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今年の「かわいい」
ddcph.hatenablog.com
コペンハーゲンに来られた某先生と話をしていた際に飛び出た話題なのですが、昨今、デザイン思考って世間で過剰評価されているのではないかと思います。世の中を見渡して見渡してみると、猫も杓子もデザイン思考だという感じで、イノベーションに必要なのはデザイン思考だ!デザイン思考さえあればイノベーション創出し放題だ!なんて論調さえ聞こえてくるのですが、デザイン思考はそこまで万能ではありません。 デザイン思考を実際に使うためには、色々と制約もあるはずですが、そのあたりがうまく認識されていない可能性があるのではないかと思います。そこで、デザイン思考の導入を検討する前に、この辺りを認識しておく必要があるよねという点について、私が思いつくあたりでいくつか書いておこうかと思います。 なお、本稿では私が思いついた点を3つ程挙げますが他にも色々と注意点があると思います。こういう点も注意が必要だなど他にありましたら是非
このブログでは何度かHow Might We(How Might We Question、HMWと書く場合もあります)という単語を使っているにも関わらず、How Might Weについてきちんと説明していない事に気がついたので、そろそろきちんと書いてみたいと思います。 How Might Weと言うのは、日本語にすれば「我々はどうすれば◯◯できるか」というカタチで、解くべき問題を定義する方法です。約10年前にIDEOが使い始めたのち、今では世界中の多くのデザインファームやデザイン教育機関で使われているらしく、もちろん、私の居るCIIDでも例外ではありません。 それにも関わらず、日本語情報が非常に少ない。唯一見つけたのは下記の記事ぐらいなのだけれど、これはHow might weの説明というよりも、使う言葉を変えるだけで色々良いことがあるよ、以上の事は書いてありません。 www.dhbr.n
デンマーク国立博物館に行ってきました。こちらは、コペンハーゲンのチボリ公園の近くにある施設でして、デンマークの歴史だとか諸外国の文化を紹介する施設となっています。 入り口を抜けると吹き抜けの大きな空間が広がって居ます。 一般的な博物館であれば、入り口にはゲートがあったりして入場料などを払う必要があるのですが、この博物館にはそういったものがありません。なんとデンマーク国立博物館、入場料が完全に無料なのです。物価の高いデンマークで入場無料というのは大変ありがたいですね。しかも、無料とは言え展示のクオリティ、量ともにかなりのものがあり、全部を見ようと思うと半日程度は必要なのでは?と思ってしまうほど。 ところでここにはデンマークの歴史文化だけではなく、諸外国の文化も紹介されており、その中には日本もしっかりと含まれています。 日本関連の展示場所は日本で言う3階(こちらの数え方だと2階)の入り口からみ
今週はGUIに関する講義を受けているのですが、その中で、紙ベースでアプリの画面を考えるという課題がありました。与えられた課題は次のようなもの。 とある会社が開発した新しい洗濯機には物理的なボタンが一切ついておらず、すべてを手元のスマホから操作する仕組みになっています。洗濯機を操作するアプリの内容を考えなさい。 なお、洗濯の内容を下記から選択できるものとし、ドアの開閉もアプリから行うものとする。 コース(Standard / Cotton / Wool) 温度(30° / 40° / 60°) 回転数(500 / 1000 / 1500) ボタンが一切ついていないという事は若干極端としても、将来的にスマートフォンから操作可能な洗濯機が登場する可能性は高いと思います。そして、一見シンプルそうに見える課題ではあるものの、洗濯機という事は、洗濯前、洗濯中、洗濯後というようにデバイスの状態遷移が絡ん
今週は、以前の記事にも書いたとおりPhysical Computingの授業を受けて居ます。 ddcph.hatenablog.com 各チームでアイディア出しを行ったあとは、それぞれアイディアを選び、実際にプロトタイプの開発に入っていきます。しかしながらここで疑問が沸き起こります。自分たちのチームの強み、弱みをどの段階で考慮するのか。私個人的には、大きく分けて3つのポイントがあるのかなと思うのです。 タイミング1:自分たちが実現可能なアイディアを出す まず一つ目は、アイディア出しの段階で、自分たちの強み弱みを共有し、自分たちに出来る範囲でアイディアを出すと言うもの。昨日、アイディア出しの2つの方法について書きました。ここに、第3の制約を加える方法と言っても良いかも知れません。 ddcph.hatenablog.com 例えば、チームメンバーの構成的にWebだとかクラウドに強い人が集まって
製品やサービスが想定するターゲットについて調べる事は、ビジネスを行う上で非常に重要であるということは間違いがありませんが、混同されることも多いのがマーケティングリサーチとデザインリサーチのふたつ。これらがどのように違うのか授業でも触れたので、ノートを元に少し書いてみる事にします。 1. 既存製品やサービスを改良することが目的 vs 新しい製品やサービスのアイディアを創出することが目的 まず、それぞれの目的が違います。マーケティングリサーチは既存の製品やサービスを改善するために行われることが多いのですが、デザインリサーチは新たなイノベーションを起こすための目的で行われる事が多いように思います。 これまでの延長線上には無いような製品を作り出すためには、従来のマーケティングリサーチでは不十分である場合が多いからだろうと思います。ではなぜ、従来のマーケティングリサーチが新しい製品やサービスの開発に
今週はピープルセンタードリサーチ(people-centered design)の授業を受けています。これまでの授業の内容は下記の記事でも書いていますが、今回は、インタビュー結果から、問題解決の方向性を設定する方法について書いていきます。 ddcph.hatenablog.com ddcph.hatenablog.com ddcph.hatenablog.com インタビューが終わった後は、インタビューの内容をまとめる作業に入ります。インタビュー内容のまとめ方と言うのはおそらく色々あると思うのですが、今回の授業では、インタビューごとにリッチプロフィール(Rich Profile)を作成し、インタビューの内容を可視化する事が求められました。 リッチプロフィールの作成 リッチプロフィールとは、その人の写真、経歴、リサーチ対象との関係など、インタビューの中で出てきた興味深いエピソード、リサーチ対
ユーザーセンタードデザイン(User Centered Design)やヒューマンセンタードデザイン(Human CenteredDesign)と言う言葉は、デザインだとかユーザインタフェース、ユーザエクスペリエンスに少しでも関わったことのある人であれば聞いたことのある言葉ではないかと思うのですが、CIIDでは、自分たちが取り組んでいる事を説明する際に、ユーザセンタードと言う言葉は使いません。では、代わりにどんな言葉を使うかと言うと、ピープルセンタードデザイン(People Centered Design)と言う言葉を使います。 People Centered Designと言うキーワードで検索してもあまり多くは引っかからないし、そもそも日本語の情報はほぼゼロなので、もしかすると、ごく一部の組織、デザイナの間だけで使われている言葉なのかもしれません。それにも関わらず、わざわざこの言葉を使い
はじめに デザイン会社のフィヨルドが毎年、翌年のデザイントレンドを予想して発表しています。この内容に興味を持ったので英語の勉強をかねて、また近年のデザイン動向を掴むため、私なりに簡単に要約してみました。なお私による意訳が入っていますので詳細かつ正確に知りたい方は、原文をあたって頂くのが良いかと思います。 trends.fjordnet.com 目次 ユーザの自然な行動を起点とする製品、サービス 個人情報の扱い方 従業員のためのサービス アプリケーションの新しい形 パーソナライゼーションの一般化 市民のためのデザイン 健康が価値を持つ バーチャルリアリティ元年 選択肢の消失 企業内におけるデザインの活用 ユーザの自然な行動を起点とする製品、サービス これまで、私達とデバイスとの関係は常にデバイスに対する明示的な動作が起点になっていました。例えば、スイッチを押すと何らかの処理を行ったりというよ
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