前の記事⇒1960年代編 1970年代『アラベスク』と『SWAN』。この2作品の登場は、バレエ漫画のビック・バンを意味します。 60年代までのように、母親がバレエをやっていたから主人公も当たり前のように踊れる、なんてことは、もうあり得ません。「アン・ドゥ・トロワ」のかけ声で終わる練習風景も、70年代以降は消え去ります。 主人公には、バレエの楽しさを教えてくれた「バレエの母」がいて、バレエとは何たるか教えてくれる先生がいます。 そして主人公は、バレエという芸術の真髄に近づくために踊るようになります。 バレエ漫画の作風が一新された70年代ですが、多くの編集者は、「バレエ漫画はもう古い」「描くならスポ根モノに」という意見でした。 『アラベスク』は3回、『SWAN』は10週で終了の予定で、2作品とも初めは歓迎されていなかったと言われています。 しかし、漫画の名作はいつも編集者の意表の突かないところ