそうだが、ならば本日14時に、日本人2人の命を救うために(安倍さん自身大好きな)首相直々の記者会見をやればいい。 そこでカイロで演説した、イスラム国と敵対する周辺国への2億ドルという資金供与をいったん凍結し、「あくまで人道支援」と言い張っているのだからより有効な、安倍自身の唱える「積極的平和主義」の理念にも合致した、たとえば医療団の派遣など、文字通り積極的な人道支援策を検討する、と表明すればいいのである。 これで湯川・後藤両氏はほぼ確実に解放されるか、少なくとも即座に殺害されることはないだろう。 その時中東にいた首相が、なぜか遠く離れた日本で「陣頭指揮」に
オランド政権がイラク&シリア領土内のイスラム国・空爆に荷担したことについて、首相経験者や政党党首、国民議会議員(下院議員)、欧州議会議員などから反対の声が続続と上がっている。理由は大別して3つある。 (1)軍事介入によってフランスを狙ったテロの危険性が増す ドミニク=ドヴィルパン元首相は9月29日にRTL(フランス国営ラジオ)の番組に出演して、 「空爆にフランスが参加することでわたしたちはますます危険にさらされることになる。これは明白な事実だ。空爆によって世界各地に散らばるテロリストをわが国に呼び込むことになる」 と警告した。 反テロ行政の長を1980年代に務めた最大野党・UMP(民衆運動連合)のアラン=マルソー国民議会議員も「今回の軍事介入はフランスを危険にさらすことになる」と指摘している。マルソー議員は9月23日にRTLの番組に出演して、イスラム国に対する米仏を初めとする連合について「
1月7日に襲撃・大量殺人事件が起きたフランスの週刊風刺マンガ紙(日本でイメージする「新聞」では必ずしもない)「週刊シャルリ(シャルリ・エブド)」の発行部数は、約3万だという。事件の夜にパリのレピュブリック(共和国)広場に集まった群衆は3万5000。この数字の不均衡と、にも関わらずのおそろいの『Je suis Charlie 私はシャルリ』という黒地に白抜きのプラカードには、なにか不気味さが漂う。 シュルリ・エブドの出発点は週刊「ハラキリ」 「真実を探究したジャーナリストが凶弾に倒れた」というが、この週刊新聞は事実を直接報道するのではなく、掲載するのはそれをネタにした辛口の風刺だ。風刺にはよりシャープな真実を見る目が必要だ、と言われれば話がズレていないかと思いつつも反論はしにくいが、しかし巷間に報道される内容から受けるこの事件のイメージが必ずしも精確とは言えないことだけは確かだ。いやもっと言
フランスで2015年1月7日に起きた『Charlie Hebdo』に対するテロ事件を受けて、極右政党『国民戦線』のマリーヌ=ルペン党首が声明動画を同日、Youtubeにて発表した。公開わずか一日で再生回数は55万を超えて、改めて、マリーヌ=ルペン人気が明らかになった。 ルペン党首は8日にフランス国営放送France2の番組に出演して 「国家が攻撃された。攻撃されたのは、我々の文明であり、我々の生活様式(mode de vie)だ。戦争が始まったといって過言ではない」 と述べた上で、 「フランスはただちに、イスラム原理主義者(fondamentalisme islamiste)に対する戦争を始めなければならない」「イスラム原理主義者はフランスに対して戦争を始めたのだ」 と論じた。 France10は広告収入に依らないタブーなき報道のために皆様からの御寄付を御願いしております。
東京国際映画祭が今年も終わった。開会式にアニメ化された人気マンガのキャラクター着ぐるみが登場したり、新聞の全面広告や会場近くの六本木駅に貼られたポスターで「ニッポンは世界中から尊敬されている監督を産んだ国」というコピーと共に黒澤明監督の写真が宣伝で使われたり、会場の六本木ヒルズにはパトレイバーの実物大模型が立ち、大々的に宣伝されるクロージング作品もマンガ原作の商業映画『寄生獣』…と、この映画祭はなぜこうも、目につくところがちっとも「映画的」ではなく、なにか小児的で文化的な匂いや品性に欠け、そしてちっとも「国際」でなくどこまでも内向きのか、首を傾げるのは確かだ。 世界中どころか日本国内だけでも映画祭はたくさんあるが、東京国際映画祭(以下TIFF)はカンヌ、ヴェネチア、ベルリンと並ぶ数少ないクラスA映画祭である…といってレギュレーションの格付けがそのまま映画祭の評価に結びつくわけではなく、この
東京の玄関口の成田空港がまったく使い勝手の悪い、時代遅れな空港であることは、今後のグローバル化されて行く世界のなかでの日本経済の生き残りにとって、数年前に巷間に大騒ぎされた「携帯がガラパゴス」よりも遥かに深刻なガラパゴス問題である。東京都の副知事、知事だった頃の猪瀬直樹氏などは再国際化する羽田空港への一本化を公言していたし、国土交通省でも内部ではそれが既定の大方針になっている。 だが成田空港はあまりに大きな犠牲を払って作られた空港であり、だからこそ廃止ないし縮小という方針に千葉県が猛反対を続けているため、国の側でもおおっぴらに論じることができない。メディアが本気で取り上げさえすれば、千葉県の自民党は壊滅するのかも知れない。 成田空港の未来は無用の長物に近い。 とはいえそこまで犠牲の大きかった建設経緯の後遺症として、当初計画の滑走路の半分しか今でも完成しておらず、夜間発着ができず国際ハブ空港
維新の党・結党大会で演説する橋下徹・大阪市長 撮影:及川健二 今年3月に行われた大阪市長やり直し選挙は一応、橋下徹さんの一人勝ちだったが、大阪都構想は極めて難航している。 このこと自体はとても残念だ。大阪府全体にとって都構想がメリットが大きいだけでなく、大阪市にとっていささか乱暴にも見える現状改変の都構想であっても、最終的にはよい転換点になったはずだからだ。 だが都構想の本質がなんなのか自体すら、橋下さん自身がほとんど語っていないのは橋下さんにも責任の一端があるとしても、今までちゃんと言って来なかったことを言ってしまえば、橋下さんが市長を続けることすら不可能になるのかも知れない。 実のところ前回の選挙では圧倒的な支持で市長に当選させておきながら、大阪市民の大半は恐らく都構想を支持していないか、まず内容をよく分かっていないか、理解する気もないし、実は理解している人は既にこっそりと反対している
裁判所に向かう李信恵さん 在日コリアンでありフリーライターの李信恵氏の第一回口頭弁論が大阪地方裁判所にて10月7日、行われた。 李信恵氏は8月18日、在日特権を許さない市民の会(在特会)と同会の桜井誠会長、そしてまとめサイトである保守速報に対して損害賠償を請求する訴訟を起こした。 李信恵氏は在特会と保守速報によるヘイトスピーチ・差別や誹謗中傷を受け、差別撤廃や再発防止の為に訴訟を決意した。今回被告側は姿を見せず、次回期日は12月16日に予定されている。なお、保守速報との裁判は第一回口頭弁論が10月30日10:00から大阪地方裁判所にて行われる。 公判終了後に開かれた報告会には100名を超える人が集まり、上瀧浩子弁護士や報告会主催団体である「李信恵さんの裁判を支える会」(リンダの会)スタッフの話に聞き入った。 李信恵氏は報告会で、公判傍聴に来た人々に感謝の思いと裁判に向けた決心を語った。 R
社会党代表として日本の大政党で初の女性党首となって「マドンナ旋風」を引き起こし、衆院議長も務めた土井たか子氏が逝去されるにあたり、「女性政治家の草分け」「護憲派」としての功績をとりあえず記すのが普通だろう。だがそうやって無難に済ましてやり過ごすことが、本当に土井たか子氏を追悼することになるのだろうか? 現状では日本の左派、リベラルはもはや青息吐息で、土井氏があそこまで情熱を注いで守ろうとした憲法さえ骨抜きにされそうななか、過去を手放しに形だけ褒めるのでいいのだろうか? 土井氏の人気と「マドンナ旋風」で社会党を中心とする非自民系の野党が一時は勢力を伸ばし、村山富市代表が総理大臣になったことさえあったのは確かだ。 「マドンナ旋風」がもたらした「客寄せパンダ」としての女性政治家 だがその後どうなっただろう? 社民党と名を変えたところでかつての社会党の現状は、目も当てられない状態だ。このままだと土
平沼赳夫「次世代の党」代表は今月「正論」(産経新聞)で弊社記者のインタビューに応え、橋下徹・大阪市長から受けた非礼を初めて激白した(「新保守とは何か」正論2014年10月号)。 弊社記者が「橋下徹・大阪市長への評価を伺いたい。旧太陽の党と大阪維新の会が合流する前に、橋下氏が石原慎太郎・前都知事に『石原さんだけに来て欲しい。他の人はいらない』というような発言をしたそうですね」と訊かれると、平沼代表は 「日本維新の会ができる直前(2012年)に京都のホテルで旧太陽の党から石原慎太郎、藤井孝男、園田博之と私が出て、橋下徹、松井一郎、松野頼久らと会談しました。話の冒頭で橋下徹がそのようなことを言ったので、私は『生意気いうな』という言葉を口にしようと思いました。しかし、当時は選挙の直前でした。全国で闘う同志を慮り、怒りを抑えて、二時間、一言も発しませんでした。帰りの新幹線に乗るや、石原さんから『平沼
イスラエルは2006年にガザから完全撤退 ガザ地区にイスラエル軍が攻撃を始めて数週間になるが、そのイスラエルが2006年にはガザから完全に撤退していることは、なぜか報道などで当然であるはずの前提になっていない。 今回の空襲でも市街地で相当な数の一般市民が「コラテラル・ダメージ」で犠牲になっているのだし、抗議のデモが起こるのも当然ではあろう。「コラテラル・ダメージ」つまりやむを得ない巻き添えの犠牲と言いながら、その犠牲者を出来るだけ多く作り出すように、あえて敵対組織のリーダー等が都市にいる時を狙うのは、イスラエル国防軍が2001年から2006年頃までの第二次インティファーダへの対抗でよく用いた心理戦術だ。当時はイスラエルの占領に対する抵抗運動は民衆の支持を得てこそ成立もしていて、だから一般市民向けの威圧・恫喝の効果を狙った作戦だったと推察される。 だが現在のガザからイスラエル領内に攻撃を加え
恐らく今年の邦画最大のヒット作になるであろうことに困惑する以上に、映画自体がとても困惑させられる作品だ。いや「見るからに特攻を美化した極右映画」だから困惑するのではないし、それは原作の小説ですらそういう構造にはなっていない。 ただ無為に平板な修辞語が無造作に 大量使用される薄っぺらで愚かしい原作 安倍晋三首相のオトモダチとしてNHK経営委員にまでなりながら問題発言の絶えない原作者だが、薄っぺらで愚かしいまでに子どもっぽいにも関わらず、そこに非常に複雑な屈折が解消不能なまま鬱屈しているのは、原作でも同じだ。ややこしいことに作者のメッセージは、まるで「特攻隊の美化」ではない。本人はそうしたかったのだろうが、まるで出来ていない。「特攻隊員は平和主義者だった」と、なんとか現代の、平成の価値観で特攻を美化しようとする自己矛盾に、作者も支持する読者も完全に無自覚であり、その矛盾を解消するためでもなく、
菅義偉・官房長官は2014年7月11日に日本外国特派員協会にて講演し、質疑応答に臨んだ。特派員からは、拉致問題や日韓・日中問題について、質問が集中した。 憲法解釈の安易な変更許されない 2009年に自民党が提言 France10は自由民主党が野党だったときに公表した「『政治主導』の在り方に関する緊急提言」(平成21年12月16日)が 「憲法は、主権者である国民が政府・国会の権限を制限するための法であるという性格をもち、その解釈が、政治的恣意によって安易に変更されることは、国民主権の基本原則の観点から許されない」 と指摘していることをあげ、 「提言当時の考え方はいまも変わらないか?」 「憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認はこの提言に反するのではないか」 旨、質すや否や、菅義偉・官房長官は色をなして「それは、まったくあたらない」と反論したため、司会者は「質問の英訳後に応える」ようにたし
都議会一般質問で塩村あやか議員に下品な野次が飛ばされた。いま各所でハマコーこと故・浜田幸一氏のヤジ三原則が引かれている。一次ソースが明らかでないが、「浜」で獲れた魚介類と「田」んぼでとれたお米を食べるのが「一」番「幸」せといって憚らなかったキザなハマコーさんを想えば、同氏の信条だったとしても不思議ではない。 「女性をやじらない」 「国民の皆さんに生きがいを与える ものでなくてはならない」 「ナイス・ジョークでなくてはならない」 がハマコーのヤジ3原則だという。 女性議員に紳士だったハマコー ハマコーさんにはこんなエピソードがある。 土井たか子さんとは同期で1969年当選で、議員宿舎も同じだった。夜遅くまで勉強する土井さんにハマコーさんは「勉強って面白い?」と尋ねて、「おもしろいよ」と土井さんが応えると、「へえー、変わっているね」と興味深げに云ったんだとか。 おタカさんが社会党委員長のときに
極右政党『仏国民戦線』のマリーヌ=ルペン党首が8歳だった1976年11月1-2日の夜、ルペン邸宅がテロリストによって爆破された。ルペン暗殺を狙った爆弾テロ事件であり、自宅は木っ端みじんに大破したのだった。5人が負傷したのだが、その中にはマリーヌ=ルペンも含む3人の子どもがいた。マリーヌは辛うじて九死に一生を得たが、溺愛していた犬が無残にも殺され、悲嘆に暮れたという。 マリーヌは公立学校ではいじめられ子だった。フランスにおいてジャンマリー=ルペン「国民戦線」名誉党首は「ヒットラーの再来」「悪魔」「キワモノ」と目され、侮蔑・憎悪の対象でしかなかったがために、マリーヌは学校では「悪魔の娘」とはやし立てられ、いじめられた。教員は左派が多いために、彼女を守る者はいなかった。 (パパ・ルペンの胸にマイクをつける娘のマリーヌ=ルペン党首 撮影:及川健二) マリーヌ=ルペンというのはとてもアンビバレントな
欧州議会議員選挙で第一党に躍進したフランスの極右政党『国民戦線』がジャンマリー=ルペン名誉党首(85)の問題発言で揺れている。6月6日に公開された動画の中でルペン名誉党首は仏歌手でユダヤ人のPatrick Bruel氏らが国民戦線を批判していることを受け 「驚きを感じない。今度はこちらが丸焼きにしてやる(窯に入れてやる)」 と挑発的発言を行ったところ、窯(fournée)がアウシュビッツを想起させるため、「反ユダヤ的発言」だという非難がフランス中で巻き起こった。アウシュビッツを「歴史の細部に過ぎない」と以前に発言して物議を醸したこともあるルペン名誉党首は「Bruel氏がユダヤ人だとは知らなかった」と弁明するが、娘のマリーヌ=ルペン党首は「国民戦線の立場に反する」と批判し、党Webに常時掲載されていたパパ・ルペンのblogを削除する措置に出た。 パパ・ルペンは再掲載を求める公開書簡をマリーヌ
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