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夏の料理
hnbn097.hatenablog.com
オーディブルの無料体験を利用して読みました。(聞きました?) 約13時間もあったので無料体験期間中に読み終えられるか不安でしたが、後半は没頭して読めたので心配無用でした。 軽く内容に触れると、二人の主人公の関係性をどう表現したらいいんでしょうね。 友達でも、恋人でもないけど、お互いを愛している。物語の一文を借りれば、「お守り」のような存在。 一緒にいる時間よりも離れている時間の方がずっと長いのに、その存在を頼りに頑張れる。重要な場面で使われる光の表現が、二人の関係性をより美しいものに仕立てていて、印象に残りました。 ランキング参加中読書
ミステリー小説の感想を人に伝えるとしたら、「面白かった」か「面白くなかった」だけで良いような気がします。 とても面白かったです。以下、蛇足のような感想を。 ミステリー×時代小説 戦国の世の「荒木村重」と「黒田官兵衛」を主軸としたお話です。今まで時代小説に触れたことがなかったので、若干読み進めるのに苦労しました。出てくる用語をなんとなくの想像で読み進めたり、登場人物の名前も聞き馴染みのない漢字ばかりで「この人だれだっけ?」となりながら読み進めました。 でも、米澤穂信さんお得意のミステリー要素は気になるので、どんどん先に進めました。 個人的に著者の作品が好きな理由に、主要人物に限らず、登場人物がよく作り込まれているところがあります。何かのインタビューで、実際に著者が語っていたことです。 「登場人物を考えるときに、あなたはどういう人間ですかと何回も繰り返し問う」、「この人はどういう人で何を大事に
好きなブログがあります。 しばらくもう更新されていないですが、そのブログの内容はノベルゲーの感想を淡々と書いていくといったものでした。読んでてすごいなと思うのは、純粋に作品を楽しめてるところです。 というのも、書かれてる内容に自分語りが少なくて、書き手がどんな人かあんまり分かんないんですよね。単純にシナリオのここが良かった悪かったや、物語が伝えようとしてることはどんなことか書かれているだけだったりします。 誰だって多かれ少なかれ、自分のことを誰かに話したい欲求はあるはずです。そういうのを感じさせないで、自分の経験や価値観に頼らず、純粋に作品の魅力を汲み取って伝えられるのはやっぱかっこいいなって思います。 そしてそれは、何も作品を楽しむことだけに限らないと思います。人の話を聞くときや、何かを学ぶとき、気づかぬうちに思い込みで勝手に判断してしまうことって結構多いんじゃないかなと思います。 純粋
一時期世間で話題になった「音楽著作権協会」と「音楽教室」の著作権使用料問題を題材にしています。感情的な面では音楽教室に味方したい問題ですが、こちらの本に著作権協会の法解釈、言い分が紹介されていて、個人的に納得できる部分もありました。 そもそも、何かと批判されやすい著作権協会ですが、音楽家の権利を守るという面では必要な団体です。これがないと新しい音楽家は生まれてこず、音楽は存続しませんからね。 信頼は怖れの向こう側にある こちらの本では、そういった「理論的な正しさ」と「感情」の対比を感じました。正しさは人を納得させますが、人を動かすのは感情です。どちらの方が大切ということはないですが、特に感情から派生した人間関係、信頼が重きに描かれています。 信頼を築くには長い時間がかかるし、少しのことですれ違いが起こる脆いもので、人を怖れる気持ちを持ってしまうこともあります。けれど、人間関係とはそうした怖
鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う主人公のお話です。 読み終えて、無性に手紙が書きたくなりました。相手のことを思い、言葉を選び、体裁を整える。その行為全般が本当に素敵だなって思いました。 手紙の代書は、最初「自分で書いた方が気持ち伝わるしどうなんだろう」って思ってました。けれど、どうしても自分では感情があふれてしまったりで、書けないなりの理由がでてきます。でも、相手に気持ちを込めて、思いを伝えたいというのは本物です。 それに、気持ちを伝えたい相手がいつまでもいるとも限りませんしね。伝えられず、ずっと胸の中に残ってしまうこともあります。 けれど、感謝の気持ちを伝えるとしたら、もらった恩を返す相手というのは、何も恩を与えてくれた人でなくともいいのだと思います。 誰かにおんぶしてもらったなら、今度は誰かをおんぶしてあげればいい。僕も、かみさんにたくさんおんぶしてもらったんです
大地は僕ら自身について万物の書よりも多くを教えてくれる。なぜなら大地は僕らに抗うからだ。人間は障害に挑むときにこそ自分自身を発見するものだ。 広大な大自然に比べたら、あまりにもちっぽけな人間という存在。どれだけ技術が発達し、自然の脅威を克服しようとしたところで、不意な災害によって甚大な被害が発生しています。 実際にパイロットとしてのキャリアを持ち、不時着して飢えや渇きに苦しむ極限状態を生きた著者の経験談は、とても印象に残りました。 困難な状況でも、一歩踏み出す勇気 危機的状況に陥ったときに一番苦労すること、それは考えることを止められないことという話があります。 困難を乗り越えるには今の状況を忘れる必要がある。けれど、脳みそが言うことを聞かない。頭の中がタービンみたいに回転し続ける。そこに救いをもたらしてくれるのは、一歩を踏み出すこと。一歩、また一歩。同じ一歩を繰り返す。確かな重みをもって大
自分はコミュ障の自覚があるので会話やコミュニケーションについて書かれた本を色々と読んできましたが、ダントツでこちらの本が良かったです。 「会話がうまくなりたい」という思いの背後には、「相手に好印象を持たれたい」という思いが隠れていますが、こちらの本読むともっと深いところで「相手の言葉や感情に共感する会話がしたい」と思えました。 現実の会話はめんどくさいが、ネット上では孤独は薄まらない スマホが普及した現代では世界中の人とつながれるはずなのに、孤独を抱えた人は増えています。なぜなら、ネット上で心の通ったコミュニケーションというのは難しいからです。 まず、現実での会話はめんどくさいことが多すぎます。こちらが知りたいこと以上の話や、どう反応したらいいか分からない話をされると困ります。反対に、SNSなら見たい情報を自分で決められますし、面白くなかったり不快な情報は無視やブロックができます。 けれど
「バビロン大富豪の教え」を読みました。 こういうお金系の本は定期的に読むのが良いですね。たとえ書いてあることがどれも似通っていても、何回も目にして意識していくことが大切です。 漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則 作者:ジョージ・S・クレイソン,坂野旭 文響社 Amazon 収入の一部を貯金し、欲望に優先順位をつける まず、お金持ちとはお金の増やし方を知っている者をいいます。たとえお金をたくさん持っていても、日々使うだけではいつかはなくなります。 そして、誰もがお金を増やせる確実な方法は、収入の一部を貯金することです。 けれど、人によって収入や支出、生活が違うのに、多くの人がお金に不足を感じています。 それは、人間の欲望というのはどれだけお金を使おうが際限なく溢れ出るものだからです。魅力的なモノやサービスが溢れ、企業も莫大な量の広告を出している現代では、欲
小川洋子さんの本は、「博士の愛した数式」を小さい頃に読んだ覚えがあります。内容はもう覚えてないのに、その本の存在はずっと忘れずにいました。 こちらの本も同じくらい、ずっと自分のそばにあるであろう作品です。 盤下の詩人 内容はチェスを愛した小さな少年のお話です。 ある理由から「大きくなること、それは悲劇である」という思いを胸に秘めるようになり、チェスを指すときも盤面の下に隠れて指します。 話の中で「チェスで詩を綴る」という表現が出てきます。朝露のような静けさ、風に震える花弁の可憐さ、暗闇に浮かぶ月の孤独、本当に美しいものを見た時の感動というのは言葉で言い表せないものです。言葉にしてしまうとどこかチープに感じてしまうこともあります。 少年が美しさを見出したのは盤上に描かれた棋譜でした。勝敗よりもどのような棋譜を描くかを大切にしています。 心の底から上手くいってる、と感じるのは、これで勝てると確
最近読んだ本で日記ブログがお勧めされていて、こんな魅力が書かれてました。 「日常や自分の人となりを正直に書いていくと、『この人の話をもっと読んでみたい』と思う人ができる。ありのままの自分に対して読者から反応が返ってくるから、書くのが楽しくなっていく。」 自分は続かなかった このブログは主に読書関係を扱ってますが、別のブログで三ヶ月ぐらい日記ブログのようなものを書いてました。 結局書かなくなってしまった理由は、「ありのままを書けなかったこと」と「そもそも自分の日常や人となりがつまらないこと」だと思います。 ありのままを書けなかったのは、どうしても読者の反応を気にしてしまったのがあります。記事のタイトルにも左右されますが、アクセス数やスターの数で反応の良し悪しは分かってしまいました。 特に、たまにスターをつけてくださる方や、毎回スターをつけてくださるけど記事によってスターの数が違う方がいると、
誰だって苦労するよりは楽できた方が良いと思います。頭ではこれをやった方がいいと思うことがあるのに、ついつい楽な方向に流されます。 けれど、楽をしてた時間って後から振り返っても満足度は低いですよね。休日は家でスマホずっと眺めてたり寝てたり、仕事なら同じ作業の繰り返しが多いと充実感はないです。だから、楽する道を選ぶよりも、今より良い人生を目指した行動を増やしたいです。 「誰かのために」が充実感を高める 最近習慣系の本読みました。一番印象に残ったのは、「自分は誰かに認められている」という承認感は行動の大きな原動力になるという話です。 習慣を作るには反復が必須だけど、その前提に「自分はこうなりたい」という思いがなければ、繰り返し反復していくのは難しいです。そして、その「思い」が深いほど、習慣形成の成功率は高まります。 思いを深めるポイントは、「理想の自分を手に入れたとき、それを見て誰が喜んでくれる
52ヘルツのクジラたち 作者:町田そのこ 中央公論新社 Amazon 52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。 タイトルだけ見て「孤独を抱えた人たちが救いを求める話」だと想像しましたが、実際そういう部分もあるけど、それだけで終わらなかったのが良かったなと思います。 誰かを救っていると思い込んでいても誰かに救われていたり、救ってくれた人が心の奥底では救いを求めていたり。自分の声を受け止めてくれる大切な相手に出会えたなら、自分自身も相手の声を全身で受け止める。人はお互いで支えあって生きていくものです。 ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。いつまでも、貰ってばかりじゃいかんのよ。 支え合う相手だって、昔は家族とか地
ヘヴン (講談社文庫) 作者:川上未映子 講談社 Amazon 少女が見せる「ヘヴン」と、少年が突きつける現実。 物語の主人公はいじめを受ける中学生の男の子なので、最初は弱者の立場に感情移入させられます。理不尽な理由で人の痛みが分からない者たちに傷つけられる描写は、読んでていてとても苦しくなりました。 そして、今現在苦しみを抱えている人は、「この苦しみにも必ず意味がある」のだと自分を励まし、頑張っていくものです。 けれど、強者の立場になると、すべてのことに意味なんてなくて、ただみんなが自分のしたいようにした結果があるだけだと言います。自分や自分の周りの大切なものだけ傷つけられないよう、都合よく生きていきます。 自分がされたらいやなことからは、自分で身を守ればいいんじゃないか。・・・『自分がされたらいやなことは、他人にしてはいけません』っていうのはあれ、インチキだよ。・・・ああいうのは、自分
ノーベル文学賞を受賞した著者の代表作なので、今更自分が言うようなことではないですが、個人的にも今まで出会ってきた本の中で思う最高傑作でした。 人生の切なさを問う この本のテーマは「人生の切なさ」、これに尽きるかなと思います。人は死から逃れられません。生きたいかどうかなんて関係なく、唐突な理不尽な死だってこの世界には存在します。亡くなっていく人や周りの方の「離さないで」という声を裏切り、別れがやってきます。 著者はその切なさを丁寧に描いていました。途中発覚する重要な出来事は淡々と、反対に何気ない些細な日常も緻密に書くことで、人生は振り返れば全ての日々が大切な思い出になるのを感じさせられました。そして最後に、積み上げた思い出を全て手放します。 「死」について真正面から考えると、暗うつたる気持ちになります。思えば読んで心を動かされた本は多いですし、最終的に読んだ後の心は前を向いていました。なかな
最近、図書館やkindleUnlimitedで手当たり次第に面白そうだなと思った本を流し読みしてます。 それで、触れる本の数が飛躍的に伸びて、思いがけず刺さる本に出会ったり、読書の幅も広がって、読書時間も増えました。 刺さる本に出会える確率が上がる いくら評価が高かったり、人気の本だとしても、それが自分に刺さるかは読んでみないとわからないものです。なので、できるだけ読む本の数を増やせば、刺さる本に出会える確率が上がります。 読んでても進まない本を読み進めたり、せっかく買った本だから最後まで読まなきゃと思っていたら、読書のスピードは落ちます。読み放題のサービスならば、面白くなかったらすぐ止めたり、気になったところだけ流し読みできます。 そうやって、月に10冊の本に触れれば年間で120冊になりますが、月に1冊しか触れなかったら年間12冊にしかなりません。良いなと思える本に出会う確率は段違いです
マンガで「めんどくさい」がなくなる本を読みました。 特に、自分を甘やかせば無理に落ち込まないし、トラブルにも強くなって、活動的になれるという話が印象に残りました。 マンガで「めんどくさい」がなくなる本 作者:鶴田豊和 フォレスト出版 Amazon 自分に甘い考えを持つ 多くの人が「自分や相手に甘くするのはその人のためにならない」と考えがちですが、そこには大きな盲点があります。「自分に甘い行動」と「自分に甘い考え」は違います。 例えば、一日中ダラダラと過ごした時、「自分に甘い行動」とはダラダラしたことであり、「自分に甘い考え」はダラダラした自分をOKだと思うことです。逆に、「自分に厳しい考え」はダラダラした自分はだめなやつだと思うことです。 「自分に厳しい考え」を持つと、自己嫌悪に陥り、ストレスが増え、もっとダラダラと過ごす時間が増えます。「自分に甘い考えを持てば、甘い行動を取りやすくなるの
ちまたに溢れるお金系の情報の元祖にあたる「金持ち父さん貧乏父さん」を読みました。 もちろんお金持ちになるプロセスの話もありましたが、それよりもそもそもの前提として「お金持ちになる人が持っているマインド」の説明が印象に残りました。 金持ち父さん貧乏父さん 作者:ロバート キヨサキ,シャロン・レクター(公認会計士) 筑摩書房 Amazon 感情をコントロールする お金持ちが持つマインドとして、感情をコントロールすること、特に「恐怖」と「欲望」に上手く対処していくことが重要です。 「・・・みんな自分の本当の気持ちを見つめず、お金がなくなったらどうしようと心配ばかりしている。そして、その恐怖に真正面から立ち向かおうとしないんだ。つまり、考えもせずに反応だけしている。・・・」 「自分がどう感じているかってことを正直に自分に伝える代わりに、考えもせずに感情に反応しているんだ。恐怖を感じるから仕事に行く
あらすじ 不慮の事故で亡くなった夫の遺影を、長年疎遠だった夫の兄が見たら「誰?」と言われる。DNA鑑定でも全くの別人であることが発覚する。 愛したはずの夫は、いったい誰だったのか。 感想 とても引き込まれるつかみから物語が始まりますが、内容はミステリーでなく、驚きの展開が続くわけでもなく、静かに人を形作るものについて考えさせられます。 遺伝、育った環境、愛するものの存在、公的な書類。画一的な自分なんてものは存在せず、その時々で自分自身はコロコロ変わっていきます。 例えば、初めて入るバーで偽名を使い、嘘の職業、出鱈目な過去を話したところで、周りの人は何も不思議に思いません。自分ですらそうだったと思うようになり、嘘の言葉と自分自身が一体化していきます。 でも、嘘によって救われることもあり、自分自身を良い方向に形作っていくこともあります。小説だってフィクションだが、それで感動して涙を流すように。
テスカトリポカ (角川書店単行本) 作者:佐藤 究 KADOKAWA Amazon あらすじ メキシコのカルテルに君臨した「麻薬密売人」、日本人の「臓器ブローカー」、川崎で生まれ育った「天涯孤独の少年」。 海を越えて交錯する彼らの運命の背後には、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。 感想 単行本で500P以上ある半端ない文章量でしたが、それに見合うだけの重厚な物語でした。 テーマが「神話と犯罪の融合」であり、巻末の参考資料の多さからも分かりますが、徹底的に調べ尽くされた「アステカ神話」と「裏社会」の情報量が物語に深みを増しています。それが段々とつながっていく感じ、犯罪を行うなかでもその根底にある信仰が垣間見れたりするのが面白かったです。 そもそも、物語のストーリーも別々の場所から始まる登場人物たちの運命が徐々につながっていくのがワクワクしましたし、犯罪と犯罪、裏社会のビジネ
東大教師が新入生に薦める本第1位、村上春樹も人生で巡り合った重要な三つの小説のうちの一つに選び、世界文学史上最高傑作との呼び声も高い、こちらの本読みました。 途中から読むのが止まらなかった いろいろな所で絶賛されているのでずっと読みたいと思っていましたが、2000ページ以上あり、難解な文章、ロシア文学特有の登場人物の覚えづらさもあって何回も挫折した本です。それでも、中盤から面白くなるという話を信じて読み進めました。 上巻読むのに約三ヶ月。何なんだこのつまらなさ!と彼に怒りをぶちまけもしたものの、もう少し読めば面白くなる、という言葉に疑いを持ちつつも読み続ける事、更に一ヶ月。上巻の終わり辺りから本当に面白くなってきた事に戸惑っている内に、物語は加速していった。・・・息もつけない展開に思考も止まらず貪るように、中巻と下巻を私はほぼ三日ほどで読み終えたのだ(金原ひとみ) 個人的にも1巻の終盤あた
少し前に「何回も挫折してるカラマーゾフの兄弟をどうしても読みたい」というブログ記事を書いたんですけど、とりあえず1巻だけ読み終えました。 訳を変えたらスラスラ読めた 最初は新潮文庫の訳で読んでいましたが、こちらは原文に近い翻訳らしく、そもそも原文が難しい文章なので挫折しました。 カラマーゾフの兄弟(上)(新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon それで、こちらの訳が読みやすいと聞いて読んだらスラスラ読めました。 カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) 作者:ドストエフスキー 光文社 Amazon 光文社古典新訳文庫は翻訳する際なによりも「読みやすさ」を重視しているらしく、原文の長い文章を短く区切ったり、登場人物の名前がコロコロ変わるのを一つに統一しているそうです。 それによって専門家からは「誤訳だ!」と言われることもあるそうですが、まぁ素人の自分には違いなんて分かるわ
あらすじ 家に居場所がなくなった少女「更紗」は、大学生の「文」の家に転がり込む。二人が過ごした安息の数ヶ月は、女児誘拐事件と呼ばれた。 感想 人はレッテルや先入観なしに他人を見ることは難しい。特に、自分達が理解できないことは無理やり理解できる形に解釈して理解しようとする、そう思いました。 そして、自分達が理解できる「普通の人」の方が幸せだと、無自覚な善意を押し付けることだってあります。 白い目というものは、被害者にも向けられるのだと知ったときは愕然とした。いたわりや気配りという善意の形で、『傷物にされたかわいそうな女の子』というスタンプを、わたしの頭から爪先までぺたぺたと押してくる。みんな、自分を優しいと思っている。 せっかくの善意をわたしは捨てていく。 だってそんなものでは、わたしは欠片も救われてこなかった。 とかく人間関係は難しいです。この物語で理想とされている関係は、お互い干渉しない
最近、暇なときは小説読む時間が増えてます。 前まではアニメや映画見てる時間が多かったんですけど、単純に小説の方が心動かされたり、一冊の本を読み終えた時の満足感はとても大きくて、そういった現象が分かりやすく言語化された本を読みました。 自分の頭で考える読書 自分の頭で考える読書 変化の時代に、道が拓かれる「本の読み方」 作者:荒木博行 日本実業出版社 Amazon 今の時代、情報を手に入れる手段は多岐に渡っていて、テレビやラジオはもちろんのこと、ネットメディアやyoutubeが人気です。 それでも、今本を読むべき理由は、本が持つ「余白」にあると著者は言います。 たとえば、youtubeなどの解説動画を見れば、短時間で効率的にわかりやすく情報を得ることができます。 しかし、短時間で効率的に情報が得られるということは、映像や音声、文字、それだけ時間あたりの情報量が多いということでもあります。 そ
アートがストレス解消に良いという記事を読みました。 とりあえず絵画全集のようなものでも借りてこようかと図書館行きましたが、そこでなんとなく手に取ったノンフィクション本がとても面白かったです。 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく (集英社インターナショナル) 作者:川内有緒 集英社 Amazon タイトルが気になって手に取りました。 目の見えない方がどうやって絵を楽しむのか、よくある音声ガイドを使うのかなと思いましたが、そうではなかったです。 著者や周りの方は、目の見えない白鳥さんに「何が見えるか」説明します。 例えば、「ひとりの女性が犬を抱いて座っているんだけど、犬の後頭部をやたらと見ています」とか、「わたしには、この女性はなにも見てないように見えるな。視点が定まってない感じ」とか。 そうやって見てるものを説明しようとすると、漠然と見ているだけで
ずっと読みたいというか、色々なところでおすすめされていてもう「読まなければ」という感覚になっている本です。 けれど、長すぎたり、内容頭に入ってこなくて何回も挫折しています。 カラマーゾフの兄弟 (上)(中)(下)巻セット 新潮社 Amazon なぜ読みたいのか 「東大教師が新入生にすすめる本第1位」だそうです。 帯裏にもこんな紹介文があります。 特に「大審問官」はスゴイ。生を生きなおすようなすごい経験を請けあおう。・・・スゴイ本は沢山あるけれど、頂点はこれ。・・・未読の方は四の五の言わずに読め(命令形)。最強の読書体験を約束する。(ブログ「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」より) ここまで言い切られたら、気にならずにはいられないです。 ただ、単純に2千ページ以上ありますし、翻訳による独特な言い回しで言葉がすんなり入ってきません。 Twitterのフォロワーさんに教えてもら
あらすじ もうすぐ18歳の「セシル」、プレイボーイ肌の父「レイモン」、その恋人「エルザ」は海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。 そこで、セシルは大学生の「シリル」との恋が芽生え、父のもうひとりのガールフレンドである「アンヌ」が合流する。 父が彼女との再婚に走りはじめたことを契機に、セシルは葛藤の末ある計画を思い立つ。 感想 叙情的で美しい文章、今まで他の作家の本を読んで「文章が美しい」と感じたことは多いですが、この本は特に感じました。訳者あとがきに、著者のサガンが「生前作家のなにに敏感か」と聞かれて「声」と答えた話があります。 声を持っている作家というものがいて、それは一行目から聞こえてくる。いちばんたいせつなものだと思う。声、あるいはトーンと呼んでもいい まさに、サガン自身がそんな作家でした。この物語の一行目から話に引き込まれ、「あ、好き」と感じる文章でした。 ものうさと甘さが胸か
あらすじ・概要 大学4年の僕は、卒論のために配属された研究室で喜嶋先生と出会う。 寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深淵さと研究の純粋さを描いて、読む者に静かな感動を呼ぶ自伝的小説。 感想 帯裏の言葉が印象的でした。 自分は妥協や我慢をしながら過ごしているのに、なぜ、こんなまっすぐ生きている人たちに共感してしまうんだろう。この小説に出てくる人たちは、自分のなかにあるわずかに残ったピュアな部分を掬い上げてくれているのかもしれない。 ー講談社 営業担当 大学の研究職となると、ひたすら目の前の研究に没頭し、世間から離れた、孤独で静寂な世界が広がっています。それでも、出世していくと教育や人事の仕事が増え、世間的なしがらみも増えていきます。 「僕」が憧れた「喜嶋先生」は、出世にこだわらず、自分の好きなことに没頭し、思っていることを素直に口にする純粋さを持った人でし
夜が明ける 作者:西加奈子 新潮社 Amazon 評価 ★★★★★ あらすじ・概要 15歳の時、高校で「俺」は身長191センチの「アキ」と出会う。 普通の家庭で育った俺と、母親にネグレクトされていた吃音のアキだが、 俺の一言をきっかけに、二人はかけがえのない存在になっていく。 大学卒業後、俺はテレビ制作会社に就職し、アキは劇団に所属する。 しかし、焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、少しずつ心と体を壊していく。 著者コメント 現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。 「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。 感想 読んでいる最中、とあるゲームのキャラクターの言葉を思い出しました。 あまり正確に覚えてないですが、「暗い話が好き、とりわけ救いのない物語ほど良い」という内
ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~ ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫) 作者:三上 延 KADOKAWA Amazon 評価 ★★★ あらすじ ある古書店の跡取り息子が亡くなり、残された約千冊の形見の蔵書は高校生になる少年に相続する権利があった。 しかし、彼の祖父は相続される前に全てを売り払おうとしていた。 千冊の古書をめぐる、ただ一つの切実な願いとは。 感想 一時期すごい広告されてた時から読み始めて、なんだかんだ全巻読み続けてるシリーズです。 前の巻から結構時間経っていて、正直今までの内容全く覚えてないですが、今巻だけでいうと事件の顛末はそれほど印象に残りませんでした。 ただ、個人的にこのシリーズ最大の魅力である、事件のなかで扱われる本や作者の紹介はとても面白かったです。 今回扱われていたのは、樋口一葉の「通俗書簡文」と夢野久作
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