次は、海水面の高さの変化。極地の氷床や氷河が拡大する「氷期」には、海水面が低くなり陸地が広がります。約2万年前は、今より海水面が100メートル以上低かったといいます。すると、現在は独立した複数の河川が、当時は一つの川の支流だったということも起こります。昔は淡水魚が行き来できたというわけです。 三つ目は川どうしの「争い」です。流れが急で浸食の激しい川は、川と川を隔てる分水嶺(れい)を切り崩して、隣の川と接触することがあります。そして接触した相手の流域の一部を奪うのです。これを河川争奪といいます。このとき移動が起こる可能性があります。太平洋側に注ぐ川の上流域が、日本海側に注ぐ川に奪われることも、その逆もあります。太平洋側と日本海側の移動も起こり得るのです。