サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
ketto-see.txt-nifty.com
※本稿は2002年W杯の直前に、当時の日本代表トルシェ監督に対するバッシングともいえる報道が過熱していた時期に書いたものです。最近のハリルホジッチ監督のおかれた状況や、言説などが当時と酷似してきていると感じたので、再アップします。当時の空気感を感じ、今の状況を振り返る一助にしていただけましたら幸いです。 *** そろそろ「サポート」を。 自分はフランスW杯への最終予選が始まる当時、加茂監督に対し批判的な立場を取っていた。理由は、加茂監督よりも、先に候補に上っていたネルシーニョ氏、ベンゲル氏の方が、予選突破の確率が高いと思っていたからだ。そしてそれを公言していた。試合前の選手紹介の最後に、監督が紹介されるが、そこでブーイングをしたいぐらいの気持ちだった。 しかし、最終予選が近づいてきた時、自分は批判を止めた。当時、やはりメディアは最終予選に臨む代表チームに大いに注目し、その周りに集まり、大騒
いよいよ今日、ブラジルW杯開幕である。そこで今回は、ザッケローニ監督率いる日本代表およびその周辺の、本大会に臨む姿勢について書きたいと思う。それは特にメディアの姿勢についてであり、あるいは協会、さらにはもしかすると、私たち日本のサッカーファン、サポーターのものまで含むことになるかもしれない。私は今回の大会を「平熱のワールドカップ」と呼びたいのである。 これまでの5大会 「平熱のワールドカップ」とは何か。思い起こせば、1998年、日本代表は岡田監督に率いられ、フランスW杯へ初出場を果たした。メディアは、日本代表の冷静な戦力評価もなく、「岡ちゃんいける!1勝1敗1引き分けでGL突破見えた!」などと熱狂した。またそれがかなわず未勝利で帰国することになると、選手に水をかけるファンが現れるなど、とても平熱とは言えなかったのは誰もがご記憶のことだろう。しかし、初出場ならばそれも当然のことだ。 次は20
しかし、中期岡田日本のサッカーコンセプトそのものに、私がもろ手を挙げて賛成できたわけではない。 一つには、「クローズ」の持つ特質が、日本人選手の特徴の一部とマッチしないと思えたからだ。あまりにも狭いところでパスを回しすぎる、という点が、である。私は先の「ボールも人も動くサッカー」の例としてメキシコやドイツを上げたが、よくそういうサッカーの例としてあげられるスペインに触れなかったのも、そのせいなのだ。 スペインも、非常に狭いところでパスを回すが、そのメリットとしては「奪われても選手が密集しているために、奪い返しやすい」ということがあるだろう。「クローズ」の狙いもそこにある。そして、その頃の日本代表もまた、高いところから人数をかけてボールを奪おうとしているチームであった。その狙い自体は間違っていないとは思う。 しかし、一つ問題がある。日本人選手の特徴として、アジリティ、持久力、テクニックに加え
早いもので南アフリカワールドカップが終了して3カ月がたち、新監督ザッケローニ氏も就任、じっくりした論考で知られる「サッカー批評」でもW杯の総括号が発売になった。後は正式なテクニカルレポート協会から正式に発表になるわけだが、前回2006年W杯のそれの発売は11月に入ってからだった。さすがにそれを待つと時期が遅すぎるし、ここに私なりの総括を始めてみたいと思う。 今回のサッカー批評ISSUE48の中に興味深い記事がある。おそらく日本サッカーにかかわる誰もが気にかかっていたこと、つまり南ア杯前の岡田監督“バッシング”と、大会後の「手のひら返し」に関するものだ。「メディア関係者に問う 日本代表『ベスト16』の評価」と、その後の「討論・メディアの存在意義」の2つのコーナーにおいて、それを取り上げている。 興味深いのは、「討論・メディアの存在意義」の中で広瀬一郎氏が「メディアのアカウンタビリティ(説明責
そもそもなぜ、我われは「世界はどう報じたか」を気にしなければならないのだろうか? いきなりこの疑問からスタートしてみよう。本書のかなり早いあたりにその答えは示される。 勝った、負けたと一喜一憂するだけに留まっていたら、日本サッカーは伸びていかない。何も変わらないのである。 日本のサッカーは発展途上の途中で、まだ美学と呼べるようなサッカーのスタイルは残念ながら確立されていない。日本のスポーツ報道にも、同じく成長していくことが求められる。 だからまだ今は、外からの視点が必要だ(43ページ) 「美学」である。 この言葉は、「はじめに」の中にも出現する。 柔道の「一本で勝つ」という文化を見れば分かるように、日本は勝ちにこだわると同時に、どのように勝つかという美学やスタイルにも思いを巡らせることができる国のはずだ。 ならばサッカーにも、美学を求めるべきではないか。 ここに私は、「サッカーファン」と「
ミカミカンタ氏が自身のBLOGで「宇都宮徹壱さんのこと」というエントリーを書かれた。これに対しTwitter上では賛否両論が出て、小さくない波紋を投げかけている。今回はこのエントリーと、そこから考えさせられたことについて書いてみたい。 ちなみに、ご存知の方もあるかもしれないが、私は宇都宮さんとやや面識がある。SoccerCastにも何度か出演いただき、勝手ながら友誼を感じさせていただいている。が、今回はあえてその部分を封印し、ここからは「宇都宮氏」として書いていきたいと思う。 さて、ミカミさんのエントリーに対する私のTwitterのTL上の反応は、「わかりにくい」というものが過半であった(この書き方には問題もあると思うが*1)。これは私にはやや意外であった。私には非常によく響き、考えさせられるものだったからだ。ただ、再読してみると、確かに全体を通して一つの主張が描き出されているとは言いにく
北京五輪の男子サッカー、日本代表は8月7日に初戦を迎える。この大会は日本の五輪代表にとって、初めての「自然体で迎える五輪」になると、私は思う。日本は非常に強い対戦相手がそろった、とんでもなく厳しいグループに属しており、グループリーグ突破は至難を極める。しかしその結果はどうあれ、この大会での日本代表の戦いぶりが、今後の日本サッカー界の五輪に臨む姿勢の指針となるのだ。言い換えれば、ここでの結果は「今の日本サッカー界の実力」でもあるということだ。五輪直前ではあるが、今回はその周辺を見ておきたい。 過剰な煽り、囃したてとの決別 SoccerCastでも話したのだが、前回のアテネ五輪は異常なほどのメディアの煽りの中で迎えることとなった。背景としてはおそらく、その前のシドニー世代が、シドニーに向けた予選や本大会での戦いで人気を博し、日本サッカーの中の大スターとなっていったことがあるだろう。「あのマーケ
久しぶりの更新になります。公私ともに新しいことが多く、ばたばたしておりまして。これからもぼちぼちの更新になると思いますが、おつきあいいただけましたら幸いです。 Jリーグは秋-春制へ? さて、川淵キャプテンのあとに就任した犬飼新会長だが、以前から話題になっているJリーグの秋-春開催について検討を始めたようだ。 記事にあるように、Jリーグを秋-春開催にすることは、欧州リーグの開催時期と同じになり、海外からの選手(および監督)の獲得、また日本人選手の海外移籍もスムーズになるというメリットが考えられる。また、ワールドカップや(出場できれば)コンフェデ杯の日程も、欧州リーグにあわせて考えられており、例えば現状では「Jリーグでは」シーズン中の6月にワールドカップが行われるため、日本ではリーグ戦を長期間休止し変則的なスケジュールを組まなくてはならなくなっている。シーズンを欧州にあわせると、それもまた解消
今回は少し毛色を変えて、TVゲームの話をしてみよう。本ブログの読者の方の中には、ゲームをされる方はどのくらいおられるだろうか?私はあまりしないのだが、世間のサッカーファンの中には、KONAMIのWinning Eleven、いわゆるウイイレというゲームにはまっている方も多いようだ。そういうゲームによって、世界のサッカー選手を覚えたり、フォーメーションに詳しくなったりという効果もありそうだが、私はこれまでどうもそこに入っていけなかった。私のサッカー好きの友人の中には、ウイイレに詳しくて上手いヤツも、もちろんいる。しかし、今から覚えるということは相当に後発になり、最初はまったく「かなわない」ことが目に見えている(笑)のも、始められない理由の一つだったりした。 しかし今回、任天堂のWiiで、リモコンで選手を指差して自由に動かすという、新しい操作感を持ったWinning Eleven PLAYMA
南アフリカW杯へ向けての、アジア3次予選vsバーレーン戦が終了した。結果は0-1の敗北。3次予選(かつての1次予選)レベルで敗北をしたのは19年ぶりだそうだが、内容もそれにふさわしく酷いもので、代表を応援しているサッカーファンをとんでもなくがっかりさせた。なぜこんなことになってしまったのだろうか? 簡単に内容を振り返ろう。日本は岡田監督になってから初めての3バックを採用、これは相手の強力な2トップに対抗しようとしたものだろう。それにともない布陣は3-5-2となり、中盤からは戦術的理由で遠藤が外された。また、アウェーでもあり序盤は敵が飛ばしてくるだろうとの予想から、日本は前半、ロングボールを多用していく。ここまで、日本の戦略は徹底して「相手に合わせた」ものだった。 この試合はW杯本大会ではない。相手は欧州や南米のチームではない。アジアの、2位までが先に進める3次予選であり、相手はバーレーンで
東アジア選手権が終わった。韓国戦が引き分けに終わり、優勝がなくなったあとの岡田監督の、怒ったような表情のインタビューには私も共感した。「岡田監督、勝ちたかったんだなあ」と感じさせる表情、声だった。ただ、しっかりとこの大会を勝ちに行く、という選手起用ではなかったのも確かだろう。北朝鮮戦も「テスト」での起用が多すぎてうまくいくはずがない編成だったし、韓国戦でもこれまで試したことがない橋本の2列め起用を行っている。これはどうも、「連れて行った選手、全員を起用する」という発言(スポーツ紙の記事だが)の通りにしたと推測するしかない。 怪我や不調で主力級の選手を欠いているためにそうしたのか、オシム監督から引き継いだチームの選手を、出場機会の少なかった選手まで試合で試してみたいという意向が、もともと岡田監督にあったのかどうかは、わからないところだ。しかし終わってみると、この大会はあくまで「テスト」の大会
私は、こちらに書いたように、AFC内での中東の発言力に対抗するために東アジアサッカー連盟を発足させたことには、それなりに理解できるところもあると考えていた。 しかし、昨夜の中国戦を見た後では、もはやそんなことを言っている場合ではない。 中国に反日感情があろうとなかろうと、あのようなサッカーは許してはいけない。日本協会は中国チームに対し厳重に抗議するべきであり、そのような試合を許したジャッジ、および審判を選定、配置した大会実行委員会、ひいては東アジアサッカー連盟にも断固たる態度で臨むべきだ。川淵キャプテンは、 川淵: ああいうレフェリーのひどさは最近見たことがない。あれは完全にレッド。黙って見ている手はない。放置するのもよくないい とコメントし、東アジアサッカー連盟に「事情聴取を求める」という。これはしごくまっとうなことであり、あたりまえでもあるだろう。ただ、「説明を求める」というのではいか
おそらくは、岡田監督としては「バックアッパーのテストは行いたい。それならば、対戦相手の実力が最も劣る北朝鮮戦がベスト」という考え方だったのではないだろうか。多くの新顔、新機軸をピッチに送り出した。布陣はタイ戦までの流れをくむワンボランチ型だったが、GKに川島、CBに水本、左サイドに加地のコンバート、右サイドは内田、2トップが播戸と田代という、初先発や経験の浅い選手のオンパレード。結果、前半はなんとも残念な試合内容となった。 前半は「接近」も「展開」もほとんどない、「ボールも人も動かない」サッカーだった。オシム日本の特徴だった「動き出し」が激減していることが、なんとも残念だった。直前に憲剛が発熱してリタイヤしたのは計算外だったようだが、このワンボランチの布陣は左右の「2.5列目」とでも言うべきMF、遠藤と憲剛のポジションが非常に重要だということを、あらためて確認させられた。憲剛の代わりに入っ
現在岡田日本代表は発足間もない中、東アジア選手権に臨んでいるわけだが、同時にこの時期、J各クラブはリーグ戦前の期初キャンプに入っており、選手が代表に取られることはクラブにとって大きな問題になっている。トラックバックいただいた○○さんも投げかけているように、「本当に東アジア選手権は必要なのか?」また、「この時期にやらなければならないのか?」とつくづく思わされるところだ。今回はこの問題について考えてみたい。 まず「この時期にやらなければならないのか?」についてなのだが、この時期でなければ他のどの時期にやればよいのか、ということになる。試みに左の表に簡単に今年の年間スケジュールをまとめてみた。白い○がJ1の試合開催日、赤い○がナビスコカップ、青い○が代表戦、◎がACL、※は天皇杯の開催日を示している。なにぶん、私はこういうことに詳しくないので(Jクラブのサポーターの方の方が、マイクラブの問題とし
「高原問題」が巷を賑わせている。 岡田日本代表が現在臨んでいる東アジア選手権に、高原と浦和が辞退を申し出、「特例」として認められた。対してパンパシフィック選手権に臨むガンバ大阪は、配慮を望んでいたが聞きいれられず、5人を招集されてしまった。これは不公平である、という問題だ。ガンバの佐野泉社長や、横浜FMの桑原監督も、問題視したという報道がされている。 これに対し、缶詰にしんさんが「結局、声が大きい方の意見が通るのか」と「高原問題」について少し。というエントリーで書かれ、サポティスタで「(声の大きい方の意見が通るのは)ある意味、とてもわかりやすいし正しいことでもあると思う」と取り上げられたことで、主にサポティスタのコメント欄で、活発な意見交換が巻き起こったのだ。 缶詰にしんさんは、その後この流れを受けて「浦和を巨人にしちゃダメだ」というエントリーを書かれている。にしんさんの趣旨は、 まとめる
2月6日、南アフリカワールドカップに向けたアジア3次予選の初戦、vsタイ戦(ホーム)が行われ、日本は4-1でみごとに勝利した。予選においては、結果を出すこと、勝ち点を獲得することが最も重要であり、チーム作りの時間が無い中での3点差での勝利は文句なし、100点満点と言えるだろう。 これまで私は、オシム前監督が倒れられた後の、協会の新監督選考経緯、その考え方に対して批判してきた。しかし、就任した以上、これからは岡田監督に対しては、その方針や試合内容、結果などに関して、是々非々で臨んで行きたいと思う。選考経緯に関しては問題が非常に大きいと思えるのだが、岡田監督自身はその責を負う立場にはないからだ。 さて、これまで何度も経験してきたように、「大きな大会の初戦」や、「長い予選の初戦」は非常に難しいものだ。また、2月は選手たちにとってはオフ明けであり、この時期の試合は体力的に難しいものとなる。さらには
11月30日に臨時の技術委員会が開かれ、岡田武史氏をオシム監督の後任として承認したという。私は、前回も書いたように、日本の目指すべきサッカー像を明確にしないままの、このようなPLANなき監督選定には真っ向から反対である。しかし、岡田氏は12月3日の常任理事会で技術委員会から推薦されることになり、このままでは岡田武史新日本代表監督が誕生するのは時間の問題だろう。ただ、現段階(12月2日夜)では岡田氏の側の受諾の意思は、技術委員会からは完全には明確にされておらず、残る望みは岡田氏側からの拒絶の返答しかない。 岡田武史氏は、日本サッカーの将来を考えるなら、この日本代表監督へのオファーを断るべきである。 成立しない三つの選考理由 技術委員会の小野剛委員長は、岡田氏を選んだ理由を三つ述べている。 (1)オシム監督が築いてきた土台の上に新しい色、個性を積み上げられる (2)強烈なリーダーシップ、求心力
初戦は2月6日、ホームにタイを迎えます。そのための合宿は1月中旬には始まるでしょうし、予選のための準備試合が、1月26、30に予定されています。そう考えると、オシム監督が回復したとしても(もちろん絶対に回復すると信じていますが)、ストレスの大きい代表監督としてそのまま始動できるとは考えにくい現状、考えるのもつらいことですが、その後任選びは、ある程度急がなくてはならない、ということになります。 危険な「路線継承」 しかし、後任人事を急ぐあまり「予選も迫っているので手近な監督で」というのは間違いだと思います。現在、岡田武史氏に打診をしていることが報道されていますが、その報道の中に「オシム路線継承」という文字が躍っているのが、私は気になります。 岡田氏とオシム監督は、サッカー観も違うでしょうし、Jリーグで実現してきたサッカー像も違います。いや、サッカー観が近いと考えられる、オシム監督の弟子たちが
川崎フロンターレのメンバー入れ替えに端を発した「ベストメンバー規定」に関する議論ですが、こうやって世間の関心が高まっているところに、まさにジャストミートするような問題が発生しました。 天皇杯より昇格?J2“4強”敗退(スポニチ) J2のリーグ戦で上位に位置し、昇格を争っている4チーム(東京V、札幌、仙台、京都)が、そろって天皇杯に大幅にメンバーを変えて臨み、JFLのチームや大学勢相手に敗退したのです。川崎は8人の入れ替えでしたが、この4チームは10~11人を入れ替えて戦っています。言うまでもなく彼らがこのようにしたのは、J2のリーグ戦を天皇杯よりも重視し、何よりも昇格にすべてをかけるためです。 これは、サッカー的には当然のこと、と私は思います。クラブは年間にいくつもの大会を戦いますが、その中でどれにプライオリティを置き、どれを(言葉は悪いですが)「軽視」するかは、そのクラブが自分の権限と責
カズが、川崎フロンターレに対する犬飼チェアマンの発言で始まった騒動に関して、コメントを出しています。 カズ: 選手は全員がレギュラーで、試合でどの選手を使うかは監督が決めること。いろいろな事情があって8人入れ替わっても、スポンサーやサポーターに失礼になるとは思わない。 さすがカズですね。またJリーグ選手協会のゴン中山名誉会長とも連絡を取って、選手総会で取り上げようと話したようです。これによってより突っ込んだ議論、見直しの機運が高まることを期待したいと思います。 スポンサーのために権威を守る さて、カズのコメントにもありますように、ベストメンバー規定を大本から考えるに当たっては、Jリーグのスポンサーの問題についても、実は避けては通れないところだと思います。 私も詳しくはないのですが、Jリーグには、Jリーグのスポンサードをしてくださっている企業がいます。Jリーグ公式サイトの下の方にバナーが出て
物議をかもした川崎の「チャーター機~8人入れ替え事件」ですが、Jリーグの鬼武チェアマンが「今回はやむをえなかった」としたことで一応の収束を見そうです。チェアマンは川崎の武田社長をJFAハウスに呼び出して事情聴取をした上で、「クラブとしてベストの判断をしたと聞いた。今後はお互いがコミュニケーションを図ってやりたい」というコメントを出しました。 しかし、これでは「川崎側にもコミュニケーションの上で落ち度があった」と言っているように聞こえます。これはおかしい。川崎側はそもそもルールを守っている上に、Jリーグに確認もとっています。したがって不足していたのは「社団法人日本プロサッカーリーグの中でのコミュニケーション」であって、それを指導、監督する責任者はもちろん鬼武チェアマンその人です。鬼武チェアマンはまずは自らの指導不足を恥じ、誤解に基づいて自分の部下(犬飼専務理事)が怒鳴りつけ騒動に巻き込んだ川
韓国代表と120分間戦って引き分け。PK戦で日本は4位となり、日本代表にとってのアジアカップは終わった。酷暑、ハードスケジュールの中、戦い抜いた選手たち、支えたスタッフ、監督、本当にお疲れさまでした。また、戦火の中から雄雄しく復興し、素晴らしいサッカーを見せ、優勝したイラク代表の皆さん、本当におめでとうございます。 アジアカップが1年前倒しになり、かつ直前までJリーグがあり、準備のための親善試合がゼロという条件の中、日本サッカー協会は今大会のオシム監督に「ノルマ」は設けない、というきわめて当たり前の判断をしている。私も私的「ノルマ」はなし、「できれば」ベスト4まで行って欲しい、と思っていたので、ちょうどそれは達成されたことになる。特にベスト4まで到達したことで、3位決定戦まで含めて6試合を戦えたわけで、それもオーストラリア、サウジ、韓国という強国と次々と当たれたのは、強化の「実」という意味
私はオシム監督のことを現時点では支持しているし、その方針や手腕にも信頼を置いている。また、きわめて聡明な人物であるとも思っている。しかし、そういうオシム監督でも間違えることはある。100%常に正しい人というのは存在しない。私がオシム監督に絶対に賛成できない点について、今回は一つ反論しておきたいと思う。 具体的には、オシムの次の談話に関してである。 Q:昨年のワールドカップでのオーストラリア戦は衝撃的な負け方だったが、そのショックが今回の試合にどう影響するのか? (オシム監督)「1年もの長い間、ショックが続いているということの方がショックですね。そういうショックを乗り越えて生き残ってください。 その時のショックは、ショックとして感じた方がご自分自身に責任があると思った方がいい。対戦相手の情報をきちんと入手していなかったということだから。昨年も今日も情報の種類は変わりない。どんな選手がどんなク
UAE戦は、コロンビア戦でも見え始めていた「ベース+アルファ」のチーム作りが、軌道に乗りはじめ、一つの形を見せた試合だったと思う。 オシムサッカーの「ベース」は、攻撃に関しては以下のようなものだと思われる。 これらについては、昨年のホームでのサウジ戦において、国内組だけの中でならほぼ理解ができつつある状態だった。私は「難解」といわれるビブス練習を鑑みても、もっと時間がかかると思っていたので、代表レベルの選手の習得力にそのときやや驚いたものだった。 今年になって、ペルー戦、モンテネグロ戦、コロンビア戦と、いわゆる海外組が、特に中村俊輔、高原の両名が起用され、チームに組み込まれ始めた。オシム監督はこの数試合で、「ベース」の上に海外組の高い「個」の能力を融合する、「ベース+アルファ」こそがこれからのオシム日本の路線となるということを、はっきりと示し始めたのだと私は思う。 ペルー戦はまだ顔合わせ程
そろそろアジアカップも近づいて来て、だんだん世間もオシム日本への注目を増してきているようだが、日本サッカー協会専務理事の田嶋氏は、アジアカップに臨むオシム日本へのノルマに関する質問に対して、 田嶋 前回(2004年大会)も今回も(ノルマを)決めたことは一切ございません。 このように答えたそうだ。私はこれはまったく正しい態度だと思う。アジアカップも間近に近づいていることだし、私がそのように考える理由をいくつか述べておきたい。 4年間の航路を見据えて まず第一に、私が現状の日本代表は4年計画で強化していくべきだ、と考えていることがその理由としてあげられる。 ご存知の通り、日本代表はドイツW杯で一つの区切りを迎えた。ナイジェリアワールドユース準優勝→シドニー五輪ベスト8→2002年W杯ベスト16と経験してきた選手たちは、2010年を睨むと今後も中心としていくわけには行かなくなる。もちろん、前ジー
みなさまお久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。 更新に大変間が空いてしまい申し訳ありません。最近めっきり更新しなくなっていたのは、公私にわたるバタバタが主たる原因ですが、実はその他にもいくつかの理由があります。 1)SoccerCastのほうで喋ってしまって、代表やサッカーに関するアウトプット欲がある程度消化できてしまうこと。 2)オシム監督が試合後の会見で、私の言いたい事をほとんど言ってしまっていること。 3)オシム日本の航路が、私から見るとほとんど問題がなく、その通り進んでくれればいいと思えること。 などなどがその理由になるでしょうか。 1)はまあ個人的事情なので置いておいて(笑)、お分かりの通り、2と3は密接に関係しています。私が日本代表にとって正しいと思うことと、オシム監督が実際にしようとしていることがほとんど乖離がないのです。 タイトルにつけた「粛々と」というのは、「大騒ぎせ
反町五輪代表、アジア2次予選 初戦香港戦(ホーム) 3-0 重要な五輪予選の初戦、3点取っての勝利は文句なしの結果だが、反町監督本人をはじめ「文句なし」と思えている人はあまり多くないだろう。なぜこのようなフラストレーションがたまるのだろうか。 布陣はやはり3-4-3、USA戦から比べるとボランチの青山が復帰、本田拓に代わって入っているだけで他は変化なしの配置。 --李--平山--カレン- ------------- 本田圭-青山-梶山--水野 ------------- --水本-伊野波-青山-- ------------- -----松井------ 前半、香港のラインが高いので、どうしても裏を狙った長めのボールを蹴ってしまう&前線の選手もそれを要求してしまうのだが、、そうするとうまくやらないと攻撃が単発になる。序盤の2発の平山のチャンス以外は、あまりいい組み立てができていなかった。 た
オシム日本の2007年初合宿の代表候補選手が発表された。すでに各所で話題になっている通り、今までと違う、非常にユニークな部分もある選考で、「オシム監督もまったく『守り』に入らないな」と、私などにはうれしくなる選考だった。しかし同時に、そのユニークさからか、すでに批判も出ているようだ。 日本代表は日本のサッカーファン全体の関心事であり、常に見守られ、場合によっては是々非々で批判されるのは当然でもある。しかし、その批判があまりに性急であったり、的外れであったりすると、日本代表の強化にとってあまりよろしくないこととなるだろう。現在いくつかのBLOGなどで出ている、選手選考に関するオシム批判は正当なものなのだろうか?今回はそこを少し見てみたいと思う。 コンセプトを理解した選手たち まず第一に、私は「選手選考は代表監督の専権事項である」と思っている。私好みの選手や、私が使うべきだと思っている選手が選
Number誌671号「日本サッカー2007年の設計図」のなかに、杉山茂樹氏がオシム監督にインタビューをしている記事があります。題して「あえて率直に言わせてもらう」。杉山茂樹氏といえば、例の4−2−3−1を絶賛し、フォーメーションを過剰に重視するライターさんですね。「問題は3か4かではない」というオシム監督とは相性が悪いだろうと思っていたのですが、この記事ではオシム監督と何かが上手くかみ合っているようで、なかなか興味深い記事になっているのが驚きでした。 この中でオシム監督は実に多岐にわたることを語っていますが、核心とも言える「中村俊輔選手について」も、言葉を尽くしています。一読すると、オシム日本代表に中村選手を呼んだ場合の問題点を列記してあるように取れるため、一部では「オシムは中村起用に消極的なのではないか」という推測が出はじめているようです。しかし、これは正しくない読み方だと私は思います
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ketto-see.txt-nifty.com』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く