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blog.livedoor.jp/kmcid929
September 15, 201717:43 カテゴリ診療メモ 非劣性試験の解釈について 最近開発された抗菌薬はほとんどが既存の薬に非劣性を検証されているので,感染症治療に携わる人は,非劣性試験について少しは勉強しておく必要があると思います。Deak D, Outterson K, Powers JH, Kesselheim AS. Progress in the Fight Against Multidrug-Resistant Bacteria? A Review of U.S. Food and Drug Administration-Approved Antibiotics, 2010-2015. Ann Intern Med. 2016;165(5):363–72. 3年ほど前に書いた「感染症医のための非劣性試験の読み方」シリーズは,今読み返してみてもそれほど内容が古くなってい
July 10, 201519:14 カテゴリお知らせなど CRPは役に立つか?について論文を書きました すっかりブログの更新がご無沙汰になっていました。時々セミナーなどでお会いする方々に「あのブログを読んでます」とか「もしかしてあのブログの中の人ですか?」などと声をかけられるようになり,全然更新していないので,何だか申し訳ない気持ちで一杯です。 さて,大学院でやった研究で,CRPは役に立つか?をテーマに論文を書きました。日本では日常的に使用されている血清CRPですが,実際どれくらい役に立つのでしょうか?数年前の某サイトのpro&con的な議論でも「私はCRPを使うから使う」vs「私にはCRPは必要ないから必要ない」という議論に終始していて,まるで宗教論争じゃないかと思ってしまいました(個人の感想です)。 調べてみると,CRPの感染症における診断性能や予後予測に関する日本の臨床研究は数える
April 10, 201410:05 カテゴリ宣伝風邪 4/9のためしてガッテン,フェリチンと倦怠感とうつと不眠と私 昨日(4/9)のためしてガッテンで,フェリチンが低いことがうつや不眠の原因になっていて,フェリチンを補えばこれらが劇的に改善する魔法の薬です,というようなことを言っていました。↓こんな内容でした。http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20140409.html 貧血がなくてもフェリチンが低い女性に鉄剤を投与することによって倦怠感スコアが改善するという研究がいくつかあることは知っていましたが,うつや不眠との関連性も示されたのか!と思いましたが,調べてみるとそうでもないようです。 例えば,これは日本の研究ですが,市役所の職員を対象に血清フェリチン値とうつ症状(CES-Dというスコア)の関連性を調べたもののようです。Psychiatry
January 11, 201417:30 カテゴリインフルエンザ 年末から医療従事者の間でひどいと話題になっていた塩野義製薬の抗インフルエンザ薬のCMについて 年末から医療従事者の間で塩野義製薬のインフルエンザのテレビCMがひどいと話題になっていました。 日本ではCMで処方箋が必要な医薬品の商品名を広告することは禁じられているという理解でしたが,これは商品名こそ言っていないものの,国内唯一の抗インフルエンザ薬の点滴薬であるラピアクタのことを指していることは明白です。少なくとも患者さんが病院を受診して「テレビで言っているインフルエンザの点滴薬」と言えば何の薬かわかっていまいます。薬事法上の医薬品等の広告規制について違反している恐れがあるのではないかと思いました。 ちょっと窓口が違うかもしれませんが,塩野義製薬はインターネット上でも同じ広告を出しているので,厚生労働省の「薬事法違反の疑いがあ
January 08, 201422:35 カテゴリお勧めの本風邪 今朝の朝イチ「風邪の新常識」 今朝(2014年1月8日)のあさイチは画期的でした。題して「これはホント?風邪の新常識」,コメンテーターは『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!』でお馴染みの岸田直樹先生でした。 風邪の特集をやると聞いていたので,録画しておきましたが,まさか岸田先生が出演されるとは思っていなかったので,これはかなり期待できると思いながら見たところ,期待通りでした。 ポイントは以下にまとまっています。http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2014/01/08/01.html ・「せき,鼻水,のどの痛み」の3症状のうち3つが1〜2日の間に同時に起きたら風邪だと考えて差し支えがない・「風邪に特効薬はない」・市販薬は風邪の症状を緩和する効果があるが,治りが早くなるわけで
November 29, 201310:27 カテゴリ宣伝 かぜ診療マニュアル かぜとかぜにみえる重症疾患の見わけ方 「かぜ診療マニュアル かぜとかぜにみえる重症疾患の見わけ方」が日本医事新報社から発売されました。 まだ日本医事新報社のホームページからしか買えないようです。医事新報社のホームページの紹介にはスーパードクターなどと書いてありますが,単なる宣伝文句で私は全然スーパーではありません。その証拠に私が過去にやらかした誤診の例もいくつか紹介しております。 http://www.jmedj.co.jp/book/detail.php?book_id=500 以下,序文です。なんだ結局またジョジョか,と思われるかもしれませんが,人生で大切なことのほとんどはジョジョに書いてあるので仕方ありません。肺炎の本とあわせてお読み頂けると嬉しいです。 そうだな… わたしは 「結果」だけを 求めてはいな
March 09, 201223:09 カテゴリインフルエンザ 日本のインフルエンザ診療の果てしない無駄 少し前に当直していたときに、以下のような患者さんをみました。50代くらいの女性だったでしょうか。 3日前にインフルエンザの孫と接触、2日前から39度の発熱、咽頭痛、頭痛、全身の痛み、咳、鼻汁、近医受診してインフルエンザ迅速検査陰性、でも念のためタミフル処方された。でもはっきりしないので自己判断で内服せず。昨日も熱が下がらないので、同じ病院を再受診し、再度インフルエンザ迅速検査をしたが陰性、でも念のためタミフルをもう一度処方されたが、やはり自己判断で内服せず。解熱剤を飲むと熱は下がりすぎるくらい下がるが、また熱が上がるので心配で救急受診。 喉を見ると少し時間のたった、いわゆるprobable influenza folliclesがあり、「十中八九インフルエンザですよ」と言ったら診断がわ
January 21, 201218:34 カテゴリインフルエンザ診療メモ インフルエンザを疑ったら喉の後ろの“イクラ”に注目! 最近のGeneral Medicineという雑誌(日本プライマリケア連合学会の英文誌)に興味深い臨床研究を見つけました。 Akihiko Miyamoto and Shigeyuki Watanabe. Posterior Pharyngeal Wall Follicles as Early Diagnostic Marker for Seasonal and Novel Influenza . General Medicine 2011; 12: p.51-60 . http://www.jstage.jst.go.jp/article/general/12/2/12_51/_article/-char/ja/ 咽頭後壁のリンパ濾胞がインフルエンザの診断に有用
December 07, 201123:08 カテゴリその他JoJo 「この高枝切りばさみは、なんと!画用紙を切ることもできます!」とか言われたら・・・ 「この高枝切りばさみは、なんと!画用紙を切ることもできます!」 て言われたら、皆さんはどう思われますか? 高枝切りばさみでも切られることは切られるけれど、画用紙を切るなら普通のハサミで十分ですよね。 でも、日常を見渡してみると、同じような宣伝文句で売られている抗菌薬は少なくないように感じています。 「マクロライド耐性肺炎球菌にも○ジスロマイシン効きます!」みたいな。 そんなのペニシリンを使えばええんちゃうの? と思ってしまいます。 髄膜炎以外であれば、国内で分離されている肺炎球菌のほとんどはペニシリンで治療することができます。髄膜炎であれば感受性を確認してPSSPと判明した後でないとペニシリンは使えませんが、どっちみち髄膜炎にはマクロライ
June 24, 201019:20 カテゴリその他 今週のNEJMからgefitinibの記事と日本のマスコミ報道について 自分は感染症屋で抗がん剤に関する詳しいところはよくわからないのですが(なので、イレッサを実際どういう使い方をするのかは、呼吸器内科の先生と腫瘍内科の先生にお任せです)、報道のあり方についてこれはちょっとひどいのではないかと思ったことがあります。 今週のNEJMに東北大のグループによってなされた非小細胞肺がんに対するgefitinib(イレッサ)の臨床試験の結果が報告されていました。 http://content.nejm.org/cgi/content/short/362/25/2380 median progression-free survivalがイレッサ10.8 months, vs. カルボプラチン+パクリタキセル5.4 months in the che
June 03, 201001:46 カテゴリiPad iPad いいですよ! iPadを購入して(発売日に届きました)1週間足らずですが、これはかなりいいです! ・文献のPDFファイルがしっかり読める ・iPhone3GSよりも動作が速い この2点だけでも自分にとってはかなり使えます。 普段文献はPapers(Mac専用)で管理していて、iPhone用のPapersも使って一応シンクしていましたが、やはりこれで文献を読むのは結構厳しいものがありました。 iPad版のPapersは普通に読むことができます。これまではプリントアウトした文献を持ち歩いていていたのですが(どれを読む気になるかがわからないので、複数持ち歩いて結構それだけでも重かった)、これをiPadで肩代わりすることができます。 回診にも持ち歩いて、ベッドサイドでこんな文献があるよ、というティーチングに使うこともできました(まだ
March 09, 201019:40 カテゴリワクチン 三重県からニューモバックスについての有効性についての研究 三重県からすごい研究がBMJに発表されていました。 成人用肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は侵襲性肺炎球菌感染症(髄膜炎とか敗血症とか)の予防にはなるけど、肺炎自体は予防できないというのがこれまでの定説でした。 今回、三重県のnursing home residentsの人を対象にランダム化比較試験がなされていました。しかもdouble blindで(プラセボ群には生食を注射)!なかなかこういうスタディは日本では珍しいように思います。 Maruyama et al. Efficacy of 23-valent pneumococcal vaccine in preventing pneumonia and improving survival in nursing hom
January 28, 201023:45 カテゴリ診療メモ 緑内障の禁忌薬物 某メーリングリストで話題になった際に紹介したものです。 抗コリン作用のある薬剤など「緑内障」が添付文書において禁忌になっている薬物についてのお話です。 自分が研修医の頃、麻酔科をローテートしていた時に、教えてもらったのに以下のようなものがありました。 日本医事新報の2000年No.3952(1月22日号)の質疑応答Q&Aというコーナーに、消化器内科の先生からの「緑内障の禁忌薬物」という質問に対して、当時岐阜大眼科助教授の先生が回答されていました。 一部を抜粋しますと、 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・緑内障に対して禁忌あるいは要注意とされる全身投与薬物は、精神神経薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、血圧降下薬、鎮咳薬、ステロイド剤などきわめて多岐にわたっている ・
April 18, 201900:34 カテゴリお勧めの本 感染症科研修医推奨図書 感染症科をローテートする研修医のために独断と偏見で推奨図書を選びました。 利益相反は開示しているつもりですが,明示していない部分でも知り合いの著書が多くなっています。 【基本から応用までこれ1冊は持っておきたい】 レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版 [単行本](医学書院) 青木眞著 特に第1章の「感染症診療の基本原則」(34ページ)は研修はじめの頃に読んで欲しい。あとは,受け持った感染症のところを繰り返し読んでいくのがオススメです。(山本は第2章の執筆協力をしているので利益相反あり) 【ポケットに入るマニュアル】 感染症プラチナマニュアル 2019 [単行本](MEDSi) 岡秀昭著 ポケットに入るマニュアル。すぐに調べたい時に便利。昔はサンフォードガイドを薦めていたが,サンフォードはアメリカの
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