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昨年秋に劇的な進化をしたグーグル翻訳で、ミサイル配備をめぐり葛藤する中国と韓国の現地情報がビビッドに読めるようになりました。日本語版として提供される外国ニュースはポイント外れで魅力を欠くと再認識です。グーグル翻訳のような機械翻訳は従来は文法に則った翻訳を指向していたのですが、囲碁ソフトの進化で有名になった人工知能化に方向転換しました。細かく文法を適用するのではなく、使用例を大量に集めて類推する方向と言っても良いでしょう。ただ、それでも不完全な翻訳である点は免れません。大雑把なニュース理解で良ければ現時点のグーグル翻訳でもオススメできるレベルであり、細部を詰めて理解したいなら「POP辞書」の併用を推奨します。最新ニュースを例に使い方を見ましょう。 韓国聯合ニュースが15日午前10時に《中国国格の損傷を防ぐ?... 中ロッテマート商品毀損女性逮捕》を伝えました。ネット実況中継でロッテマートの商
2016年は海外から2400万人の訪日客を迎えました。経済効果や商売の話が優先されがちな話題ですが、日本理解が進んでいく指標として各国の人口当たりの訪日客比率を調べてみると新しい発見が見えてきます。訪日客数が急速に立ち上がった2013年から昨年まで4年間、各年の各国別人口比を計算して4年累計を出しました。香港62.5%、台湾55.0%、韓国29.7%、シンガポール21.4%が高率ベスト4であり、これだけ多くの国民が訪日してナマの日本理解が進まないはずがありません。一方で、大人口の中国が1.1%、米国が1.3%に達した点も見逃せません。また、英語・中国語と日本語を自在に通訳、持ち運べるスティック型のリアルタイム翻訳機「ili(イリー)」が6月からサービス開始と報じられ、日本理解で問題の言語の壁もやがて超えられそうです。 観光庁が2016年の推計訪日客数を発表している主要国を中心に、アジアと欧
将来は35%にもと予測された男性の生涯未婚率が25%に、女性も18%にとどまりそうです。昨年の国勢調査抽出速報を分析すると男女を問わず中年から高年の未婚率低下、即ち結婚がこれまでになく増えていました。各種の調査で「結婚できない」「結婚したくない」との声が若者を中心に聞こえていますが、中年に対する結婚意識調査は希であり、今回の変化を説明してくれる調査が見当たりません。この5年間を見回して結婚に向かう背景を考えれば、東日本大震災の後で人と人の絆を求める志向が高まった点は挙げられるでしょう。20年来、国勢調査で生涯未婚率の分析をして来て激変と言えるトレンド変化に出会い、にわかに信じられない思いがして10月の全体集計発表が待たれます。(第543回「脱未婚=結婚へ動き、30代から中高年まで活発に」11/05付で分析) 2000年以降の調査で得られた未婚率を5歳毎の年齢区分で並べました。国勢調査は5年
国立大に対する運営費交付金の継続的な削減が論文数・重要論文数の減少を招いている現状に、文科省主導の大学改革が決定的な打撃を与えそうです。新潟大教授が「年間研究費が3万円に激減」とブログで明かしました。独立法人化以前には研究費が40万円あり、以後やせ細りながらも昨年は10万円だったのに事務経費まで含めてこの金額では何も出来ません。毎年1%の運営費交付金削減は今年に限り見送られており、これほどの経費削減は文科省主導の改革で新学部創設が図られるからでしょう。地方の国立大は旧帝大などのように科研費が獲得できないでも、やり繰りして研究論文を生産してきたのですが、最終的に首が絞められたと言わざるを得ません。 新潟大の三浦淳教授(ドイツ文学)が《新潟大学の話題/ ブラック化する新潟大学(その17)・・・激減する研究費と羊のごとき教員たち》でこう明かしています。 《人文学部では教員一人あたりの研究費は3万
参院選の大勝に酔う自民党に冷水が浴びせられるかもしれません。有権者の1割がいる首都・東京でこれまでの国政選挙とはトーンが変わったのです。民主党から変わった民進党が自民を逆転したと考えられ速報します。全国区の集計には時間が掛かりますが、東京選挙区の候補者別得票を開票率99.07%の段階で主要党派別に合計して、過去の国政選での比例区党派別得票数と比較するグラフにしてみました。 自民から民主へ政権交代があった2009年総選挙から2010年参院選、自民・公明に政権に戻る2012年総選挙、続く2013年参院選、それに今回の参院選候補者別得票計を比べています。2009総選挙での圧勝の後、民主党の東京での得票は下がり続け、2013参院選に至っては公明・共産・維新・みんなの党にも及ばぬ惨憺たる水準に落ち込みました。しかし、維新がかつての勢いを失くし、みんなの党が消える状況の中で変化が起きました。 民進党代
富士川河口断層帯の位置を産総研が特定したニュースを見て、日本列島を震撼させている地震の中心軸が二つである点を思い起こしました。エックスに交差している2大軸を一緒に見せる地図が無いので自ら作成しました。ひとつは西端で今回の熊本地震の震源になっている中央構造線で東の端は関東に至ります。もうひとつは東海地震や南海地震が心配されている南海トラフで、その延長が富士川河口断層帯で上陸して富士山の西を北上、長野県諏訪湖付近で中央構造線と交差し日本海に抜けます。グーグルマップ「中央構造線」の上に南海トラフなどのデータを書き込んだのが次の地図です。濃い青が中央構造線で空色は推定部分、南海トラフと延長は赤い線です。 中央構造線から南側の陸地は、列島がまだ大陸の一部だったころ南方からプレートに乗ってやってきて元の列島北部と接合した部分です。その後、大陸の辺縁が割れ始めて列島が大陸から分離する際に、南海トラフと列
安倍首相は小学生から「プログラミング教育を必修化」と産業競争力会議で表明しました。教える人材を手当出来ない情勢から、街のパソコン教室以下とも言われる高校の必修科目「情報」の失敗を繰り返すのは必至です。「情報」はワードやエクセルなどを教えるだけの存在に成り下がったり、厄介者扱いで受験向け科目に振り替えられたりしています。2003年の必修化時にはそれなりの理想は掲げられていたのですが、情報専門の人材が高校に入ることはほとんど無く、教える先生の大半は数学などの教諭が夏休み3週間の講習会で免許取得認定を受けたのでした。今回も小中学校で同じことが起きると申し上げてはばからないのは、子どもの数が減っていく時期にぴたりと合致しているからです。 18歳人口の推移グラフです。2003年の「情報」必修化はハイティーン人口が急速に減っていくタイミングで実施されました。高校側には新教科導入に即応する新しい人材を雇
通常可聴範囲を超えた高音域まで再生して臨場感が評判のハイレゾ再生で落とし穴を発見したので報告します。ウインドウズパソコンで最も使われている再生フリーソフト「foobar2000」では音質劣化が発生しているのです。気付かぬままにこの1年間、使ってきましたが、ソフト側で何の加工もせずに再生するソフトと比べて「くすみ感・にじみ感の付加」や「音場感の狭まり」が観察できました。認識できれば音楽の興を大きく削ぐレベルと言え、使っている方はご一考あるべきです。 これまでウインドウズパソコンでの音楽再生は、基本ソフトOSに含まれるミキサー部分が音質に気を使わない設計になっていたのが欠点でした。音源ファイルが上質のデジタルデータでも、アナログ音に変え出力する時に汚していました。しかし、Windows Vistaから導入されたWASAPI(Windows Audio Session API:ワサピ)を使う設定
2015年に1973万人に達した訪日外国人客。リピーター獲得が課題と言われる中、国別に見ると既に飛び越えた動きがあります。空港間のシェア変動が東京・大阪間のゴールデンルートからはみ出しつつあると示します。特に注目は客数3位367万人の台湾、4位152万人の香港です。訪日外国人旅行者消費動向調査で訪日1回目が2割に満たず、10回以上と答えた人が2割以上いるのです。主要な国別に2013年と2014年の客数実績・伸び率、2015年推計値と各国・地域の人口に対する割合を一覧にしました。 人口比で台湾15.7%と香港18.9%は際立っています。国民のほぼ6人に1人、5人に1人が2015年中に訪日したことになるからです。続く韓国8.3%、シンガポール6.1%も驚くに値する数字です。2014年に日本から中国へは271万人、韓国へは228万人ですから、日本の人口比では2%のレベルです。シンガポール並になれ
先進国で稀な研究論文数の減少・大学ランクの退潮と科学技術立国が危ぶまれる事態の中、間もなく18歳人口減少で大学淘汰が起きます。政府の失政による若手研究者のポスト不足に、研究職激減の大波が加わります。2018年以降の大学淘汰時代が見えやすいよう、文部科学統計要覧・学校基本調査など公開資料からグラフを作りました。平成に入った1989年から2024年まで35年間の18歳人口の推移と、2015年までの4年制大学進学率の実績です。 18歳人口は団塊ジュニア世代がピークを作った1992年に比べると半減する勢いで減っています。2024年以降さらに18歳人口減は加速しますが、2024年に限っても2015年から14万人も減ります。大学進学率は男女合計で51.5%と頭打ち状態になり、これから伸びる余地はほとんどありません。減少分14万人の半分、7万人が大学に進まなくなると仮定して、現状に比べて学年定員1000
財務相の諮問機関、財政制度等審議会分科会で了承された国立大学法人運営費交付金の機械的削減とそれに見合う授業料の引き上げには唖然とさせられました。科学技術立国を根底から破壊する亡国の政策と言うしかありません。たかだか1兆円規模の大学交付金を減らしてきた上に更に削減する前に、40兆円にもなる医療費を何とかしろと言わねばなりません。財務省に予算の中身に踏み込み質を問うて削減するだけの能力が無いから、機械的予算削減に頼る恐ろしい事態です。 大手マスメディアはいまひとつ事情を飲み込めておらず、反応が悪いのですが、《国立大授業料 40万円値上げ 財務省方針 小中教職員3.7万人削減も》が明確に主張しています。《財務省は26日、国立大学に対する運営費交付金を削減し、授業料の大幅値上げを求める方針を打ち出しました。減額分を授業料でまかなうと、現在53万円の授業料が16年後に93万円にもなり、憲法26条が求
英国の教育専門雑誌が発表した世界の大学ランキングで日本勢の退潮が顕著に。政府はトップ100に10校の目標を掲げるのにトップ200にいた5校が2校に激減。これは国立大の研究活動を低迷させた文科省の責任です。読売新聞によると《下村文部科学相は2日の閣議後記者会見で、「論文引用の日本の地位が低下傾向にある。留学生や外国人教員の比率も国際的な評価が低く、文科省も大学も危機感を持たないといけない」と述べた》のですが、元凶がご自身である点に気付きません。 工学系の論文数で日本が韓国にも負けるようになったのでは、世界に伍していけるはずがありません。《これはやばすぎる:日本の工学系論文数はすでに人口5千万の韓国に追い越されていた!!》(ある医療系大学長のつぼやき)の分析をご覧ください。かつては得意としていた物質科学、エンジニアリング、コンピュータ科学の分野で韓国に置いて行かれました。 論文数全体でも先進国
文部科学省の2016年度概算要求が公表され、恐れていた国立大の研究崩壊へ予算編成の歯車が回り出しました。この問題について在京マスメディアはあまりに鈍感であり、科学技術立国が危機に瀕する事態に気付きません。86校ある国立大を3つのランクに方向付けする予算編成ですが、教育研究の基盤になっている国立大学法人運営費交付金に大きく手が付けられます。それでなくとも世界の中で日本の論文数だけが異様に停滞している傾向を第479回「無残な科学技術立国、人口当たり論文数37位転落」などで伝えてきました。2004年の国立大学法人化がきっかけになったのは明らかで、間違った政策の総仕上げがされようとしています。 2004年から国立大学法人運営費交付金がどう推移したかグラフにしました。法人化にあたり国会で「法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に教育研究が確実に実施されるよう必要な所要額を確保」との附帯決議があったの
中国株式の暴落が止まらず、6月半ばからの3週間で10兆ドル規模の市場から3割の価値が失われる惨状になりました。更に2割のダウンもあり得ると観測され、成長が鈍化した実体経済に響く可能性が高まっています。中国政府は市場を制御できると思い込み、暴落局面では報道を控えるようにとメディア規制にまで乗り出しましたが、打ち出す株価維持政策がどれも効きません。経済成長失速を隠す株式市場の好況演出がとんだ副作用をもたらしかねません。 上海市場の株価は1年前の水準から2.5倍にも急上昇していました。ウォールストリートジャーナルの《極度に荒れる中国株、当局の気まぐれがあだに》が政府が招いたものと主張しています。 《2012年後半に中国の最高指導部で権力の移行が行われているさなかに、中国株式市場の低迷が共産党の面目をつぶすかもしれない場面があった。政府当局はそのとき、新規株式公開(IPO)の扉を閉じてしまった。現
知的な営みを象徴する論文数が減少し、人口当たりで見れば東欧の小国にも抜かれています。研究者の供給源、博士課程への進学者が激減しているのですから、国是のはずの科学技術立国は瓦解と申し上げて良いでしょう。ポスドク1万人計画に乗った結果、定職がないまま30代後半から40代にもなった研究者からは悲痛な声があがっています。この事態にも政府は異常を感じ取れないと見えます。国立大学運営費交付金の重点配分が2016年から強化されると、中小の大学は人件費が賄えなくなって定員を減らさざるを得なくなります。退職者が出ても新規採用の見送りで対処するでしょうから研究者のお先真っ暗感は深まるばかりです。 文部科学省の学校基本調査から大学院博士課程への入学者数を拾いました。2003年には18232人もいた入学者が2014年には15418人にも減りました。しかし、実は社会人からの入学者が急増しているために嵩上げされていま
科学技術立国を唱えてきた日本の無残な実情が見えました。人口当たり論文数を指標にすると東欧の小国にも抜かれて世界で37位に転落です。国立大学法人化で始まった論文総数の減少傾向が根深い意味を持つと知れます。国際的に例が無い、先進国での論文長期減少の異常を最初に指摘して反響を呼んだ元三重大学長、豊田長康氏が新たに作成したグラフを《いったい日本の論文数の国際ランキングはどこまで下がるのか!!》から引用します。 グラフは「人口当たり全分野論文数の推移(3年移動平均値)。日本は多くの東欧諸国に追いぬかれた。」です。年単位の凸凹をならすために前後3年間の平均を採用しています。右端に並ぶ国名が2014年での世界の人口当たり論文数ランクになります。この数年でクロアチア、セルビア、リトアニア、ハンガリー、ポーランド、スロバキアといった東欧の小国に追い越されたばかりでなく、欧米先進国との差が開くばかりである惨状
福島の子どもに多発している甲状腺がんは「放射線の影響とは考えにくい」と専門家評価部会が中間報告をまとめました。彼らのボス、山下俊一氏が「もう増えない」と1年前にした予測と正反対の現実なのに唖然です。科学者が立てた仮説に現実が反していたら、仮説を疑うのが科学の大原則です。「100万人に1~2人」とされてきた従来の甲状腺がん発生頻度に対して、事故当時ほぼ18歳以下の38万5千人を調べて、これまでに87人のがんが確定しています。これは第一次検査段階である1年前の倍増以上です。「スクリーニング効果」では抗弁し得なくなっています。 山下氏は首相官邸の《福島県における小児甲状腺超音波検査について》で《医療界ではよく知られたスクリーニング効果(それまで検査をしていなかった方々に対して一気に幅広く検査を行うと、無症状で無自覚な病気や有所見〈正常とは異なる検査結果〉が高い頻度で見つかる事)の発生が懸念》と説
深刻な中国大気汚染に欠けていた“NHKスペシャル”を中央電視台記者だった柴静さんが自主制作して公開。中国版ユーチューブでの視聴回数は1億を超え、コメントが1日で5万以上と熱狂的に迎えられています。語りや表情までNHKキャスター国谷裕子さんを連想させる細身の柴静さんが、2000万円と言われる私財を投じて作った104分のドキュメンタリーです。重篤スモッグが注目された2013年から関心を持って追っていますが、中国側にまともな報道番組が出ない不満を持っていました。あのような独裁体制の国だから出来なくて仕方がないかと思っていたところに、汚染源に当たる企業、業者までほとんど実名で登場、政府や大手国有企業も批判してしまいます。 写真は重症患者の映像を語る柴静さんで、ユーチューブの記録ビデオ「穹頂之下」から引用しました。 10年前、山西省の空が石炭採掘で暗く汚れていた取材経験から、現在の全国的な大気汚染状
六ケ所村の核燃料再処理工場の安全審査を3月末で済ませ設備改善工事にかかる目論見を日本原燃が放棄しました。重大事故にも余裕があるとの定性的評価に対し、規制委は定量的に議論しなくては駄目だとすっぱり拒絶。来年3月末まで完工を延期していて、審査が終わり次第工事に入って間に合わせるとの釈明を信じる人はいないでしょう。本当の始末を付けぬ逃げ腰・曖昧が原子力の世界で横行しています。福島原発事故がどうして起きたのか、どう悲惨に展開したか、手抜きだらけだった事実をまたも忘れているようです。 原燃の放棄が伝えられた2月27日には大阪・熊取の京大原子炉で第111回原子力安全問題ゼミが開かれていて、4年ぶりの会に出席していました。上は過去最大140人参加でぎっしりの会場です。川野眞治さんが熊取6人組で先見性を発揮してきた過去を振り返った後は、小出裕章さんの定年退職に伴う最終講義のようでもありました。題して『原子
福島の子どもたちに発見されている甲状腺がんが原発事故による発症である疑いが決定的になってきました。原発サイトからの放射能流出が長期に渡った点も新たに判明、原因でないと否定していた行政側見解が崩壊です。事故直後の甲状腺検査で異常なしだった子ども4人に、今年になって2巡目の検査で「がんの疑い」が報じられました。 日経新聞の《子供4人、甲状腺がん疑い 原発事故直後「異常なし」》がこう伝えました。《今回判明したがんの疑いの4人は震災当時6~17歳の男女。1巡目の検査で「異常なし」とされていた。4人は今年4月からの2巡目検査を受診し、1次検査で「B」と判定され、2次検査で細胞などを調べた結果「がんの疑い」と診断された。また、1巡目で、がんの診断が「確定」した子どもは8月公表時の57人から27人増え84人に、がんの「疑い」は24人(8月時点で46人)になったことも新たに判明した》 《幻の放射性ヨウ素汚
「骨太の方針」が決定された後、読売新聞が再来年から国立大交付金を重点配分する政府方針を報じました。手を出すべきでない愚策であり、先進国で唯一、論文数が減少中の日本の研究体制が崩壊する日が見えてきました。2004年の国立大学独立法人化からボタンの掛け違いが始まっています。独立法人にすることで大学の裁量幅が広がるどころか、人件費・諸経費を賄っている国立大交付金を絞り続けて10年間で13%も減額され、研究費を外部から獲得する競争に研究者は追われるようになりました。人件費縮小は若手研究者ポスト縮小に直結しました。「重点配分」を求める財務省は大学教員は多すぎると考えているのですが、研究を担うのは人である点を忘れています。 「骨太の方針」には「国立大学法人への運営費交付金を抜本的に見直す」と書かれており、読売新聞は1兆1千億円の4割を「学長のリーダーシップや学力向上などを評価の基準に使い、改革に積極的
韓国船セウォル号沈没事故の惨状はどこかで見た光景です。大震災の夜、全電源喪失の福島原発に電源車が向かうと一切放置になりました。救助艇は沈没1時間も前に着いたのに乗客がデッキに並ばぬ異様さを疑いません。真っ先に船を離れた船長は論外として、救助当事者も必死でベストを尽くそうとしていないのは、報道された写真からも明らかです。穏やかな天候の昼間、300人が犠牲になる事故現場とはとても思えません。 船長が離船した際とされる写真です。この高いアングルで撮影されている以上、ボートのような小舟ではなく、責任者がいる救助艇です。これだけ旅客船が傾いていて避難客がなく救命ボートも浮きも使われていない不自然さに、海事関係者なら気づかないはずがありません。海上保安部の取材経験がある私には信じられません。客は救命胴衣着用の上でデッキに出て待機が常識なのに、船内ではこの時、「動かずに救助を待つように」と放送が続いてい
読解力と数的思考力でトップを得た国際成人力調査は手放しで喜べず――裏側に大きなデジタルデバイド問題を内包していたと指摘しましたが、さらに知的好奇心の面でも日本は欧米に比べ特異に低いと判明しました。OECD国際成人力調査の生データを独自分析したのが《成人の知的好奇心の国際比較》(データえっせい)です。以下に引用するグラフが示すように設問「私は新しいことを学ぶのが好きだ」に「とてもよく当てはまる」か「よく当てはまる」と回答した日本人は43%しかなく、米国人の81%とは大きな開きがあります。パソコンの苦手ぶりはわたしの『デジタルデバイド問題が表面化した国際成人力調査』で扱っています。 好奇心についての設問は最初の背景調査の項目です。背景調査の後、パソコンで回答できるグループは「読解力」と「数的思考力」に「ITを活用した問題解決能力」を答え、パソコンが出来ないグループは紙で読解力と数的思考力だけに
電子端末で読書するための画像変換「自炊」を業者に代行させるのは違法と、9月末に東京地裁が判決を出しました。著作権法の判例から予測できた判決で、これで非破壊スキャン機の改良と普及に突き進む予感がします。代行サービスの場合は本の所有者が背の部分の裁断とページのスキャンを依頼します。スキャンした裁断原本を廃棄する原則を守れば「本」の数は増えません。今年夏、登場した非破壊スキャン機は図書館から借りた本からでもスキャンした「画像本」を作ってしまいます。代行業者の駆逐が、裁判に訴えた作家ら著作権者にとって本当に良い選択だったのか疑問です。何しろ日本のメーカーは狭い市場でもニーズがあると認識したら、安くて便利な機械に進化させるのが得意なのです。 著作権法が許している私的複製に、著作物を所有している利用者の代行サービス依頼が当たるかが問題でした。公開された判決文は極めてオーソドックスで、身も蓋もありません
IOC総会での安倍首相説明には嘘がある――福島原発事故をウオッチしてきた眼には明らかです。しかし、国際公約してしまった以上、安全なタンクを造って汚染水を早急に移転してしまう緊急措置が欠かせません。政府は原子炉建屋周辺を囲む遮水壁建設と汚染水浄化を打ち出しましたが、タンクについては眼をつぶっています。お手軽に作られた地盤の上にある1000基ものタンクは大きな地震には耐えられないと見られます。倒壊や配管破断があれば千トン単位で直接、海に流出するでしょう。タンク群がある原子炉後背地の汚染拡大は収拾計画全体を崩壊させる恐れがある点も合わせ、正規基準に則った安全なタンク新設と汚染水移転を急ぐべきです。これから何年もの間、問題を起こす大きな地震が来ないと考えるのは楽天的に過ぎます。 安倍首相の「(福島第1原発の)状況はコントロールされている」説明と合わせて、菅義偉官房長官が記者会見でした現状認識にも問
ファイル共有ソフト・ウィニー開発者で2004年に逮捕、2011年の最高裁で無罪確定まで司法の闇に苦しんだ金子勇さんが6日夕、急性心筋梗塞で死去。東大に特任講師として今年戻ったばかりの惜しまれる死でした。誕生日不詳ながら42か43歳のはず。天才と言われた研究者個人の貴重な30代を奪ったばかりか、国内のソフトウエア開発の自由全体を萎縮させる司法の定見の無さが強く印象に残っています。最近のPC遠隔操作事件でいま再び、思い込みによるゴリ押しが見られる現状は、検察・警察には技術に関わる事件捜査に反省がないようです。 死去の報はWinny弁護団事務局長だった『壇弁護士の事務室』ブログに「訃報:将星隕つ」として掲載されています。「誰かが、不特定多数の人が悪いことをするかもしれないとを知っていて、技術を提供した者は幇助なんだということを、裁判所が真っ向から認めてしまった。これは絶対変えなければならない」と
都議選での自公の圧勝劇は過去2番目の低投票率の中、組織が堅かった自公共が強かっただけです。昨年末の総選挙に続いて非自公の有権者はゲーム感覚で大量に投票をパス、自公に乗り換えぬ意思表示をしました。全員当選で大勝ちした自公政権には、票の移動が無かった点で不気味ですらあるはずです。7月の参院選までの期間が短すぎるので同じ傾向が続く可能性が高いと見られますが、その後は政治的受け皿の出来次第でいつでも大きな様変わり、政権交代があり得る状況が継続します。 昨年の総選挙比例区東京ブロックで、民主が100万票、維新が130万票、みんなの党が76万票を得ています。これと今回の都議選で得た得票数を比べると、失った票は民主40万票、維新100万票、みんな46万票に達します。総選挙から都議選の投票総数の落ち込み197万票が3党の失った票でほぼ説明がついてしまいます。結果としての当選者数は圧倒的ながら、自公に大して
書籍が無傷のまま電子本にスキャンしてしまえる非破壊スキャン機が登場、7月発売なのに見る見るうちに人気を上げています。限られた好事家の範囲に留まらない可能性が高まり、書籍流通に大きな波乱要因発生です。「ScanSnap SV600」が12日に発表された時点ではアマゾンでメーカー直販価格と同じ59800円での予約だったのに、既に5万4千円台まで下がり、相当な引き合いがあったと考えられます。いわゆる「自炊」の簡便化で、オフィスや家庭などへの普及具合によってはベストセラー本の売れ行きが大幅にしぼんでしまう恐れがあり、市場の縮小で苦しむ出版業界には打撃になります。 図のようにA3サイズでスキャンは3秒です。本の厚さは3センチまでです。東大生協に置かれたデモ機をリポートした《話題の非破壊型スキャナ、ScanSnap SV600に触れた》によると《台座部分にある「Scan」ボタンを押すと、ヘッドが動き対
福島市の市街地の半ばが放射線障害防止法に照らせば居住不適との測定結果が出たのに、全国的に報道されません。住民を避難させたくない自治体とマスメディアが結託している暗闇状態がまだ続くのでしょうか。福島市が3月に市内全域で実施した測定結果をまとめた放射線量マップには全部で783ある測定区画の内、398区画で0.75マイクロシーベルト毎時を超えていると明記されています。これは宿泊はもちろん飲食も禁じられる「放射線管理区域」の設定基準3カ月1.3ミリシーベルトを、2割以上上回ります。 唯一見つけられる記事は福島民友新聞の「毎時1マイクロシーベルト未満95% 福島市放射線量マップ」です。「市内全域の平均測定値は毎時0.56マイクロシーベルトと昨年3月のマップの平均値より0.21マイクロシーベルト下がり、除染計画目標値の毎時1マイクロシーベルト未満の区域が全体の95%を占めた」と、行政サイドの除染計画に
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