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大谷翔平
soki.free.fr
目次 序 第一章 道徳・政治諸科学と社会数学 第一節 道徳・政治諸科学と社会数学の関係 第二節 社会数学の全体像 第二章 コンドルセの社会科学の内容とその性質 第一節 『多数決の蓋然性に対する解析の適用の試論』について 第二節 社会数学の認識論的基礎 第三節 選挙理論 1 『試論』執筆の目的及びその方法論について 2 投票集団の啓蒙度と議会の規模 3 複数候補からの一者選択 第四節 ベイズ主義的推論 第三章 コンドルセの科学思想の限界と19世紀への影響 第一節 『試論』にみられる社会数学の限界 第二節 社会数学・社会科学のその後 結語 付録 参考文献表 「序」へ My Worksへ戻る
イアン・ハッキング『偶然を飼いならす』木鐸社,1999年5月,xii+354頁,4500円,ISBN4-8332-2274-4.(原著,Ian Hacking,The Taming of Chance,Cambridge University Press,1990). 20世紀の物理学は世界に対する概念を塗り替えた.量子力学を皮切りに「世界は決定論的なものでない」ことが発見されたのである.しかし,実はこの転換に先駆け,「この世界は確かに秩序だっているが普遍的な自然法則に従っているのではない」という考えが19世紀を通じて浸透していったことを見のがしてはならない.その「秩序」とは今日の我々が「統計学的法則」と呼ぶ類いのものであり,広く「偶然」(chance)の作用する現象が対象となる.すなわち,20世紀の発見以前に決定論は「偶然」により侵食されていたのだ.その緩やかな転換の背景には、人間や習俗
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