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円安とは
konbudoi4th.hatenablog.com
加工食品には、賞味期限や内容量、栄養成分など、表示すべきものが食品表示法によって定められています。 原材料も、当然表示しなければなりません。 つまり、原材料表示を読めばその食品が何からできているかを把握することができます。 ただ、製品に含まれていながら、表示を免除される場合もあり、時に食品選びの障壁になり得ます。 今回は、その一例「原材料の原材料」について、記します。 大阪では昆布の佃煮が古くから名物とされ、「塩昆布」と呼ばれてきました。 こんぶ土居でも様々な昆布の佃煮製品を製造しています。 昆布佃煮に不可欠な素材は、昆布と醤油です。 通常甘味をつけられる場合が多いので、みりんや砂糖、他の副原料を加えられる場合がほとんどですが、極限までシンプルにするなら昆布と醤油だけでも製造可能です。 こんな製品を想定し、原材料表示がどのように表記されるかを考えます。 昆布は単に昆布ですが、醤油については
昆布や出しの文化が賛美されることがあります。 とても嬉しいことなのですが、実はその中で、嬉しいような悲しいような気持になる言葉があるのです。 時に、私に嘆かわしい気持ちを抱かせる言葉、それは「うまみ」です。 こんぶ土居では、この言葉をできるだけ使わないようにしています。 他に同じ意味を持つ言葉がないので、一切不使用というわけではないのですが、可能な限り避けています。 こんなことを聞いて、不思議に思う方が多いのかもしれません。 そもそも「うまみ」という言葉は、昆布のおいしさの分析の中で生まれてきた言葉ですし、海外でも、国際語「UMAMI」として強く賛美される傾向にあるのですから。 私がこう考える理由は、ただひとつ。 昆布の味とうま味調味料が、混同して考えられてしまうからです。 そもそも「うまみ」という言葉の歴史は、1907年に池田菊苗氏によって昆布の成分からグルタミン酸が分離されたことから始
「あまり健康に良くないもの」とのイメージを持っておられる方も多い、味の素を代表格とする「化学調味料」。 グルタミン酸ナトリウムを主成分とする、うまみ調味料の一種です。 本日の投稿は、化学調味料が健康に悪いのかどうか。 また、悪いとするならば、どのような仕組みによるものかを考える試みです。 【本日の投稿の自己評価】 読みやすさ(★☆☆☆☆)、意義(★★★★★)、楽しさ(★☆☆☆☆) 以下の①~⑤の項目に分けて書いてみたいと思います。 ①直接的な悪影響 ②栄養摂取の機会を奪う ③たんぱく質摂取に関する懸念 ④味覚の麻痺 ⑤食文化の衰退と健康の関係 ①は「恐らく大丈夫、問題ないでしょう」と言う内容ですが、②~⑤は、やはり健康への悪影響を含んでいることをご説明するものです。 ではまず、 ①直接的な影響 結論としては、WHO等の世界の保健機関は、グルタミン酸ナトリウムの安全性に問題が無いとしています
私は、昆布や食に関する正しい情報をお届けしたいと考えて、このブログを書いています。 わざわざ太字で正しい情報と書いたのは、世にウソ情報が溢れているからです。 情報の真偽を見分けるためには基礎知識が必要な場合が多いわけですが、例えば昆布について、一般の方が基礎知識を持っておられることは少ないでしょう。 それゆえに、「誤情報を誤情報だと判断できず信じてしまう」ということは、普通に起こり得ます。 これは非常に残念なことで、なんとかならないものかと頭を悩ませます。 本日のブログを書くきっかけになったのは、こんぶ土居も昔からお世話になっている東京の鰹節問屋「タイコウ」さんからのお問い合わせでした。 この↓サイトに載っている昆布の情報が正しいのかどうか、ということです。 inyoumarket.com 後半で説明しますが、結論から申しますと「ウソ情報、多し」ということになってしまいます。 このサイトを
私共は、創業以来120年、大阪の地で昆布屋を続けてきました。 「昆布屋」ですので、私は大阪伝統の昆布文化を守り育てるべき役割に居るわけです。 しかし、残念ながら昆布文化は衰退の一途です。 その衰退の一因だと言えると思いますが、「うまみ」の観点から昆布の代替品として存在感を増し続ける「うまみ調味料」を、私は好ましく捉えておりません。 しかし一般の消費者が、うまみ調味料を使おうが避けようが、それは当然個人の自由です。 タイトルに書きました「どちらを選ぶも自由ですが、健康と食文化を守る意志のあるやなしやを問われていることは自明の理」とは、正統派料理雑誌「四季の味」(現在は休刊中)の編集長であった八巻元子さんの言葉です。 私共の製品「十倍出し」と、うまみ調味料入りの「一般的なだしの素」の比較について、このように表現して下さいました。 実はこの言葉、私の中で何度も頭を巡ります。 全てを集約したような
専門店へ行ってもスーパーへ行っても、様々な品種の昆布が並べられています。 外見から昆布の良し悪しを見分けることは、一般の方には非常に難しいものですが、形状の違いについて疑問を感じる方があるかも知れません。 大まかに言えば2種類でしょうか。 それは、「平らな昆布」と「平らになっていない昆布」です。 ( ↑ 平らに伸びた昆布の例) 両者、昆布の品質に直接的な意味合いはありません。 『シワを伸ばしたから美味しくなる』というようなことはありません。 ただ、ご理解いただきたい情報もありまして、本日は「昆布を平たく伸ばす」意味についての投稿です。 【昆布の仕立ての基礎知識】 昆布は、水揚げ後、乾燥さえしてしまえば立派な食品として通用しますが、商品として流通する以上、決められた規格に則って「仕立て」られます。 その「仕立て」の方法は、たくさん存在し、しわを伸ばしたり伸ばさなかったり、産出地域によっても、
(前回投稿の続きです。まずは、こちら↓からご一読ください) konbudoi4th.hatenablog.com 自分で申し上げるのも何ですが、本日の投稿内容は、鰹節を楽に削ることについての「コロンブスの卵」で、なかなか画期的ではないかと自負しています。 (道具の改造を伴います。メーカー非推奨だと思うので、自己責任でお試し下さい。) 昔から、家庭で鰹節を削るのなら、こういった伝統的な鰹節削り器を使うものでした。 しかし、これは少しハードルが高いのです。 削ること自体にも技術がいりますし、何より道具のメンテナンスを適切にする必要があります。 そんなハードルを下げてくれる製品が、愛工業という会社が販売している手動の鰹節削り器「オカカ」です。 ハンドルを回して削ります。 まずは、この道具の使い方を公式YouTube動画でご覧ください。 www.youtube.com この製品は非常に便利で、私も
環境問題が深刻化する中で、新たな取り組みをされる方々が増えているようです。 私共は昆布屋ですので、海に関わる仕事で、海洋マイクロプラスチックの話も最近よく耳にするようになりましたから関心事のひとつです。 一方、自社の製品を考えてみますと、たいていはプラスチックの袋の入っているわけです。 こういった状況で、なんとか少しでも「脱プラスチック」を進めていくべきだと考え、方法を模索しております。 タイトルにも書きました「ゼロウェイスト」という言葉。 直訳すれば「ムダなし」になるかと思いますが、できるだけ環境負荷をかけずに、包材などを省いていく取り組みに使われることも多い言葉です。 食品の販売形態で言えば「量り売り」が、それに近いかと思います。 そんな「量り売りの食料品店」が各地でちらほら現れてきていますので、私共も非常に参考になります。 中でも、「斗々屋」というお店のお取組みは、先進的で非常に面白
前回の投稿で、昆布の熟成の年数の長さを、付加価値として謳うことの問題点について書きました。 だしの世界では昆布の相棒である鰹節にも、似た構造が存在しますので、本日は、そんな内容です。 鰹節の製造工程は、簡単に申し上げれば ①生の魚をさばいて ②お湯で煮て ③煙でいぶして乾燥させて 以上①~③で出来上がりです。 この段階では「荒節」と呼ばれる鰹節ですが、その後「かびつけ」の工程が加わると「枯節」と名前が変わります。 この工程で、カビの作用で更に水分を抜き、香りも良くなるので、枯節は高級品だと言えます。 作業としては、カビの水溶液を鰹節に噴霧し、増殖に適した「むろ」に入れるのですが、それによって鰹節の表面はビッシリとカビで覆われます(「自然カビ」と呼ばれるカビ水溶液の噴霧をしないものもあるにはあるようですが、非常にまれです)。 その後、数日かけて日干して一番カビを落とした後、再びむろに入れて二
「天日乾燥」。 この言葉には、強い魅力がありますね。 乾物には乾燥の工程があるわけですが、昔の時代は機械乾燥など無いので、必然的に天日乾燥だったでしょう。 時代が進み、徐々に機械化されていったのは、昆布に関しても全く同じです。 本日は、昆布の乾燥について、天日と機械がどのように違うのか書きたいと思います。 切り口は主に4点です。 ①乾燥状態の良し悪し、②昆布漁に及ぼす影響、③浜の現実、④環境面、 以上①~④に分けてご説明致します。 (以下のご説明は、道南の真昆布産地である南茅部地区での仕事をベースにしています。他地域では一部に異なる固有の要素があります。) まず「①乾燥状態の良し悪し」 品質のために天日乾燥が良いと考えられる場合、機械乾燥と違う点は、やはり温度だと思います。 食品によっては高温で乾燥させた方が良いものもあるのかも知れませんが、昆布については、やはり天日乾燥のような低温乾燥が
鰻を食べる風習のある「丑の日」で知られる夏の土用。 ちょうど今の時期7月20日頃のことですが、道南の天然真昆布漁が始まるのは昔からこの時期でした。 昆布漁の最盛期には浜が活気づき、特別な空気に包まれます。 私も平成16年から毎年、使用する最高級真昆布の産地である川汲浜を訪れ、漁師さんのお手伝いをしたりしてきました。 今年は、あいにくコロナウイルスの感染症もあって出張するわけにもいかず、大阪で普段通り過ごしています。 そして今年、史上初の事態が起きてしまいました。 川汲浜では、今年の天然真昆布漁はありません。 昆布がほとんど生えていないのです。 このブログでも幾度となく書いてきましたが、平成26年を最後の豊作年として、それ以後、道南の天然真昆布は不作が続いています。 その復活のために活動してきましたが、短い期間で成果が出るような生易しい事でないのを、やればやるほど感じて、歯がゆいものです。
前回の投稿で、私共でずっと使用してきた川汲浜の天然真昆布が、不作によって2021年の漁が無いことを書きました。 昆布屋としての営業に、大きな影を落とす出来事です。 誤解があってはいけませんので改めて書いておきますと、北海道の他の地域では、天然昆布が引き続き採れている場所もあります。 また、前述の川汲でも養殖真昆布の生産は比較的安定しています。 この構図をどう見るかがとても大事なポイントになるかと思いますので、今日の投稿は、それについてのお話です。 お人によっては、「天然真昆布にこだわらなくても、養殖の真昆布でもいいじゃないか」とお考えになるかも知れません。 狭い見方をすればその通りですが、もう少し深い理解がされることを期待します。 品質面で申し上げれば、天然真昆布と養殖真昆布の味が違うのは言うまでもありません。 しかし、むしろ本当に大切なことは、そんな話ではないのです。 環境が大きく変わり
例えば加工食品のパッケージに、 『こだわりの厳選素材を使って』とか、 『丁寧に心を込めて作っています』とか、 『先祖伝来の秘伝の製法で』とか、 こんな表現を目にしたとすれば、多くの方はどのようにお感じになるのでしょうか。 加工食品を製造するメーカーはどこの会社でも、自社製品を良く見せたいものです。 そのため、前述のような美辞麗句を並べたてがちです。 しかし多くの場合、その表現が具体的に何を意味したものなのか曖昧です。 例えば、「こだわり」「丁寧に心を込めて」「秘伝の製法」といった言葉なら、たいていの製品に関してこじつけて言ってしまえるはずです。 こんな表現は、言わば「書き放題」です(一部、表現方法の規制は存在しますが、抜け道はいくらでもあるものです)。 私個人的には、そんな表現を見れば「やれやれ」と思ってしまうのですが、多くのメーカーがそんなアピールを続けるところを見ると、効果があるという
(今回の投稿から、3回ぐらいに分けて、昆布だしの味に関係する話を書きます) 味を表現する際に「キレが良い」などと言うことがあります。 そもそも「キレ」とは何でしょうか。 明確に定義することは難しいですが、「どれだけ後味が尾を引くか」を指し、つまり味が後を引かずスッと消えるようであれば「キレがある」と表現されるようです。 実は、だしの世界でも「キレ」という言葉が使われることがあります。 しかし後味の持続も、その性質によって良し悪しが変わってくるでしょう。 あまり好ましくない味であるなら、すぐに消えてくれた方が良いでしょうけれど、逆に良い後味であるなら、それは「余韻」として味わっていたいものですね。 「キレ」という言葉が最もよく使われる場面は、お酒の世界です。 「ビール」「日本酒」「ワイン」、この三つの酒について、「味のキレ」の観点から考えてみたいと思います。 【ビールの場合】 まず、ビールの
前回の投稿で、臆面もなく「こんぶ土居の昆布粉は品質が素晴らしい」などと自画自賛しておりましたが、「味覚の面で品質が高い」と、何を以て言うのでしょうか。 これは、実は難しいところです。 そう感じさせる事例に、先日遭遇しました。 こんぶ土居は「良い食品づくりの会」という、食品生産者の研修の集まりの会員です。 http://yoisyoku.org/ この会で共に学ぶ会員さんはたくさんおられますが、鰹節屋さんの会員もあります。 私共のネットショップでも小売り用の鰹節を販売しておりますが、その作り手である東京の「タイコウ」さんです。 良い食品づくりの会には「認定品」というシステムがあり、他の会員によって、ある生産者会員の製品が認定品にふさわしいか審査されます。 先日、この認定審査にタイコウさんの新製品が出品されました。 「いつものだし粉」という製品です。 製品としては非常にシンプルで、鰹節と煮干し
こんぶ土居製品で、お酢を使うものがあります。 例えば、とろろ昆布や、おやつ昆布などです。 こんぶ土居ウェブサイトには、使用する原材料についての考え方をまとめたページがあり、「酢」については、以下のように記しました。 【米酢】 酢は、酒のアルコール分が発酵により酢酸に変化したものですから、考え方は基本的には酒と同じです。伝統的な酢づくりは静置発酵と呼ばれ、仕込み桶の上面のみで酢酸発酵が進みます。これに対し、好気性菌である酢酸菌を活発にするため、強制的に空気を吹き込んで短期間で醸造するものもありますが、時間をかけて醸すものの良さは出ないように思います。自然な甘さを加えるために甘酒が使用されることもあります。酒粕を使用したものも、その質がよければよいのですが、酒粕の品質もさまざまですので注意が必要です。増量のために醸造用アルコールを使用したものは本来の酢とはいえません。 端的に表現しますと、「静
前回と前々回の投稿で、こんぶ土居と磨光小学校、南茅部高校との交流について書きました。 交流した子供さん達の中には、嬉しいことに実際に昆布漁師になった人もいます。 その中でも、将来の南茅部のリーダーになってくれることを期待した人がいます。 タイトルの川端翼君は、そんな一人でした。 川端家は、お兄さんと翼君が若い漁師として頑張って、なんとも良い雰囲気のご家族です。 磨光小学校の一日授業では、後日、児童の皆さんが感想文を書いて送って下さることもあります。 川端君も小学5年生当時に、作文を書いてくれました。 それは、一昨年HBC北海道放送で制作され、全国で放送された90分の昆布番組「ニッポン千年のだし」で紹介されました。 川端君に関係する部分を抜粋した動画をご覧いただけます。 www.youtube.com 動画にあるように、川端君は私共の話を本当に真面目に受け止めてくれて、良い漁師になるよう頑張
白口浜天然真昆布の産地である、北海道函館市の旧南茅部町には、地元の子供たちが通う小学校があります。 磨光小学校です。 こんぶ土居では、三代目の時代から生産者の方々との信頼関係の構築に努めてきました。 また同時に、次代を担う若者や子供たちにお伝えすべきこともあり、磨光小学校にて五年生を対象に一日授業を平成11年から毎年続けてきました。 白口浜天然真昆布は、「献上昆布」の別名が示す通り、江戸時代から最高級の昆布だと知られてきましたが、実は地元での消費は非常に少ないのです。 大部分は昆布文化の特に発達した大阪へ運ばれ、全国的な流通もなかったことから、地元では郷土の産物の価値が正しく理解されていません。 そんな中で、児童の父兄や地域の方々が担う昆布産業の価値を正しく知ってもらうために始めた取り組みです。 平成11年から始めましたので、もう21年間続けたことになります。 何でもそうですが、継続には大
人間は、食べ物に美味しさを感じます。 美味しいと感じること、その感覚の役割は食べることの動機付けだと思います。 食べることは、生きる上での最も大切な行為ですから、それに対して強い欲求がないのであれば、生存そのものの危機です。 つまり基本的には、人間は摂取すべきものを口に入れたとき、喜ばしい感覚として美味しさを感じるようにできているはずです。 それを感じているのは舌と鼻、「味覚」と「嗅覚」ですね。 このあたりが他の感覚器と少し違うところです。 例えば、音を感じる「耳」。 人間が不快だと感じる音声があったとしても、その音波自体が人体に有害なものであるということではないでしょう。 目で見るものも同様で、人を視覚的に喜ばせるものがあったとしても、そこから目に伝わる光線の刺激自体が、人体に有益なものだとは言えないと思います。 これらは物質的なものが関係しない、感覚だけの問題です。 栄養成分として人間
「梅雨が明ける」。 これは昆布屋にとって、大きな意味を持っています。 昔から大阪では、どこの昆布屋でも「昆布は梅雨を越えてから」と言ったようです。 これは、昆布の熟成による味の向上についての話です。 漁期である7月~8月に北海道で水揚げされた昆布が、ちょうど一年ほど経過したタイミングで、より美味しくなっていることを表現したものです。 熟成により味がよくなる仕組みについては、よく分かりません。 たくさんの人が研究したようですが、これといった結論は見当たらないようです。 ただ、本当に熟成によって昆布の味は大きく変わるのです。 私が熟成の効果を明確に感じたのは、初めて昆布漁の手伝いに浜を訪問した平成16年です。 この年のことは、前回の投稿に書いています。 https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/06/27/092818 昆布漁に参加し、海から上
前回の投稿では、一般的なだしパック製品について書きました。 本日は、こんぶ土居の製品のだしパック「日本の出し」につきまして。 販売開始時(2012年)に、開発の経緯を書いた文章がありますので、以下に転載致します。 「日本の出し」は、古来より最高品位に格付けされた白口浜天然真昆布と優良生産者の鹿児島産鰹枯節のみを原料にした、日本初のセパレートタイプのだしパックです。 元々は、フランスへの輸出向けに開発した製品ですが、この度国内販売もさせていただくことになりました。国内販売に際し、開発の動機から製品化までのストーリーを、少しご紹介させていただきたいと思います。 ●フランス人シェフの昆布の評価 かつてホテルニューオータニ大阪のフレンチレストラン「サクラ」で料理長をされていたドミニク・コルビ氏は、日本の食文化にも非常に理解の深い方で、以前から親しくさせていただいていました。 「サクラ」では、フラン
だしパックの製品が人気のようです。 ここ数年、本当にたくさんのメーカーが作るようになりました。 ご存じのように「だしパック」とは、昆布や鰹節、煮干しや干椎茸等のだし素材を紙や不織布に詰めたものですね。 計量や濾す手間がないので便利です。 昔は、このような本来のだしパックが多かったのですが、最近、少し変わったものが作られるようになっています。 例として、日本最大のかつお削り節メーカー「Y社」の製品を二つ取り上げます。 白いパッケージの方は「鰹節屋のだしパック」 もうひとつは「鰹節屋の割烹だしパック」という製品です。 「割烹」というネーミングから、何となく後者の方が高級なイメージですね。 パッケージも金色に輝いています。 さて、それぞれの原材料を見てみましょう 前者の原材料は「かつおぶし、そうだかつおぶし、こんぶ」のみです。 つまりこれは、昔ながらの本物のだしパックだと思います。 対して、後者
前回に引き続き、「だしがらは素晴らしい」がテーマです。 こんぶ土居に「本格十倍出し」という製品があります。 昆布と鰹節の濃縮液体だしです。 この製品を作る際、当然だしがらが出るわけです。 そのだしがらを利用して製造しているのが「しっとりふりかけ」です。 写真の裏ラベルの説明文に「十倍出しの副産物を利用した ~ 」と書いているのは、その趣旨です。 「しっとりふりかけ」は、作っている側が申し上げるのは馬鹿みたいですが、こんなに素晴らしい製品はなかなか無いと思います。 ミネラル豊富、高タンパク低脂質、理想的な健康食品です。 当然製造に際しては、一切の食品添加物やうまみ調味料を含みません。 70gたっぷり入って、税込み価格250円です。 しかも、こんぶ土居店頭でお求めいただいた場合は、ひとつずつ無料のギフト包装まで承っています。 おかげ様で大好評、こんぶ土居の大人気商品ですが、もっと人気になってい
昆布屋は季節感に乏しい仕事ですが、少しだけ季節商品も製造しています。 春には竹の子、秋には柚子、そしてこの季節は青梅入りの昆布の佃煮を製造しています。 甘酸っぱい味ですので、他の佃煮製品とはかなり印象が変わりますが、梅雨時のじめじめした感じに、少し清涼感をもたらしてくれるような味かと思います。 原料となる梅は、和歌山県で素晴らしい梅干し製品等を製造されている三幸農園さんに分けていただいています。 今年は、青梅が大不作だそうです。 梅酒メーカーなどが、血眼になって原料集めをしているようです。 そんな中、三幸農園さんが私共のために原料をご用意いただけることは、非常にありがたいことです。 天然真昆布も連年の不作、梅まで不作。 たいへんです。 昆布の不作の事は、私共にとって本当に大切なテーマですので、改めて詳しく書く日を設けます。 今年の青梅入り昆布は6月19日の販売開始を予定しています。 次回は
6月13日の、とろろ昆布①では、機械で削るとろろ昆布のことをご説明しました。 本日は、手作業で削るとろろ昆布のお話です。 古い時代に機械削りはないので、その頃のとろろは、全て手作業だったはずです。 その手作業自体は、13日に紹介したYouTube動画の「おぼろ昆布」の製造方法とほとんど変わりません。 酢で柔らかくした昆布を一枚ずつ専用の刃物で削っていくわけです。 大きな違いは、その刃物の先端です。 まず、「おぼろ昆布」と「とろろ昆布」の違いは何でしょうか。 それは、単に形状の違いです。 前者は「帯状」で、後者は「糸状」と言えば良いでしょうか。 http://www.konbudoi.info/main/shohin_tororo.html 機械で削るとろろ昆布は、昆布の表面ではなく断面を削るから、自然と糸状になるわけです。 では、手加工の「とろろ昆布」を作るには、どうすれば良いでしょうか。
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