東日本大震災の津波で浸水した、資料館や旧家の土蔵に残された古文書などを救い出す「文化財レスキュー」が宮城県などで本格化するなか、国宝や国指定文化財以外の保全費用は、寄付金や研究者らの自己負担でまかなわれている。文化庁主導のレスキュー活動も「国指定ではない」などの理由で国費ではなく寄付金に支えられている。被災地の深刻な状況を考えると、文化財を前面に出した募金も呼びかけにくいといい、研究者らの善意に頼る厳しい状況となっている。 がれきなどに埋もれて泥まみれになった文化財のレスキューは、研究者らで組織する団体やNPO法人、文化庁が国立文化財機構や関連学会などに呼びかけた「被災文化財等救援委員会」が担っている。 救援委員会による活動は寄付金や義援金でまかなわれ、窓口となる文化財保護・芸術研究助成財団には約1300万円が集まっている。救援委員会は震災1カ月後の4月15日に発足。同月28、29両日に宮