サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
www.horagai.com
網野史観と歴史小説 加藤弘一 昨年十月、講談社版『日本の歴史』の00巻として出た網野善彦『「日本」とは何か』(講談社 二〇〇〇年)はこの種の本としては異例のベストセラーとなり、十万部を超えた。 先の見えない時代だから歴史をふりかえりたいという欲求もあるだろうが、歴史学自体が大きな曲がり角をむかえていて、「常識」が次々と書きかえられていることも見のがせない。網野はマルクス主義者を自称しているが、戦後歴史学を陰に陽に支配してきた唯物史観を根底からくつがえし、平泉澄に淵源する中世像を復活させた当事者である。『「日本」とは何か』はその網野の総決算といえる。 従来の歴史学、特にマルクス主義に支配された戦後歴史学は、生産力の基盤である農地を誰が支配したかに目を注いできた。自給自足の農村経済という虚像がつくられ、漁師、猟師、職人、商人といった農地を耕さない人々――非農業民――は無視してきた。 網野は漁村
不謹慎な設問を一つ。 ファシズム(国家社会主義)とマルクス主義(科学的社会主義)、どちらが自国民をたくさん殺したか? ファシズムについてはナチスのユダヤ人虐殺が有名であり、犠牲者は6百万人に上るとされている。この数字は多目のものらしいが、他にジプシー、身体障害者らを大量殺害しているし、はるかに小規模とはいえ、イタリア、スペインでも自国民殺しをやっているので、すべてあわせて六百万人という数字はほぼ実情に近いものだろう。 科学的社会主義は? ブレジンスキーは五千万人という数字を上げている。ブレジンスキーはキッシンジャーとならぶ国際政治の専門家だが、ポーランド出身という経歴からもわかるように、ソ連・東欧やマルクス主義の実態について、単なる文献的理解以上の理解をもっている。 くわしくは同書を見てほしいが、これはごく控え目な数字を集めたものだということは注意しておいた方がいい。昨年一月の原著発表後、
60年代のアメリカに NEW MATH(新しい数学)という運動があった。 数学は単純な算術から代数が生まれ、群論へすすみ、集合論へ抽象化されるという道筋を通って発展してきた。だが、原理的にいえば、集合論を基礎に群論が成立し、群論の特殊な場合として代数学があり、算術はさらにその一部に過ぎない。 それなら、いっそ、はじめから集合論を教え、群論 → 代数学 → 算術と体系的に教えていったらどうか? 足算・引算なんかでもたもたするより、はるかに現代的で、能率的ではないか? というわけで、NEW MATHこと数学教育の現代化が国をあげて行われることになった。 結果は? 惨憺たる失敗だった。膨大な予算と人材を投入したにもかかわらず、NEW MATHは効果がなかったばかり、大量の数学ぎらいを作り出してしまったのである。日本に科学技術で遅れをとったのは、NEW MATHのせいだとやつあたりする数学者もいる
林大(はやし おおき)氏 国語学者。1913年生れ。東京帝大卒。文部省をへて、1976年から1982年まで国立国語研究所所長。国語審議会の委員として戦後の国語政策に深く関与する。 先駆的な情報処理学会試案 ――林先生は、JIS C 6226-1978(以下、78JIS)の文字セットの資料の一つとなった1971年の「標準コード用漢字表(試案)」(以下、「学会試案」と呼ぶ)の段階から、文字コードにかかわってこられたわけですが、この「学会試案」の策定にあたった「漢字コード委員会」はどんなものだったのでしょうか。資料によると、1969年12月に発足し、毎月一回会合を開き、1971年に「標準コード用漢字表(試案)」を完成したとありますが。 林 あれは情報処理学会規格委員会の和田弘さんから御相談がありまして、若い国語学者に声をかけたんです。国立国語研究所の田中章夫君、野村雅昭君などに集まってもらって、
本稿は1999年11月末発売予定のある雑誌のために書いたものですが、事情により、WWWで公開することになりました。詳しくは「『二千年紀の文字コード問題』掲載の経緯」をご覧ください この数年、安価なCD-ROM辞書や百科事典が次々と発売されている。筆者も何種類か使っているが、実に便利だ。百科事典などは、定期的にニュースや追加事項を提供してくれるところが多く、これも重宝している。 先日、ある百科事典の最新情報をダウンロードしたところ、江藤淳氏の訃報を「菅秀実」という文芸批評家が書いていた。見慣れない名前なので、しばらく考えこんだが、秀実氏かもしれないと思った(「」はスガと読むが、JISにはない)。御本人に確かめたわけではないので、断言はできないが。 JISにない漢字でも、外字として登録すれば、そのマシンでは表示できるし、プリントアウトもできる。しかし、メールでは送れない。ちょっと前までなら、ワ
8月25日 「安部公房を読む」に「安部公房小説データベース1 [1943-52]」を開設した。 安部公房作品のデータベースは全集第30巻にはいっているが、「天使」発見後、それとは別のデータベースをCMSで作ろうと思いたった。データベースの設計やPythonの勉強をはじめていたが、親の介護や葬儀がつづき、放り出した状態がつづいていた。 安部公房生誕百年の今年、公開しようと準備していたが、思うように進まず、このままでは年内にできそうもない。そこで、とりあえずオールド・テクノロジーで、出来た分からアップロードしていくことにした。 将来的には小説だけでなく、戯曲、シナリオ、文学論、演劇論、単行本のデータベースを揃え、リンクで結ぶ予定である。CMS化もまだ諦めてはいない。 公開分には抜けている項目が多いが、だんだんに埋めていくので、気長に待ってほしい。 過去のエディトリアル 『トリスタンとイゾルデ』
エディトリアル April 2007 加藤弘一 Mar 2007までのエディトリアル May 2007からのエディトリアル Mar04 テレビ朝日の「素敵な宇宙船地球号」の「日本ふしぎ”音”紀行」で、欧米人や中国人、韓国人は虫の鳴き声や川のせせらぎ、風音などの自然音を右脳で処理するのに体し、日本人は言語と同じ左脳で処理するという首都大学東京大学院の菊池吉晃氏の説を紹介していた。 日本人は虫の音のような自然音に情緒を感じるが、欧米人や中国人、韓国人は耳障りな雑音としか感じないのは脳の処理過程に原因があるというわけだ。こうした違いが生まれたのは、日本語が音素がすくなく、母音が重要な弁別機能をもつために、日本語で育った人間は母音を左脳で処理するからなのだという。菊池氏は母音と子音を聞いた時の日本人と日本人以外の脳の反応の違いをPETの画像で示していた。 若い人は知らないだろうが(Wikipe
読書ファイル 2000年 9 -12月 加藤弘一 2000年 8月までの読書ファイル 2001年 1月からの読書ファイル 書名索引 / 著者索引 September 米本昌平&他 『優生学と人間社会』 今谷明 『中国の火薬庫』 南川高志 『ローマ五賢帝』 島田誠 『コロッセウムからよむローマ帝国』 山内進 『決闘裁判』 フロイト 『失語論』 October 石澤誠一 『翻訳としての人間』 イェンゼン&フロイト 『グラディーヴァ』 エスタ・フロイド 『郷愁のモロッコ』 十川幸司 『精神分析への抵抗』 東浩紀 『存在論的、郵便的』 東浩紀 『郵便的不安たち』 宮澤賢治 『ポラーノの広場』 猪瀬直樹 『ペルソナ』 November 猪瀬直樹 『日本国の研究』 猪瀬直樹 『続・日本国の研究』 室生犀星 『かげろうの日記遺文』 植木哲 『新説 鷗外の恋人エリス』 松本清張 『両像・森鷗外』 西尾
安部ねりさんは作家安部公房の一人娘で、三児の母であるとともに、産婦人科医として活躍されている。真知夫人のなくなった今、安部公房をもっともよく知る人である。「ねり」というお名前は、真知夫人の命名で、「グスコーブドリの伝記」からとったとのことである。 埴谷雄高について ──今、初期の安部先生の周辺を勉強中なんですが、埴谷雄高や花田清輝、岡本太郎といった人たちがいろいろな試みをしていて、すごくおもしろいです。日本にこんなはつらつとした時代があったのかと驚いているのですが、ねりさんは当時のことをおぼえていらっしゃいますか? 安部ねり わたしはその頃のことは知らないんです。昭和29年の生まれですから。 ──あ、そうでしたね。でも、埴谷さん宅のダンスパーティーで、ねりさんが踊っていらしたというような文章を読んだ記憶があるのですが。 ねり わたしではなく、安部公房のことです。それも断片的にしかわからなく
エディトリアル January 2007 加藤弘一 Dec 2006までのエディトリアル Feb 2007からのエディトリアル Jan03 賀春 例年、大手出版社は年頭の新聞広告でその年の大型企画を発表するが、今年は久々におもしろそうな企画があった。 第一に、岩波書店のフロイト全集。全22巻で初訳が多数あって、本格的なフロイトの全集がやった出るといえる。第一回配本は昨年末に出ているが、訳注の分量が多い。全巻で訳語を統一するというのも、今回の売りである。ベストの訳語になるという保証はないが、統一すること自体は結構なことだろう。 河出書房は今年が創立120周年にあたるそうで、伝統の翻訳文学に気合いがはいっている。秋から刊行される池澤夏樹氏個人編集による世界文学全集がまず楽しみである。ロレンス・ダレルの『アレキサンドリア四重奏』が改訳・再刊される上に、未訳だった『アヴィニョン五重奏』が刊行さ
エディトリアル December 2006 加藤弘一 Nov 2006までのエディトリアル Jan 2007からのエディトリアル Dec01 木下順二氏が10月30日に亡くなっていたことがわかった。遺志にしたがい遺灰を沖縄の海に撒くという(Sankei Web)。 木下氏は「群像」で新人賞をいただいた時の審査員だった。授賞式の夜、会場から二次会の新宿まで同じタクシーに乗り、お話ししていただいただけだが、戦後を代表する劇作家と隣あわせにすわって舞いあがったことを憶えている。 山本安英の「夕鶴」をはじめとして、「子午線の祀り」、「風浪」、「オットーという男」、「夏、南方のローマンス」、「巨匠」と、大体見ている。舞台では見ていないが、シェイクスピアの翻訳もみごとだったし、『シェイクスピアの世界』からも、台詞のエネルギーのなんたるかを教えられた。 演劇以外では『本郷』と『ぜんぶ馬の話』が後世に
十人の批評家 日本篇 加藤弘一 石川淳 吉田健一 丸谷才一 大岡信 安東次男 小林秀雄 江藤淳 吉本隆明 柄谷行人 蓮實重彥 石川淳 まず、『森鷗外』(岩波文庫)をあげたい。この評論は、それまで無用の人物を無用に考証した退屈な本と片づけられていた晩年の史伝と、傍系的な仕事と見られていた翻訳に高い評価をあたえ、その後の鷗外研究の方向を定めたとされている。 その通りには違いないが、鷗外像を書き換えた点にも注目すべきだ。鷗外はドイツに留学し、陸軍軍医総監にまでのぼりつめた明治政府の顕官であり、最新のヨーロッパの文学を紹介した啓蒙家でありというように、新時代を牽引するハイカラな文学者と見なされていた。しかし、石川は儒学と読本という二つの切り口から旧時代の洗練を極めた学芸の継承者だと喝破し、江戸文化の残照の中に立つ鷗外という新しい鷗外像を打ちだした。 もちろん、そのように鷗外が見えたのは、石川自身が
1.埴谷雄高 安部公房を最初に認めた文学者は埴谷雄高だった。1947年、安部は書き上げたばかりの処女長編『終わりし道の標べに』(最初は『粘土塀』)の閲読を成城高校時代の恩師、阿部六郎に請うた。阿部はこの作品が非凡であることを見ぬき、「近代文学」を創刊してまもない埴谷に送った。埴谷は旧知の阿部に「新しい質をもった作家」がいたら紹介してくれと声をかけていたのである。埴谷は「安部公房のこと」(「近代文学」Aug 1951、『鞭と独楽』所収)にこう書いている。 『粘土塀』は好い作品であった。存在感覚とでもいうべきものが正面から扱われていて、私としては、求めていた作家の一人が現われた感じであった。……私はまだ見知らぬ作者の経済状態を勝手に想像して、この作品を『個性』へもちこんだ。(「安部公房のこと」) 『終わりし道の標べに』(『粘土塀』)のうち「第一のノート」は、翌1948年 2月、「個性」に掲載さ
<BODY BGCOLOR="#04CBCA" LINK="#00008B" VLINK="#403C3C"> <H1><FONT SIZE=5>文字コード問題を考える</FONT></H1> <BR> <BR> <HR> <BR> <DL><DL><DL><FONT FACE="MS明朝"> <DT><B><A HREF="revised.htm">◇</A> 主な変更履歴</B> <DD><BR> <DT><B><A HREF="show.htm">◇</A> 小は大をかねるか?</B> <DD><BR> <DT><B><A HREF="revised.htm">◇</A> 主な変更履歴</B> Nov07 1998更新 <DD> <DT><B><A HREF="show.htm">◇</A> 小は大をかねるか?</B> N
すばらしい小説はすばらしいさまもそれぞれ違うものだが、くだらない小説はみな同じように似ている──ナボコフの一節をことさらもじって、こう前置きしたからはじめたいと思う。くだらない作品をことさらとりあげることは、うっかりすると、その作品に特別な意味をあたえることにもなりかねないからだ。 じっさい、腹をたてるにも値しない小説に腹をたてるというのは、逆説的なことだ。そんなことがあるとすれば、問題の作品が神話的な後光にとりまかれていて、あるの傾向を代表している場合に限られるのではないか。 すくなくとも、ここでとりあげる『人獣裁判』がそうである。わたしが腹だたしく思うのは、『人獣裁判』神話と、それを生みだしはぐくんだ風潮にたいしてであって、『人獣裁判』そのものに対してではない。だが、どんなに論ずるにあたいしない本にせよ、神話とその背景に接近する手続きとして、しばらくこの紙屑とつきあわなければならない。
ディレイニーとの交点 ──伊藤典夫氏と語る 加藤弘一 20年がかりの翻訳 ──まずは『アインシュタイン交点』の刊行、おめでとうございます。もうお忘れと思いますが、ちょうど伊藤さんがこの翻訳にとりかかられた頃、ワセダ・ミステリ・クラブに浅倉久志さんとお二人で来ていただいて、いろいろお話をうかがったことがあります。その時、『アインシュタイン交点』はいつでるのですかと質問したところ、「あの作品は腐る心配がないから、じっくり時間をかけて訳す」とおっしゃり、さすが伊藤さんは大物だなと思いました。 『アインシュタイン交点』は20年がかりのお仕事になり、ついに今年(1996年)、刊行の運びとなりました。送っていただいた本を前に、伊藤さんはやはり大物だなと敬服しましたが、ただ、後書はどうなんでしょうか。「翻訳家M」と「文芸批評家K」がわけのわからないことを言って混乱させるので仕事が遅れたというようなことを
最高にとんがった図書館 六本木ライブラリ訪問記 加藤弘一 2004年8月2日、ペンクラブ電子メディア委員会の委員諸兄の驥尾にふして、RFIDを導入した最先端の図書館、アカデミーヒルズ六本木ライブラリを見学し、高橋潤二郎理事長、澁川雅俊ライブラリ委員長をはじめとする運営側の方々と懇談する機会をもった。以下はその感想である。 1. 六本木ライブラリとは 森ビルは創業者の森泰吉郎が教育者だったことから、1986年に文化事業部門としてアカデミーヒルズを設立した。六本木ライブラリはアカデミーヒルズが開設した会員制の図書館で、六本木ヒルズ・セントラルタワーの49階全フロアと50階の一部を使っている。六本木ヒルズ開業とともに6千冊の蔵書で開館し、現在は1万2千冊まで増やしている。 アカデミーヒルズ専用の玄関から直通エレベータで49階にあがると、白を基調にしたライブラリ・カフェに出る。壁いっぱいの窓に東京
町の図書館に入ったRFID 東葛西図書館訪問記 加藤弘一 2005年10月26日、ペンクラブ電子メディア委員会委員で、江戸川区教育委員をつとめておられる高橋茅香子氏のご尽力により、電子メディア委員諸兄とともに、RFID(ICタグ)を導入した江戸川区立東葛西図書館を見学し、市川佳子中央図書館長とシステム構築にあたった荒木昭子司書のお話をうかがう機会をもった。以下はその感想である。 1. 21世紀型の公共図書館 RFID(ICタグ)を使った実験的な図書館としてはアカデミーヒルズ六本木ライブラリがあるが、公共図書館にも導入されはじめている。最初に導入したのは千葉県富里市立図書館らしいが、東京の大規模図書館としては東葛西図書館が第一号である。 借りたい本を載せる 東葛西図書館はコミュニティ会館に併設された図書館で、江戸川区としては8番目の区立図書館になる。一階は雑誌と児童書、AV、二階は一般書だが
Apr05 二ヶ月ぶりの更新です。また文字コードの本を書いていて、更新しない状態がつづきました。 24時間かかりきりになっているわけではないし、映画も見れば芝居にもいって、文字コードに関係のない本も読んでいるのですが、文字コードというテーマは精神衛生上よくなくて、更新する気力が失せていました。 この二ヶ月間にR.A.ラファティが亡くなり、早稲田松竹が休館し、情報処理学会の標準化セッションにパネラーとして出席するというように、材料はたくさんあったのですが、文字コードにかかわっていると気分がふさいできて、ページの更新にまでエネルギーがまわせませんでした。 悪い話ばかりではなく、来月、安部公房の『幽霊はここにいる』が上演されますし、『燃えつきた地図』の映画化が本決まりだそうです(監督はこのページの中にいます)。安部公房関係はこれから目が離せなくなります。 Jun22 『図解雑学 文字コード』とい
安部公房を読む 加藤弘一 ◇ 新着案内 ◇ 「食虫植物の捕虫器」 May06 2009 ◇ 『幽霊はここにいる』稽古場訪問記 by 安部里沙 May10 2002 ◇ 安部ねりさんと語る Sep21 1997 ◇ 安部公房短信 Nov08 2008 1996年 / 1997年 / 1998年 / 1999年 2001年 / 2002年 / 2003年 / 2004年 2006年 / 2007年 / 2008年 ◇ 「安部公房の誕生」 Mar20 1999 ◇ 安部公房の演劇と映画 「サクラのサクラ 原体験」 in シアターX 「砂の女」 in 東京芸術劇場 「幽霊はここにいる」 in 新国立劇場 「仔象は死んだ」 in
7月分エディトリアルの通常の閲覧数は20~25だから、その分を引くと、クリックする労をとった人は9%くらいである。本当に読む気のある人は1割という仮説は今回も妥当なようだ(ブックマークを登録した人数を調べることは可能だが、そこまではやっていない。これまでの経験では、数パーセントである)。 今回の津波アクセスでは4日間で千人の方に来訪いただいたが、目当てのコンテンツを読んだ方は7日夜の182人と、8日以降の推定80人だけである。これが津波アクセスの実態である。 Jul11 Googleのキャッシュが問題になっている。発端はニューヨーク・タイムスの有料化である。現在、ニューヨーク・タイムスの記事は会員登録をし、料金を払わなければ読めないが、有料化以前の記事はGoogleのキャッシュで読めてしまうのだ。CNETの「米グーグルのキャッシュ機能は著作権侵害?」、ZDNetの「Googleに新たな懸念
住基ネットに関する情報はきわめて限られています。『図解雑学 文字コード』のために、地方自治情報センターに取材しましたが、「住基ネットの外字記号とワイルドカード」に書いたように、さんざん振りまわされました。 本稿は2002年7月23日の公開以来、「ワイルドカード」検索をめぐって、記述に揺れが生じましたが、ほぼ状況がつかめたので、あらためて正式版を公開します。すでに本稿をお読みになっている方は「3. 住基ネットの過剰な検索機能」から目を通されるとよいでしょう。(Aug05 2002) 7月21日のテレビ朝日「サンデー・プロジェクト」に総務大臣の片山虎之助氏が出演し、電子政府を実現するために住基ネットを予定通り稼働させなければならないと早口でまくし立てていた。 電子政府の実現に住基ネットの稼働が必要という片山氏の発言はおかしい。住基ネットは電子政府構想以前に、紙の住民票を出力することだけを念頭に
加藤弘一 現在、74家収載。「月刊ほら貝」に毎月二人づつ連載したものを数ヶ月ごとにまとめて変換、掲載します。2005年4月まで追加の予定。詳しくは「エディトリアル」を御覧ください。 あ か さ た な は ま や ら わ あ ◇ 青野聰 ◇ 芥川龍之介 ◇ 阿部昭 ◇ 安部公房 ◇ 有島武郎 ◇ 有吉佐和子 ◇ 伊井直行 ◇ 石川淳 ◇ 石川啄木 ◇ 泉鏡花 ◇ 伊藤整 ◇ 稲垣足穂 ◇ 井上靖 ◇ 井伏鱒二 ◇ 内田百閒 ◇ 内田魯庵 ◇ 宇野千代 ◇ 江藤淳 ◇ 江戸川乱歩 ◇ 圓地文子 ◇ 遠藤周作 ◇ 大岡昇平 ◇ 岡本かの子 ◇ 尾崎翠 ◇ 尾崎紅葉 ◇ 折口信夫 か ◇ 梶井基次郎 ◇ 金子光晴 ◇ 川端康成 ◇ 蒲原有明 ◇ 菊池寛 ◇ 岸田國士 ◇ 北原白秋 ◇ 國木田獨步 ◇ 久保田万太郎 ◇ 窪田空穂 ◇ 幸田文 ◇ 幸田露伴 ◇ 小林多喜二 ◇ 小林秀雄 さ ◇ 坂口
B案には 680 x 96(JIS風にいうと、680区96点)のB-1案と、256 x 256(256区256点)のB-2案がありました。いずれも制御文字、アルファベット等の非漢字、JIS X 0208の漢字部分、GB2312の漢字部分、9216字(= 96 x 96)分の保留領域4つ、最後に外字領域という構成です。ISO 2022を無視して16bitのスペースをフルに使っていますから、A案の倍近い文字が収録可能です。 B-1案の 680 x 96は半端な構造のように見えますが、運用実績のあるJIS X 0208とGB2312は 94 x 94の配列でできていましたし、提案の年に制定されるKSC5601は 96 x 96だったので、横を 96列とすると国内コードと国際コードの相互変換が簡単になるのです。 投票では、圧倒的多数でISO 2022系の既存文字コードとの互換性を維持したA案が支持
外字という鬼子 02区や04区の後ろに保留領域という、文字のわりあてられていない空き番号が存在します(上の図は一部はしょった図なので、わかりにくいかもしれませんが)。ここは将来の拡張のための場所で、勝手に使ってはいけないとされています(改正ごとに増える文字は保留領域にわりあてられていきました)。 それに対して、非漢字と漢字の境界にあたる09区から15区の空白域は自由領域とされてきました(1997年3月から、この名称はなくなります)。JIS X 0208:1983の解説には「この領域は、情報交換当事者の協定によって、一時的・局所的に文字を割り当てて利用しても構わない」とあります。この規格表にない文字や記号は、自分たちで勝手に作り、自由領域の中にわりあててよろしいということですね。これが正式の住所(コードポイント)をもたない規格外の文字、いわゆる外字を使用する根拠になっています。漢字の終わる8
「文字コード問題早わかり」は1996年11月に「カタカナ篇」をかわきりに順次公開し、翌年3月の「ユニコード篇」で一応の完結を見ました。 その後、『電脳社会の日本語』の取材のために関係者に直接お話をうかがったり、関連資料の収集につとめたところ、多くの新事実を発掘するとともに、通説の誤りも見つかりました。本ページにも多くの誤りがありますが、直すとしたらゼロから書き直さなければならないので、内容の更新は1998年5月を最後におこなっていません。 本ページは引きつづき参考として公開をつづけますが、文字コードの歴史に興味のある方は拙著『電脳社会の日本語』(文春新書)をお読みください。(2000年 4月 7日) 手元の英和辞典で codeという単語を引くと、次の五つの意味がのっています。 法典。the civil code 民法。 (団体などの)規約、慣例。the code of the school
CD-ROM版大蔵経からSATへ ――大蔵経テキストデータベース研究会(以下、SAT)は『大正新脩大蔵経』(以下、『大正大蔵経』)を電子テキスト化し、インターネット上で無償公開するという大変なお仕事を進められていますが、まず、沿革を教えてください。 石井 コンピュータ大蔵経を作ろうという試みは15年くらい前からはじまっているのですが、それについては、後ほどお話しします。 SATが電子テキスト公開をはじめる直接のきっかけとなったのは、『大正大蔵経』の版元である大蔵出版社が、1995年の10月に発売を開始したCD-ROM版大蔵経が頓挫したことです。『大正大蔵経』の一巻をそれぞれ一枚のCD-ROMにおさめているのですが、まず、実物を見ていただきましょう。 用意してあったパソコンの液晶ディスプレイに『大正大蔵経』のウィンドウが開いた。綠色の背景に『華厳経』の経文が黒字の縦書で、しかも返り点付きで表
文字コード問題を考える 加藤弘一 ◇ 新着案内 ◇ 主な変更履歴 Apr07 2000 ◇ 一太郎で使う異体字タグ 普請中 ◇ インターネットと漢字 Nov11 2004 ◇ 文字コード案内 ──どこから読むか? Mar30 2000 ◇ 「文字コードから見た住基ネットの問題点」 Aug10 2002 ◇ 「アジアの多言語処理 」 Jun22 2002 ◇ 『図解雑学 文字コード』サポートページ Aug10 2002 ◇ 『電脳社会の日本語』サポートページ May27 2000 ◇ 二千年紀の文字コード問題 Nov18 1999 「二千年紀の文字コード問題」掲載の経緯 ◇ 「超漢字」の「多国語」と称する機能について Mar26 2000 ◇ 多言語テキスト処理はどこまで可能か Jun
謹告 フレーム構造廃止にともない、本ページはサイトマップに作りかえる予定です。新着案内やエディトリアルなどはすべて http://www.horagai.com/ の方に掲載します。 本ページをブックマークに登録されたり、「はてな」のアンテナに登録されている方は http://www.horagai.com/ に変更をお願いします。 Copyright 2007 Kato Koiti. All Rights Resereved.
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Literary Homepage HORAGAI(ほら貝) 加藤弘一』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く