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ノーベル賞
leo.aichi-u.ac.jp/~goken
― 69 ― 論 文 ヴィンケルマンが目指したもの ―『ギリシア美術模倣論』 1 について― 島 田 了 「創造とは[…]無からの創作,発明ではなく,素材に精神の火を点火することだ。」 (トーマス・マン『クライストのアンフィトリュオン』)2 要 旨 ヴィンケルマンが1755年に発表した『ギリシア美術模倣論』は小著か つ小部数にもかかわらずヨーロッパ中に大きな反響を巻き起こした。彼 はこの論文において,当時宮廷を中心に西欧で流行していたバロック・ ロココ様式による美術の趣味をしりぞけ,「古代人の模倣」や「高貴な単 純と静かな偉大さ」というキーワードをかかげて,ギリシア美術を最高 の価値基準として提示し,後の美学・芸術思想に大きな影響を与えた。 しかしそれは同時にそれまでのイタリア・フランスが圧倒的な優位を誇 る美術の伝統を見直すことにより,その文化支配からドイツ文化を解放 する意図
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