2010年05月07日10:00 カテゴリ政治財政 公会計に現金主義の単式簿記がふさわしかった理由 前回舌足らずで終わった部分を補足しておきます。 そもそも、政府の役割が単純だった時代は、公会計は現金主義の単式簿記の方がふさわしかったのです。 なぜなら、政府は収益を上げるのが目的ではなく、国民の福祉を増大するために税金を使い切ればよかったからです。政府が自己目的のために投資や消費をしたりするなどありえないわけですから、当然といえば当然です。 単年度予算も、政府が貯蓄も借金もしてはいけないという大原則に照らせば、当然の姿でした。 むしろ、企業会計のような発生主義の複式簿記は、公会計には向かないものです。なぜなら、軍事・警察・消防のような基礎的インフラの負担や、社会保障給付のような非対価性取引の支出は政府の役割の根幹であるにも関わらず、複式簿記に反映できる損益勘定ではないからです。 そうした前