読者へ 草なぎ剛が、たった一人でなしとげた革命とはなんであったのか。あるいは、なしとげられなかった革命とはなんであったのか。われわれは何をなし、何をなせなかったのか……。今もってその答えを出すのは容易ではない。かといって、歴史の手にゆだねることはできない。それは、この同時代に、草なぎ剛とともに生き、そして同じ時間をすごしてきた人間の義務……、いや、権利なのである。あの燃えさかるような日々、革新を確信したわれわれの、あの魂の躍動を、たとえつたなくとも、言葉にして残そう。たとえ、言語が永遠を愛撫できなくとも、あらたに生をうける、あらゆる生命が、つねに、解放されつづけ、自由でありつづけるための、その一助になれという、その自由な願いのために、書き残そう。 1 2009年4月23日。そのニュースは日本全土を駆けめぐった。たとい敵国から放たれた一発のミサイルですら、あの稲妻のような情報の伝播、人々のコ