サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
cpainvestor.com
久しぶりの更新です。考え方に共鳴する2冊の良書に出会いましたのでまずは紹介します。 米軍式 人を動かすマネジメント──「先の見えない戦い」を勝ち抜くD-OODA経営 米軍の戦闘の主流は、この半世紀の間に、国家対国家の消耗戦から、国家対テロ組織の対ゲリラ戦/機動戦に移行しました。これに伴い、米軍、特に最精鋭部隊である海兵隊の戦略の立案、実行方式も、消耗戦を前提としたPlan-Do-Check-Actionの中央集権型スタイルより、ゲリラ戦、機動戦を前提としたObserve(観察)-Orient(方向づけ)-Decide(決断)-Act(実行)の現場裁量型スタイルがより重視されるようになってきたとのことです。 本書の著者である田中先生は、ビジネスの世界においても同様の現象が起こっていて、変化の激しい業界ほど、従来のPDCAマネジメントだけでは対応できない場面が増えており、「個のタレント」や「現
横浜マンションの杭打ち問題で水を差された形にはなったものの、復興需要にオリンピック需要が加わり、建設業はどこも人手不足、大手ゼネコンは軒並み決算好調とのニュースを目にしました。 そんなに業績好調ならば、建設業にも一過性ではなく、地力をつけた会社があるに違いないと思い、久しぶりに下記の条件で財務数値のスクリーニングをしてみたところ、ヒットしたのはわずかに2社しかありませんでした。 1.総資産経常利益率が過去5年間継続して10%以上(経営効率の持続性) 2.株式時価総額500億円以上(中堅企業以上の安定性と株式流動性) 3. 来期も増収増益見込(見通し良好) 「相続における節税ソリューション」 1社目は、皆様おなじみ、いい部屋ネットの「大東建託」です。 全国津々浦々、猛烈営業マンが巡回しており、少しまとまった土地を見つけるとすかさず地主にアパート建築+一括借り上げを提案する、あの会社です。こ
独立起業して3ヶ月、焦ることなくマイペースでやってきたつもりですが、感じたことを自分への備忘録として記載しておこうと思います。専門サービス業で独立をめざす皆様の参考になれば幸いです。 1. これまでの仕事の時価評価を受けた3ヶ月 多くの独立を目指す方にとって、開業準備にあたり、よほど革新的な商品やサービスを開発して新規に売り出す形をとらない限り、これまで自分が組織の中でやってきた仕事やその時の人間関係が最初のベースになると思います。 私もお世話になった方々を中心に挨拶状を出しましたが、それをきっかけにお声がけをいただいて関係が復活する、お仕事を頂戴する、といった経験がいくつもありました。また、これまでのお客様も、「会社の看板」だけでおつきあいをしてくれていたのか、「私という人間」とおつきあいをしてくれていたのかも、改めてよくわかりました。「私という人間」とおつきあいを続けていてくれている方
今春卒業した大学院の授業の中で、最も面白かったのが、楠木先生の競争戦略論でした。「ストーリーとしての競争戦略」ですっかり売れっ子作家になってしまった感がありますが、講義を受けていて、学者さんというより一流のエンターテイナーだと感じました。楠木先生は、若かりし頃に場末のスナックでボーカルとして歌っていた経験もあるそうで、個々の会社のユニークな競争戦略を、誰もが聞きたくなる物語に落とし込んで、わかりやすいメッセージとして伝えるプレゼンテーションは、毎回とても面白く、私個人的にはそのプレゼン手法そのものも非常に勉強になりました。 最近、楠木先生の新著「経営センスの論理 」を読みましたが、こちらも楠木先生の講義の続編を聞いているようなエッセイ集で、新幹線で移動中の清涼剤として楽しませてもらいました。この新書の出版社が「経営センスの論理」などと名付けるから「経営センスなぞどこにも書いてないじゃないか
リーマンショックや東日本大震災の際など、株価が大暴落した時に、キャッシュを残していた投資家の皆さんは、「ここから何を買うべきか?」やはり迷うところだと思います。こういう時の王道は、やはり普段「高嶺の花」で購入できない優等生企業(米国であればブルーチップ伝統銘柄、国内であれば、業績堅調なPBR高めのディフェンシブ銘柄など)を買うということになるのでしょうし、実際私もそうしました。 ただ、こういう時に本当に売り叩かれるのは、時価総額が低く、流動性も低い、地味な内需小型株であることも、小型株投資をしたことのある皆さんであれば、体験的に知っていることだと思います。こういった銘柄も、世の中が不景気になれば、当然業績は落ち込むわけですが、それ以上に株価は極端に落ち込むため、うまく業績が回復してくる小型株を見つけ、継続的に購入し続けるメンタルタフネスがあれば、株価が5倍、10倍(テンバガー)になるという
私が最近セミナー等でとりあげる元気な会社にアークランドサービス(3085)とスタジオアリス(2305)があります。前者はかつ丼「かつや」の飲食チェーン、後者はショッピングモールに必ず入っている子供写真館として、ご存知の方も多いはずです。この2つのビジネス、一見何の関わりもないもないように見えますが、経営者目線で見れば、そのビジネスモデルが極めて似通っていることに気がつくでしょうか。 誰でも揚げられるようになったおいしいとんかつ アークランドサービスのここ5年の業績は極めて堅調で、「かつや」を毎年、直営、FC双方の形式でハイペースで出店し、既存の飲食店、特に町のとんかつ屋さんから客を奪い続けています。 このお店では、通常のかつ丼が一杯490円で提供されています。店舗に行ったことのない方は「安かろう、まずかろう」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。少なくとも私は町の(有名店ではない
今週某所で実施したセミナーでは、企業分析の題材として百円ショップをとりあげました。少子高齢化進む市場において国内小売業はどこも厳しいですが、100円ショップの業界に関しては、デフレ経済の追い風もあり、業界大手は規模拡大を続けています。 この業界の圧倒的な1位はダイソー(直近年度の売上高約3,400億)で、その後を、九九プラス(約1,400億)、セリア(約800億)、キャンドゥ(約600億)、ワッツ(約400億)が追いかける構図となっています。 「究極の薄利多売モデル」とも言える百円ショップの業界で、明らかに業界の弱者と言えそうな、ワッツ(2735)が毎期着実に利益を確保し、成長を続けているのは特筆に値します。 ワッツのIR説明会での社長のおもしろプレゼンの中で、私が特に気に入ったのが、「ローコスト出退店」というキーワードです。別業態の既存店舗を改装して自社店舗とすることで出店コストを抑える
年初より、ユーロ圏の一部の国を除いて、先進国の株価は軒並み好調です。特に日本株は、TOPIXの上昇率が17%超となるなど、久しぶりの大幅上昇でホクホク顔の投資家さんも多いのではないでしょうか。 私はというと、昨年の住宅購入時に運用資金の大半をいったんは現金化してキャッシュポジションを高めたものの、10月以降、固定金利での住宅ローンを抱えながらも、再び少しずつ資金を株式市場に投じてきました。年明け以降の私個人の運用パフォーマンスは15%弱と、指数にはおいていかれているものの、個人的には、現状の運用方針のもとでは出来過ぎなぐらいの成績ではないかと感じています。 リーマンショックの際には大量の米銀株を集中購入するなど、私も果敢に攻めておりましたが、さすがに住宅ローンを抱えて以降は、以下の「レバレッジ投資の心得5カ条」を肝に銘じて「ビビル君」に徹しております。 ?フルインベストメントはしない。
生かすも殺すも国次第のまな板の上の鯉(東電)の今後を考える上で、まずは誰もがおおよそ同意できる前提条件について書き出してみましょう。 1. 東電の電力事業そのものが営業停止になる可能性はありえない。 電力事業は経済活動全般に渡るエネルギーインフラですから、たとえ東電が倒産(法的整理)に至っても、一瞬たりとも発電・送電活動を停止することは許されません。従って、どんなシナリオになろうとも、破産・事業停止などは考えられず、一定の発送電設備とその設備の運営する必要最低限度のオペレーターの雇用は維持されるはずです。 2. 国の損害賠償負担がゼロということはありえない。 原子力損害賠償制度によれば、原発事故の損害賠償負担は、第一義的には電力事業者(ここでは東電)が無過失・無限の賠償責任を負います。ただし、電力事業者の支払能力を超える損害賠償負担が発生する場合には、原子力損害賠償補償契約により、国が国会
東日本大震災に伴う東京電力(以下東電とします)の福島第一原発事故は、未だ収束の気配は見えず、有害な放射能を外部に放出し続けながら長期戦に突入しようとしています。この福島第一原発の現場で今日も体を張って懸命の作業を続けている方には、本当に頭が下がります。 さて、一向に解決の目途が立たないどころか、状況はより深刻化しているようにも見える原発事故、どこまで膨れ上がるかわからない損害賠償負担の影響を懸念し、震災前に3兆円を超えていたた東電の株式時価総額は6,000億円弱まで下落し、社債価格も下落して、10年物社債の実質金利は10年物国債利回りに2%超のスプレッド(震災前の約20倍)がつく水準まで上昇しています (2010年4月6日現在)。 原発事故が勃発する前まで、東電の株式は長期保有ができる安定配当株、東電が発行する社債(電力債)は、国債に並ぶ安全資産の代名詞でした。このため、60万人以上いる個
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 先日、久しぶりに、「究極のアジフライ定食」で評判の京ばし松輪のランチに行ってきました。三浦半島の松輪漁港から直送した新鮮なアジ2匹をフライにして、ご飯、お味噌汁、小鉢をつけて1,200円で提供しています。さすがにTVや雑誌でよく紹介されるだけあって、一度は食べる価値がある美味な一品だと思います。 ところで、このお店のランチのオペレーションを見ると、「高級飲食店経営のお試しマーケティングはかくあるべし」というお手本を見せられているようでいつも感心させられます。 看板メニューの一点集中、一度聞いたら忘れない絶妙なネーミング お昼のランチは、「究極のアジフライ定食」一種類のみです。肉厚の新鮮なアジのフライを大根おろしとワサ
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 先週は地方出張がありましたので、だいぶ書籍が読めました。面白かったものを、自分自身への備忘録を兼ねて紹介します。 働かないアリの意義 1冊目はwww9945さんオススメの長谷川英祐著「働かないアリに意義がある」です。この著者は、アリやハチなど、繁殖・労働といった分業が進んだ個体同士が集団を作って暮らす昆虫(真社会性生物というそうです)を専門に研究している生物学者だそうです。この方が取り組んだ有名な実験は、いわゆる「80:20の法則」がアリの世界にも存在することを発見したものです。 野外のアリの巣(コロニー)から採取した1匹の女王アリと150匹の働きアリから成る実験コロニーを作って、個体識別できるようにマーキングして1
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 少し古い話になりますが、昨年12月中旬、客先を訪問した際に、JR神田駅の近くを通ったのですが、朝からとても長い行列ができていました。「何だろう?」と思い、行列の先を見てみると、あるパチンコ屋の入り口につながっていました。パチンコ屋の入り口には、「1円パチンコ台、本日より大幅増加します!65歳以上大歓迎!」といった趣旨のメッセージが書かれた横断幕がついていました。 パチンコ屋さんは、学生時代以来ご無沙汰しておりましたので、最近事情に疎かったのですが、通常4円の貸し玉料が1円というパチンコが流行しているらしいですね。ネットで少し検索したところ、「これまでよりも低予算の金額で長く遊べる」というのがメリットのようです。「65
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 マイケル・ルイスの新作「世紀の空売り 」(原題:THE BIG SHORT Inside the doomsday machine)を読みました。 世間が好景気に浮かれ、誰も経済危機が起きるなどと考えていなかった時分から、サブプライムローン証券化の問題点を見抜き、関連債券をショートし続けていた3組の投資家に焦点を当て、彼らの視点から、サブプライムモーゲージ市場のバブルの発生、拡大、破綻の過程を詳述した小説です。 サブプライムバブルの最も初期の段階で、格付け会社の情報を鵜呑みにせず、サブプライムモーゲージ債券に関する膨大な目論見書を読み込んで、その中に組み込まれているローン債務者の質の悪さに気付いたのがマイケル・バーリ
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 久しぶりに、読み応えのある新書に出会いました。既にあちこちのサイトで紹介されている藻谷浩介著「デフレの正体 −経済は「人口の波」で動く− (角川oneテーマ21)」です。 この書籍の内容を一言で表すとすれば、エントリータイトル通りとなるのですが、「団塊世代の大量退職によって今後生じる現役世代の急速な減少と高齢者の激増が、どれだけ極端な内需の縮小を招くか」ということが、国政調査などのデータをわかりやすい図表で見える化しながら、丁寧に論証されています。 このブログでも都会と地方の経済格差に関してはいくつか記述してきたように思いますが、この書籍を読んで、「都会の方こそ今後は深刻な需要不足に陥る可能性が高い」ということがよく
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 旭化成ホームズが保有していた土地が思いのほか魅力的であったため、新築住宅購入の交渉を始めたわけですが、建築条件付きの土地であるが故に、当然相見積りはできないわけで、交渉戦術上こちらが打てる手は限られていました。それでも可能な限りこちらに有利な条件を引き出すため、あの手この手の知恵を絞って交渉しました。こういう時にネットの口コミ情報と日頃の実務で培った価格交渉経験は役に立ちます。 まずはかなり詳細な間取りを固め、オプションである防音室や3階ロフト(完全な3階建ては不可だが、ロフトなら可という条件の引き出しに成功)など、とにかくフル装備にして目一杯の見積金額を出して、そこから値引き交渉を行いました。(契約後の追加変更契約
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 これから記載する内容は、これから住宅を持つことに関心を持っている方向けとして記載致します。不動産業界にいらっしゃる方には既知の内容かと思いますので、読み飛ばして下さい。 今の私の住まいは東京通勤圏の端(Door to Doorで職場まで70〜80分)にあり、自分の仕事の都合だけを考えると、どう考えても都内に転居した方が良いわけです。(唯一の救いは往復の電車が、座って通勤できるのでたっぷり読書&勉強&睡眠ができることでしょうか。)しかし、家族の事情や子供が育つ環境なども考え合わせると、結局、海と山に囲まれた現在の最寄駅付近で土地探しをするのが最善ということになり、駅から徒歩10分圏内にターゲットを絞り、土地探しを始めま
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 これまで私は、キャッシュそのものか、キャッシュ・フローを将来的に生み出すものが「資産」と考えてきました。このように定義をすると、自家利用の新築住宅などというものは、間違いなく「資産」には該当しません。ただ、住宅を冷蔵庫やテレビと同様の「耐久消費財」と定義するならば、生活をしていくために必要な消費は「必要経費」として是認されることになります。 現実問題として、私達が現在借りている転勤留守宅物件の優先賃借期間があと1年半に迫っており、その後は新しい住宅を探さねばなりません。特に幼子を3人抱え、これから20年弱はどうしても広いスペースが必要になります。 また、私の妻は自宅でピアノ教室を開いています。結婚した当初は、自宅とは
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 いくつになっても、女性にとって「美」というのはプライスレスの存在のようで、この不況下においても化粧品業界には高収益の会社がゴロゴロしています。 特に、日々のお肌のお手入れに欠かせない基礎化粧品群(クレンジング、洗顔料、化粧水、乳液等)の分野においては、TVや雑誌、ネットなど多くの媒体に湯水のように広告費を投入して自社製品の特徴を訴求し、ダイレクトマーケティングによる無店舗販売で多くの顧客を獲得して囲い込むという「勝ちパターン」が存在するようです。 上場している中堅化粧品会社の中では、「皮膚の専門家がつくったメディカルコスメ」というコンセプトを打ち出して、看板製品「アクアコラーゲンゲル」をひたすら売りまくって成功してい
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 「本当に9月に入ったのだろうか?」と疑ってしまうような残暑厳しい毎日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 先日、日経セミナーの講座資料作成のため、食品業界の会社の財務数値をじっくり見ていました。ロングセラーブランドを持つ食品会社は、どこも売上は安定しているものの、営業利益率は他産業と比べると今一つの印象を受けました。例えば食品業界のリーディングカンパニーと言われ、グローバルにビジネスを展開している味の素(2802)、ヤクルト(2267)、キッコーマン(2801)でさえ、その売上高営業利益率は各々5.5%、6.5%、7.4%にとどまっています。 こうした中、業種分類上は水産・農林業に区分されていますが、エ
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 最近、地方に拠点を構えるお客様への訪問が多くなっており、各地域の中小企業の経営状況について、見聞きする毎日が続いています。 都内の勤務先や自宅周辺の景況感も決して良いわけではありませんが、地方経済の深刻度合はその比ではないことが、実際にその地域を訪れ、関係者の話を聞いているとよくわかります。市場そのものが縮んでいく中、郊外に大手資本の出店が相次ぎ、更なる消耗戦が繰り広げられることで地場の流通小売業は完全な死に体となり、リーマンショック後の大手製造業の工場リストラで、地場の部材供給メーカーは受注が途絶え、公共工事の更なる縮小で中小建設業は息絶える。そんな事例は枚挙に暇がありません。 沈みゆく地方経済の中で、「たくましく
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 6月17日に、昨年上場したばかりの創薬バイオベンチャー、キャンバス(4575)と武田薬品工業(以下武田薬品)との間のがん治療薬に関する共同事業化契約の解消が発表されました(プレスリリースはこちら)。 2009年のIPOはわずか19社と、まさに氷河期に近い状況だったわけですが、医薬・バイオベンチャー関連は4社(大幸薬品、キャンバス、テラ、デ・ウェスタン・セラピクス研究所)と、それなりの存在感を出していました。その中でもキャンバスは、「副作用の少ない抗がん剤」という将来有望な分野の新薬候補物質で、天下の武田薬品との共同事業化契約締結にこぎつけたということで、市場の注目度は非常に高い案件でした。 実際、上場直前期決算(20
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 角山さんのコラムで紹介のあった 勝間和代著「決算書の暗号を解け!」(下図)をさらっと読みました。 第一印象としては、「私がシェアーズさんのセミナーでお話した内容 とかなり被っているなあ、私がこのネタで本を書くチャンスは完全に消えたなあ」というものでした(笑)。まあ、私がセミナーで解説したような内容は、監査経験のある会計士の共通認識でもある内容なので、当たり前と言えば当たり前なのですが・・・。 書籍のターゲットとしている読者の都合上、決算書の説明から始めているので、やや総花的で、せっかくの個々の論点が薄くなってしまっている印象はありますが、「会計上の利益がいかに相対的なものであるか」、「PL、BS、CFの3次元で決算書
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 IPOConsultantさんのブログに紹介があったので、私もシニアコミュニケーションズの不正会計に関する外部調査報告書を読んでみました。 会計上の利益を確保するためにあの手この手を使って売上をかさ上げし、会計監査人を欺くために、上場で得たキャピタルゲインや持株を担保にした借入金をつぎ込んで債権の回収入金を装い、更には残高確認状の不一致を防ぐために、確認状を投函したポストで郵便局員が回収に来るのを待ち伏せして会社自らが確認状を回収、改ざんするなど、「本当によくぞここまでやりました!」という内容です。皆さんもぜひご一読をお勧めします。 以下は、この会社の過去5年の業績推移です。 「決算書を見るだけで、お行儀が悪いと思う
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 会計業界では、今、国際会計基準(IFRS)がホットトピックであるわけですが、内部統制監査の導入時と同様、できる限り危機感をあおってひと儲けしようとする監査・IT・コンサル業界の関係者も多くいらっしゃるようで、金融庁が「IFRSの誤解」なる文章まで作って業界の過熱営業を冷まそうとしています。 私達が普段接するクライアント様も、「今回は内部統制の時のように周りの喧騒にあおられるものか」というスタンスで、慎重に様子見しているところが、まだまだ多いように思います。 そうは言っても、2010年3月決算でIFRSを早期適用した日本電波工業のような会社も現実には出てきています。全社の方針はどうあれ、「当社も会計基準変更時のインパク
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 最近、偶然なのかもしれませんが、かつての職場の元同僚、先輩などと会うことが多くなっています。それは必ずしも飲み会の席ばかりではなく、駅の改札であったり、クライアントの受付であったり、セミナーの会場であったり、はたまた知り合いの紹介で参加した会合の場であったりします。「業界が狭い」と言ってしまえばそれまでですが、たいがいの皆さんは、私も含めて以前と大きく違わない仕事を、新しく与えられた場所で淡々とこなしている印象を受けます。 もうだいぶ時間がたったのでカミングアウトしますが、私が最初に入った外資系企業は、より大きな日系企業に吸収合併され、やがてこの企業は訳あって実質的な経営破綻と相成りました。 組織という大船が沈むまで
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 最近、住宅購入を真剣に検討するようになって、住宅ローンの勉強をしています。少し検索するだけで、沢山のウェブサイトがヒットし、住宅ローン減税の効果まで考慮に入れて簡単な返済シミュレーションができる金融電卓サイトなどもあって、重宝しています。 「インターネットと金融サービスの親和性が高い」というのはまさに真実で、住宅ローン金利や各種手数料、その他諸経費などの取引条件なども一発で比較できてしまう上、最も安い金利を提供しているのが、どのような会社なのかもすぐにわかってしまいます。審査の厳しさなどが不明ではありますが、リアル店舗を持たないモーゲージ専門会社の金利などを見ると、まさに「驚きの金利」が提示されています。特にこの会社
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 ふんわり食パン、ダブルソフト、ランチパック・・・コンビニ、スーパー、どのお店のパンコーナーに行っても、山崎製パン(以下山パンとします)の存在感は圧倒的です。国内のパンの業界シェアの実に4割近くを占めているそうです。 今週の日経ビジネス(2010年3月22号)の特集は、「山パン、異端の経営」でした。 特集の最初のページの写真が印象的でした。正面に山パンの配達車(かわいい女の子がパンを食べている絵の入っている例のトラックです)と、背景にセブンイレブンが写っています。山パンは、「セブンに屈せぬ唯一のメーカー」だそうです。 前にこんなエントリーを書きましたが、やはり棚が緑のPB商品で埋め尽くされている現状には、商品開発のアイ
現役会計士が語るビジネス・会計・投資コラム このWebサイトに記載された事項は執筆者の私見であり、執筆者の所属ないし関係する機関・組織の見解ではないことをお断りしておきます。 以下、2月23日の日経新聞から一部引用です。 不動産ファンド落日、大型物件の処理停滞 国内外の不動産ファンドが2006年から08年にかけて投資した大型物件の処理が滞っている。ファンド各社は購入資金の大半を外部借り入れで調達したが、市況悪化で融資の返済期日を迎えても物件売却やローンの借り換えにめどが立っていない。銀行側がやむを得ずローンを延長して問題を「先送り」する事例も目立つ。これが日本の不動産市況の回復を遅らせているとの指摘も多い。(引用終わり) 最近、上記のような類の記事をいくつか読むにつけ、「不動産もそろそろ買い時なのではないか?」と考えるようになりました。含み損を抱えて身動きがとれなくなったファンドや投資会社
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『cpainvestor.com』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く