サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
lohasmedical.jp
患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年11月号です。
2012年12月27日14時20分~(厚生労働省9階) [田村憲久・厚生労働相] このたび厚生労働大臣を拝命いたしました田村憲久でございます。よろしくお願いいたします。 今まで、約17年ですかね、国会議員をさせていただきまして、国対から厚生労働行政に携わってきたわけでありますけれども、10年前に一度、厚生労働大臣政務官を仰せつかっておりまして、それ以来、役所に帰ってまいりました。 特にですね、この3年3ヶ月、野党という立場から厚生労働行政、その中では非常に厳しく追及したところもあるわけでありますけれども、今まで与党であったのが野党という立場で、この役所を拝見させていただくのは非常にいい経験になったというふうに思いますし、その時の経験を生かしてですね、しっかりと大臣の任を務めてまいりたいと思っております。 総理からいろいろと指示を頂いたんですけれども、やはり経済の再生ということ、これは非常に
第4回の「大西睦子の論文ピックアップ」。今回は、食生活が豊かになった日本人には珍しく不足しているカルシウムの大事な補給源、「牛乳」の、ちょっと心配な話です。 皆さんは、どこかで「牛乳は飲まないほうがいい」なんていう噂を耳にしたことはありませんか? その科学的議論をご紹介します。 ところが近年、牛乳の安全性にギモンを呈した意見がぽつぽつ見られるようになりました。大きく取り上げられないのは、対する相手=企業?組織?が強大なためでしょうか・・・などという邪推はさておき、いずれにしても、これまでの意見はもしかしたら科学的根拠に乏しかったということなのかもしれません。ちなみに牛乳の生産・流通管理面について言えば、冷蔵技術も発達した今日、衛生上の問題はまったくありません。では何がひっかかるのか? さっそくその問題をまとめた論文を、大西医師に解説してもらいましょう。 【 牛乳とがん 】 今回の話題は、『
第一次提言は2010年2月、わずか5回目の部会で出されています。というのも当時は新型インフルエンザの発生で日本中がいまだパニックの渦中にあった頃。予防接種部会はもともと新型インフル対策について話し合うために設置されたものだったのですね。そしてその後は予防接種制度全体の見直しに向けて、さらに2年にわたって開催されてきました。具体的には、予防接種法改正によって現状より多くのワクチンを定期接種へ組み込むことが重要な要素とされ、第二次提言に盛り込むべく議論が続けられてきました。しかし今回は正直、傍聴していて、「なんのための予防接種部会なのか」と改めて問いたくなるような展開でした。 とりあえず今回の部会で、良くも悪くも興味深かったシーンを挙げてみます。 ●開始後まもなく、「予防接種制度の見直しについて」と題された第二次提言の内容の確認が行われたが、「予防接種法の対象となる疾病・ワクチンの追加」に関す
私は医療記者です。 記者と名乗ると、一般的なライターと混同されることが多いため、多くの人に伝わるようにと医療ジャーナリストと名乗ることが最近は多いですが、やはり私は記者だと思っています。 私が記者を志したのは、親友の死がきっかけでした。 美しかった彼女は、20歳で自らの命を絶ったのです。 バイト先で知り合った彼女は、同年代の誰とも違う雰囲気を纏っていて、最初はとても近づきがたかったのを覚えています。 腰まである長い髪の毛は柔らかそうにサラサラと流れ、凛とした表情ははっとさせられるほど気高くて綺麗でした。 同い年だと分かった時には、驚いたものです。 誰をも寄せ付けず、媚びず、同い年の私よりもずっと大人びていて、それでも年齢相応に線は細く、華奢な体つきでした。 あまりに顔の造作が整っていたため、まっすぐに人を見る視線がとても強く、私は彼女と目が合うと何度もそらしてしまいました。 何がきっかけで
3月20日発行の4月号に掲載の記事ですが、文中に出てくる『誤答弁騒動』が本当に『誤答弁』として処理されてしまったようなので、暗澹たる気持ちで先行公開します。 専門家の意見と厚労省案をキーグラフ®比較 予防接種法が、専門家たちの2年以上の議論を経て、改正されようとしています。厚生労働省の法改正案が、専門家たちの議論を正しく反映しているか、大澤幸生・東京大学工学系大学院教授にキーグラフ®解析(*)してもらいました。極めて興味深い差異が見つかりました。 キーグラフ®解析 文章を構成する単語の登場頻度、互いの繋がりの強さや数を計算し、重要な役割を果たしている単語を分類・抽出し、結果をネットワーク図として視覚化することで、文章の力点がどこに置かれているか浮かび上がらせるものです。黒点で示されるのは文中に使われる頻度の高い単語です。赤点で示されるのは、出現頻度は低いものの重要な働きをしている単語です。
最近の報道によると、生活保護受給者は206万人を超えました。戦後の混乱期で過去最多だった1951、1952年度の204万人を初めて上回り、生活保護に関する給付額も今年はおそらく3兆4千億円ぐらいになると予想されています。国の税収の1割弱にも相当する額です。また、最近は不正受給の問題も大きくクローズアップされています。本当に生活保護が必要な方ですら、不正受給だモラルハザードだ、と言われてしまうおそれがあります。 モラルハザードや不正受給は「国民の道徳の問題」という意見もあります。しかし私は、むしろそうさせてしまう国の制度が悪いのだと思っています。 そもそも生活保護制度は戦後の生活困窮者を救うために作られた制度で、生活保護法の中身は制定された1950年以来ほとんど変わっていません。現代にマッチしているはずがないのです。例えば現在生活保護をもらっている方の約45%は65歳以上ですが、当時そんなこ
11月9日に開かれた欧州製薬団体連合会主催のワクチン・メディアセミナー「欧州におけるワクチン政策の現状とリスクコミュニケーション~英国での成功事例を中心に~」、イギリス保健省デービッド・ソールズベリー予防接種部長の講演の後半です。 子宮頸がんを予防するHPVワクチンで有害事象が発生した際の対応について、興味深い報告を聞くことができました。 イギリスではHPVワクチンは18歳以下の全女性に無料で、主に学校で提供されます(学校に通っていない場合はかかりつけ医)。2009年9月、14歳の少女が学校でHVワクチンを接種直後に死亡するという出来事がありました。当時、マスコミはこれについて非常に無責任な書きたて方をしました。ローカルの保険局はまず、イギリス保健省の予防接種部長と国の薬事規制当局に連絡し、さらに死亡の事実、家族・友人に対する哀悼の意、そして緊急かつ徹底した調査を実施する旨の記者声明を発表
ポリオワクチン問題に関する報道がこのごろ相次いでいますが、去る11月9日に開かれた欧州製薬団体連合会の主催するワクチン・メディアセミナー「欧州におけるワクチン政策の現状とリスクコミュニケーション~英国での成功事例を中心に~」に出かけてきた報告がまだでしたので、今回と次回、2回に分けて書いてみたいと思います。 演者はイギリス保健省デービッド・ソールズベリー予防接種部長。英国でのワクチン・プログラムと新規ワクチンの導入時における安全認識の問題、さらに有害事象が起きたときのマスコミへの対応策などは興味深いものがありました。 まず、ソールズベリー氏は、英国でのC型髄膜炎菌症ワクチンの導入事例を紹介。患者の多くが未成年であるため、1999年に未成年者を対象としてワクチン接種を開始したところ、未成年はもちろんのこと接種対象外の成人の感染も減少したそうです。このことから、ワクチン接種による国民全体への効
尊厳死や在宅看取りに関する知識の普及啓発のため、日本尊厳死協会関西支部大会内で開かれた。 ◆「尊厳死」 「尊厳死」について同協会は「不知で末期の患者が本人の意思に従い、生命維持装置による延命治療を断るが、痛みの除去などの十分な緩和ケアを受け、人としての尊厳を保ちつつ、安らかに自然死を遂げること」と定義しており、「死を早める積極的安楽死や自殺幇助を尊厳死とは考えない」としている。 尊厳死に関する各国の動きは、1981年に世界医師会がリスボン宣言で尊厳死を容認し、1992年には日本医師会も容認。オランダには安楽死法(2001年)、フランスには終末期患者の権利法の「レオネッティ法」(2005年)など、各国の考え方や基準による「尊厳死」を認める法律がある。日本では現在、患者が自ら延命治療の中止を望んだ場合であっても医師が治療を差し控えらると罪に問われる可能性がある。これまでにも、家族の了承を得て呼
「大野病院事件」なしに日本の医療問題は語れない。医療費抑制政策、医師・看護師不足、相次ぐ公立病院閉鎖、医療訴訟、へき地医療、医療事故調査組織、患者と医療者の意識格差など、日本の"医療崩壊"に拍車をかけるトリガーとなった出来事だ。 ◆福島県立大野病院事件 2004年12月17日、福島県立大野病院で妊婦が帝王切開手術中に死亡。翌年3月、福島県は事故調査委員会の報告書を公表し、病院長らは「医療ミスだった」と認めて遺族に謝罪した。福島県富岡警察署は06年2月に執刀医だった加藤氏を業務上過失致死と医師法違反の容疑で逮捕。福島地方検察庁は同年3月に加藤氏を起訴、福島地裁で14回に及ぶ公判が行われた。逮捕されている加藤氏の様子がテレビで映し出され、「医者が患者の命を奪った」とするセンセーショナルな報道が医療者と患者の間の溝を深めたとも言われる。この間、医療界からは「患者を助けるために医療を行った医師が逮
まず前回のおさらいとしては、日本では、ワクチンとの「関連が否定できない」被害に対しての「救済」が、予防接種法にもとづく定期接種について適用されるけれども、 ①過去には救済の認定が降りずに裁判となることが多く、それがもとで製薬会社や医療側、国は予防接種に対して消極的になり、予防接種制度の遅れにつながっている ②任意接種に対する被害救済の程度が低いのはおかしいのではないか という問題点がありました。 では、ワクチン先進国の米国はどうなのでしょうか。 調べてみると、米国は、少なくとも過去の苦い経験から、日本の行政とは違うやり方を選んだようです。 ●「新型インフルエンザワクチンで薬害を起こさないために」 MRIC臨時 vol.198 医療ガバナンス学会 (2009年8月19日) 部分的に要約すると、 米国では、1976年に流行したインフルエンザがきっかけで政府主導でワクチン開発・接種を進めましたが
●補償: ワクチンと関連のある被害に対しての支払い ●救済: たとえ実際にはワクチンと関連がなくとも、関連が否定できない被害に対しての支払い 日本では、「救済」が基本となっています。 まず、定期接種に対しては、「予防接種健康被害救済制度」が予防接種法で規定されています。接種した医師や医療機関は、明らかなミス(期限切れのワクチンを接種してしまった、アレルギーの問診が明らかに不十分だった等)がなければ責任を問われることはありません。といっても、費用負担が「国が半分、残りの半分を都道府県と市町村がさらに半分ずつ」と複雑なため、制度を利用しやすいかといえば、そうでもない様子。それでも最近では昔に比べ、国も方向転換して、因果関係にこだわり続けるより救済の方向に向いているといいます。 昔はこの救済の基準が非常に厳しくて救済が認められなかった結果、多くの予防接種裁判が闘われてきました。裁判を起こす時は国
詳しい内容は後日記事としてアップするため詳しくは書きませんが、パネリストはコラムニストの勝谷誠彦氏、参院議員で医師の梅村聡氏、奈良県立医科大准教授で救急医、小児科医の西尾健治氏。ゲストに現在は国立病院機構福島病院産婦人科部長の加藤克彦氏、日本産科婦人科学会副幹事長の澤倫太郎を迎えたシンポでした。 会場には一般の方のほか、産婦人科医を含む医療者、加藤氏に診てもらっていたという妊婦さんも。定員200人の会場はほぼ満席でした。 加藤氏からは約20分間、大野病院事件に関する経緯や思いなどが語られました。「ご遺族の方は私の顔も見たくないだろうし声も聞きたくないだろうと思います」と、一般の方の前に立たれることをためらい続けておられる様子が伺えました。どれほどの思いで今壇上におられるのか、言葉を発しておられるのかと思いを巡らせますが、私などが想像するには余りあります。実際に自分が文字として書いていた大野
2012年度の診療報酬改定に向けて、厚労省は10月5日の中央社会保険医療協議会で、「入院・外来・在宅医療について(総論)」と題する90ページの資料を示した。 担当課長のプレゼンは40分間に及んだ。詳しくは以下の通り。 [森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)] それでは定刻になりましたので、ただ今より第198回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。(中略) 議事に入らせていただきます。はじめに、「医療経済実態調査誤送付に伴うデータ検証報告」を議題といたします。(中略) ▼ 同日の議題、資料はこちら。 他にいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、他に質問等がないようですので、本件につきましてはこの辺りにしたいと思います。事務局(保険局医療課)に対しましては、今後、「医療経済実態調査」が確実に行われるように今まで以上に慎重に取り組んでいただくことを要請いたしまして、検証報告に
中医協の診療側委員5人が9月23日、大阪市内で開かれた医療フォーラムで診療報酬改定について議論し、会場の医師らと意見交換した。厚労省によると中医協委員が揃ってイベントに登壇した例はこれまでないという。会場からは地方の看護師不足を加速させたと言われる7:1入院基本料や入院中の他科受診の問題などのほか、在宅医療や有床診療所、薬剤費の問題など様々な意見が委員にぶつけられた。(熊田梨恵) フォーラムに登壇したのは、京都府医師会の安達秀樹副会長、国立がん研究センターの嘉山孝正理事長、日本医師会の鈴木邦彦常任理事、全日本病院協会の西澤寛俊会長、全国公私病院連盟の邉見公雄副会長。梅村聡参院議員(民主)が各委員に参加を呼びかけて行われたもので、後援会の主催。約300人の医療者らが参加し、予定の2時間半を1時間超過して議論が行われた。診療報酬改定を担当する厚生労働省保健局医療課の姿はなかった。 <梅村議員の
救急医療から見る 病気やけがで、「一刻も早く病院へ!」と思って119番したら救急車が来てくれました。やれ一安心と思ったのに、救急車がいっこうに走り出しません。救急車が自宅前に停車したまま30分以上滞在するようなことも珍しくありません。これで本当に救急車の意味があるのでしょうか?(論説委員 新井裕充) (新聞社版・がん研版のオリジナル記事で、本体には載っておりません) 現場で立ち往生 救急隊員らが現場で何をしているかと言うと、受け入れてくれる病院を探しているのです。あちこちの病院に患者の状態を伝えていますが、断られているようです。受け入れ先の病院が見つかるまでにかなり時間がかかります。いわゆる「たらい回し」とか、「受け入れ拒否」などと報道される状態です。 つい先日も埼玉県で不幸な出来事がありました。午後10時ごろ、さいたま市内で車いすの女性が乗用車にはねられ、救急車が約10分後に現場に到着し
5月13日に開催された文部科学省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」で、東京大学医科学研究所の上昌広特任教授が意見を述べた(出典:同検討会第5回の資料、および議事録)。 【安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)】 それでは、時間でございますので、ただいまから今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会第5回を開催させていただきます。(中略) また、前回の会議がちょうど3月11日に開かれました。それ以来でございますけれども、被災地、被災者の皆様、いかばかりかと思いますけれども、そういう思いを含んで、また続けさせていただければと思います。今日は、鈴木副大臣がご出席でございますが、適宜ご発言もいただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。 今日は、前回に引き続きまして、有識者の方からヒアリングを行わせていただきます。お忙しいところ、長崎県病院企業団企業長の矢野右人先生、岩手
文部科学省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」で、同院の河野陽一病院長が医師不足への対策について意見を述べた(出典:2月18日に開催された同検討会第3回の資料、および議事録)。 【安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)】 ただいまから、今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会、第3回になりますけれども、開催させていただきます。(中略) 今日は、前回に引き続きまして、まず有識者の方からヒアリングを行わせていただきます。(中略) それでは、3番目のヒアリングに移らせていただきます。千葉大学医学部附属病院の河野陽一病院長から、ご意見を伺わせていただきます。やはり20分程度でお願い申し上げます。 【河野陽一氏(千葉大学医学部附属病院長)】 千葉大学附属病院長の河野でございます。このような非常に重要な検討会での発言の機会をいただき、ありがとうございます。 ただいまのお話の中で北海道での
「東大が一番得をするんだろう」「医師の獲得合戦という変な方向になりかねない」─。厚生労働省は医師がたくさんいる大病院に高い報酬を設定する「医師密度」という基準を提案しているが、異論が噴出している。(新井裕充) 自公政権下の「社会保障国民会議」の最終報告(2008年11月4日)で示された医療・介護のシミュレーション、それを引き継いだと言われる現政権の「社会保障・税一体改革成案」でも高度急性期を重点的に評価する方向性が見える。 全国8650病院のうち、急性期病院の代名詞である「DPC対象病院」は約1400施設。厚労省はこれをさらにグループ化して、トップランナーの「医療機関群」を選別する作業を進めている。その要が「病床当たりの医師密度」という基準。 来年4月の診療報酬改定に向け、8月1日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会で厚労省は、「一定の機能や実績の要件を満たす一定以
今回は医療費にかかる消費税というテーマでお話をしたいと思います。そんなこと国はやっとったんか、と驚くような話です。 医療機関は払い損 皆さんが医療機関に行って窓口でお金を払う時に、消費税を上乗せされることはないと思います。明細書を見ても分かります。医療、学校教育、埋葬料、切手販売、助産、介護保険サービスや福祉事業など13事業は、国が消費税を非課税にすると決めているからです。 でも、実は医療を提供する側の医療機関は、医療機器や医薬品、診療に使う道具を買う時、普通に5%の消費税を払っています。消費税というものは、取引に介在した企業が少しずつ分担する形になっています。医療機関は販売会社に、販売会社はメーカーに、メーカーは部品を購入する会社に、部品メーカーは材料を仕入れる会社に、消費税を払っていて、それぞれの企業が国に納める額は、受け取った消費税から支払った消費税を引いた金額になります。 病院の場
シンポジウムの模様は以下の通り。 [近藤龍治氏(株式会社コスモ・ピーアール)] 皆様、本日はお忙しい中、日本医学ジャーナリスト協会主催の緊急公開シンポジウム「大地震でジャーナリスト、医療者はどう動いたか─被災地からのレポート」、これにご出席いただきましてありがとうございます。ただ今より始めさせていただきます。 シンポジウムの開催に当たりまして、今回の東日本大震災でお亡くなりになられた多くの犠牲者の方に黙祷を捧げたいと思います。皆様、起立していただき、1分間の黙祷をお願いいたします。 黙祷。 ありがとうございました。ご着席ください。それでは開会に当たりまして、最初に日本医学ジャーナリスト協会を代表いたしまして......。 昨年まで、5期10年にわたりまして会長を務められた大野(善三)さんに替わりまして、この2011年度から会長になりました水巻新会長より一言ご挨拶を申し上げます。では、よろし
東日本大震災関連の『ロハス・メディカル』5月号記事。今度は各版共通に掲載するものです。零細メディアゆえ機動力に欠けるという点は忸怩たるものがありますが、その分、少し俯瞰して理解する助けにはなると思います。実は、意外と分かってなかったことが多いのではないでしょうか。 (ここから) 東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発の事故は、にわかに放射線への恐怖を高めました。マスメディアによる報道も、派手に大量に流れた割にはよく分からないものが多くて、無用のパニックを呼びました。そもそも、放射線は医療の世界で有効に使われているものでもあります。原発のことはさておき、医学的な基礎知識を整理してみましょう。 監修/西尾正道 北海道がんセンター院長 いきなり恐縮です。「放射能」と「放射線」という言葉の意味が違うこと、ご存じですか? 区別せず、ごっちゃにしていた方も多いのでないかと思いますが、実は違うも
山口徹院長は、「万が一にも放射線による健康被害を生じた場合に、あらかじめ自己の末梢血の幹細胞を採取しておけば、そのような場合にも適切に対応できる。万が一の補償の策として非常に役に立つことを願っている」と述べた。 会見の模様は以下の通り。 [山口徹・虎の門病院院長] 院長の山口でございます。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。後は座らせてお話しさせていただきます。 [内田直之・虎の門病院血液内科医長] 皆様、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、原発作業員のための自己末梢血幹細胞採取に関して、虎の門病院の記者会見をさせていただきます。 会見させていただきますのは、国家公務員共済組合連合会・虎の門病院、山口徹病院長。 お隣が、虎の門病院血液内科、谷口修一部長。 さらにお隣が、九州大学遺伝子・細胞療法部の豊嶋崇徳准教授においでいただきました。
米国の入院期間が短い理由の一つには、ソーシャルワーカーが病院にたくさんいて、退院に必要な手続きの一切を引き受けてくれることがあると前回述べました。もう一つの理由に、米国と日本では入院の意味が異なることが挙げられます。 その違いを簡潔に述べると、日本では急性期と亜急性期まで病院で過ごしますが、米国で病院に入院しているのは本当の急性期のみで、亜急性期になったら別の施設に退院する、ということです。分かりやすくするために例を挙げてみましょう。糖尿病の患者さんが足に感染を起こし、それが骨髄まで波及し、点滴での抗生剤治療が4週間必要になったとします。日本では抗生剤治療が終わるまで4週間入院です。点滴治療中でも受け入れてくれる療養型施設もあるかもしれませんが、稀と考えていいでしょう。 一方、米国では同じ症例でも入院は1週間ほどです。原因菌の特定、適切な抗生剤の決定、治療への反応の観察といった目的で病院に
ある日突然、子どもの脚が一生動かなくなってしまうーー。「ワクチン後進国」といわれる日本では、今も予防接種による悲劇がくり返されています。いったん治っても数十年後に麻痺が現れる「ポストポリオ症候群」も、隠れた患者は多く、現在から将来へ不安を残しています。 監修/米本恭三 東京慈恵会医科大学名誉教授 「小児まひ」をご存知でしょうか。正式名を急性灰白髄炎。今でこそあまり聞かれなくなっていますが、半世紀前には世界で、そして日本でも大流行したポリオという病気によるものです。何より恐れられているのは、「小児まひ」の名のとおり、一生背負う麻痺症状です。 麻痺症状は、感染者の0・1~2%に現れます。問題は、日本ではポリオの予防接種による感染と、それによる麻痺が後を絶たない点。予防接種を打たなければ何の問題もなく元気に跳ね回っていたのに、です。そしてそのまま一生、手脚の自由を奪われる子が毎年数名ずつ、確実に
来年4月の診療報酬改定に向け、厚労省は3月2日の中医協で「病院医療従事者の負担軽減について」と題する資料を示した。 その中で、医師の長時間勤務への対応策である「交替制勤務」を導入している3病院を挙げ、「当直明け勤務免除や交替制勤務への評価についてどのように考えるか」と問題提起した。 厚労省が「評価」という言葉を使う場合、新たな診療報酬を設定したり現行の点数を上げたりするケースが多い。つまり、「交替制勤務」を導入できるほど医師数が充実している病院を来年度の診療報酬改定で優遇する方針が見え隠れする。大病院を中心とする連携体制をつくりたいのだろうか。 厚労省案に対し、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、「こういう病院はどれぐらいあるのか」と疑問を呈した。 「1つの科にたくさん医師がいないとできないので(導入できる病院が)限られるのではないか。こういうものに対して(診療報酬を引き上げる)
文部科学省は1月28日、「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」の第2回会合を開き、病院関係者から意見を聴いた。 ヒアリングに参加した本田氏は冒頭、「患者さんを診察して若手も指導している一勤務医の心からの叫びとして聴いていただければありがたい」と挨拶して、こう述べた。 「私はこの10年間、なぜ日本は医師不足で医療が崩壊してしまったかを考えてきました。やっと、だんだん分かりました。日本の国には社会保障基本法、つまり憲法25条を守る基本法もないし、患者の権利基本法がない。グランドデザインがないから、医師をどれだけ増やすとか、どれぐらいの医療・福祉体制を取るかを決めようとしても決めようがない」 その上で、本田副院長は「日本の人口当たり医師数はOECDの平均以下でビリから3番目。シンプルに計算すると12.5万人不足」と指摘。病院などの医師が2.4万人不足しているとした厚労省調査について、「
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『医と健康のフリーマガジン ロハス・メディカル Lohas Medical』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く