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春田晴郎(東海大学文化社会学部アジア学科/文学部アジア文明学科教員)の非公式ブログです。 学科の紹介や学問のことなどを中心につづっていきます。 たまには古代を専門にしているアジア文明学科の教員らしいことを。 アジア - Wikipedia(リンクは執筆時の現行バージョン 2014年6月27日 (金) 06:32版)の冒頭にはこんなことが書いてあります: アッシリア語で東を意味する「アス」に語源をもつ。 調べてみると2006年8月18日 (金) 17:47版以来、延々と受け継がれてきた記述です。 このような説が無い訳では無いのですが、支持する研究者はまず存在しません。少なくともまともな研究者の間では。 ギリシア語ラテン語の「アシア」は、そもそもは現在のトルコの中西部あたりを指していました。そこに異論はないはずです。そうすると、アッシリア、メソポタミア地域から見て遥か「西」に位置するトルコ中西
春田晴郎(東海大学文化社会学部アジア学科/文学部アジア文明学科教員)の非公式ブログです。 学科の紹介や学問のことなどを中心につづっていきます。 体調を崩して間隔が空いてしまいました。 非常に不安な新テスト世界史(その1)で述べた ・逆に「考える世界史」を意識しすぎると、地理や公民のごく基礎的な知識と国語読解力のみで解けてしまう問題が増えそう について。(問題冊子等のリンクページは上記(その1)をご覧ください) 大問第2問 問1 久志君の班では,次の地図を見ながら,トルコ系諸王朝の活動についてカードに記入した。その記述として誤っているものを,下の①~④のうちから一つ選べ。[7] ①セルジューク朝の下で,カイロが繁栄した。 ②オスマン帝国は,ウィーン付近まで進攻した。 ③トルコ系の勢力は,モンゴル高原から西方に広がった。 ④トルコ系の勢力は,インドにも進出した。 (問題冊子PDF p.12)
春田晴郎(東海大学文化社会学部アジア学科/文学部アジア文明学科教員)の非公式ブログです。 学科の紹介や学問のことなどを中心につづっていきます。 非常に不安な新テスト世界史(その1)で述べた ・出題ミスが多発しそう について。なお、これから挙げる例は、原則として私の専門に近い、中央アジア~西アジア~北アフリカにからむ出題から取り上げます。 平成29年度試行調査 問題、正解表、解答用紙等|大学入試センター 問題冊子世界史Bの大問第4問の問3、図29ページ、問題31ページです。 なお、この大問1つでさまざまな地域時代の例を取り上げていますが、当然出題ミスが起こりやすくなる、そういう格好の例と言えるでしょう。 次のような図について (クリックで2倍サイズに) 次のような問(一部)が建てられています: (クリックで1024*422ピクセル) これは2題の正誤を組み合わせて、4択を作る問題の前半の問題
春田晴郎(東海大学文化社会学部アジア学科/文学部アジア文明学科教員)の非公式ブログです。 学科の紹介や学問のことなどを中心につづっていきます。 7月24日の日記「高校世界史のイスラーム時代叙述の充実と佐藤先生」にも書いたように、最近の教科書はイスラーム時代の充実著しく、古い記述がほとんど変わっていない古代オリエントとの差がぐんぐん広がっています。教科書の文句を言うだけでは、生徒や先生にとって益にならず、むしろ混乱させるだけ、という面も十分承知していますが、それでも先ずは気になるところをいくつか挙げてみます。 『詳説 世界史 改訂版』山川出版社 もっとも標準的と思える上の教科書を例に取ります。手元にあるのは最新版2011年3月発行のもの。古代オリエントの記述は24~34ページ。 11ページの記述の中で現れる人名は ハンムラビ クフ アメンホテプ4世(イクナートン) モーセ ダヴィデ ソロモン
春田晴郎(東海大学文化社会学部アジア学科/文学部アジア文明学科教員)の非公式ブログです。 学科の紹介や学問のことなどを中心につづっていきます。 狂信殺戮集団ISIS(ダーイシュ、自称「イスラム国」)による狂行が止まりません。 シリア北東部ハサカ(ハッサケ)近くのアッシリア教会(世界史で習うネストリオス派=景教)の教徒が住む村々が襲撃され、9人が死亡、150人以上が誘拐されています。 アッシリア教徒のニュースサイトに詳報や、現在も囚われている人たちの名が載せられています: AINA News | Assyrian International News Agency いっぽう、イラクでは、モースル(モスル)での図書館の図書や写本文書を焼き払ったニュースに続いて、先ほどはニナワ博物館の彫像などを破壊する彼ら自身の映像がネットにアップされています。 彼らの作った映像にリンクするのは避けたいので、こ
春田晴郎(東海大学文化社会学部アジア学科/文学部アジア文明学科教員)の非公式ブログです。 学科の紹介や学問のことなどを中心につづっていきます。 亡くなられた湯川さんと後藤さんの死を悼み、ご家族にお悔やみ申し上げます。 なお、今セメスターの「アジア海外研修」はトルコですが、研修地はシリアから遠く離れており、直接の影響はないと思われます。安全には十分配慮してまいりますので、ご安心ください。 *** さて、ここ数日、イラクの新アッシリア時代の都であったニネヴェの遺跡の城壁が、ISIS(自称「イスラム国」、ISIL)によって破壊された、という情報が一部で流れました。 しかし、精査してみると、どうも誤報のようです。 このような情報については、まず https://twitter.com/conflictantiq https://twitter.com/sauterne を見て、確かめるべきです。後
春田晴郎(東海大学文化社会学部アジア学科/文学部アジア文明学科教員)の非公式ブログです。 学科の紹介や学問のことなどを中心につづっていきます。 昨日のエントリーで触れた鷹島海底遺跡に行くというので、 文化遺産の眠る海 - 株式会社 化学同人(副題「水中考古学入門」岩淵聡文著、2012/3) を買ってきました。著者の岩淵先生は日本でも本当に数少ない水中考古学の専門家です。 もちろんこれまで水中考古学の成果を知らなかったわけでもなく、それどころかトルコのウルブルンの沈船についての卒論を指導したこともあります。ただ、狭い意味での自分の専門は、基本的には内陸国家、そして考古ではなく文献側の人間なので、今までは手が伸びませんでした。連休の九州行は良いきっかけです。 本書は副題が示すように、水中考古学の優れた入門書です。 しかし、ここでは一般的記述はおいといて、日本において水中考古学の発展を妨げてきた
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